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2008年11月24日 (月)

鎌田實の一日一冊(7) 恐慌なんて怖くない

金融不安になり、しばらく数年は不透明な経済が続く。Photo
人間の心も、うつ的になっていく可能性が強い。

日本では、自殺者が毎年3万人続いている。
この数は、さらに増えていく可能性も高いように思う。
こんな状況だからこそ、副交感神経を刺激して、ときどき心のウォーミングアップすることが大事なのだ。
心のウォーミングアップ、つまり、心を温めること。
心と体の健康を守りながら、何とか明るく乗り越えていくことが大事だと思う。
そして萎縮しないこと。
経済活動も、こんなときだからこそ、勇気をふるって、元気な経済活動を装う必要がある。
そんなふうにずっと思っていた。

不思議なタイトルにひかれて、『わが友、恐慌--これから日本と日本人の時代が訪れる8つの理由』(松藤民輔著、講談社)という本を読んだ。
経済のことはまったくオンチであるが、素人でもちょっとおもしろい書き方になっている。

著者の松藤さんは、「恐慌こそチャンス」だという。
僕と同じようなことをいう。
だが、チャンスの意味が違う。
彼は、恐慌こそ、ふつうの人がお金持ちになれる一発逆転のチャンスがやってくると主張する。
僕は、モノやお金よりも大事な、忘れていたものがあるということに、もう一回気がつく、一発逆転のチャンスがやってくると考えるのである。

おもしろいと思ったのは、7月末に出ているこの本には、2008年10月24日に2~3割株が下がっているだろうとか、2009年10月24日はさらに下がっているだろうなどと、予言めいたことが書かれていることだ。
さらに、ダボス会議の真相や、地球環境問題の「利権に群がるエリートたちのまやかし」など、うん、なるほど、その可能性はあるなという思うことが端々に出てくるのだ。

日本は、バブル以降、カーボン技術や燃料電池や太陽電池など、職人国日本として実体経済を築いてきたので、被害は少ない。
いま、日本のチャンスである。
アメリカもEUも、実際のお金をもっていないが、日本は1500兆円の預貯金を持っている国である。
世界の先頭を走れるかもしれない、と僕もこのブログでも書いてきた。
松藤さんとは、同じ視点があるなと思った。

株の格付けをしている会社の存在というのも、けっこういいかげんということがわかった。
あのサブプライムに、トリプルAがつけられていたというのも、笑いものである。
世界中がレバレッジ(てこの原理)を利用して、元金の10倍、20倍の賭けをしていた。
博打のようなものである。
これがこげつきの原因となった。

何度も時代は変化してきている。
今回がはじめての不況ではない。
躁うつ病が必ず、うつから躁に変わっていくように、不況から好況に変わっていく。
じっと待つことである。
問題は、その間、心が冷えてしまわないように、温めておくこと。
いまは時代の流れを読み、過去から学び、いい時代が来るのを待つことである。

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