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2008年9月

2008年9月30日 (火)

金融資本主義は下品だ

証券会社リーマン・ブラザーズが破綻した。CEOは200億の給与をもらい、300億円の退職金をもらうという噂を、数年前に聞いたことがある。

金融工学という錬金術をマジックのように使い、お金をどこかからかすめとってしまう。こんなことが合法的に行われる金融資本主義が長期的にうまくやり続けることがきでるわけがないと、ぼくは思う。

日本はこれに引きずられて経済をさらに悪化させてはいけない。年収200万円以下のワーキングプアが既に4人に1人いるという。これ以上ワーキングプアを増やしてはいけないのである。

三菱UFJフィナンシャル・グループは、モルガン・スタンレー株式の21%を取得すると発表した。また野村ホールディングスはリーマン・ブラザーズのアジア・太平洋部門と欧州・中東部門を買収するという。とてもいいことである。

今日本は土俵際で元気を出していく必要がある。1993年のGDP世界第2位から現在18位に脱落した弱腰の日本経済を、もう一度力強く蘇らせる必要がある。

金融資本主義にあまり手を染めず、実態ある資本主義、つまり製造業を中心とした、大金は稼げなくとも小金を稼いでいく資本主義に、日本は戻るべきだと思う。

1500兆円もの預貯金を持っている日本である。まだまだ足腰はしっかりしているはず。無能な政治家たちを舞台から降ろして、新しい引っ張り役を生み出さないといけない時期にきていると思う。

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2008年9月29日 (月)

3/13 がんばらないレーベル・コンサート

Glabel_logo3月13日、チェロ奏者のブラダン・コチがプラハから来日して、
東京でコンサートを行う予定である。

がんばらないレーベル第3弾は、
クラッシックCDアルバム「プラハの春」(仮)。

プラハでのレコーディングは無事終わり、現在製作中で、
3月に発売予定です。お楽しみに!

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2008年9月28日 (日)

2/22 サダコ映画会&鎌田實講演会

イラクでコレラが流行っているという。イラク政府は70数名のイラクでのコレラ患者の発生を認めている。しかし一方で、何千人ものコレラ患者がいるという噂もある。治安だけではなく、衛生面でも心配な状況が生まれ出している可能性がある。

JIM-NWT会議が行われた。

イラクの病気の子ども達を救うため、今年もバレンタインにボランティアチョコレートを販売することに決めた。自衛隊が派遣されていたイラク・サマワで白血病と闘っているハウラちゃんに絵を描いてもらい、北海道の六花亭にも協力してもらって、7万個発注。1個500円で販売する。ぜひご協力をお願いします。

昨年は坂田明さんらクインテットに協力してもらい、バレンタイン・チャリティ・コンサートを行った。

今年は2月22日、東京でサダコの映画と鎌田實の講演会を行う予定である。

広島で被爆し、千羽鶴を折りながら白血病と闘った故・佐々木禎子(さだこ)さんの折り鶴が、「サダコ」・虹基金創設者の故・大倉記代さんからJIM-NETにバトンタッチされた。それについてメッセージを送りたいと思っている。

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2008年9月26日 (金)

「いいかげんが いい」

ついに「いいかげんが いい」の脱稿が終わった。いよいよ10月24日、集英社より発売される(税込1000円)。なかなかの出来栄えだと思っている。

北京五輪女子マラソンで金メダル候補を期待された野口みずき選手が欠場し、土佐礼子選手は途中棄権。男子の大崎悟史選手は左股関節の痛みのため欠場した。

本番に勝負をかけなければいけないのに、その前にかげんを忘れてやりすぎて、本番のオリンピックに出ることさえできない。屈辱である。

それに比べると男子100メートルリレー銅メダルはなんとも見ごたえがあった。まあ、結果論かもしれないが、走った後がいいのだ。

末續慎吾選手の言葉が一番はしゃいでいて好きだった。
「夢中でした。おもしろかった。まるで、おもちゃをもらった子どもみたい

朝原宣治選手も、「楽しむのを忘れないようにチェックしてやってきた。最高に気持ちがよかった。夢のような空間を走りました」
いい言葉である。もう歳は限界を超えているのに、上手に「かげん」を考えながら今の最高の力を発揮した。

