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2009年1月

2009年1月31日 (土)

鎌田實 日本経済への提言⑯

~~「ブレーク・ステート」しよう~~

ブレーク(braek)は中断させるという意味、ステート(state)は、状態という意味である。
仕事をしているときに、窓に外に夕日が落ちていく。
そのときは仕事を一瞬やめて、ブレーク・ステートすることによって、副交感神経が刺激され、血液の循環がよくなり、血圧も少し下がり、疲労回復に向かう。
当然、仕事の能率も上がる。

カッカしていたり、イライラしていたり、交感神経が緊張していると、血管が収縮して、血圧が上がる。
そんなときに、ブレーク・ステートすれば、いい状態に揺りもどされていく。 Dsc01975

会議でいき詰まっているときでも、親子でケンカしかかっているときにも、ブレーク・ステートするのはとてもいい。
がんの治療中でも、ほかの難病の治療中でも、のめりこみすぎているときには、ブレーク・ステートしてみることが大事である。

最近、パチンコ依存症なんていう言葉があるらしい。
アルコール依存症も同じ。
ブレーク・ステートしてみると、もしかしたら、そこから脱出できるきっかけがつかめるかもしれない。

ブレーク・ステートして、こころをあたためることである。
経済崩壊のなかでは、「会社がどうなるか」「仕事がどうなってしまうのか」・・・と悪い考えが頭のなかをめぐってしまいがちだ。
そんなとき、ブレーク・ステートするといいと思う。

写真は、ファンの方が作ってくれたパッチワーク。
ドクター・カマタが鼻歌をうたいながら、ひまわりの咲く道を行く。

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2009年1月30日 (金)

発見!特Bグルメ(37) ビーフヘレカツサンド

銀座7丁目にある新世界グリル梵は、ちょっとしゃれたお店。
ここの極上のビーフヘルカツサンドを食べた。
ヒレカツサントではなく、ヘレカツサンドというのがいい。090122
ヘレカツサンドの専門店である。

ランチの時間は、ハーフで、コーヒーがついて1000円。
めちゃくちゃうまい。
おそらくソースには、玉ねぎやニンジン、リンゴ、ショウガ、セロリ、キャベツなどが入っている。
しょうゆベースに、トマトソースやウスターソースが加わったような、不思議な深い味がする。

昭和12年、大阪の通天閣にできた洋食屋で、伝統の味を70年間、守り続けている。
このヘレカツサンド、絶対にはずれはない。

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人とのつながりが支える新しいがんケア

乳がんを専門とする、聖マリアンヌ医科大学の福田護教授と対談した。

福田教授は、2000年からピンクリポン運動を展開し、乳がんの早期発見や早期治療を啓発してきた。
さらに、NPO法人キャンサーリボンズを立ち上げ、乳がんだけではなくて、ほかのすべてのがんの患者さんたちの不安を軽減する新しい取り組みキャンサーリボンズ運動を始めた。
その拠点となるリボンズハウスが、日本中の病院に併設するような形でいくつか実現しつつある。2
リボンズハウスにいくと、がんの患者さんたちやボランティアの人たちが、がんについての情報や、食や美容の問題など、心身の適切なケアの相談に応じてくれる。

福田教授は、ピンクリボン運動を通して、「ドクター・センタード・キャンサー・ケア」(医師中心のがん医療)から、「ペイシェント・センタード・キャンサー・ケア」(患者中心のがん医療)を目指してきた。
キャンサーリボンズ運動では、さらに「リレーションシップ・センタード・キャンサー・ケア」(人間関係中心のがん医療)を目指したいという。
人間関係中心のがん医療――。
つまり、人と人との関係、人と人とのつながりのなかで、がん患者を支えていくことを目指した新しい運動だ。

