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2008年7月31日 (木)

射水市民病院でおきたこと

富山県の射水市民病院で、末期がん患者ら7人の人工呼吸器がはずされて死亡した問題で、県警は二人の外科医師の書類送検を決定した。ずいぶん時間がかかった。

県警は会見で、「厳重な処罰は求めるものではない」とも述べている。
現行の法体系では殺人罪に問わざるを得ないから、送検したということらしい。

基本的には日本では安楽死は認められていない。
安楽死は認めないが、
回復の見込みがなく、死が避けられない末期状態で、患者の意思表示があることなどの条件がそろえば、延命治療中止が認められる。
いくつかの事件の判決がそう明確に示している。

この数年続いている呼吸器はずしで、いつも一番求められているのは、それを患者が望んだかどうかである。
元気だった頃、延命治療は望まないなどと書きおいていないか、あるいは家族に話していなかったか。
射水市での事件の場合、ここが不明確なのである。
一言でもカルテ上に書かれていれば、おそらく警察もマスコミも大騒ぎせず、むしろ好意的に認めていくのではないだろうか。

週刊誌や月刊誌で意見を求められると、
この二人の外科医師は、新しい時代の命に対する常識が欠落していた。
ぼくは自分の意見としてそう表明してきた。

同時に、この二人の時代遅れの意識を持った外科医を、書類送検してはいけないとも述べてきた。
もっと違うところで議論されるべきである。
この二人の医師に落ち度があり、反省すべき点があるとすれば、
数ヶ月かけて新しい医療倫理学を学ぶなど、課題を提示しクリアさせ、医療活動を継続できるようにすべきである。
悪意のない医療活動でおきたことに、警察が介入することを極力控えるべきである。
そう述べてきた。

しかし結局は書類送検になってしまった。
ただし、県警が会見で「厳重な処罰は求めるものではない」と明確に述べていることは、評価したいと思う。

医療上で起こる問題に対して、警察に変わる議論の場を、早く設けるべきだと思う。

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