「いいかげん」の極意を持つ必要がある。日本人は「かげん」を越えて全力投球しないと認められない社会に生きているので、ついつい無理をしてしまう。紙一重の話だが、「いいかげん」が必要なのである。

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2008年9月25日 (木)

日本の医療制度の危機

後期高齢者医療制度の余波が出ている。

09232 後期高齢者医療制度の財政負担を5:4:1の形で明確にしたこと、そして前期高齢者に対する健保組合に対する新たな負担が加わったこと。これによって、健康保険組合連合会に加入している1500組合の約9割が赤字の見通しという。

西濃運輸の健康保険組合の解散の次には、京樽の健康保険組合も解散した。解散後は中小企業が加入する政府干渉健康保険組合へ移る。ここにはかなりの税が注ぎ込まれおり、ここにどんどん健康組合が解散して加入して行くと、税で国民皆保健制度を守ることになっていく。これも厚生労働省がつくった、国民皆保険制度を守るシステム上の間違いがあったように思えてならないのである。

後期高齢者医療制度に関しても、国民皆保険制度を守るそれぞれの財政支援の負担の割合に関しても、この数年の制度の手直しに関しては、財務省の負担だけが減っていくような、巧妙な手口が使われている。財務省の一人勝ちである。すべての国民に負担が押しつけられ、ぎりぎりなんとかうまく運営されていた健保組合まで大変な状況に追い込まれ出している。

政治の発想が悪いのだろうと思う。医療費を切り詰めて構造改革をしているので、ジリ貧の政策しかできていない。鎌田がこのところずっと強調している、33兆円の医療費を40兆円に増やす中で問題解決しないかぎり、日本の医療制度は守れないと、強く強く思う。

写真は、岩次郎小屋から眺めた秋の山並み

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2008年9月24日 (水)

後期高齢者医療制度に激しく噛み付いていた茨城県医師会

茨城県医師会はおもしろい。ぼくとは少し考え方が違うが、なかなか気骨があると思っている。

0923 後期高齢者医療制度に反対し、茨城県医師会の政治団体・茨城県医師連盟は、次期衆院選で、県内7つの全選挙区で民主党から立候補を予定している7人の推薦を決めた。

日本医師会は、自民党に対して経団連に次ぐ政治献金をしていた。自民党と日本医師会とはそういう関係ができあがっていたのだ。

これからは二大政党にして、医療を支援するのはどちらかをきちんと見極め、医療を充実させる側に支援した方がいい時代になってきたのではないだろうか。

自民党は制度疲労してどうしようもないし、民主党もどうも頼りのない政党でどうしようもない。未成熟な政党をきちんとした大人の政党にするためには、二大政党しかありえないのではないかと思う。政権交替を何回か繰り返しながら、明確な政策の違いを論争させ、国民はどちらかを選んでいくというスタイルが、成熟した政党を作っていく上では大事なのではないかと思っている。
そういう意味では茨城県医師会の快挙に拍手を送りたい。

もう一度言おう。自民党も民主党もどうしようもない政党だ。しかしこの国が良い国になるために今一番大切な事は、二大政党を作り、政権交替を繰り返しながら、政治を成熟させることだと思っている。

写真は、黄金色に輝く岩次郎小屋からの風景。

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2008年9月23日 (火)

発見!特Bグルメ(9) 秋田のきりたんぽ

大仙市にある日本料理屋さん「はなよし」のきりたんぽはおいしかった。
舞茸、せり、ごぼう、比内地鶏、鶏モツなどが入っていて、絶妙の味であった。

09211 B級グルメ大好き。きりたんぽはもともと、マタギの人の非常食だったと聞いた。新米がとれると作るという。そうか。なんとなく今まで古米を加工して作っているのかな思っていたが、秋田では新米の時期に秋のキノコや野菜をたっぷり入れて、滋養のある食べ物にしたようである。

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2008年9月22日 (月)

秘湯 鶴の湯温泉

09201 秘湯中の秘湯と名高い温泉に入った。乳頭温泉郷、鶴の湯温泉。
およそ1638年に開かれたと言われている。370年近く前の話である。電気がきていないので、ランプと自家発電の電気。もちろんテレビはない。

硫化水素がたくさん含まれている白湯、炭酸水素塩酸の黒湯、食塩硫化水素泉の中の湯、そしてもう一つ滝の湯と、泉質がいくつもあり、しかも全部かけ流しという贅沢な温泉である。