一方、がんの拠点病院化がすすんでいる。
マスコミで、がんの拠点病院や有名病院が取り上げられると、患者が一気に押し寄せる。
患者が集中化し、現場は混乱を極める。
「もう治療法はありません」と、医師から冷たいことを言われ、放り出された患者は、がん難民となる。
がんの拠点病院でむしろ、がん難民を生み出している現実があるのだ。

一つの病院が、点で支えている。
それに対して、人と人の関係のなかで支えていくという考え方は、とても興味深い。

3 聖マリアンヌ医科大学では、今年3月、ブレストイメージング先端医療センターを開設する。
乳がんを中心に、乳がんだけではなく、女性の医療の新しい時代をひらく世界最高水準の医療を目指したセンターだという。

福田先生は、現在、諏訪中央病院の院長である浜口先生と、聖マリアンヌ医科大学の外科で一緒だったということで、諏訪中央病院には、聖マリアンヌ医科大学の外科からも医師を派遣していただいている。
つながりが深い大学である。


写真は、諏訪中央病院のロビー。絵画や風景などを眺めながら、人と人がゆったりと絆を結ぶ。

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2009年1月29日 (木)

発見!特Bグルメ(36) イカの刺身

090115 福岡を訪ねたとき、河太郎というお店で、新鮮なイカをいただいた。
大きないけすを取り囲むように、カウンター席があり、
イカがすいすいと泳いでいるのが見える。090115_2

胴体は、刺身でいただき、げそや頭は、天ぷらや塩焼きにして、まるまるいただく。
今まで食べたことがないくらい、うまいイカだった。

090115_3
玄界灘でとれたというアカハタの煮付けもいただいた。
スズキの仲間で、秋田名物のハタハタとは遠い親戚らしい。

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鳩山総務相、えらい

かんぽの宿に関しては、このブログでも一度、取り上げた。
109億円で、オリックスへと売却するそうである。
オリックスのトップをしている人は、政治商人的で、もともと胡散くさいと思っていた。
小泉さんのブレーンにもなり、日本の医療を崩壊させるような政策に加担してきた感じがするのである。
オリックスは保険業をしているので、日本の国民皆保険がつぶれて、アメリカのように民間の医療保険でカバーする方向に向かえば、大きなビジネスチャンスになる。
オリックスはそれを狙っているのではないかと、ぼくは何となく勘ぐってきた。

郵政民営化により、かんぽの宿が売られる。
売られることは問題はないが、売り先が怪しい。
政治を動かすような発言ができる人が、自分の会社の有利になるような商談をまとめてしまうというのは、ちょっと下品なような気がする。

鳩山総務相が、これに「待った」をかけた。
よく言い出したと思う。
徹底的に暴き出したほうがいい。
日本郵政は入札の経過など、すべてをオープンにしたほうがいいと思う。
こういう話はできるだけオープンにしたほうがいいのである。

一括譲渡というのも、ちょっと変だ。
埼玉県のある施設は、300億円もかかっている。
しかも、年間の利用者が5万6000人もいて、人気施設だ。
そんなものもまるごと全部、売ってしまう。
首都圏にある、9物件の社宅も含まれているというから、あきれる。
価値のあるものを叩き売って、政治商人がもうかるという構図は、ちょっと許せない。

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2009年1月28日 (水)

「星影のステラ」に酔っています

ぼくは、毎朝4時半に起きると、鎌田流がんばらないスクワットで軽い運動をする。
そして、デロンギのエスプレッソマシーンで、エスプレッソをいれ、音楽を聴く。

いまのお気に入りは、「星影のステラ」。
キース・ジャレットのピアノと、ゲイリー・ピーコックのベースと、ジャック・ディジョネットのドラムスというスタンダーズトリオによる、Photo_21985年パリでのライブ録音のCDだ。

スリリングなジャズが展開される。
キースが、うなり声をあげながら、ピアノを疾走させるのである。
走って、走って、しかも、原メロディーをはずさずに、美しい調和のとれたジャズに仕上がっている。
快適なスイング感を楽しめる。
ピアノの詩人キースの真骨頂である。

キース・ジャレットの「星影のステラ」を聴きながら、夜の闇が明けていく信州の風景は、じつに美しい。

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2009年1月27日 (火)

本当にご支援、ありがとう!

