発見!特Bグルメ(18) 悲しきもやしいため
滋賀県大津の駅前の、うらぶれたラーメン屋にぶらりと入った。
メニューを見て、もやしいためがあると、ついたのんでしまう。
<台湾ラーメンと、もやしいため→>
子どものころ、父・岩次郎に定食屋に連れて行かれ、「何が食べたい」と聞かれると、僕はいつももやしいためと答えていた。
父が死ぬ前、しみじみと言った。
「實、お前はもやしいためが好きだったなあ」
もやしいためが好きだったわけではない。
子どもは子どもなりに、家の事情を気にしながら、いちばん安いものを注文しただけである。
岩次郎さんと2人で、1つのおかずを半物ずつ分け合いながら食べたのが、今では楽しい思い出である。
「何、食べたい?」といつもきいてくれるのが、親父なりのやさしさであると気がつくのは、大人になってからしばらくのことだった。
時間が必要だった。
琵琶湖のほとりのまちで、なんで、もやしいためを食べなくちゃいけないのか。
なんとも不思議な気がする。
本当は、鮒寿司とか、琵琶湖ならではの食べ物屋さんを探したのであるが、なんとなく、もやしいためにひきずられてしまった。
究極のB級グルメである。
<↑琵琶湖を背景にして。タクシーの運転手さんにシャッターを押してもらった>
| 固定リンク
「グルメ・クッキング」カテゴリの記事
- そばがきのしるこ(2023.11.25)
- ワタリガニのパスタ(2023.11.12)
- 丹波篠山の黒枝豆(2023.11.07)
- 地域医療とスープカレー(2023.10.26)
- 乳朝食(にゅうちょうしょく)(2023.10.19)