板前はいない。料理はすべてあんちゃんたちが作ってくれる。鮎は水が急流すぎて住めないという。岩魚は泳いでいるらしい。その岩魚の刺身と、岩魚の卵―これはなかなか珍味でおいしかった。そして囲炉裏で4-50分遠赤外線で焼かれた岩魚は、極上の味であった。

贅沢なものは一つもないのに、なんとも贅沢な空気に包まれた宿。
なかなか予約が取れないらしい。下の水沢温泉に泊まり、日帰りで訪れるというのも手かもしれないと思った。日帰りでも充分温泉は堪能できるのではないかと感じた。

写真は秋田で食べた比内土鶏。

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2008年9月21日 (日)

秋田の教育力は日本一

秋田県東成瀬村の村長と会った。東成瀬村の小中学校は、学力テストの結果が全国でトップクラスらしい。

村長に「何かしているのですか」と聞くと、「小人数学級で、20人と17人の2クラスで教えている。徹底して、読み書き、漢字、足し算、引き算を、毎朝15分ずつ学校で繰り返し、中学になってもそれを続けている」という。

当たり前のことだが、当たり前のことをできない学校が多い中で、それをずっと続けてきているということが、秋田県全体の学力検査の好結果を生んでいるのかもしれない。

しかし秋田の経済は今厳しい。有効求人倍率は0.50に近いという。

去年は藤里町へ講演に訪れ、秋田県立鷹巣農林高校で「いのちの授業」をした。一生懸命勉強しても林業の仕事に就くことができないという。成績の良い子は結局自衛隊に入る。経済を疲弊させておいて、行き場を失った子ども達を自衛隊に入れるという形はなんとも寂しいなと、そのときも感じた。

アメリカがイラクの戦争を維持している背景にも、多くの貧困を抱えている人たちにお金で戦地へ行かせたり、大学入学を約束して戦争へ行かせるという話しを聞いた・・・。

★発見!特Bグルメ(8)★

09202

09212←秋田の比内土鶏の親子丼。
 すごくおいしかった

秋田のイクラと鮭と海草ののったどんぶり。
こちらもおいしかった!→

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2008年9月20日 (土)

発見!特Bグルメ(7) 博多 赤のれん

Akanoren 博多ラーメンを食べてきた。
博多駅のすぐそば、天神の「赤のれん」という店のラーメン。こってりとして実にうまい。
自宅でもたべれるようお土産用ラーメンもある。
お試しください。

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2008年9月19日 (金)

発見!特B級グルメ(6) 冷汁

09171小さなお茶碗に汁かけ飯のこの写真、ぼくおすすめのB級グルメ、 宮崎の冷汁である。

きゅうりや梅干などをのせた玄米ご飯に、魚のだし汁をかけてサラサラとお茶漬け風にいただく。

農繁期や漁の忙しい時期に数分で食事をとってまた働くために作られたものとも言われている。

ぼくの大好物だ。

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2008年9月18日 (木)

ライオン先生と野ウサギドクター

09181さだまさしさんの名曲「風に立つライオン」のモデルになった、柴田紘一郎先生にお会いした。

さだまさしさんのアルバム日本架空説の中に入っている「八ヶ岳に立つ野ウサギ」は、諏訪の小松先生とカマタをモデルにして作られた。

ライオン先生と、野ウサギドクターのツーショットです。

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2008年9月17日 (水)

発見!特Bグルメ(5) 「横綱」のユッケジャン

ある週刊誌から、B級グルメの連載をしないかといわれている。お受けするかどうかまだ迷っているが、このブログでもときどき、鎌田實のおすすめB級グルメを登場させていきたいと思っている。

第一弾として、数日前に岡山県の津山市のホルモンうどんをご紹介した。

091309132  第二弾として今日は、茅野駅前の焼肉店「横綱」の豆腐チゲとユッケジャンスープをご紹介する。

大変やすくて大変おいしいニンニクいっぱいのスープ。たしか350円だったと思う。
おすすめである。

「鎌田先生のようにニンニクをたっぷりいれてください」 と注文してみてほしい。

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2008年9月16日 (火)

放射性廃棄物の最終処分の問題

経済産業省は、使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分の候補地に対し、一次調査で年間10億円などの電源立地地域対策交付金を出すという。大盤振る舞いである。こうでもしなけりゃ手があがらないということである。先端医療機関の整備だとか、企業の研究機関の誘致だとか、甘い言葉が160くらい並んでいる。