哲学のある義理チョコが、大好評です。
注文が、6万個を突破しました。
残りは1万個。
バレンタインデーを控えて、いよいよ在庫が残り少なくなってきました。
この勢いでいけば、おそらく、この一週間くらいで完売になってしまうかもしれません。
ほんとうにご支援、ありがとうございます!
ご注文の方は、お急ぎください。
ご注文は、JIM-NET(電話03-5816-3721 10時~19時)へ。

3月13日に東京の津田ホールで開かれるブラダン・コチのコンサートは、すでにチケットが完売しましたが、
あまりにも問い合わせが多く、急きょ、特別席を設けることになりました。
特別席は、5000円(じゃっかん名)。
舞台の上にご招待して、間近でブラダン・コチの演奏や鎌田の講演を聴くことができます。
お問い合わせは、チェルノブイリ連帯基金へ。

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医師不足はさらに悪化

P1250304 日本政策投資銀行の試算によると、2025年には、医師不足がさらに進むらしい。
現在、医師不足が叫ばれているが、16年後には、比較的医師が多い東京や京都でも医師不足になる、という。

2005年の段階では、患者数1000人あたりの医師の数は、東京が約41人で1位、京都が約40人で2位、福岡が約39人で3位。
反対に、医師が少ないのは、埼玉が約21人、茨城県が22人、新潟が23人となる。

2025年には、さらなる高齢化によって患者数が増えると試算し、患者1000人あたりの医師数は、最も恵まれていた東京でも、41人から33人に、京都でも、40人から36人に低下する。

現在、日本の医師の数は27万8000人。
この数少ない医師たちにどう働いてもらうかという戦略が必要なのであるが、麻生さんには、その戦略がまったく見られないのである。
医療が崩壊する前に、麻生さん、早く手を打たなければ。
2兆円のバラマキはやめて、医療や福祉に投入しよう。

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2009年1月26日 (月)

妻が組長になった

今年から妻のさとさんが、隣組の組長になり、ぼくは地域の常会の副常会長になった。
地域の役がまわってくるたびに、今までさとさんはぼくの代理をつとめてきた。
でも、今年は、さとさんに組長が、ぼくには副会長がまわってきたのである。

さとさんが兼務するわけにもいかず、ぼくはとても受けることはできないと考えた。
区から脱会することを決意して、脱会を申し込みにいった。
昨年の暮れのことだった。

しかし、脱会は認められなかった。P1250316
「地域で生きていく以上、どんなに世界をとびまわっていても、ちっちゃな地域の共同体の仕事をしてもらわないと困ります」
こんな言い方はされなかったが、まさにそんな感じで、跳ね飛ばされてしまった。

暮れから引継ぎもあり、常会の集まりや区の集まりに顔を出すようになった。
やっとわかった。
こうやって、地域の共同体が守られているのか、と。

1年を通して、新年会があったり、運動会があったり、野球大会があったり、バレーボール大会があったり、子どもを遊ばす会があったり、文化講演会があったり、地域の人と人をつなげるしくみが、縦横無尽にあることに気が付いた。

雪が降れば、朝6時に有線放送が入り、みんなで自分の家の前を雪かきをする。
役がまわってきた年には、自分の家の前だけでなく、公的なところまで出かけていって、みんなで雪かきをするのである。

世話役がいて、何人かの面倒見のいい人たちがいることで、共同体が守られていることもよくわかった。
全員が地域の共同体に対して、熱い思い入れがなくても、一部の人が熱い思いをもっているおかげで、共同体はなんとか維持できている。
こういう視点の上に、ぼくがやってきた健康づくり運動があるということも、やっと見えてきた。

