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2008年11月

2008年11月30日 (日)

幸せを感じることのできる国をつくりたい

青少年白書をみていて、唖然とするデータがあった。
親の人生を肯定する人は、わずか16%というのである。
父親の人生をみて、生きがいがあると感じている人は16.7%、母親の人生については15.5%にすぎない。
電通総研が実施した世界価値観調査では、自分が幸せと思う人の比率は、日本は29位だった。

Pb210361 豊かになったけれど、幸せを感じない国ニッポン。
こういう国づくりを、今の政府はしてきた。
小泉さんがすすめてきた新自由主義は、まさに規制緩和をして、豊かさを目指した。
だが、どうも幸せの国づくりではなかったような気がする。
心や体、人とのつながりを大事する新しい国づくりが今こそ必要なのではないだろうか。
モノやお金よりも大切なものがあるという、原点に立ち戻ったほうがいいように思う。
こんな経済が混沌として難しい時代だからこそ、目先の欲にとらわれないことだ。

日本は1500兆円の現金をもっている国である。
どこの国よりも土台がしっかりしている。
デンと構えて、自然を大切にしたり、子どもを大切にしたり、地域を大切にしたり、いい製品をつくることを心がけるべきではないか。
そんな国づくりを、リーダーは国民に呼びかける時期にきているのではないか、と思う。

二大政党になって、明確に論戦をし、どんな国づくりをするのかを、国民に明確に訴えて、選挙で問うべきだ。

2008年11月29日 (土)

鎌田劇場へようこそ!(9)『地球のステージ ありがとうの物語』

第4弾は、ドキュメンタリー映画『地球のステージ ありがとうの物語』。
歌手で、国際医療支援をしている精神科医が出てくる。
なかなかいい映画である。

だが、一本を通して何をいいたいのか、なかなかつかめない。主人公のドクターの活躍をみせたいのだろうか。
でも、そうでもなさそうな感じがする。
主人公は、気持ちよさそうに歌っているけれど、贔屓目にみても、やっぱりプロの歌とは言いがたい感じがする。Photo_6

彼は、クロアチアに行ったり、パレスチナに行ったり、ちょこっとインドに行ったり、フィリピン、東ティモール、カンボジアにも行った。
たしかに、世界中をまわって、子どもたちにありがとうと言われているけれど、
なんだか、ちょこっちょこっとつまみ食いをして歩いているような気がしないでもない。

たとえば、カンボジアの戦争後の病院づくりなんかは、すごいなと思うが、掘り下げられていない。
うんと時間をかけているフィルピンのスラム街に住む、家のないきょうだいの話は、ぐっとくる場面がいっぱいある。
でも、主人公のドクターとそれほどの深い関係があるわけではない感じがする。

もう少し撮り方を変えれば、もっと感動的ないい映画になったような気がする。
欲張りすぎていて、残念な気がした。
何を訴えたかったのか、ストレートにばしっとでてくると、すごくおもしろかったと僕は思う。

でも、見て損はない。
世界がどんな状況にあるのか、よくわかる。
自分なりに、いろんなことを考えさせられる映画であることは間違いない。

各地で自主上映されるようなので、
映画好きの人や国際医療支援のことに興味がある人たち、世界の子どもたちのことを気にしている人たちには、ぜひ見てもらいたい映画である。

カマタ映画祭りはいかがでしたか?

これからも、ときどき、勝手に開催しますので、乞うご期待!

鎌田劇場へようこそ!(8) 『岸辺のふたり』

第3弾は、短編アニメーションの『岸辺のふたり』。

静かな感動。
隙間だらけの、絵が何ともすばらしい。
傑作アニメである。

ハリウットの映画は好きではない。
スピルバーグはきらい。
うまくできすぎていていや。
孫悟空がお釈迦様の手のひらで遊ばされているような、隙間のない映画は好きではない。
宮崎駿作品も、うまくできているなと思いながら、何となく、アニメ界のスピルバーグみたいで、日本中が大騒ぎするほど、僕は好きではなかった。

Gyao_kisibesでも、この『岸辺のふたり』は違う。
じつにいい、押しつけがない。
監督は、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィッド。

この映画は、見る側が勝手に想像ができる。
隙間だらけの、何ともすてきな映画である。

新宿武蔵野館は、12月6日から1年間、朝10時から上映することを決めたそうだ。
こんな上映方式もめずらしい。
ステキなお茶をするように、ちょこっと8分間の映画をみる、というのも、おしゃれな時間なような気がする。

はずれはありません。
入場料は500円。
ぜひ、ぜひ。

鎌田劇場へようこそ!(7)すさまじい映像美『落下の王国』

カマタ映画祭りの第2弾は、映像の魔術師ターセムが4年間、世界をまわって撮った映画『落下の王国』。
とにかく美しい映画である。
ひさしぶりに心が高鳴った。

Photo_4  病室のベッドに横たわるスタントマンは、橋から落ちて大怪我をした。
5歳の少女がオレンジの木から落ちて腕を骨折し、入院してきた。
2人とも、落下している。

落ちていくものに、僕はなぜかひかれる。
つい最近、PHPに「落下する人生、画家ゴーギャン」のことを書いた。
この映画も、タイトルにひっぱられて、映画館に引き寄せられた。

1日に1回しか上映されていない。
どうも客入りがよくないのかもしれない。2
でも、見て損はない。

CGやセット撮影を一切使わず、世界中をロケして歩いている。
ハリウッドがつくるファンタジーとちがって、何とも奥が深いのである。
石岡瑛子のコスチュームデザインが圧倒的にすばらしい。
このデザインのおかげで、映画がぐんとクオリティーアップをしているような気がする。

ゾウが水中を泳ぐシーンや、砂漠で撮られたシーンなど、見事に美しい。
プラハ城やタージマハルでとった画像も、息を飲むほどだ。
南アフリカやバリやフィジー、イスタンブール、プラハ、アンコールワット、エジプトのピラミッド、中国の万里の長城・・・。
しかも、それらがすさまじいアングルから、これはと思うような撮影をしているのである。

3_3 ターセムの前作『ザ・セル』は、大ヒットしたが、今回の『落下の王国』はいくつもの賞をとったが、興行的には厳しかったのかもしれない。
シュールな撮り方をしている。
なんとも詩的である。
映画でなければ、表現できなかった詩的な心を、見事にあらわしている。

3カ月ほど前、僕がおすすめをした『赤い風船』なんかにちょっと似ている映画である。
映画の好きな人には、絶対にこたえられない映画である。
チャンスがあったら、みてほしい。

鎌田劇場へようこそ!(6)『ご縁玉 パリから大分へ』

今日は、映画好きの鎌田が勝手にお送りするカマタ映画祭り!!

最近、観た映画のうちおすすめしたい作品を紹介していきます。

では、第一弾はこちらから!

★『ご縁玉 パリから大分へ』

泣いた、泣いた。
何度も、何度も心を揺さぶられた。
いい映画である。

11月15日のNHKニュースで、この映画が紹介された。Photo
全国放送のニュースで紹介されるというのもびっくり。
それくらいいい映画で、試写をみると、みんなたくさんの人に観てもらいたいと思ってしまうのだろう。
大分シネマで先行上映した後、来月20日まで東京の渋谷ユーロスペースで公開する。
2009年には佐賀シアターシネマで公開される予定。

養護教諭をしていた山田泉さんは、2000年に乳がんを発症した。
温存手術を受けたが、2005年再発、さらに2007年がんが転移した。
乳がんと闘いながら、山田さんははじめての海外旅行にいく。
フランスでチェリストのエリック・マリアに出会う。
監督は、江口方康。ドキュメンタリー映画である。
映画はドラマチックに展開していく。

エリック・マリアは、山田さんの人間性に魅了され、日本を訪問する。
山田さんはエリック・マリアを恵まれない子どもの施設に連れて、大分へ行く。エリック・マリアは、ベトナム生まれの孤児であった。
次々につながっていく人間のおもしろさ、すごさが、あったかな空気のなかで伝わってくる。

エリック・マリアの母も、乳がんで亡くなった。
お母さんには何もしてあげられなかった。
山田泉のからだにチェロを置き、ゆったりといやしの音楽を奏でていく光景は圧巻である。
どんな人が観ても、ハズレなし。
ぜひ、ぜひ観てもらいたい映画である。

Photo_5 いま発売されている「月刊がんサポート」で、山田泉さんと鎌田の対談が、巻頭で取り上げられている。
山ちゃんの人間的な魅力のおかげで、読み直しているだけで、目頭が熱くなるような、熱い対談をした。
こちらも、ぜひご覧ください。

2008年11月28日 (金)

12/7 CBCラジオ出演

CBCラジオに出演します。
「こども未来キャンペーン」の企画として、「鎌田實の家族のコツ」というテーマで、子どもや家族の大切さについてお話しします。

放送は、12月7日(日)午後5時~7時の間の50分ほど。

愛知、岐阜、静岡、三重の一部の地域などに流れるので、
中部地方の人は、ぜひ聴いてください。

『いいかげんがいい』増刷!