政府が仕組んだ方式のターゲットは小さな町や村である。札束でほっぺたをたたき、なんとか住民の不平不満を押さえ込み、お金で小さな自治体を丸め込んでしまおうという魂胆だ。先端医療機関の整備などは、小さな村などには必要がない。すべて幻想でしかない。

地球温暖化を大騒ぎしながら原発の増加を画策している。当然、高レベル放射性廃棄物の最終処理の問題が生じてくるのである。

限界のある方式に、どうしてこれほどこだわるのだろう。原発を作ったり、最終処理場を作ったりすることで、巨額のお金が動く。そこに、お金をピンハネしていく政治や官僚、企業のシステムがあるからに他ならないと思う。

ゆっくりと、原発の良い点、悪い点を考えなかればならない。ヒステリックにではなく、穏やかに、プラスとマイナスを論じ合わなければいけないと思う。

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2008年9月15日 (月)

金融資本主義の猛威を許すな

NYの原油価格が一時1バレル100ドルを割った。一時147ドルまで上りつめていた。アメリカや中国など世界の株が下がり始めている。行き場を失ったマネーが金や石油へ行き、石油の値段を一気に倍近い値へ押し上げていった。

09151 本来の資本主義は使う分だけに価値が見出され、モノの値段が緩やかに上がったり下がったりするはずだが、有り余ったお金が投機となり、モンスターとなっている。

これを操っている中枢の人たちは、値が上がろうが下がろうが、常に利ざやを稼いでいく。このモンスターに踊らされていく庶民の生活はたまったものではない。ドライな金融資本主義を許さず、ウェットな血の通った資本主義を目指す必要があると思う。

※写真は岩次郎小屋の石段

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2008年9月14日 (日)

アイガー東壁崩れる

8月18日正午、アイガー東壁の一部が崩れ落ちた。

落下した部分は、5万立方メートル。50件分の家に相当するという。原因は温暖化による氷河の後退と溶解のためだと思う。岩と岩をつなぎとめていた内側の氷河が溶け出したのである。

今年の南極のオゾンホールは今までで最大になった。

沖縄の珊瑚は7割消えたという。海水が0.7度、海面水温が過去100年で7度上がったため、珊瑚の白化が起きてしまった。藻類が抜け出してしまったのだ。もともとIPCCは1度上がればほとんどの珊瑚は白化すると警鐘を鳴らしていた。0.7度の上昇で大変なことがおきだしているのである。

気温が1度上がるくらいたいしたことはないなんて思わないようにしたい。数字ではなく、生活しているぼくたちの体感を大事にすべきだ。多くの人が何となく思っている、夏の暑苦しさ、これが大事なのである。

09154地球温暖化を否定する人たちは多いが、間違いなく大変なことが起き出している。
なんとかしなければならない!!

(写真は、岩次郎小屋に訪れた秋。コスモスが満開)

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疲労回復にはクエン酸

看護学校の文化祭が行われた。
「笑顔があなたの人生を変える」というタイトルで記念講演を行った。
ぼくのブログを見たという方がぼくの講演を聞きに、福岡や千葉から看護学校へ足を運んでくれた。ずいぶん遠くからたくさん来てくれたようだ。ありがたいことだと思う。

さて最近、講演会で健康の話をするときに、疲労の話もする。
筋肉に乳酸がたまると疲労感を感じる。代謝で乳酸を他の物質に変えてあげると疲労感は治まる。筋肉にたまった乳酸を他の物質に変えるためには、クエン酸が効く。

0914人間の体の中には、クエン酸回路という代謝のサイクルがある。クレブスという人が1937年に見つけた回路で、クレブス回路とも言われる。疲労にクエン酸がいいのである。

ぼくは朝4時半から起きて仕事をしているので、夕方の4時半くらいになると疲れが出てくる。そこでクエン酸を入れた牛乳を飲む。ヨーグルトのようでとてもおいしい。この一杯のクエン酸入り牛乳でぼくはまた夜まで全力で仕事ができるのである。

このクエン酸についてよく質問される。

実際には液体のクエン酸が一番使いやすくて、ぼくが使っているのは、スター食品という会社のシトラックスという液体クエン酸である。
テレビ東京の「主治医の見つかる診療所」に1時間特番としてぼくが出演したときには、りんご黒酢を牛乳の中に入れた。酢でもいい。

