食の崩壊1
諏訪中央病院には美しい庭がある。いつもグリーンボランティアの方々がきれいに手入れしてくれている。だれでもハーブや花を摘んでよいことになっている。車椅子でも通れる小道もあり、患者さんやそのご家族のための憩いの場になっている。
5月初め、その庭に美しい紫色のチューリップが咲き乱れた。有名な英国園芸研究家で、蓼科高原 バラクラ イングリッシュ ガーデンのオーナー、ケイ 山田さんが病院に寄付してくださったのである。紫と淡いグリーンのコントラストが実にみごとである。ケイさん、どうもありがとうございました。
今日は、諏訪中央病院 看護専門学校で授業を行った。テーマは「脳死と臓器移植」。授業が終わると、緩和ケア病棟の回診を行い、その後、TBSテレビ夢の扉のスタッフが打ち合わせにやってきた。午後は予約外来である。
夕方、文藝春秋の編集者が取材にやってきた。
後期高齢者医療についての取材である。
先週サンデー毎日に後期高齢者医療についての意見が他の人たちと違っておもしろかったらしい。
来月号の文藝春秋を読んでください。
今月号には、グラビア「日本の顔」に出ています。
少し前、文藝春秋に「食」の崩壊について文章を載せた。
食の崩壊(1)
アメリカは傷ついていた。日本に経済で№1の座を奪われ焦っていた。1970年代後半、心臓病とがんが多く、国民の健康が脅かされていた。医療費が高く、アメリカ経済の足を引っ張っていた。
医療改革を行うために、上院に国民栄養特別委員会が置かれ、7年の歳月と数千万ドルの国費が導入され、5千ページのめくら判レポートが出された。
脂肪の摂りすぎで乳がん、子宮内膜がん、前立腺がん、大腸がん、すい臓がん、胃がんなどの発症率が高まる恐れがあるとまとめ、高カロリー高脂肪食を減らし、精製しない穀物、果物を多くとることを強調した。
日本食が理想的だと述べ、日本食ブームの火付け役となった。アメリカからヨーロッパへ広がり、日本食ブームは一大潮流になり出している。
世界が日本食に高い評価を当てているにも関わらず、日本人が日本食から離れ出していることは、一つの大きな問題である。
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