先月発売した『いいかげんがいい』が好評をいただいている。
初版3万5000部ではじまり、10日ほどで1万部増刷が決定した。Photo_3
ありがとうございます。

ブッダは、「中道」。
孔子は、「中庸」。
老子は、「沖気」。
そして、鎌田實は「いいかげん」。

えらすぎる3人と並べてみると、ちょっと笑ってしまう。
だが、「いいかげん」というのはけっこう今の時代にとって、大切なキーワードになるかもしれない。

おもしろい本なので、まだ読んでいない方は、ぜひ読んでください。

※先日、『いいかげんがいい』を題材に、JBPress(日本ビジネスプレス)の取材を受けた。
その記事が公開になりましたのでご覧ください↓

ウェットな資本主義でいこう
『いいかげんがいい』の著者、鎌田實氏に聞く

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/243

麻生さん、あなたに医療費を払ってもらっているわけではありません

麻生さん、またやってしまいましたね。
以前、このブログで追加経済対策の一部を「よくやった、麻生さん」とほめたのに、あれから失言、放言が続いています。

経済財政諮問会議で、社会保障費の抑制をめぐり「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)をなんで私が払うんだ」とあなたは発言しました。
麻生さん、医療費はあなたに払ってもらっているわけではありません。
国民が払っているのです。

1102あなたは、医療保険制度のことをまったくわかっていない。
日本の医療費は、年間33兆円。
そのうち、政府が支出しているお金は9兆円だけです。
あとの大半は、国民の保険料から払われているのです。
しかも、ほとんどの人は、窓口で3割を負担している。
いや、まさか、一国の首相が、医療制度のことを理解していないなんて、ありえない。

あなたは毎朝、散歩をしているらしいが、それはあなたが自分の健康をまもるためであり、政府の医療費抑制のためにやっているわけではないでしょう。
なのに、不摂生な人を非難するような発言をし、首相が、国民に運動を強要するのはナンセンスです。
そもそも、病気は不摂生だけが原因ではありません。
遺伝的な病気や原因のわからない病気もたくさんあるのです。
そして、それをみんなで支え合うのが、社会保障制度というものでしょう。

漢字が読めないなんて、たいしたことではありません。
あなたは、同窓会で会った「よぼよぼ」の友だちと比べて、「私のほうが税金は払っている」と自慢している。
その、あなたの人間性のほうが問題なのです。
同窓生も、あなたみたいな人が仲間であったとは、とても恥ずかしい気持ちだろうと思います。
人の気持ちがわからなければ、血の通った政治はできません。

麻生さん、あなたに日本のリーダーはつとまりそうにありません。

2008年11月27日 (木)

“義理チョコ”募金、いよいよ予約開始!

「限りなき義理の愛大作戦」が今年も始まる。Photo_2
パッケージのイラストは、イラクのがんの子どもたちや難民の子どもたちに描いてもらったもの。
中身は、六花亭のおいしいアーモンドチョコだ。
一つ買っていただければ、白血病の子どもの一日分の薬代になる。
バレンタインデーの義理チョコに、ぜひ、どうぞ。

Photo
申し込みの受付は09年1月5日からだが、eメールによる先行予約は12月1日から開始。
4口(2000円)を1セットで、セット単位で注文を受けている。
問い合わせは、こちらへ。

11月11日の介護の日、松本市の県民文化ホールで行われた講演会に、2000人の人が集まってくれた。
会場は満員である。
先行販売した義理チョコ募金と、「がんばらないレーベル」のCDをたくさん買っていただいた。
約50万円の売り上げは、イラクやチェルノブイリの子どもたちのために大切に使いたい。

ご協力、ありがとうございました!1111
そして、これからもよろしくお願いいたします!!

      <会場にもうけられた介護機器の展示コーナーを階上からパチリ→>

おたおたしないことが大事

1120 トヨタ・ショックが波紋を広げている。
トヨタが2兆2000億円の利益から、6000億円と下方修正したことがショックとなり、次々と株を下げているのだ。

発想の転換が大事である。
こういう厳しい時期に6000億円の利益が出たことを評価すればいいのである。
おそらくトヨタは、アメリカのビッグ3を抜いて、世界のトップに躍り出る。
GMは、7月から9カ月期だけで、2500億円の赤字。
フォードは125億円の赤字を発表した。
やはりトヨタの一人勝ちなのである。

ここで、萎縮してはいけない。
日本は、世界的な恐慌前夜のなかで、ものすごくいい実体経済を示しているのである。

おたおたしないこと。
萎縮しないこと。
カラ元気でいいから、胸を張って、元気を表明すること。
それが今いちばん大切なことだと思う。

  <写真は、雪をかぶった八ケ岳>

2008年11月26日 (水)

教科書にない一回だけの命の授業

八ケ岳の紅葉を見ながら、白樺湖を越え、上田市にある依田窪南部中学に「教科書にない一回だけの命の授業」をしにいった。
年間何回か、中学校や高校で、子どもたちに命の授業をしている。
これは僕のライフワーク。

ちょうどこの日は、父兄参観日だという。
僕の『雪とパイナップル』の絵をカラーコピーしたものが、黒板にたくさん貼られていた。
僕も父兄に混じって、後ろのほうで授業を見せてもらった。

子どもたちは必死にディスカッションをしていた。Photo
感激した場面や、感想を述べ合っていた。
ひとつの絵本を通して、この教室にあたたかな風が吹くかなあ--。
そう思うと、作者の僕はうれしくなった。

体育館には、子どもたち約250人と、父兄や地域の市民の方たちが250人集まり、田舎っぽい、いい講演会が行われたと思う。
特殊学級の子どもたち4人が、玄関まで見送りに来てくれた。
『雪とパイナップル』の絵本を、先生は何度も何度も、読み聞かせたという。
忙しいなかで、来るのをずいぶん迷ったが、やっぱり来てよかったと思った。

たくさんの生徒が見送ってくれた。
僕の車が出ると、何人もの子どもが車と一緒に走って、手を振ってくれた。

地方だからこそ残っている、あったかな風が、たしかに、たしかにあると、僕は確信した。

<写真は、教室の授業風景>

環境にあたたかいペレットストーブ

今年の冬は、ペレットストーブを使用することに決めた。
ペレットストーブは、二酸化炭素の排出量がとても少ない。
しかも、暖房効率が非常に高く、吹き抜けの窓を開けておくと、リビングの上にある鎌田の書斎やドラムスをおいている遊び場など、2階をふくめて全部温かくなるようだ。

2008_11_17_0962ペレットストーブは、スウェーデンでは6万台使われているとのこと。
北極を旅したとき、環境研究家の田中優さんに、新潟にあるサイカイという会社のペレットストーブがいいとすすめられた。
暖房効率がよく、完全燃焼をよくさせる構造をもっていて、石油ストーブの半値ですむという。

サイカイの社長の古川さんは、ストーブが一つ売れると、森の間伐材を切り出すという。
その間伐材は、ぺレットの材料になるとともに、下草を整備することで、森を守ることにつながる。

折りしも、今年、新しい機種が出た。
自然環境のことを考えた取り組みを応援するつもりで、ぜひ、使ってほしいといわれた。

太陽光発電を取り入れ、1カ月9000円くらいの電気代を払い、2500円くらい電気を売っている。
ソーラー発電だけでは、まだ十分にまかなえない。

ソーラー発電機能つきのバッグも買って、携帯電話やiポットなどの小物の充電を行うようになった。

個人のささやかな取り組みだけれど、自然とのつながりを実感できる。

 

2008年11月25日 (火)

発見!特Bグルメ(19) お好み焼き、カツ丼

泌尿器科学会で、市民公開講座の講演を頼まれ、滋賀に行った後、大阪に立ち寄った。

ウエスティンホテルの裏側の、滝見小路にある「きじや」で滝見焼きを食べた。Photo_2
うまい!このお好み焼き、大好き。

滝見小路にあるカツレツ屋で、煮カツ丼を食べる(写真は看板→)。
これもまた、うまい。
お好み焼きも、カツ丼も、僕の大好きなB級グルメだ。

Photo_3 滝見小路は、昭和初期のレトロな町並みを再現している。
その一角にミゼットが置いてある。
懐かしい。
先日、大村崑さんとラジオで共演させてもらったが、ミゼットを流行らせたは、大村崑さんだったと思い出した。
荷台には麒麟ビールの木製のケースが載っていて、さらにうれしくなった。
キリンビールは、僕たち日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)に、約10億円の薬を現物支給で提供してくれている。
やっぱりビールは、キリンである!

