高まる終末期医療への関心
5年に1回、終末期医療の調査が国によって大々的に行われている。
5年前には、この委員として調査にかかわった。
今回の調査は興味深い。
延命治療は望まないと考える人が4割、どちらかというと望まないという人を合わせると、7割以上が延命治療に消極的だった。
前回と比べると、16ポイント増えたことになる。
国民の5000人と、医師や看護師、介護職員ら9000人を対象に行われている。
医師・看護師のほうが延命治療は望まないというパーセンテージは高かった。
一方、家族の問題になると、延命治療を望まない、という人の割合が半分に減る。
自分は望んでいないが、家族の問題になると、延命治療をかんたんにはやめられないという日本人特有の考え方があるようである。
終末期医療について、事前に書面で書いておくリビングウィルに賛成とした国民は、62%。
前回より3ポイント上がり、前々回より14ポイント上がっている。
書面内容を医師が尊重してくれる、と考える国民は39%で、リビングウィルを残しても、医師が尊重してくれるかわからないという不信感を、国民はもっている。
その逆に医師は83%が尊重すると考えている。
最近の医師は、本人のリビングウィルをできるだけ尊重すると、意識では思っている。
それがどれくらい実践されているかはまだ不確かではあるが、少なくとも医師の意識は変わりだしている。
自分の命は自分で決めたいという人の思いは、徐々に達成される環境がそろいだしているといえる。
勇気をもって、最後はこうしてほしいという思いを家族に伝えること。
自分で紙に書いておくこと。
あるいは尊厳死協会に入っておくこと。
これはとても大事なことである。
長野県茅野市には、「命の輝きを考える会」というNPOがある。 会員は、1500人以上。
1000円で尊厳死カードを発行してくれる。
尊厳死の宣言書が、リビングウィルである。
僕と妻は、それぞれが会員となり、カードをもっている。そして、こう書いてある。
「万が一のとき、私がいわゆる植物症に陥り、なお意識の回復の見込みがないと2人以上の医師が診断したときは、家族の同意を条件に、いっさいの生命維持装置を止めてください。ただし、この場合、私の苦痛を和らげる処置は最大限にお願いします。そのための副作用で死期が迫ったとしてもいっこうにかまいません。
私の病が現在の医学では不治の状態にあり、死期が近いと判断された場合は、死期を引き延ばす延命処置は一切お断りします。鎌田實」
ご希望の方はぜひお問い合わせを。
命の輝きを考える会 ℡080-5017-3007
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