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2008年10月15日 (水)

貧困

ワーキングプアの人が、日本だけで1700万人いるという。
豊かな国になったはずなのに、豊かさを実感できない国らしい。
不登校の子どもが12万人、引きこもりは100万人いるらしい。

日本はこの10年、規制緩和をおしすすめながら、一部の人間にとってお金をもうけやすい国をつくってきた。
そのため、日本が自慢にしてきた、分厚い中流層が壊れはじめてしまった。
20年ほど前、多くの人が「自分は中流だ」と思っていた。
かなり厳しい生活をしている人たちも、自分は「中流の下」と考え、自己評価していた時代があった。
それは、当時のいろいろなアンケート調査に明らかだ。
実はこれがとても大事な、大事なことなのである。
年金制度や医療制度などの社会保障が、制度として十分に守られていくのも、分厚い中流層があるためだ。
地域で生きていくうえでのルールなども、中流意識が支えている可能性が高い。
しかし、僕たちのこの国のリーダーたちは、アメリカにそそのかされ、途方もないお金がもうけられるようなシステムに変えてきた。
いい加減を、見失ってしまったのである。

加減がいいことは大事なはずなのに、日本はいい加減を通り越して、もっといい生活をしたい、もっともうけたい、そう思いながら、一握りの大金持ちをつくったものの、社会を支える中流層を崩壊させてしまった。
格差社会である。
いや、格差社会よりも、さらに一歩悪い方向へと歩み出してしまい、「貧困大国ニッポン」になりPhotoはじめているような気がする。

一人ひとりの人生のあり方も、いい加減が大事である。経済も、いい加減が大事なのである。
途方もない経済成長の持続を望んでも、地球が悲鳴をあげている。
どこかの国が豊かに生活しようとすれば、その反対側に、貧困にあえぐ国をつくらざるを得ないのである。
同じ国のなかにも、豊かな人ができれば、貧しい人ができてしまう。

僕は子ども時代、貧しい生活をしていたので、貧困のつらさはよくわかる。
母は心臓病で入院し、父はタクシーの運転手をしながら、僕の面倒をみてくれた。
貧しかったために、母を病院にもつれていくこともできなかったこともあった。

貧困をゼロにすることはできないにしても、できるだけ貧困にあえぐ人々を生まない社会的なシステムが必要だと思う。
そういう国づくりを、日本のリーダーはしないといけない。
いい加減を、大切にしていきたいと思う。

(写真は、イラクの難民キャンプで、貧困に耐える子どもたち)

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