2008年11月24日 (月)

いいお茶、いいひと時

静岡のお茶がとてもおいしい。

10月25日に、清水市の清水かがやき塾で講演をしたとき、
「清水のもっともおいしいお茶です」と、いただいたお茶である。

081025あれから、毎日このお茶を楽しんでいる。
大切に育てられ、丁寧にお茶にされているのだろう。
心が伝わってくるようなお茶に感動しながら、心をウォームアップしている。

心は、ときどき温めてあげることが大事。
鎌田流の「がんばらないスクワット」をやりながら、
毎日ぼくは、夕日に感動したり、一杯のお茶に感動したり。
お風呂に入るときは、生きててよかったなあ、と本気で思う。
これが、僕流の心のウォーミングアップ。

鎌田實の一日一冊(7) 恐慌なんて怖くない

金融不安になり、しばらく数年は不透明な経済が続く。Photo
人間の心も、うつ的になっていく可能性が強い。

日本では、自殺者が毎年3万人続いている。
この数は、さらに増えていく可能性も高いように思う。
こんな状況だからこそ、副交感神経を刺激して、ときどき心のウォーミングアップすることが大事なのだ。
心のウォーミングアップ、つまり、心を温めること。
心と体の健康を守りながら、何とか明るく乗り越えていくことが大事だと思う。
そして萎縮しないこと。
経済活動も、こんなときだからこそ、勇気をふるって、元気な経済活動を装う必要がある。
そんなふうにずっと思っていた。

不思議なタイトルにひかれて、『わが友、恐慌--これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由』(松藤民輔著、講談社)という本を読んだ。
経済のことはまったくオンチであるが、素人でもちょっとおもしろい書き方になっている。

著者の松藤さんは、「恐慌こそチャンス」だという。
僕と同じようなことをいう。
だが、チャンスの意味が違う。
彼は、恐慌こそ、ふつうの人がお金持ちになれる一発逆転のチャンスがやってくると主張する。
僕は、モノやお金よりも大事な、忘れていたものがあるということに、もう一回気がつく、一発逆転のチャンスがやってくると考えるのである。

おもしろいと思ったのは、7月末に出ているこの本には、2008年10月24日に2~3割株が下がっているだろうとか、2009年10月24日はさらに下がっているだろうなどと、予言めいたことが書かれていることだ。
さらに、ダボス会議の真相や、地球環境問題の「利権に群がるエリートたちのまやかし」など、うん、なるほど、その可能性はあるなという思うことが端々に出てくるのだ。

日本は、バブル以降、カーボン技術や燃料電池や太陽電池など、職人国日本として実体経済を築いてきたので、被害は少ない。
いま、日本のチャンスである。
アメリカもEUも、実際のお金をもっていないが、日本は1500兆円の預貯金を持っている国である。
世界の先頭を走れるかもしれない、と僕もこのブログでも書いてきた。
松藤さんとは、同じ視点があるなと思った。

株の格付けをしている会社の存在というのも、けっこういいかげんということがわかった。
あのサブプライムに、トリプルAがつけられていたというのも、笑いものである。
世界中がレバレッジ(てこの原理)を利用して、元金の10倍、20倍の賭けをしていた。
博打のようなものである。
これがこげつきの原因となった。

何度も時代は変化してきている。
今回がはじめての不況ではない。
躁うつ病が必ず、うつから躁に変わっていくように、不況から好況に変わっていく。
じっと待つことである。
問題は、その間、心が冷えてしまわないように、温めておくこと。
いまは時代の流れを読み、過去から学び、いい時代が来るのを待つことである。

発見!特Bグルメ(18) 悲しきもやしいため

滋賀県大津の駅前の、うらぶれたラーメン屋にぶらりと入った。1114
メニューを見て、もやしいためがあると、ついたのんでしまう。

  <台湾ラーメンと、もやしいため→>

子どものころ、父・岩次郎に定食屋に連れて行かれ、「何が食べたい」と聞かれると、僕はいつももやしいためと答えていた。
父が死ぬ前、しみじみと言った。
「實、お前はもやしいためが好きだったなあ」

もやしいためが好きだったわけではない。
子どもは子どもなりに、家の事情を気にしながら、いちばん安いものを注文しただけである。
岩次郎さんと2人で、1つのおかずを半物ずつ分け合いながら食べたのが、今では楽しい思い出である。
「何、食べたい?」といつもきいてくれるのが、親父なりのやさしさであると気がつくのは、大人になってからしばらくのことだった。
時間が必要だった。

1115琵琶湖のほとりのまちで、なんで、もやしいためを食べなくちゃいけないのか。
なんとも不思議な気がする。
本当は、鮒寿司とか、琵琶湖ならではの食べ物屋さんを探したのであるが、なんとなく、もやしいためにひきずられてしまった。
究極のB級グルメである。

<↑琵琶湖を背景にして。タクシーの運転手さんにシャッターを押してもらった>

2008年11月23日 (日)

それでも夕日は落ちている!

1119_2  3歳になる孫が、はじめて写真を撮った。
岩次郎小屋からの夕日である。

僕は『いいかげんがいい』という本のなかで、交感神経と副交感神経の両方の時間をバランスよくもつことが、健康にも幸せにもつながると話してきた。
たとえば、夕日が落ちていくときに、数秒の間でも、仕事の手をとめて、「わあ、きれい」と感動すること。
それが、副交感神経を優位にし、血管にも免疫系にもいい効果をもたらす、といい続けてきた。

3歳の子どもが、はじめてカメラを握った。
彼は、なぜだか、夕日に向かってシャッターを切った。
もちろん、ゆがんだ写真が何枚もあったが、一枚、“傑作”が撮れた。
それが、岩次郎小屋の夕日だった。

夕日は、日本中どこでも落ちている。
いや、日本中だけでなく、世界中どこでも。
夕日は間違いなく、落ちているはず・・・。
その夕日に気がつくかどうか、それが大切なんだ。

子育て支援の見直し

政府が、出産費用の病院窓口での支払いを、公的に立て替える案を出してきた。
とても歓迎である。
現在、平均35万円ほどの出産時支援金が、各健康保険組合から支給されている。
地域や病院によって出産費用は違うが、おおむね40~50万円かかる。
個室料や、特別な入院治療費を必要としている産婦人科病院の特別な支払いは別であるが、
おおむね平均的な支払いに関しては地域差も考慮して、出産一時金として支払いを公的に立て替えることを起案してきた。
たいへんいいことである。

Photo 1971~74年の第二次ベビーブーム期に生まれた、現在30歳代の女性の半数以上が、30歳までに赤ちゃんを産んでいないことが統計でわかっている。
日本の子育て支援は、GDP比0.75%と先進国のなかでも非常に少ない。
フランスはGDP比3.02%を投入することによって、出生率2.0を超えるようになった。
日本の出生率は1.31である。
一組の男女から1.3人の子どもしか生まれないということは、人口の減少を意味する。
晩産化と無産化が進んでいる一方、結婚前の妊娠で生まれた第一子は、2004年で26.7%いる。
都道府県別にみると、沖縄が42.2%と、唯一40%を超している。
ちなみに長野県は26.4%である。
未婚でも、いい子育ての環境はつくれると思うが、非常にきびしい子育て環境であることは予想される。
生まれてくる子どもには責任がないだけに、子どもがすくすくと育つような環境づくりは社会の仕事である。

この出産支援に500億円の予算を盛り、妊婦健診の無料化を考えているようである。
子どもを安心して出産でき、育てられる国づくりを目指すことは大事なことである。

しかし、こうしたことも、選挙対策にみえてしかたがない。
選挙のときだけで、ふだんの自民党の政治はどんどん冷たくなっていく。
選挙ではない年にもこうしたことを計画したら、もっと評価されるのに、と思う。

写真は、諏訪中央病院の産婦人科病棟。産婦人科は一時閉鎖していたが、3人目の産婦人科医が見つかり、今までになくベテランの産婦人科で充実しはじめた。

「赤ちゃんにやさしい病院」のライセンス取得を目指して、がんばっております。

2008年11月22日 (土)

発見!特Bグルメ(17) 新そばの季節がやってきた!

