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2008年10月10日 (金)

鎌田實の一日一冊(2) 自殺で家族を亡くして

1011 「自殺で家族を亡くして―私たち遺族の物語」
(三省堂、全国自死遺族総合支援センター 編纂)という本を読んだ。
書評を書くつもりでいる。

今週は読書週間。家にいる時も、講演先に向かう電車の中でも、ずっと本を放さない。読み続けている。

今、3万3千人の人が毎年自殺をしている。もう3万人を10年間連続して越した。
3万人の人が自殺をしているということは、おそらくこの10倍は自殺未遂の人がいるだろうと言われている。膨大な数の人がいるはずだ。
そして4割の遺族が中傷を受けたり、誹謗をされたり、言葉の暴力を受けているということもよくわかった。

さらに自分を責めている。
あの時メールに返事を書いていたなら、あの時携帯に出ていたなら、あの時優しことばを言ってあげていたら、彼は自殺をしなかったかもしれないと、自責の年を持っている人達がいるのである。

18人の自殺をした遺族が手記を書いている。多くの方は実名で自分の辛い気持を書いた。妻を亡くした夫、親を亡くした子供、子供を失った親。安心して悩む事の社会が欲しいと、多くの人達が言っている。

自殺は語ることのできない死、とよく言われる。誰にも語れずに、時には表面上は違う病名が付けられ嘘で固められ、葬儀が出されることもある。遺族がその悲しみの罠から抜け出し、自らの言葉で語ったすごい本である。

ぜひ一度ご一読を。

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