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2008年11月19日 (水)

原発の代償は?

悪性リンパ腫で2005年3月になくなった沖縄の53歳の男性が、7年間7カ所の原発で働き、青森県の六ヶ所村再処理工場で放射能漏れ検査に従事し、悪性リンパ腫で亡くなったことについて、労災認定がされた。
原発労働による放射線被爆によって、悪性リンパ腫を発病し、死に至ったと認められたのである。
それまでは白血病などは労災認定されたことがあったが、悪性リンパ腫ははじめてである。

チェルノブイリの原発事故から22年たつ。Pb140347
今年の7月に放射能汚染村ベトカに行った。
新しく体内被曝をする一般の生活者があとを断たない。
ホールボディカウンティングをすると、昨年1年間で56人の体内被曝者が発見され、
僕が行った今年の上半期だけでも、すでに26人の体内被曝者を数えた。
この人たちはチェルノブイリで働いていた人たちではない。
原発の風下になった地域の一般の農民である。
しかも、数百キロ離れた地域の森のなかで生活する人々である。
その森が放射能で汚れて、22年たった今も、そこで生活している人たちの体内へ放射能がもぐりこんでいるということである。
原発で働くことも、原発が近くにあることも、怖い。

本当に原発を次々に作らないと、電力をまかなえないのか。
できるだけ慎重に検討したほうがいい。
温暖化は事実であるが、それをうまく利用されて、軽がると原発を増やしていくことに関しては、ぜひぜひ厳しい議論をしてほしいと思う。

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