酢やクエン酸の苦手な人は、梅干でもいい。ただし塩分が多くなる欠点があるので、梅漬けとか梅干を利用するときには、減塩ものを使わないといけない。
グレープフルーツにもクエン酸が多く含まれている。

酢や梅やグレープフルーツを上手に使うと、疲労回復ができる。おすすめである。

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2008年9月13日 (土)

自民党総裁選に思う

09153 自民党総裁選の5人の立候補者の演説が行われたとき、偶然永田町の自民党本部へ行った。理由は、衆議院議員・中山太郎氏(元外務大臣)との対談のためである。

お受けした理由は、彼が医師で、現職の国会議員の中で現在一番長い議員であるということ。医療費を年間33兆円から40兆円に上げ、それ以上うなぎ上りに上がらないシステムを構築すべき、というぼくの考えをなんとか実現するためには、政権与党の中に理解者を増やしていくことが大事だと思ったからである。

中山太郎氏にもこのことをお話した。彼はもちろん理解を示してくれた。しかし彼は、「これだけ大きな変更をできるのは首相だけである」と明確に言った。

参議院議員の調査委員会にも呼ばれて、同じことを論じた。しかし、犬の遠吠えで終わった。

民主党の議員に言っても、自民党の議員に言っても、結局現実を変えることはできないのである。

霞が関の財務省が握っている。それを変えるのは首相しかいない。だとすると、首相を決めるのに国民の声がなかなか反映されないのは非常に残念である。結局、自民党総裁選に当選した人が、公明党の力を借りて、国家の首相になってしまう。こういう政策を持っている人を首相にしたいという国民の声が通じない民主主義になっている。日本の民主主義のシステムに問題があると思う。

やはり、大統領制にした方がいいのではないか。今回のアメリカの大統領選などを見て、あれだけきちんと意見のやりとりがされ、意見が分かれながらも最後は納得していく。そういう国づくりを国民も巻き込んでしていくことが大事なのではないかと思った。

今の、総裁選挙、首相を国会で指名するという選挙のあり方に関していうと、なんともまだらこしい、国民の民意が反映されないシステムだと思う。できるだけ早く大統領制にしたほうがいいと思った。

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2008年9月12日 (金)

大腸がんインターネットフォーラム

6月22日に行われた大腸がんインターネットフォーラムがWEBでご覧いただけるようになりました。

「がん」と闘っている方、ぜひ見てください。
大腸がんの人には特に見てもらいたいです。

http://www.crcif.jp/

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発見!特Bグルメ(4) 津山市のホルモンうどん

0911岡山県津山市「小松」のホルモンうどんをご紹介する。

「小松」は、約20軒あるホルモンうどん屋のうちの1軒である。
うまかった!でもホルモンがかたくて噛み切るのが大変。

津山市へ行ったときは、ぜひホルモンうどんを食べてみてください。

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2008年9月11日 (木)

憎しみや恨みの連鎖を断ち切ろう

今年の夏、9・11のグランドゼロに立った。そこで3000人の尊い命が奪われた。許されざる行為である。新しい建物が建てられるらしく、工事が行われていた。

0911 9・11のテロ以降、世界は一変した。アメリカはアフガニスタンを攻めたが、戦争には勝っても、ベトナムと同じで、治安の安定は一向に行われていない。最近ますますアフガニスタンの状況は悪化してきている。

アメリカ軍が束縛し、一般市民が殺されると、その残された家族がタリバンに入る。そしていつでも自爆テロの要員に手を挙げるのである。

憎しみや恨みの連鎖が蔓延している。タリバンは、自爆テロリストを募ることなく、いくらでも集めることができるようになってきているという。悪循環である。

イラクも難民が400万人。イラク国内に200万人、シリアやヨルダンを中心としてイラク国外に200万人と言われている。膨大な数の人たちが、生活を奪われ、命を奪われた。

自分がもしイラクの一般市民だったら、アメリカを憎むだろうな、アメリカに加担する国々を恨むだろうなと、想像する。

憎しみや恨みの連鎖をとにかく断ち切らなければいけない。
温かな手を差し伸べることである。時間はかかるが、そこから暴力や戦争への連鎖を止めることが大事なのである。小さな温かさだって、必ず連鎖が起こる。
そう信じています。

