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2008年5月25日 (日)

イラクの病気の子ども達1

今日は、埼玉県春日部市にある秀和綜合病院で講演を行った。
院長の五関先生は、大学の1年先輩である。
野球部でピッチャーをしていた。ぼくはキャチャーとして五関先生の球を受けていた。バッテリーを組んでいたのだ。昔よくご馳走になったので、恩返しをしなくてはいけない。
会場のロビーは700人ほどの人であふれ、たくさんの方が聞きにきてくれた。

イラクの病気の子どもたち(1)

080525_2  アハマド・サラームは8歳の男の子。急性リンパ性白血病。バクダッドで2005年、発病した。
 イラクでは治療ができないと言われ、ヨルダンのがんセンターへ紹介された。
「絶望に襲われた。でも、どんなことをしてもこの子を助けたいと思った」
 と、お父さんは言った。

 バクダッドからヨルダンのアンマンの病院へ向かう間中、14時間、車の中でずっとアハマド・サラームは泣き続けた。家が恋しかった。お母さんが恋しかった。

 ヨルダンのがんセンターに着いてからも、「イラクにいつ帰るの、いつ帰るの」と泣き続けた。どんなにイラクが荒れ、バクダッドが危険になっても、アハマド・サラームにとっては大切な家だった。

 3年間、必死に治療を続けた。

 治療が長引いて、副作用で苦しいときに、JIM-NET(ジャパン・イラク・メディカルネットワーク、代表:鎌田)が派遣をした学校の先生、イブラヒムに病院の中で勉強を教えてもらった。勉強を教えてもらうことは心の支えになった。

 アハマド・サラームは、今、1年おくれたが、バグダッドの学校に通い出した。勉強が好き。特に理科が好き。大人になったら先生になりたいと言う。いい笑顔である。

※写真は、白血病の少年、アハマド・サラーム君。

<つづく>

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