1113_2 蓼科は、もう新そばの季節になった。 1113_4
おいしい季節の到来だ。

蓼科に上っていく途中にある、「長寿更科」というおそば屋さん。
なかでも、納豆そば(←左)と、カレーうどん(右→)は、抜群にうまい!!

季節を堪能できるB級グメルだ。

ぜひ、蓼科にお越しの際は、お召し上がりください。

鎌田實の一日一冊(6) 『壊れる日本人 再生編』

Photo_8

柳田邦夫さんの、新潮文庫の新刊。

愛する日本を救うにはどうしたらいいのか。大変おもしろい本である。
ぜひ、読んでもらいたい。

絵本が出てきたり、詩が出てきたり、解体新書が出てきたり、奥が深くて、じつにおもしろい。
石に言葉を教える男の話は、とくにおもしろかった。
高速道路をブタが走る話も、抜群だ。
専門バカの作り方という話は、専門バカの世界に生きている自分としては、身につまされながら読んだ。

解説を書かせてもらった。
柳田邦夫ファンの鎌田としては、じつに光栄なことだ。

ぜひぜひ、お読みください!

鎌田先生、バンザイ!

「鎌田先生バンザイ」という寄稿が、地元の新聞に大きく取り上げられた。

「私はもう80歳近い。いつお迎えがきてもいいが、痛みのない日がほしい。先生、がんの痛みなどに使うという絆創膏のようなものを使って、一日だけらくな日を何とかつくってもらえないかえ」

7月のある診察日、私は諏訪中央病院名誉院長の鎌田先生に直訴した。

平成14年春、柿の木の丸太をかついだまま、自宅横の川に転落、第一腰椎の圧迫骨折を負って以来六年、脊椎狭窄症や腎臓病や大腸の病気、膀胱などの病気で次々に手術。
いつも土俵際で奇跡的に助かってきた。
しかし、脊椎狭窄症のために、足のしびれは最近いちだんと強くなり、痛みのない日はなかった。
腎機能も低下しており、脊椎の手術は危険すぎた。

武(たけ)さんの泣きそうな顔で、僕は何とかしてあげたいと思った。
緩和ケア病棟の平方先生の予約外来をとった。

緩和ケアの専門医である平方先生の治療は、功を奏した。
武さんに冗談が戻ってきた。
そして、自称エッセイストの武さんが久々に地元新聞に寄稿したのである。
大きな取り上げ方である。

1110 武さんの言葉はいつも痛烈だ。
僕はツッコミ返す。
だが、武さんも負けてはいない。
「なんで先生、いつもふらふら遊んでいて、どこにいるかわからねえ。どこへいっちゃったかな? なんて思っていると、地球の裏側からコンニチハなんて声を出して、ほんとにしょうがねえもんだ」

僕は笑うしかなかった。
その通りなのだ。
僕は苦笑しながら言った。
「武さんは、言いたいことを言って、あくたれて、一杯飲んで元気でいるのがいい。地元新聞に投稿するくらいにね」

やっと、武さんの、武さんらしい寄稿ができた。
うれしい文で結ばれていた。
武さん曰く、
「もっとも信頼でき、大好きな鎌田先生、万感の感謝をこめて、鎌田實先生バンザイ」

こんな患者さんがいる。
だから、病院は辞めたけど、外来は止められない。
なんとも、うれし、はずかしである。

写真は、内科外来で、武さん夫婦と

2008年11月21日 (金)

今こそ株を買おう!

松下幸之助氏が、こんなことを言っていると聞いた。

「株を買うんやったら、もうけるために買うんやない。その会社を応援する気持ちで買わなあアカン」

調べてみると、PHPの昭和42年11月号「株式の大衆化で新たな繁栄を」のなかで、松下幸之助氏がそれに近いことを、たしかに書いている。
しみじみと、いい言葉だと思った。

僕はつねづね「逆転の発想」という考えで生きてきた。Pb140330
35年前、諏訪中央病院に来たころ、この地方の大きな課題は、第二次ベビーブームによる子育ての問題だった。
そのとき、僕は10年後の高齢化社会を予感して、在宅医療をはじめた。

今、人気のないことをしておくこと。
マスコミの短期的な視点に惑わされないこと。

時代は10年周期に、大きな波を描いて変化する。
だとすると、今みんなが株から離れているときこそ、株を買うことが大事。

自分がもうけるためではない。
ずっと応援したいような企業、環境のことも考えているような企業の株をほんの少し買って、持っているのも悪くないなと考えている。
それが、ひいては、この国を守るために大事なのではないかとも思う。

こんな時代だからこそ、みんなで1000株くらい持って、これはと思う企業を応援してみるのはどうだろうか。
ぜひ、考えてみてほしいなあ。

「社会的常識」欠落しているのは、麻生さん、あなただ

11月19日、首相官邸で全国知事会が開かれた。
医師確保などに関連し、麻生首相は「自分で病院を経営しているから言うわけではないが、医師の確保は大変だ。もっとも社会常識がかなり欠落している人が多い。とにかくものすごく価値観が違う。そういう方をどうするか、こういう話を真剣にやらないと・・・・」
と述べたらしい。

たしかに、変わった人がいることは事実である。
しかし、どんな世界にもそういう人はいるというのが、世の中の前提ではないだろうか。
そういう意味で、政治家も社会的常識の欠落者が多いように思う。
とくに麻生さん、あなたが、いちばん社会的常識が欠落しているように思えてしかたない。

Pb140340 首相がこういう発言したらどういうことになるのかを考えて、普通の大人は、配慮するのである。
まして、あなたたち政治家リーダーのおかげで、日本の医療崩壊は間近に迫っている。
こういう状況に追い込んだのは、毎年2200億円の社会保障費の抑制をしている、あなたたちである。
先進国のなかでもっとも医療費を使わない国にしてきた、麻生さん、あなたたちが病院医療の崩壊を起こさせているのである。

あなたは、麻生財閥で、病院も経営している。
経営者として、医師は操りにくい人間だと、あなたは思っているのだろう。
かつて炭鉱やセメントなど、あなたはたくさんの会社を経営してきた。
昔の職種は、あなたにとっては牛耳りやすかったのだろうか。

医療評論家や医療従事者、そして医療を受ける国民が言うのは自由である。
しかし、首相の発言としては、あまりにも悲しい。謝罪すればすむというものでもない。
いま病院の医師たちの多くは、燃え尽きそうな状況のなかで、必死に、誠実にこらえている。
その医師たちの、最後の土俵際のふんばりを、首相がけたぐってどうするのだ。

またまた、この国はどうしようもないリーダーをもってしまったようだ。

2008年11月20日 (木)

名門校ライバル物語 日比谷高VS西高

『月刊現代』の12月号に、鎌田實が登場している。

都立高校が元気な時代があった。
東大に入る人数が、一学年で150~160人おり、日比谷高と西高校がナンバーワンを争っていた。
そのころの都立西高校の話である。Damatte
学校をいくら休んでも、あまり怒られない不思議な高校であった。
生徒の自由を、わりあい認めてくれる学校であった。
生徒たちは、じつにのびのびしていた。

都立西高校時代のことに関しては、同級生の池田香代子さんとの往復書簡で、深く語っている。
『黙っていられない』(マガジンハウス)である。
ぜひ、団塊の世代の人には読んでもらいたい。
団塊の方々には、なんとなく通じる空気があると思う。

池田香代子さんは、『世界がもし100人の村だったら』(マガジンハウス)や、100万冊以上のベストセラーになった『ソフィーの世界』(日本放送出版協会)の翻訳者で、環境のことや平和のことに大変きびしい視点がある。

おもしろい本なので、ぜひ読んでください。

団塊世代へのおすすめ本

『団塊の<青い鳥>--戦後世代の夢と希望』(池田知隆著、現代書館)に、鎌田のことが書かれている。

団塊世代の人たちのインタビューで構成されている。Photo
日大全共闘の秋田明大さんや、絵本作家のいせひでこさん、小説家の戸井十月さん、JIM-NETで一緒にイラク支援をしていただいている、日本国際ボランティアセンター(JVC)の熊岡路矢さん、女優の安奈淳さん、歌人の道浦母都子さんらが取り上げられている。

鎌田實は、「がんばらない精神」とはなにかとか、自己否定を支えにとかを語っている。
よろしかったら、ご覧ください。

2008年11月19日 (水)

岩次郎小屋に初雪が降った

1119_3

今朝、岩次郎小屋に初雪が舞った。

諏訪中央病院の唐松が紅葉し、いよいよ里は本格的な紅葉の季節になった。
唐松の紅葉が最盛期を迎えたあとは、針の葉が雪のように散っていく。
このときの美しさは、息も止まるほどである。1110

その唐松に、今朝は初雪が舞っている。
季節は、晩秋を一気に駆け抜けて、冬になりかけている。

原発の代償は?