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2008年9月10日 (水)

公的な教育支出、1位はアイスランド

日本の公的な教育支出額は、GDP比3.4%。アイスランド7.2%に比べると半分、先進国OECD28カ国の中では最低である。

小泉さんは教育も医療も、全部切り捨ててきた。じりじりと下がり続けている。今の政権は、道路やダムや原発を作ることに夢中である。道路ならばいくらでもピンはねできるからだろう。医療や教育など、権力者たちがピンはねしづらいところにはお金は回らない。防衛も同じだ。防衛の汚職は繰り返され、後を経たない。防衛費を増やせば政治家や役人たちが得をする。

0705_05s アイスランドは軍隊を持っていない。軍隊に使うお金を、教育や医療に差し向け、女性を大切にする国づくりをした。世界で初めて女性大統領を生み出し、日本を抜いて男性は世界一の長寿国となり、教育支出額も世界一に上り詰めた。国づくりの志が違うような気がする。

ぼくたちのこの国の20年は、最低な人たちに最低な国づくりをさせてしまった。日本人は一生懸命働き、税金もしっかり出してきたにも関わらず、その税金が有効に使われなかった結果が、こんな国にしたように思う。早くなんとかしないといけないと思う。

民主党もどうしようもない政党だと思う。うんざりである。しかし、自民党がやっていた結果がこれだ。たいした党がどこにもないが、2大政党にして、悪いことをしたときに必ず政権交替が行われるようにすれば、悪いことが発覚しやすくなるだろう。発覚しやすくなれば悪いことをする人間は減る。どうしようもない自民党と民主党ではあるが、2大政党が政権交替する形を作らない限り、この国をよくすることはできないように思う。

0910_2右の写真は、自民党本部。総裁選の5人の立候補者が演説をした会場。偶然今日、自民党議員と対談の約束をしていた。

とにかく医療費を年間33兆円から40兆円に上げ、充実した小児医療・産婦人科医療・がん医療・緩和医療を充実させること。医療費が40兆円にした後は、天井知らずに医療費が上がることを防ぐべき。そのためには包括払い制度を導入してもいいのではないか。これがぼくの考えである。それを伝えるために、自民党の議員と対談をした。

この国が大統領制ならば、ぼくも命がけで一度立候補して、自分の考えていることを実現してみたいとも思う。いろいろなところから、国政選挙に出てみないかというお誘いを受けるが、ぼくは絶対に出ない。陣笠をやっても何もかわらないと思っているから…。

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2008年9月 7日 (日)

中原中也を訪ねて

0907中原中也記念館を外から見て、JR山口線に乗り込んだ。これから津和野を通り、益田へ向かう。司馬遼太郎もこのコースを歩いたという。

ぼくの信三郎鞄の中には、中原中也の詩集が入っている。詩人として優れた才能があったとは思えないが、青春の淡い心の想いを表す能力にあふれていたと思う。一歩間違えると、詩が好きな素人が詠む詩と紙一重。ギリギリの線をいっているような気もするが、中原中也の詩は、理屈なく頭の中に残ってしまうのである。

09072_2 トタンがせんべい食べて
春の日の夕暮は穏やかです

と始まる詩のフレーズは忘れられない。

「サーカス」
幾時代かがありまして 
茶色い戦争ありました・・・

09073 これは、ぼくがチェルノブイリ原子力発電所の技術者たちが住んでいた街、プリピアチを訪れ、誰もいなくなった広場に取り残された、出来立てのメリーゴーランドが風にカタカタと音をたてているのを見たときに、思い出された詩である。中也のシンプルなフレーズは、すっと心にしみこんでくる。

「山羊の歌」
汚れつちまつた悲しみに 
今日も小雪の降りかかる 
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる・・・

なんともメルヘンチックでうまい。

「生ひ立ちの歌」
幼年時 私の上に降る雪は 真綿のやうでありました 
少年時 私の上に降る雪は 霙のやうでありました・・・

なんとも繰り返しがうまい。

0908 詩集「在りし日の歌」の中で好きなのは、

思えば遠く来たもんだ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気は今いずこ

1行目でぐっと捕えられてしまう。
(※写真右は、中原中也が被っていた帽子と同じデザインの帽子。ぼくも購入した。)