ヨーロッパからはじまった隣人祭りというのが、日本にも入ってきた。
都市や、会社が林立するビルの回りで、隣人祭りがはやりだしているという。

日本の地方には、まだまだ隣人祭り以上の、人と人をつなげるネットワークがある。
これが日本の宝なのかもしれない。
こういう大切なものを、壊さないように守り続けていくことが大切なんだろう。

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「日経マネー」をご覧ください

ブログでの連載「鎌田實 日本経済への提言」が、大好評。0901213
みんなの、経済への関心が高まっていることをあらためて感じる。

「日経マネー」3月号で、医療もに経済にも人生にも10年周期で大きな波がある、だから、いま株を買おう、と鎌田が提案している。
期間限定の相続税の撤廃など、日本経済再生への一つのアイデアなども、語っている。

ぜひ読んでください。

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2009年1月25日 (日)

発見!特Bグルメ(35) みそかつ丼

090116_2  名古屋の矢場とんのみそかつ丼に、いまはまっている。
ぼくのお気に入りB級グルメ。
以前は、名古屋へ行くと必ずといっていいほど、みそ煮込みうどんを食べていた。
どちらかというと、みそかつ丼はノーサンキューだった。
だが、矢場とんのみそかつ丼を食べてからは、これにこっている。

みそかつ丼には、上品ではない、うまさがある。
長野県の駒ヶ根のソースカツ丼に匹敵すると思う。

ぜひ、名古屋に行ったときには、矢場とんのみそかつ丼を試してみてください。

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2009年1月24日 (土)

政商を許すな

日本郵政のかんぽの宿70カ所簿価141億円を、109億円で譲渡することが決まったという。
27社が二度にわって、競争入札をして、その結果、オリックスになったという。
制度上の問題は何もなさそうに思えるが、国民感情としては納得ができない。

日本郵政は、無駄使いをしておいて、赤字を垂れ流ししているので、売ることに関しては問題ない。
だが、オリックスの会長は、小泉内閣の総合規制改革会議の議長をつとめ、政府の対して、経済のご意見番みたいな役目をしてきた人だ。P1250302
その人が、自分の企業に利するようなことをしていいのだろうか。
規制改革会議のなかでは、郵政民営化は議論しなかったと言い訳をしているようであるが、この国の大きな流れをつくってきたことは間違いない。

オリックスの宮内会長に関しては、もともとぼくは不安をもっていた。
この6、7年、アメリカは日本の医療制度を崩壊させ、アメリカ並みに自由に民間保険が医療制度を支えるしくみにすべきだと、強行に申請書を出している。
日本の宝である国民皆保険制度を崩壊させようとしているのである。
小泉政権や宮内さんたちは、こうしたアメリカの考えにのっかっているように思えた。

保険業をしている人たちにとっては、国民皆保険制度がなくなり、民間の医療保険がカバーするという話はたいへん魅力的な儲け話なのである。
小泉政権時代の2002~2006年にかけて、医療費の診療報酬が6.9%抑制され、なかおつ、2200億円の社会保障費の抑制も毎年行われるようになった。

わざと医療に逆風を吹かせ、医療崩壊をさせる。P1250301
そして、医療制度が崩壊してしまったら、アメリカのような民間保険を中心にした制度をつくるという、アメリカ大好きの小泉さんの発想と、保険業をしている宮内さんの利害が一致したのではないか、とぼくは疑っていたのである。

こういう政商に、仁とか、義とか、愛とかは語れない。
国を救う意識のない人を、政治にかかわらせてはならない。
こういう人に規制改革会議の議長など、させるべきではなかったのだ。
この国の再生を本気で考えるなら、自分の企業に、出来レースのように利益をもってくるようなことは厳に慎まなければいけない。

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2009年1月23日 (金)

