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2008年12月24日 (水)

鎌田實 日本経済への提言 その①

~~リーダーよ、物語を語れ!~~

「日経マネー」という月刊誌の取材を受けた。
経済のことは、わからない。
経済誌など、見たことがない。
基本的に素人である。

編集者から、たいへんほめられた。
日本の経済をどう立て直すべきか、持論を述べたところ、
世界三大投資家の一人とされる、ジム・ロジャースというカリスマが言っていることと、
ドクター・カマタが言っていることは、けっこう似ているなどと言われ、うれしくなった。

ぼくは、35年前、4億円の赤字を抱えている病院に赴任し、病院の再建に取り組んだ。
まず病院の、地域の評価をあげること。Pc230382
あたたかなシステムづくりをすること。 
地域へ出て行くことなどによって、成果をあげた。

経済も、経営学も、学んではいない。
ただ、ぼくは、2、3年という小さな単位ではなく、10年単位の大きな波があると考えて、
10年先を視点に入れながら、病院の舵取りも、自分の人生も歩んできた。
現在のように、100年に一度の恐慌という機運が蔓延していると、永久にこのまま悪い状態が続くのではないかと人間は思ってしまう。
だが、今は下向きの波でも、いつか必ず上向きの波がやってくるものだ。
あせってはいけない。

ところで、ぼくは、この波の高低差をできるだけ小さくするのが、新しいスタイルの資本主義のあり方だと思っている。
資本主義は、ほうっておけばドライな競争主義になる。
競争が激しくなれば、必ず、波形は大きなものとなり、上向きの好況も大きくなれば、下向きの恐慌も大きくなる。
この波を小さくすることが、資本主義を永続させるうえで、大事だと考えている。
ぼくは、これを「ウエットな資本主義」といい、3年ほど前から原稿に書いたり、話したりしてきた。

「ウエットな資本主義」とは、小泉さんがやろうとしていた「ドライな資本主義」とは真逆にある。
Pc230386そして、下半身に血の通った、あたたかな国づくりをし、上半身で貿易立国として、過激な戦いのできる国にすべき、と述べてきた。
下半身にあたたかな血を通わせるためには、分厚い中流をつくることである。
分厚い中流を育てるためには、子どもを安心して産み育てられ、教育が充実して、歳をとることが怖くないようように老後の心配をなくしてあげること。
これを徹底的に充実させながら、激しい競争ができる国にするのというが、ぼくの考える理想的な国づくりなのだ。

だが、この国のリーダーは、どんな国づくりを目指しているのか、まったく見えてこない。
こんな状態になったときこそ、理想の国づくりの物語を、リーダーは語るべきではないか。

時事通信の最新の世論調査によると、麻生内閣の支持率はさらに下がり、16.7%になった。
23兆円の緊急経済対策を出したにもかからず、
日銀が金利0.1%にし、CPを買い切るという異例の企業支援を打ち出したのにもかかわらず、
逆風は止まりそうもない。
それは、日本のリーダーが、どんな国にしようとしているのかを語っていないからである。
いくらお金を動かしても、そのお金は生きてこない。

いまこそリーダーは、国民に向かって、切々と物語を語ってほしい。
そして、その物語は、国民の冷え切ったこころをあたためるような、熱い国づくりの物語であってほしい。

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