夏の夜の、博覧会は、哀しからずや
雨ちよと降りて、やがてもあがりぬ
夏の夜の、博覧会は、哀しからずや…

常にはじめの1行が美しいのである。

中原中也は、ここ湯田温泉の開業医の息子として生まれた。大正13年、17歳のとき、長谷川泰子という新劇の美人女優と同棲を始めた。その頃、宮沢賢治が「春と修羅」を刊行している。面白い時代だったのだと思う。
18歳のときに、同棲していた泰子が小林秀夫のもとへ去る。すごいなあと思う。谷崎潤一郎の妻が佐藤春夫のもとへ移ったように、芸術家の世界ではこんなことが平然と行われるのかと不思議な思いである。
またこの頃、芥川龍之介が自殺をしている。26歳の頃には、坂口安吾と同人誌をやったりしている。すごい時代があったのだなあ。
中也は、30歳で結核性脳膜炎で亡くなった。亡くなる少し前、詩集「在りし日の歌」を小林秀夫に託し、没後評判となった・・・。

電車に揺られながら、大正ロマン~昭和のはじめに思いを馳せた。

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2008年9月 6日 (土)

岐阜~山口

岐阜の大垣から前原へ行くため、東海道線の各駅電車に乗った。
「カマタさん」とデカイ声で呼ばれた。なんだか見たことはあるような気がするが、ちょっとすぐには思い出せない。ぼくの講演を聞きにきてくれた人なのかな等と思ううちに、思い出してきた。先月まで乗っていたピースボートで一緒だった。 69歳。男の一人旅だった。

ピースボートはNYやアラスカなどアメリカの港に着くと、不自然なチェックが入るようになり、いくつかの点を改善しないと出港させないといわれ、スケジュールが10日ほど遅れた。やっと日本に帰ってきたという。

「大変でしたね」とぼくがいうと、
「楽しくて楽しくて、同じお金で一流ホテルに泊まらせてもらって、とても幸せだった」という。
「他のみなさんはどうだったのですか」と聞くと
「最後は大盛り上がりで、文句を言う人もいたが、感動のフィナーレを迎えた」という。
よかったなと思った。

このおじさん、かっこいいのである。
横浜に着くと、山口県の防府の家に荷物を送って身軽になり、青春18切符で各駅停車に乗り、あっちへヨタヨタ、こっちへヨタヨタと、思うままに旅をしながら、山口へ向かっているという。

「今日はもう7回ほど電車を乗り降りしながら、横浜からこの東海道線を通って大垣へやってきました」という。

0906_2ぼくはその大垣の岐阜経済大学で講演し、新山口から山口市を目指している。(写真は学生と・・・)
世界一周の船で1ヶ月ほど前に別れた男に、各駅電車で会うなんて、あまりの偶然に驚いた。またお金を貯めて、2-3年後にもう1回、ピースボートに乗って世界一周したと言っていた。

前原で別れた。彼はまた各駅停車に乗り換え、大阪へ向かった。
ぼくは新幹線に乗り込んだ。

夜7:30頃、山口県の湯田温泉に着いた。旅館は、松田屋。330年の歴史のある古い旅館である。

西郷、木戸、大久保の薩長同盟がここで会見を行い、統幕を協議したと言われている東屋がいまも残っている。高杉晋作が残した文字が柱に残っている。「国家に尽くすの時なり」。憂国の想いを彫り付けている。

司馬遼太郎がこの松田屋旅館に泊まり、高杉晋作などの取材をしたという。松茸を食べ、「街道をゆく」を執筆した。今日の料理にも松茸が出てきた。ハモのしゃぶしゃぶ。なんだか今年はハモを食べる機会に恵まれているようだ。

司馬遼太郎が泊まった部屋から、司馬遼太郎が褒めた庭を眺めた。たしかにすばらしい庭だった。

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2008年9月 5日 (金)

鎌田實・いのちの対話 in 札幌

次回の「鎌田實・いのちの対話」(NHKラジオ第1)は、「笑いの処方箋」をテーマに、10月13日札幌から公開生放送である。

大村崑さん(喜劇俳優)、中島英雄さん(中央群馬脳神経外科病院理事長、落語家・桂前治)をゲストに行われる。

ぜひ会場にいらしてください。お会いするのを楽しみにしています。

お申込みはこちら→ http://www.nhk.or.jp/sapporo/event/081013.html

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なげださない

昨年9月、安倍元首相がこの国をなげだした。
ぼくは安倍さんに読んでもらいたいと思って、今年1月「なげださない」という本を書いた。
この国の首相が日本をなげだしても、庶民はなげださない生き方をしている姿を見せたかった。

