食の崩壊4
今日は、「がんサポート」(エビデンス社)の企画でお二人の方と対談をした。
午前中は、読売新聞の田中秀一さん。
有名な医療ジャーナリストである。
彼が最近出した新しい本「がん治療の常識・非常識 (ブルーバックス)」 (講談社) を肴に、初めての対談である。
午後は、埼玉大学の大西秀樹教授。
「がん患者の心を救う―精神腫瘍医の現場から」(河出書房新社)という本を4月に出している。
14時半頃から、大竹まことのゴールデンラジオ!(文化放送)に出演した。
その後、文京学園で講演会をした。
JIM-NETのスタッフがやってきて、がんばらないレーベルのCDを販売してくれた。
利益はもちろんイラクやチェルノブイリの子どもたちの薬代になる。
食の崩壊(4)
有害な農薬を使って栽培された野菜が外国から輸入されても、なかなか判別がつかない。国内のものでも偽装表示が問題化している。危険な食が氾濫し始めている。
白いごはん、白い砂糖、白い小麦。精製された食品が多くなった。胚芽米や雑穀が大事なはずなのに、表面上のおいしいものによろめき始めている。
もともと低い食の需給率が、食の需給率が低下し出している。大きな問題である。米の値段が下がり、米作農家は元気がない。米作農家をもっと大事にする必要があるだろう。
がんの末期の患者さんに、何か食べたいものはと聞くと、ビフテキなどと言う人は今までいなかった。地ゴボウをもう一度食べたいという人がいた。土地の人が愛す、不気味な形をしたおいしいきのこである。形が不気味なため、商店で取引されることは少ない。自分で採りに行かない限りなかなか食べられないのである。
体と土はつながっている。昔からその土地に伝わる食べ物には、見えない命が宿っているのだろう。日本人は食文化を大切にしてきたのに、この2-30年の間に、培ってきたその食文化を放棄し出している。
地ごぼうが食べたいというがんの末期のおじいちゃんの話を聞いて、スタッフが山へ採りに行き、味噌汁にして出してあげた。おじいちゃんは泣いて喜んだ。
おじいちゃんが亡くなった翌年、おじいちゃんの家族が、「おじいちゃんが泣いて喜んだから」と言って地ゴボウを病棟へ持ってきてくれた。それを他の入院患者さんへ食べてもらった。
命のバトンタッチが行われているのだ。
良い食は、人と自然を結んでくれる。良い食は、人と人とのつながりを築いてくれる。良い食は、体と心をつないでくれる。良い食によって心が満たされると、体も元気になる。
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