悪性リンパ腫で2005年3月になくなった沖縄の53歳の男性が、7年間7カ所の原発で働き、青森県の六ヶ所村再処理工場で放射能漏れ検査に従事し、悪性リンパ腫で亡くなったことについて、労災認定がされた。
原発労働による放射線被爆によって、悪性リンパ腫を発病し、死に至ったと認められたのである。
それまでは白血病などは労災認定されたことがあったが、悪性リンパ腫ははじめてである。

チェルノブイリの原発事故から22年たつ。Pb140347
今年の7月に放射能汚染村ベトカに行った。
新しく体内被曝をする一般の生活者があとを断たない。
ホールボディカウンティングをすると、昨年1年間で56人の体内被曝者が発見され、
僕が行った今年の上半期だけでも、すでに26人の体内被曝者を数えた。
この人たちはチェルノブイリで働いていた人たちではない。
原発の風下になった地域の一般の農民である。
しかも、数百キロ離れた地域の森のなかで生活する人々である。
その森が放射能で汚れて、22年たった今も、そこで生活している人たちの体内へ放射能がもぐりこんでいるということである。
原発で働くことも、原発が近くにあることも、怖い。

本当に原発を次々に作らないと、電力をまかなえないのか。
できるだけ慎重に検討したほうがいい。
温暖化は事実であるが、それをうまく利用されて、軽がると原発を増やしていくことに関しては、ぜひぜひ厳しい議論をしてほしいと思う。

2008年11月18日 (火)

鎌田實の一日一冊(5) 医療を考える本を2冊

医療を考える本を紹介する。

Photo_5  『医療のからくり』(和田秀樹著、文春文庫)では、和田氏と鎌田が対談をしている。
地域が命をまもる、というテーマだった。Photo_3

『日本の医療を変える-「医療崩壊時代」への提言』(和田努編著、同友館)では、
どうしたら医療の崩壊が防げるか、和田氏と対談をした。
最近の医療は、やさしさが薄れている。
どうしたら医療にやさしさをとりもどせるか、対論した。

ご覧いただければ幸いです。

銚子市立病院がつぶれた

銚子市立病院は、2年前までは34人の医師がいて、銚子市約10万人の健康をまもる拠点病院であった。
今年6月には、医師は12人に減少していた。

銚子市長の言葉によると、2年間で40億円を病院に投入した。
市の貯金である財政調整基金は4億2000万円しかない。
市の財政から考えると、これ以上一般財源から病院に繰り入れることはできない、とのことであった。
きっかけは、赤字体質に業を煮やし、病院の再建を考え、医師の給与を引き下げたことから、派遣元の日本大学の逆鱗に触れたとのこと。

現在、自治体立の病院の8割は赤字だという。
全体の累積赤字は、1兆8736億円といわれている。

小泉首相の時代から厳しく行われた、国の医療費抑制政策が、ボディブローのようにきいている。
国立がんセンターでは、麻酔科医がいなくなり、手術も減らさざるを得なくなっている。
地方の大病院や国のナショナルセンターですら、大変なことが起きているのである。
妊婦が脳内出血を起こし、8つの病院に受け入れ拒否された問題は、偶然の出来事ではなく、国の医療費抑制政策で、現場がへとへとになっているのである。

1102 34人の医師がいた病院が12人の医師になると、もう当直すら回すことができなくなる。
救急医療もきちんと行えない。
そして、その間に、赤字は火達磨になっていくのである。
大都市にあり、医師が集まりやすい拠点病院以外のほとんどの病院では、黒字にするのはほとんど不可能だ。
がんばって赤字を低く抑えたとしても、医療費抑政策が重くのしかかり、病院はこれ以上がんばれない。
今はとにかく地域医療をつぶさないことが急務である。

数年前までは、日本の医療は世界最高の医療システムとWHOで賞賛されていた。
まだ土俵を割ってはいない。
が、土俵際にいることは間違いない。
日本の医療を崩壊させてはならない。
それには、消費税をあげてでも、日本の医療を再建させる必要がある。
できるだけはやく選挙を行い、医療と福祉、教育という、人間が生きていくうえでもっとも大事な国の下半身に、あたたかな血を通わす政策を掲げる政党はどこか、国民の選択を仰ぐべきだと思う。

写真は、地域をまもる諏訪中央病院。かつては累積赤字4億円をかかえていた。

2008年11月17日 (月)

みんな、おすし大好き!

1110_2 茅野市立特別養護老人ホームふれあいの里でも、おすしの会があった。
僕はここでセンター長をしている。

職人さんが二人来て、おすしを握ってくれた。
みんな、おなかいっぱいおすしが食べられると、朝からうきうき。

人生のハレの日に、みんな、おすしを食べてきた。
子どもが生まれた日、孫が生まれた日。
入学式や運動会。
そして、大事な人が死んだ日も。2
楽しい日も、うれしい日も、悲しい日も、農村ではいつもおすしを食べてきた。

老人はおすしが大好きである。
もちろん、僕も大好き。
楽しくて、うれしい日には、幸せを味わった。
悲しい日には、涙を流しながら、悲しいすしをほおばった。

ちょっと前に、老人保健施設やすらぎの丘でも行われたおすしの日。
おすしの日は、何となく施設中の空気が和む。

2008年11月16日 (日)

『いいかげんがいい』の反響が出はじめた

Jpg_2 「泣いた」「笑った」「腹をかかえて笑った」「なるほどなと思った」「意味は深いと思った」などなど。
先月発刊した『いいかげんがいい』(集英社)の、反響が戻りはじめている。
ほろっとしてしまうところが、随所にある、と言っててくれた人もいる。
あ、そういうことか、と思っていただけるような本を、書いたつもり。

約40の実話が並んでいる。
O・ヘンリーの短編集『最後の一葉』のような本を書きたいと思った。
もちろん、O・ヘンリーは小説で、僕のはエッセイという違いはある。
重い病気にかかり、窓から見える蔦の、最後の一葉が落ちたとき、自分は死ぬと思い込んだ患者。
だが、最後の一葉は落葉せず、患者は生き抜き、元気になった。
最後の一葉は、壁にかかれた絵だったのだ。
そんな命の不思議な話は、実際にもたくさんある。
それをたくさんの人に知ってもらいたいと思って書いた。
生きるヒントになったら、うれしい。

タイトルは、ちょっときわどい。
バッシングをおそれずに書いた。
たくさんの人に読んでもらいたい。

2008年11月15日 (土)

暴れだす獣の脳

2007年児童虐待の相談件数が4万件を超えた。

母親が小さな子どもを放置し、餓死させる。
子どもが少し言うことをきかないと、つねったり、たたいたりしてしまう。
なんだか悲しくなってしまうが、人間の心のなかにはそうしてしまう爬虫類の脳がある。

人間は、進化の過程のなかで爬虫類を通っている。
爬虫類の脳のなかには、睡眠欲や食欲や性欲、その隣に攻撃欲がある。
どれもこれも、バランスが保たれている範囲では、生き抜くために必要な力になっている。
しかし、ちょっとした危ういバランスで、性欲と、隣り合う攻撃欲が結びついてしまい、性的な虐待も起きてしまう。

Jpg僕たちの病院には、子どもを引き取って育てている若い夫婦がいる。
子どもがいないわけではない。
生きることに大変な子どもを引き取って、育てているのだ。すごいなと思った。

山梨の内藤いずみ先生に頼まれて、講演にいったときも、僕をサポートしてくれた一人がにこにこしながら、こう言った。
「私はもうおばあちゃんになりかかっているのに、小さな子どものお母さんなの」
自分のお子さんが成人し、いまは虐待に遭ったという子を引き取られたという。頭が下がる。