またまた福田首相がなげだしてしまった。
安倍さんだけでなく、福田首相にも「なげださない」を送って読んでもらっておけばよかったかなと思っている。
今度の首相には、ぜひ鎌田實の「なげださない」を読んでもらいたいと思う。

政治家はなげだしてはいけない。

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2008年9月 4日 (木)

丘みつ子さんと対談

Okamitsuko丘みつ子さんとPHP「ほんとうの時代」11月号の対談をした。
お姫様女優だったころ、ぼくの憧れだった。
以前「鎌田實・いのちの対話」(NHKラジオ第1)でご一緒し、大変気があった。久しぶりの再会である。
彼女は、陶芸をしたり、マラソンをしたり、自然農法で農業をしたり、心豊かな生活を続けている。

PHP「ほんとうの時代」11月号をどうぞお楽しみに。

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2008年9月 3日 (水)

看護専門学校・文化祭にお越しください

0904 諏訪中央病院看護専門学校のケーススタディ発表会が行われた。当校の売物である。
3日間、学生達が3年間勉強したことを総力を挙げて、全校生徒の前で発表する。全て学生自信による自主運営である。

患者さんの承諾を得て、実習で学んだことを発表する。中には大変興味深い内容があった。

9/14には、文化祭が行われる。ぜひ諏訪中央病院看護専門学校・文化祭を見に来てください。鎌田實の講演会も行われます。今年のテーマは「えがおはあなたの人生をかえる」。笑うことによってどのようなことが引き起こされるか。

ご来場をお待ちしています。

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2008年9月 2日 (火)

サイトウ・キネン・フェスティバル

今年も松本で、サイトウ・キネン・フェスティバルが行われている。

1992年から毎年かかさず、オペラがある年にはオペラを見に、オペラのない年にはオーケストラを聞きに、サイトウ・キネン・フェスティバルに行っている。

今年も、まつもと市民芸術館で、ヤナーチェク : オペラ「利口な女狐の物語」を見た。小澤征爾の指揮のもと、サイトウ・キネン・オーケストラによる演奏。ロラン・ペリー演出。フィレンツェ歌劇場との共同制作・新演出である。

残念ながら、毎年感じていた深い感動が、今年はなかった。

ヤナーチェクはチェコの音楽家である。今、ブラダンコチのチェロのCDをプロデュースしているので、チェコの音楽については気になっている。ヤナーチェクはオペラはいくつもあるが、選択のミスだったと思う。

今回、サイトウ・キネン・オーケストラが選んだコンサート・プログラム、スメタナの交響詩「わが祖国」を聞けばよかったと後悔している。スメタナもチェコの音楽家である。民主化運動「プラハの春」や、1989年のビロード革命のときには、このスメタナの交響詩「わが祖国」が共産党に立ち向かう民衆の心を支えたと聞いた。

来年を期待しよう・・・。

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2008年9月 1日 (月)

好況感のないまま景気拡大が終わろうとしている

いざなぎ景気を抜く戦後最長の景気拡大があったというが、国民は経済が良くなったという実感のないまま、景気拡大が終わろうとしている。

2000年に比べると現在、材料は3倍ほどになったが、消費物質は8%くらい下がっている。ここに問題があるように思うのだ。

ヨーロッパ、特にEUは物価が非常に高い。ハンバーガーを食べたら1000円、空港の飲用水を飲んだら600円。高くて驚いた。むしろ日本も若者の職場を広げ、若者の給料をあげるためには、物価が若干上がるよう誘導していかないと、企業も持たないように思う。企業が抑制に向かえば、さらに若者達の働く場が狭められていく。

このままデフレが進めば、精神的抑制により、社会がより萎縮していくように思う。
材料代が3倍になり、消費物質は8%安くなった。しかし企業は、戦後最大の利益を出しているという。企業はどこかの部分でかなりの無理をして合理化しているのだ。合理化のし過ぎがおきているような感じがする。

物価が少しあがることを耐えていくことで、景気拡大だけでない好況感もでてくるのではないかと思う。

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