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2008年11月 4日 (火)

麻生さん、よくやった!

麻生首相が発表した追加景気対策を見て、いいぞ、と思った。
鎌田がずっと訴えていたウエットな資本主義に、少しだけ舵を切った感じがした。
政府にわりあい甘い読売新聞ですら、市場関係者や学識者の採点は40~60点と辛口の評価が多かった。
僕の採点は50点。
及第点には至らないが、評価すべきことはある。

まず、消費税を3年後に上げると言及したことは評価に値する。Photo
二大政党論者の僕ですら、民主党が消費税に関して逃げていることに、納得していない。
麻生さんは、よくやったと思った。
最大の欠点は、バラマキである。
給付金は、おそらくGDP比0.2%上げるのがやっと。
そのための2兆円は無駄である。

次にほめていいのが、介護報酬の引き上げだ。
常勤の介護労働者の月給が2万円程度上がるように、1200億円のお金をつぎ込むという。
これは大英断である。
11月11日が、「介護の日」となった。
名前だけでなく、介護する人を社会的に評価するための、きっかけになればいい。
こういうのは無駄金にならないのである。
自民党が何度もやってきたバブル崩壊後の公共投資は、ほとんどが死に金になっている。
ただ、崩壊寸前の医療には、明確な提言がないことが残念だ。

読売新聞で、ある識者がこう述べている。
社会保障費の国民負担を先行的に国費でまかなったほうが、景気に貢献できたのではないか、と。
至言である。
麻生さんも、この言葉を肝に銘じたほうがいい。
医療や福祉にお金にかけても、国は傾かない。
むしろ、経済的な効果を生むと信じたい。
たとえば、第二子から3000円程度の給付をするなどとお茶を濁すのではなく、医療や介護、子育て、教育という分野に一気にどんとお金を注ぐ。
そのお金は、あたたかな資本主義社会を築くうえで無駄金にはならない。
そして、国民が希望をもって生きるための、下半身にあたたかい血を通わすことになる、と僕は思っている。

1 もし、麻生さんが、国民に向かって、新しい国づくりのビジョンを提示し、協力してほしいと熱いメッセージをおくることができたら、国民の行動も変わってくるに違いない。
今のままでは、病気になったときや老後、介護が必要になったとき、国を頼りにすることはできない。
貯金が頼りなのである。
日本は、1500兆円という、世界でいちばん貯金をもっている国だ。
その3割が動いたら、アメリカを抜いて世界一の経済大国になっていくのである。

麻生さんは、ちょっとはがんばった。
けれど、まだまだ。
もっと自信をもって、あたたかな資本主義を実現してもらいたい。

こうやってみると、やっぱり首相の権限は大きい。
自分の息子に地盤を譲ってしまう首相のあと、投げ出す首相が二代続いた。
日本のこの10年は、リーダーの無力による失われた10年だったように思う。

(写真は、諏訪中央病院の屋上庭園と、絵のあるロビー)

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