人間のこころのなかには獣がいる。
だが、獣の脳をコントロールする人間の脳もある。
人間の脳の特徴は、大脳皮質が異常に成長していることである。
人をやさしくしたり、人を支えたりする、こころの中枢が、ここにあるのである。
人間が人間らしく生き抜くためには、この部分にいい刺激を与えることが必要なのだ。

2008年11月14日 (金)

おそまつ麻生くん

政府の追加景気対策の柱、総額2兆円の生活支援定額給付金が迷走している。
もともと意味のないことをするから、こんなことになるのである。

みんな言うことが違って、何がなんだかわからない。
全所帯に給付といったり、高所得者は辞退してほしいといったり。
だいたい、辞退するルールなんてありえない。
市町村の窓口は、大混乱が予想される。
世の中をあやふやにしてしまうルールは、絶対によくない。
結局、いまの日本の経済状態を麻生さんはわかっていない。

日本はお金がないわけではない。1500兆円の貯金をもっている。
その国民が、なぜお金を使えないのか。
この国を信じていないからである。

自分の老後や病気をしたときに、この国は自分を守ってはくれないと思っている。
信じられない体制のままでは、いくらお金を配っても、預貯金になるだけだ。
2兆円をばらまいても、おそらく消費に使われるのは5000億円といわれている。
こんなお金の使い方は、愚の骨頂である。

2兆円を使うことで、20兆円の財政効果を生むような使い方をしなければいけない。
それには、この国を信じられるような、熱いメッセージが必要だ。
そして、医療や福祉、教育、子育てなど、命の根幹を支えるための国づくりに、舵を切っていく勇気が必要だ。
安心して子育てができ、がんになってもがん難民にならなず、老いても自分らしく生活できる。
そんな信頼があってこそ、国民の消費マインドはおきてくるのだ。
それをしないで、バラマキをするから、こんなことになるのである。

でも、貧乏をしたことがない麻生さんには、わからないだろうな。
居酒屋でカンパイしてみせただけでは、庶民の気持ちはわからない。
金持ちのぼんぼんとして育った、そういう人が、ずっとリーダーだったこの国の悲劇。
ちょっともう、うんざりである。

2008年11月13日 (木)

発見!特Bグルメ(16) 山陰の海の幸

1108_5  山陰を訪ねた。1108_4

松葉ガニとノドクロの刺身など、海の幸をいただいた。

豊かな海の自然環1109境を守らなければ、こんなごちそうはいただけない。

感謝、感謝!

高まる終末期医療への関心

5年に1回、終末期医療の調査が国によって大々的に行われている。
5年前には、この委員として調査にかかわった。

今回の調査は興味深い。
延命治療は望まないと考える人が4割、どちらかというと望まないという人を合わせると、7割以上が延命治療に消極的だった。
前回と比べると、16ポイント増えたことになる。

国民の5000人と、医師や看護師、介護職員ら9000人を対象に行われている。
医師・看護師のほうが延命治療は望まないというパーセンテージは高かった。

一方、家族の問題になると、延命治療を望まない、という人の割合が半分に減る。
自分は望んでいないが、家族の問題になると、延命治療をかんたんにはやめられないという日本人特有の考え方があるようである。

終末期医療について、事前に書面で書いておくリビングウィルに賛成とした国民は、62%。
前回より3ポイント上がり、前々回より14ポイント上がっている。
書面内容を医師が尊重してくれる、と考える国民は39%で、リビングウィルを残しても、医師が尊重してくれるかわからないという不信感を、国民はもっている。

その逆に医師は83%が尊重すると考えている。
最近の医師は、本人のリビングウィルをできるだけ尊重すると、意識では思っている。
それがどれくらい実践されているかはまだ不確かではあるが、少なくとも医師の意識は変わりだしている。
自分の命は自分で決めたいという人の思いは、徐々に達成される環境がそろいだしているといえる。

勇気をもって、最後はこうしてほしいという思いを家族に伝えること。
自分で紙に書いておくこと。
あるいは尊厳死協会に入っておくこと。
これはとても大事なことである。

Photo_6 長野県茅野市には、「命の輝きを考える会」というNPOがある。 会員は、1500人以上。
1000円で尊厳死カードを発行してくれる。
尊厳死の宣言書が、リビングウィルである。
僕と妻は、それぞれが会員となり、カードをもっている。そして、こう書いてある。

  「万が一のとき、私がいわゆる植物症に陥り、なお意識の回復の見込みがないと2人以上の医師が診断したときは、家族の同意を条件に、いっさいの生命維持装置を止めてください。ただし、この場合、私の苦痛を和らげる処置は最大限にお願いします。そのための副作用で死期が迫ったとしてもいっこうにかまいません。
私の病が現在の医学では不治の状態にあり、死期が近いと判断された場合は、死期を引き延ばす延命処置は一切お断りします。鎌田實

ご希望の方はぜひお問い合わせを。
  命の輝きを考える会 ℡080-5017-3007

2008年11月12日 (水)

鎌田實と坂田明の世界へようこそ

平成20年12月6日(土)
「いのちの輝き・尊さ・人と医療」をテーマに、
ジャズサックス奏者の坂田明さんと
トーク&ライブショーを行います。

ぜひご来場ください!

「鎌田實と坂田明の世界へようこそ」

平成20年12月6日(土) 
午後6時30分開演 (午後6時開場)
多可町文化会館 ベルディーホールにて
※08ベルディーホール住民企画自主公演事業

◆チケット料金
 全席 2,000円(全席自由・当日500円増)
 ※友の会会員のみ指定席あり 
 ※チケットご購入のご案内についてはこちらをご覧ください。

2008年11月11日 (火)

筑紫哲也さん、ありがとう

Photo_2 一人のジャーナリストが亡くなった。

筑紫哲也さん、73歳。

昨年、松本市にある、親友・高橋卓志さんのお寺で行われた、辛淑玉(シンスゴ)の生前葬で、筑紫さんと隣同士になった。

これから、肺の治療なのだと聞かされた。
肺がんの入院治療をはじめる一週間ほど前のことだった。

その後、風の便りで、厳しい状況だと聞かされ、心配をしていた。

筑紫さんが元気だったころ、ニュース23で、伊那の高遠城址公園の夜桜を、全国中継したことがあった。
そのとき、ゲストとして出演させていただいた。
「がんばらない」という意識性について、満開の桜の下、語り合った。
がんばりながら、がんばらないという視点のユニークさを評価してくれた。
たいへんうれしかった。

経済が崩壊し、不透明な時代だからこそ、筑紫さんのような鋭いジャーナリストが必要とされている。
残念である。

ご冥福をお祈りする。

2008年11月10日 (月)

外国人健診

外国人の健康診断が諏訪中央病院で行われた。
毎年、秋の恒例である。

諏訪盆地全体の精密機械工業で働く人たちを対象にしている。11022
かつて景気がよかったころは、1日の労働時間が15時間にも及ぶ人がいたが、いまは8時間くらい。
「もう少し働いて、はやく母国へ帰りたい」と本音を言う人もいた。
日本人と結婚したフィリピンの花嫁もいた。
みんな「日本が好き」といってくれる。
虐待やいじめに遭っていたりすることはなさそうだと、ちょっと安心した。
外国人に対して、きちんと健診をする企業も多くなった。
この健診も、少しずつ受診者が少なくなってきている。

1102 健診にボランティアは欠かせない。
ベテランの医師や若いレジデント、看護学校の学生たちがたくさん参加してくれた。
地域のボランティア、国際交流クラブの方々も、通訳に参上してくれた。
今回は、ブラジルのドクターも来てくれ、ボランティアが豊富にそろった。
「私のこと、覚えていますか?」
突然、声をかけられて、すぐに思い出せなかった。
「左(さ)です」
と言われ、おおっと思った。
中国から諏訪中央病院看護専門学校に留学し、松本で働いている左さんだった。
たいへん美しくなっていて、見違えた。
ボランティアとしてかけつけてくれるなんて、とてもうれしい。

みんなが少しずつやさしい気持ちになって支え合えば、
これが日本のセイフティーネットになる。

この日の諏訪中央病院は、明るく華やいだ空気があふれていた。

70人のボランティアの方々、どうもありがとうございました!

