2017年4月28日 (金)

山崎ハコの世界

山崎ハコさんの歌が好きだ。
信州に来て地域医療をしながら、これでいいのか、と悩んだとき、
「飛・び・ま・す」という歌に救われた。
もっと激しく飛んでいいんだと思った。
そして、「望郷」。
山崎ハコさんは「日曜はがんばらない」(文化放送、日曜午前10時から)のゲストにも来てくれ、ぶしつけなぼくのムチャブリにも応えて歌ってくれた。
彼女の人生はとても大変だった。
突然、会社も、住むところもなくなり、路頭に迷った。
それでも歌があるから救われたという。
そんな山崎ハコさんのライブがある。

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山崎ハコ カ・ン・レ・キ バースデーライブ!
5月13日(土)18時開演
5月14日(日)17時開演
会場はどちらも渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール

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2017年4月27日 (木)

鎌田劇場へようこそ!(251)

「八重子のハミング」 

元教師の夫婦。妻が認知症になっていく。
介護生活12年。 若年性アルツハイマー病。進行が速かった。

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ぼくは、ずっと地域包括ケアをやってきた。しかも映画が大好き。

認知症の方ともたくさん関わってきた。だから、こういう映画をできるだけ応援してあげたくなるのだが、実際は、ブログや映画評であまり取り上げてこなかった。

ぼくは自分の感性をゆさぶってくれるような映画が好き。こういう社会に呼びかけるような映画は、「いい映画だね」の一言で終わってしまうことが多い。

この映画のように、重度の認知症の大変さがよく現れている映画を見てしまうと、「認知症は大変だから、認知症になったら安楽死がいい」という意見も出てきてしまうのだ。

主人公の八重子のような重度の認知症は、パーセンテージでいうと実はそう多くはない。もっと、まだらな状態で生活ができる。軽度化中等度の人が多いのだ。それを誤解されるのは残念だなと、こうした類の映画をみると思ってきた。

でもこの映画は、実によくできている。

大切な人がゆっくりと記憶を無くしていくことに、ゆっくりと付き合うことを、夫は覚悟する。温泉宿の女将の優しさ、喫茶店のお茶のみ仲間たち、夫の息抜きに一緒にパチンコに行ってくれる同級生の内科医など、いい人間関係がうまく映されている。

「地域包括ケア」なんて言葉はもちろん一度も出てこないが、「地域包括ケア」が見事に息づいている、地方の町の生活の匂いがとてもいい、あたたかな映画だ。
有楽町スバル座で5月よりロードショー。

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2017年4月26日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(250)

「怪物はささやく」

これぞ映画!ファンタジーだ。
でもリアルな世界と遊離しないファンタジーになっていることころがすごい。ダークファンタジーだ。

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児童文学の最高傑作。いくつもの賞をとったイギリスの作家パトリック・ネスの作品を映像化した。癒しの映画だ。

シングルマザーの、たった一人のお母さんが、難病で死んでいく。13歳の少年コナーは、は納得できない。

そんなコナーの前に木のモンスターが現れ、
「これから3つの真実の物語を語るから、4つ目は、あなたの真実の物語を語らなければいけない」
と告げる。

モンスターの語る3つの物語には、色々な仕掛がされている。

自分の愛する人を自らの手で殺しておきながら、王になり、良い国を作った男の話。

同級生にいじめられ続けた主人公が、「透明人間」と言われてから、自分が存在していることを明確にするために、初めて命がけで戦いに挑む話…。

何がよくて何が悪いかは、実はそう簡単ではないのだということがわかってくる。

時には破壊することの大切さも語られていく。 優しくて愛にあふれていればいいだけではない。それが人生なのだということを、わからせてくれる。

おばあちゃんと、なかなかうまくいかなかった。お互いが、相性が悪いと思っている。しかし、怪物のお蔭で理解しあえるようになる。

少年が大切な人を手放し、親から自立していく物語でもある。愛の物語でもある。
人を大切にするということはどういうことなのか、を考えさせてくれる映画でもある。
時には壁をぶち壊すことの大切さをこの映画が教えてくれる。

今年一番の僕好みの映画だ。
「ラ・ラ・ランド」も、アカデミー賞をとった「ムーンライト」もすごいが、ぼくにはこの「怪物はささやく」が、何倍もいい。怪物が、大きくて、かっこよくて、かわいいのだ。

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