1/25「わたしが子どもだったころ」再放送

昨年1月に放送された「わたしが子どもだったころ 医師 鎌田實」が再放送される。

病弱だった母と、医療費をかせぐためにタクシー運転手として働いた父。
「やさしくなければ医療じゃない」と思い、「患者のためにつくす医者」を目指してきたぼくの源流ともいえる少年時代を描いたドキュメンタリー。
自分でいうのも何だけど、泣けます。

放送は、NHK総合、1月25日の深夜(翌26日)0時30分~1時15分。
ぜひ、ご覧ください。

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『いいかげんがいい』5刷決定

10日ほど前に4刷の増刷をお知らせしたばかりだが、『いいかげんがいい』(集英社)の5刷が決定した。
合計6万3000冊になる。Photo
先日、出演させてもらった大沢悠里さんのラジオ番組の効果が大きかったようで、たくさんの人が本屋さんに走ってくれたようだ。
ありがとうございました。

1月25日、BS朝日で放送の、菅原明子の「一期一話」でも、『いいかげんがいい』を取り上げてくれる。
鎌田の地域医療や、イラク支援、チェルノブイリ救援活動についても紹介してくれている。
放送は、BS朝日 午後3時~3時半、再放送は2月1日の午前9時~9時半。ぜひ、ご覧ください。

菅原文太さんのラジオ「日本人の底力」(ニッポン放送、1月25日午前5時30分~)にも鎌田が出演。『いいかげんがいい』を紹介させてもらう。

たくさんの方たちの応援を得て、『いいかげんがいい』は爆走中。
「泣いた」「笑った」と、読者から声が届いている。

さらに応援をお願いいたします。


★「わたしが子どもだったころ」の再放送も含めて、25日は早朝から深夜まで、いろんなところに顔を出しているので、ぜひお見逃し、お聞き逃しなく★

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2009年1月22日 (木)

発見!特Bグルメ(34)大沢悠里さんとの楽しい食事

先日、銀座のうかい亭で、大沢悠里さんとたいへん楽しい食事をした。
今まで食べたいろんなあわびよりも、おいしいあわびだった。
昆布であわびを包み、赤穂の塩で蒸し焼きにするという、なんとも豪華なものだった。
やわらかくて、味わいが深く、肝も食べやすくておいしかった。

ぼくは、2000年9月に『がんばらない』という本を出した090118
少し売れ出した01年3月に、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」に出演をさせてもらったのがバネになり、たくさんの人が『がんばらない』を読んでくれるきっかけになった。
秋山ちえ子さんは、この番組を聞いていて、まだそのころ秋山ちえ子さんがなさっていた番組で、『がんばらない』を紹介してくれた。
大きな連鎖反応をおこした、最初のスタートは大沢悠里のゆうゆうワイドだったのだ。

大沢悠里のゆうゆうワイドを、諏訪中央病院の庭から放送したときには、画家の原田泰治さんとともに鎌田が、諏訪や茅野の名店をご案内した。
それ以来、大沢さんは、ぼくの行ったことのないようなお店に連れて行ってくれる。

今年5月にPHPから出版される『へこたれない』というたいへんおもしろい本では、大沢悠里さんに浅草のどじょう屋に連れていってもらった話が、出色のおもしろさで書かれている。
大沢悠里さんの「お色気大賞」のすごさなども、この本で紹介している。
大沢悠里ファンは、ぜひ期待ください。

Photo_3 大沢悠里さんは、イラクやチェルノブイリへのぼくらの支援活動を、たいへん理解していただき、協力いただいている。
おかげで、バレンタインの義理チョコの売れ行きもすごい勢いだ。
ブラダン・コチのコンサートのチケットは、完売してしまった。
すべて大沢悠里さんのおかげだ。
大沢悠里のゆうゆうワイドのファンの方たちは、あたたかい。
感謝、感謝、感謝です。

写真は、大沢悠里さんと、ゆうゆうワイドの月曜日のパートナー西村千江子さんと3人で、番組の途中で撮影しました。

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ご支援ありがとう!