2008年11月 9日 (日)

殴られる

中学生のころ、猛烈なビンタをくらった。
今でも忘れられない痛さだ。
中学3年のときだったと思う。
殴ったのは、社会科の青柳先生。殴られたのは野球部の悪ガキ、6人くらいいたかと思う。
横に一列に並ばされ、足を踏ん張れと言われて、思い切り頬を殴られた。

11062_2先生は30歳くらいだったろうと思う。
僕らは15歳の少年。
野球部の試合がある日だった。
対外試合のため、お昼を済ませて集まる予定だった。
だが、弁当をもってこない悪ガキどもは、授業を一時間エスケープして、中学校の横にあるラーメン屋にもぐりこんだ。
見つかってしまったのである。
6人もが授業を抜け出していれば、見つかるのは後から考えれば当たり前だったと思う。

殴られてびっくりした。痛かった。
でも、不思議と、根にもつようなことはなかった。
当たり前だと、6人の悪ガキどもは納得をしていた。1105
ルール違反をしたときには、ときには殴られるということも大事なのではないか、と悪ガキどもは思った。

Photo_7 その青柳先生と久しぶりに会った。
僕たちは60歳、還暦を迎えて、同級生がたくさん集まった。
青柳先生が、同級会に参加をしてくれたのだ。
77歳の青柳先生はかくしゃくとしていた。
この先生のおかげで社会科が好きになった。
授業のたびに、要点をまとめた、何枚ものプリントをガリ版で刷ってくれた。
社会の勉強の仕方を教えてくれた。
今も役に立っている。

1105_2 野球部の顧問をしていた。
一度、学校の事情で野球部の顧問はほかの先生に変わったが、僕たち悪ガキは、職員室に乗り込んで、
青柳先生に顧問をしてもらいたいとお願いにいったことを覚えている。
殴られても青柳先生が好きだった。
情熱はわかる。
悪ガキどもにも、だれが自分たちを熱い気持ちでみてくれているか、よくわかるのである。

青柳先生がそのときのことを克明に覚えてくれていること110もうれしかった。
殴るのも本気だったし、殴られるのも本気だった。
お互いが一生懸命生きていた。
いい時代だったなと思う。

悪ガキのカマタは45年たって、ちょい太のうまいもの好きになった。

京都出張の夜は、京のおばんさいに舌鼓。写真は、かきごはん、卵焼き、そしてフレッシュなトマト。おいしかった!

2008年11月 8日 (土)

介護家族の会と、きのこ汁を味わう

在宅介護の家族会を毎年開いている。
今年は、30人ほどの介護家族が集まってくれた。
1時間ほど、鎌田流のしあわせ介護のコツを話した後、グループになってみんなで愚痴を話したり、耳寄りな情報を交換したり、
介護にまつわる井戸端会議をした。
おいしいきのこ汁を食べながら、のなんともいいひとときだ。

おもしろかったのは、82歳の奥さんの介護をしているおじいちゃんのお話。 11021
なんと94歳で、本格的な介護をしているのだ。
「朝ごはんを食べさせて、きょうはここへやってきた」とおじいちゃんは言った。
ここで、きのこ汁を食べて元気をつけたら、また家に帰って、奥さんにプリンを食べさすのだ、と張り切っている。

週一回デイサービスを利用し、その間に、日帰り温泉やゲートボールに行ったりして、自分の時間を上手につくり出している。
これが大事なのだ。
介護を長く続けるには、介護者本人がリフレッシュできる時間をもつことが不可欠だ。
僕は、新刊『いいかげんがいい』のなかでも、副交感神経が優位になる時間を上手につくりだすことが、健康や幸せになるために大事なのだと書かせてもらった。
これを、このおじいちゃんは上手にやっている。

1102_2 頭も体もしっかりしている。
なんと、ひと晩に3回、おばあちゃんを抱えて、トイレにつれていくという。
頭が下がる。
僕たちにできるのは、おじいちゃんが倒れないように、常に心配りをすること。
少しでも、おじいちゃんに疲れた様子がみられると、すぐにショートステイでおばあちゃんを預かる手配をする。
こうやって、おじいちゃんは介護を11年続けている。
じつに亭主のかがみだと思った。

いよいよ11月11日、介護の日が近づいてきた。
ぜひ、シダックスホールでの介護の日制定記念講演を聴きにきてください。

発見!特Bグルメ(15) 五平餅とおしんこ

1031_2  長野県・高木村の五平餅と、飯田の人がつくってくれた色鮮やかなおしんこ。1031_3

 どちらも、人の手のぬくもりが感じられる旨さだ。

2008年11月 7日 (金)

いよいよ「介護の日」の講演

『ヘルプマン!』をご存知ですか。Photo
くさか里樹という女性漫画家の、評判の介護マンガである。
これまで、会って介護の実態を知ってもらったり、僕の講演を聞いてもらったり、マンガにお役に立つよう、協力している。

くさかさんも、僕たちのすすめている「がんばらない介護」に協力してくれて、ポスターをつくってくれたり、ボランティアをしてくれている。
くさかさんのマンガに僕は帯を書いた。

「人は死ぬ。でも、でも・・・・死ぬまでは生きているんだ。じんときた。介護にかかわる人だけでなく、若い人にも読んでもらいたい。命のすごさがわかる。団塊の人にも読んでもらいたい。これなら老いもなっとくできる。おもしろいゾ」

もうすぐ11月11日、介護の日。国も介護を大事にしようとやっと本気になりだした。

この日、僕は松本市の県民文化ホールで午後1時から講演する。その後、あずさに飛び乗り、渋谷から7、8分のところにあるシダックスホールで、介護の日制定記念講演を行う。
厚生労働大臣の舛添さんが出てくださるかわからないが、厚労省の人と、介護の日の大切な役割について対談する。ぜひ、お越しください。

2008年11月 6日 (木)

発見!特Bグルメ(14) 名古屋は食の宝庫!

1101_4 名古屋のお店、辰悦(しんえつ)で、ひつまぶしを味わう。1101_2

一度目は、ふつうに、うなぎをわさびで食べて、二度目はお茶漬けで食べ、三度目はうなどんでしめる。関東や諏訪では味わえない食べ方で、とてもおいしかった。

1101_5うまきも旨かった。

夜は、味噌カツで有名な矢場とんへ。鉄板焼き味噌カツと味噌カツどんを頼んだ。

1101_6 味噌カツどんは、抜群においしかった。1101_7
僕はどうも、どんぶりものが好きであります。
最高のB級グルメでした。

これからもB級グルメを探して、全国を歩きたいと思います。

2008年11月 5日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(5) 獣の脳を描く映画「リダクテッド」

3 「リダクテッド 真実の価値」という映画をおすすめする。
監督は、ブライアン・デ・パルマ。
トム・ルーズ主演の「ミッション・インポッシブル」や名作「アンタッチャブル」の名監督が、アメリカ中を敵に回してつくったような作品だ。

「リダクテッド」というのは、編集済みとか削除とかといった意味で、削除されてしまったアメリカの恥部を描いている。
フィクションとされていはいるが、実際は2006年3月12日に、21歳の一等兵と同僚3人によって起こされたレイプ殺人事件をモデルにしている。
彼らは、14歳のイラク人少女アビアちゃんをレイプし、さらにその父と母と妹を銃殺し、焼き払った。
その後、テロリストにイラク駐留の米兵が報復として惨殺され、このレイプ殺人事件が発覚した。

アメリカはきらいだけれど、やっぱりすごい国だと思う。4
こういう映画をつくる人間がいるのだ。
勇気があるなと思う。自分の国の恥部をさらけ出している。

娘と一緒に映画を見ながら、だから戦争はいけないんだ、ということを何度も何度も確認してしまった。
なぜ、戦争はいけないのか。
人間は、獣の脳をもっている。
恐怖におののき、怒りを爆発させるのは、大脳辺縁系という獣の脳である。
検問所で、無差別テロや自爆テロの恐怖におののきながら任務につく兵士たちが、ほんのちょっとしたことで逆上する場面がある。
まさに、獣の脳が暴れだし、コントロールを失っている姿だ。
また、爬虫類の脳といわれる視床下部には、攻撃欲と性欲の中枢が隣り合っている。
戦争という暴力のなかにいると、異常なセクシャルな行動に出てしまう確率が高くなるのだ。
これらの獣の脳や爬虫類の脳が暴走しないように、前頭葉という大脳皮質がある。
人間は、ここにいつもいい刺激を与えていないといけない。
しかし、戦争になると、この大脳皮質がセルフコントロールを失っていく。
だから戦争は、どんなことがあってもいけないのだ。

Redacted1 2007年のヴェネチア国際映画祭で、銀獅子賞に輝いた。
しかし、FOXニュースなどが、劇場での上映拒否を促し、一般紙も映画の存在を無視した。
アメリカでは、ほとんど上映される機会がなかった。

つらい映画である。
目を背けたくなるシーンもある。
だが、どんなことがあっても戦争は回避すべき、ということを実感できる。
それがこの映画の価値だと思う。
現在、渋谷のシアターN渋谷(電話03-5489-2592)で上演されている。

ぜひ、観てほしい一本だ。

2008年11月 4日 (火)

発見!特Bグルメ(13) 仙台の牛タン

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仙台に来ています。

町は地元の人たちによる、すずめ踊りでにぎわっていた。

仙台に来たら、B級グメル好きの僕としては、牛タンとタンスープははずせない。

上段真ん中の写真は、ホヤの塩焼き。ホヤが好きだった父・岩次郎のことを思いながら、いただいた。

あたたかい芋煮汁や豆の香りがこうばしい、ずんだもうまかったなあ。

青葉城の木々は、日に日に1103_3秋が深くなっていた。1103_2

   

麻生さん、よくやった!

