殴られる
中学生のころ、猛烈なビンタをくらった。
今でも忘れられない痛さだ。
中学3年のときだったと思う。
殴ったのは、社会科の青柳先生。殴られたのは野球部の悪ガキ、6人くらいいたかと思う。
横に一列に並ばされ、足を踏ん張れと言われて、思い切り頬を殴られた。
先生は30歳くらいだったろうと思う。
僕らは15歳の少年。
野球部の試合がある日だった。
対外試合のため、お昼を済ませて集まる予定だった。
だが、弁当をもってこない悪ガキどもは、授業を一時間エスケープして、中学校の横にあるラーメン屋にもぐりこんだ。
見つかってしまったのである。
6人もが授業を抜け出していれば、見つかるのは後から考えれば当たり前だったと思う。
殴られてびっくりした。痛かった。
でも、不思議と、根にもつようなことはなかった。
当たり前だと、6人の悪ガキどもは納得をしていた。
ルール違反をしたときには、ときには殴られるということも大事なのではないか、と悪ガキどもは思った。
その青柳先生と久しぶりに会った。
僕たちは60歳、還暦を迎えて、同級生がたくさん集まった。
青柳先生が、同級会に参加をしてくれたのだ。
77歳の青柳先生はかくしゃくとしていた。
この先生のおかげで社会科が好きになった。
授業のたびに、要点をまとめた、何枚ものプリントをガリ版で刷ってくれた。
社会の勉強の仕方を教えてくれた。
今も役に立っている。
野球部の顧問をしていた。
一度、学校の事情で野球部の顧問はほかの先生に変わったが、僕たち悪ガキは、職員室に乗り込んで、
青柳先生に顧問をしてもらいたいとお願いにいったことを覚えている。
殴られても青柳先生が好きだった。
情熱はわかる。
悪ガキどもにも、だれが自分たちを熱い気持ちでみてくれているか、よくわかるのである。
青柳先生がそのときのことを克明に覚えてくれていることもうれしかった。
殴るのも本気だったし、殴られるのも本気だった。
お互いが一生懸命生きていた。
いい時代だったなと思う。
悪ガキのカマタは45年たって、ちょい太のうまいもの好きになった。
京都出張の夜は、京のおばんさいに舌鼓。写真は、かきごはん、卵焼き、そしてフレッシュなトマト。おいしかった!
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