3月13日に開催するブラダン・コチの『ふるさと~プラハの春~』チャリティコンサートのチケットが完売しました。
昼の部と夜の部、あわせて1000枚。Photo_2
驚くべき早さで、売lり切れてしまいました。
ありがたいことです。

ご支援をいただいた方、本当にありがとうございます。
今回、チケットを入手できなかった方は、ごめんなさい。

イラクの病気の子どもを支援するチョコレートも、ものすごい勢いでご注文をいただいています。
すでに5万3000個が売れました。
残りはあと1万7000個と、秒読み段階に入りました。
今年のバレンタインデーは、哲学のある義理チョコをと、思っている方は、お急ぎください。

注文を受け付けているJIM-NETのコールセンターは、パンク寸前でスタッフはてんてこ舞い。
電話、ファクスでも受け付けていますが、できればメールでの注文をお願いします。
ご注文は、こちらへ。

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2009年1月21日 (水)

鎌田實 日本経済への提言⑮

~~保護貿易に傾かないこと~~

ロシアが輸入する自動車について、高額な関税をかけだした。
この傾向が、世界中に広がることを防がなければいけない。
1930年ごろの大恐慌は、この保護貿易によって、病態をさらに悪化させた経験がある。
オバマは、当然、労働者よりの政策をとる。
ビッグ3が当面、立ち直れないとなると、アメリカの自動車産業を守るために、関税を高くして保護貿易をもちこむ可能性も否定できない。

世界中が、厳しい状況になってきている。
一時元気があったベトナムも、厳しい。
中国の農民工とよばれる出稼ぎ労働者も、解雇されだしている。
これから270万人の労働者が失業する可能性もあるといわれている。

金融立国として元気だったイギリスも、アイスランドも、たいへん厳しい状況に追い込まれている。
カジノ経済のようなばくち打ちの経済を、世界中で二度と行われないような規制が必要であろう。
しかも、世界が立ち直ってくためには、新たなパラダイムシフトをおこしていく必要がある。

では、どんなビジネスモデルを作り上げていったらいいのだろうか。

前回、書いたように、グリーン・ジョブ、あるいはグリーン・リカバリーをテコにして、再生をはかっていくべきだ、とぼくは思う。
価値ある商品づくりをして、厳しい状況のなかでも輸出をしつづけ、なおかつバランスよく、今までとはケタはずれに内需を拡大していく必要がある。

そのめには、分厚い中流をつくることである。
若者たちが結婚しやすい状況をつくり、子育てをしやすい支援を充実し、そして、国民に、自分のもっている貯金の一割を使うことが国を救うことになるという物語を語り続けないと、経済的危機を脱出することは難しいだろう。

1930年代は、大恐慌が引き金となり、保護貿易が行われるようになり、苦し紛れに戦争まで走っていった。
地球上に二度とそのような悲劇がおきないようにしたい。
そのためには、保護貿易をせず、自由貿易がきちんと行われるように、日本も経済政策の舵取りをしていかないといけないと思う。

埴谷雄高の『死霊』のように、経済が崩壊し、生活が行き詰まり、絶望に陥っても、そこで絶望とは何か考えてみるべき。
どんな状況になっても、もう一人の自分が客観的にのぞいているような視点をもつことが大事だ。
景気の波が下がっていると、永久に下がり続けてしまうのではないかと不安になる。
不安にさいなまれるのが人間であるが、下がった波は必ず上がると信じながら、絶望を客観的に受け止めることが大事なのだと思う。

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鎌田劇場へようこそ!(14)『チェ 28歳の革命』

大ヒットしているらしいが、偉大な失敗作だと思う。

チェ・ゲバラのファンにとっては、たまらない映画づくりだと思う。1
映画が好きな人にとっても、いくつかの魅力的な仕掛けがあり、たまらない映画だとは思う、たしかに。
しかし・・・。

