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2008年5月27日 (火)

イラクの病気の子ども達3

9時から諏訪中央病院看護学校の1年生に1時間の授業を行った。ホスピスの回診。13時から予約外来。夕方、厚生労働省の課長と雑誌の対談を行った。

イラクの病気の子どもたち(3)

 <ヨルダンにて>
 マリアンは12歳の女の子。2カ月前と6カ月前に、親戚のおじさんが2人、バクダッドで殺されたという。お母さんの乳がんが再発しないことを祈っている。イラクは大好き。早く平和が戻って、イラクに帰りたいと言う。

 今、マリアンはヨルダンの学校に通っている。幸せな方である。アラビア語の勉強が好き。
 明日、イラクとヨルダンのサッカーの試合がある。
「どっちを応援するの」と僕が聞くと、
「ヨルダンも好きだけど、やっぱりイラクを応援する」と恥ずかしそうに笑った。

 最近、イラクからヨルダンへやって来た子は学校へ行けない。
「私は学校に行けてるから幸せ。
 同級生に、イラク人だといってばかにされることもある。でも、先生はよく守ってくれる。いじめられても私は学校が好き。
 昔は、サダム・フセインが好きだった。でも、今は嫌い。イラクの国をめちゃくちゃにしたから。サダム・フセインが処刑されたことは知っている。仕方がないことだと思う。
 私が6歳のときに、私はイラクを出た。イラクのことはいっぱい覚えている。イラクへ帰りたい。友達のことも覚えている。しかし、今、生きているかどうかはわからない。イラクは美しい。だれも嫌いになる人なんかいない、いい国だった。
 まるでパズルのようだ。すべてがうまく当てはまらない。私の将来が見えてこない。私の将来はわからない」

 12歳のマリアンは、美しい顔をしながら、悲しげに笑った。

 なぜ、子どもたちに未来をあげられないのか、悔しい。

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