« 温暖化と原発 | トップページ | がんばらないレーベル第3弾 »

2008年8月15日 (金)

カフカのプラハをさまよう

Image089 グレゴール・ザムザはある朝なにやら胸騒ぐ夢が続いて目覚めると、
ベッドの中の自分が一匹のばかでかい毒虫になっていることに気がついた・・・

フランツ・カフカはこの街で「変身」を書いた。
ぼくはいまカフカがさまよった街プラハに来ている。

Image091_2明け方いつものように起きだすと、カフカの街を歩いた。

小路がみな曲線を描いている。夜明けの薄明かりの中、モルドバ川まで散歩して、ホテルになかなか戻ることができなかった。ぼくはプラハの旧市街で迷子になってしまった。

カフカの匂いを感じながら、やっとのことでホテルにたどり着いて、もう一度ベッドにゴロンと横になった。ウトウトしながら、カフカの文章が頭の中に蘇ってきた。

甲羅のような硬い背中を下に、仰向けで彼は寝ており、ちょっと頭を持ち上げると、
丸く盛り上がった褐色の弓なりにいくつもの環節にわかれた自分の腹部が見えたが、
てっぺんには掛け布団がいまにもずり落ちそうになりながら、かろうじてなんとか踏みとどまっている。

プラハの朝に包まれて、ぼく自身が毒虫になっていくような感じを覚えた。

Image092朝ごはんを食べ、太陽の上がったプラハ城を散策し、一番楽しみにしていた黄金小路に入った。かつて錬金術師たちが生活していたという小さな小屋が並んでいる。頭をぶつけそうなくらい小さなドアを開け中に入ると、なんとも不思議な空気が漂っていた。

ダウンタウンの喧騒の中では小説を書くことができなかったカフカは、この黄金小路の小屋を借りて、昼間はサラリーマンとして働き、夜は小説を書き綴っていた。

カフカはプラハであり、プラハはカフカであるという言葉を聞いたことがある。プラハがあったからこそ、カフカはあの名作を書いたような気がする。

Image093 不思議な迷宮、美しい街。
どこまでも迷路のような道が続いている。
とてつもなく美しく、とてつもなく大きい。

不思議な街をぼくは今さまよっている。

|

« 温暖化と原発 | トップページ | がんばらないレーベル第3弾 »

旅行・地域」カテゴリの記事