麻生首相が発表した追加景気対策を見て、いいぞ、と思った。
鎌田がずっと訴えていたウエットな資本主義に、少しだけ舵を切った感じがした。
政府にわりあい甘い読売新聞ですら、市場関係者や学識者の採点は40~60点と辛口の評価が多かった。
僕の採点は50点。
及第点には至らないが、評価すべきことはある。

まず、消費税を3年後に上げると言及したことは評価に値する。Photo
二大政党論者の僕ですら、民主党が消費税に関して逃げていることに、納得していない。
麻生さんは、よくやったと思った。
最大の欠点は、バラマキである。
給付金は、おそらくGDP比0.2%上げるのがやっと。
そのための2兆円は無駄である。

次にほめていいのが、介護報酬の引き上げだ。
常勤の介護労働者の月給が2万円程度上がるように、1200億円のお金をつぎ込むという。
これは大英断である。
11月11日が、「介護の日」となった。
名前だけでなく、介護する人を社会的に評価するための、きっかけになればいい。
こういうのは無駄金にならないのである。
自民党が何度もやってきたバブル崩壊後の公共投資は、ほとんどが死に金になっている。
ただ、崩壊寸前の医療には、明確な提言がないことが残念だ。

読売新聞で、ある識者がこう述べている。
社会保障費の国民負担を先行的に国費でまかなったほうが、景気に貢献できたのではないか、と。
至言である。
麻生さんも、この言葉を肝に銘じたほうがいい。
医療や福祉にお金にかけても、国は傾かない。
むしろ、経済的な効果を生むと信じたい。
たとえば、第二子から3000円程度の給付をするなどとお茶を濁すのではなく、医療や介護、子育て、教育という分野に一気にどんとお金を注ぐ。
そのお金は、あたたかな資本主義社会を築くうえで無駄金にはならない。
そして、国民が希望をもって生きるための、下半身にあたたかい血を通わすことになる、と僕は思っている。

1 もし、麻生さんが、国民に向かって、新しい国づくりのビジョンを提示し、協力してほしいと熱いメッセージをおくることができたら、国民の行動も変わってくるに違いない。
今のままでは、病気になったときや老後、介護が必要になったとき、国を頼りにすることはできない。
貯金が頼りなのである。
日本は、1500兆円という、世界でいちばん貯金をもっている国だ。
その3割が動いたら、アメリカを抜いて世界一の経済大国になっていくのである。

麻生さんは、ちょっとはがんばった。
けれど、まだまだ。
もっと自信をもって、あたたかな資本主義を実現してもらいたい。

こうやってみると、やっぱり首相の権限は大きい。
自分の息子に地盤を譲ってしまう首相のあと、投げ出す首相が二代続いた。
日本のこの10年は、リーダーの無力による失われた10年だったように思う。

(写真は、諏訪中央病院の屋上庭園と、絵のあるロビー)

2008年11月 3日 (月)

11/23 「学問ノススメ」出演

11月23日午前9時~、全国各地のFM放送の「学問ノススメ」に出演します。

写真は、パーソナリティーの蒲田健さんとスタジオでPhoto

僕の本『いいかげんがいい』が取り上げられ、「いいかげん」について、真剣に語ります。

お楽しみに。

2008年11月 2日 (日)

ウエットな資本主義をつくりたい

岩次郎小屋の木々も、鮮やかに色づきはじめた。気持ちのいい秋である。

081029_2 僕はかねてから「ウエットな資本主義をつくりたい」と思ってきた。

資本主義はもともと競争主義であり、ほうっておけばドライになる。
だから、意識してウエットにしたい、と思う。

この10年、日本はアメリカをお手本にしながら、国づくりを行ってきた。
もともとアメリカは砂漠のある多民族の国である。
気候もドライだ。
いろいろな国から移ってきたたくさんの人間が生き抜くためには、透明性のある競争社会をつくるしかなかった。

でも、日本はちょっと違う。
水が豊かで、湿気の多い国である。
梅雨もある。
気候もウエットである。
この気候で何万年も生きてきた。
僕たちは感覚的になかなかドライになれないのではないだろうか。

資本主義社会は、競争主義を前提としている。
だからこそ、競争主義の土台のところに、あたたかな血が通っていなければならならいと思う。
これが僕のいうウエットな資本主義である。

具体的にいうと、まず教育の充実が大事だ。
アイスランドがGDP比7.2%に比べて、日本は3.4%と先進国のなかでもっとも教育にお金をかけない国である。
若いお母さんたちを支える子育て支援も、日本はGDP比0.75%と先進国のなかで少ない。
3.02%のフランスはすでに少子化から脱出し、出生率2.0を超えた。人口が増える国になったのである。
医療費も、日本はお金を出さない国である。
アメリカは15%、ヨーロッパの先進国は9.2~10.2%くらいなのに対し、日本はわずか8%である。

ウエットな資本主義を行うためには、教育と子育て、医療、介護の充実がまず大事である。
それを実現するには、消費税を上げるしかない、と僕は思う。

10月16日付けの読売新聞では、8ページにわたって、医療崩壊に対する新しい提案がされている。
年金と医療と介護を充実させるために、消費税を10%にすべきと提案している。
大賛成である。
医療崩壊がおきてからでは遅い。
まずは来年から医療の抑制政策をやめ、医療と介護に、僕たちの税金をある程度投入すべきだ。
そして、再来年からは毎年1%ずつ、10%まで消費税を上げていく。
国民も、ある程度覚悟がいる。
しかし、現在の世界経済の厳しい状況のなかで、日本という新しい国づくりを明確に示したほうが、国民は納得するのだと思う。

2008年11月 1日 (土)

やっぱりちょい太がよかったのだ

1030 先日、佐賀に日帰りで行った折、ちょっと福岡に立ち寄って、博多ラーメンを食べた。

僕は紅ショウガをオニのように入れて食べることにしている。

ショウガは、アメリカの国立がん研究所のデザイナーズフーズのなかで最もがんになりにくい食べ物。

しかも、ショウガにはアディポネクチンという、動脈硬化を予防してくれるホルモンの分泌を刺激する物質も含まれ、デトックス効果もある。

だから、おすしにはガリを、ラーメンには紅ショウガをたっぷり食べたい!
食後はパイナップルジュース。
妙なとりあわせだが、『雪とパイナップル』を思いながら飲んだ。

おいしいものが大好きな僕は、食べることも健康もあきらめられない。
かねてから「ちょい太」健康法をオススメしているが、やっぱりこれでよかったということが、茨城県のデータでも明らかになった。

茨城県の調査は、9万人が対象。1030_2
男性の60~70歳では、BMI25.3の人が死亡率がいちばん低かった。
25以上は肥満であるから、ちょっと肥満くらいがいちばん死亡率が低いということになる。
厚労省のデータでも、男性の場合にはBMI27ぐらいまでは長生きであることがわかっている。

見た目も美しく、健康で長生きな、理想的なBMIは22。これは、世界が認めている。
でも、それほど美しくなくてもいい、健康で長生きであればいい、と割り切れる人は、24~26がいいのだ。
僕がオススメする、ちょい太の体重である。
無理してやせることはない。
時々おいしいものを食べたほうが、健康で長生きできるのだ。

Photo BMI=体重㎏÷身長m÷身長m
ぜひ、ご自分のBMIを知っておこう。
おいしく食べることも、健康も、という人は、『ちょい太でだいじょうぶ』(集英社)をご覧ください。

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