ハリウッド映画に慣らされている観客にとっては、退屈な映画になるだろう。
監督のスティーブン・ソダーバーグはこう言っている。
「ぼくがどうしても観客に伝えられなかったもの、それはにおいだけだ」
「チェという人間と一緒にいること、それはどんな感覚だったのか味わってほしい」

ソダーバーグ監督の狙いからすれば、まさに計算しつくされた構成になっている。
見事にチェという人間と一緒にいること、同じ空気を吸うことがどんな感覚だったかがわかるような映画の仕掛けになっていることは間違いがない。
観客に伝えられなかったものは、においだけだと監督はいうが、じつはそのにおいを伝えているのである。
そういう意味では、すてきですばらしい映画だと思う。

2 28歳のチェが、ハバナへ向かって、キューバ革命を戦っていく。
革命成立後、チェがキューバのナンバー2として、国連総会で演説をするその光景が白黒になるのだが、これは観念的すぎるように思えた。
ストレートに描いても、それだけで魅力的なチェという人間の姿が、技巧的な編集の仕方をしたことによって、退屈な作品になったように思う。

パート2の『チェ 39歳別れの手紙』をみていないので、何ともいえないが、こちらもまた、映画のサイズをかえ、違った手法で撮られているらしい。
チェが39歳で亡くなっていく1966~67年の最後の1年を描いている。
一気に4時間半、2本の映画をまとめてみないと、監督の狙いがいまひとつピンと伝わっていない可能性はある。
こちらをみたうえで、映画の本当の評価をしたいと思う。
いまはただ、チャレンジ精神のある映画だとだけ言っておきたい。

チェ・ゲバラを演じたデル・トロがいい。
デル・トロという俳優をみるだけでも、みる価値のある映画だと思った。A

ぼくの書斎の裏側には、ドラムの練習をしたり、音楽を聴いたり、読書をする隠れ部屋がある。
そこには、ぼくが設計した、ひょうたん型の不思議な形の、ピアノ盤を利用してつくったテーブルがある。
その黒い、輝くテーブルのうえには、いつも、チェ・ゲバラの写真集が置かれている。
朝4時半におきて、コルトレーンのジャズを聴きながら、チェ・ゲバラの写真集をみる。
ぼくの至福の時間なのである。

チェ・ゲバラを好きな人間にとっては、こたえられない『チェ 28歳の革命』。
チェという人間に興味のある人、映画好きの人にはおすすめである。
ハリウッド映画大好きな人には、お金をドブに捨てるようなものかもしれない。

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発見!特Bグルメ(33)芸術品のようなそば

090111_5 蓼科にある登美のそば。 

ここのかわりそばは、芸術品のようだ。
そば殻を丹念に除いた、白いそば粉に、芥子の実を入れている。
なんとも風味があって、おいしい。
ほかにも、田舎そばという太くてがっしりしたそばや、つなぎなしの十割そばなど、そばのおいしさを堪能できる。

蓼科に起こしの際は、ぜひ、どうぞ。

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2009年1月20日 (火)

ブラダン・コチのおもてなし

「わが人生、最良の瞬間、輝ける30人の幸福論」
文芸春秋2月号の特別企画である。

ぼくも寄稿している。 2_2
ぼくの最良の瞬間とは、何か―ー。

ぼくは人に支えられる人生を送ってきた。
子どものころは、食べるのが大変だった。
たくさんの人に助けてもらった。
食事を食べさせてもらったことも多い。

なんだかそれが身についたのか、いつも人生の大事な節々で、忘れられない食卓に招待された。
イラクの子どもたちを助けたいと思って、イラクやシリアやヨルダンを訪ねたときにも、ぼくたちが遠く日本から来たことを知ると、自分たちの大切な食べ物をテーブルに並べ、もてなしてくれた。
多くは、日々の生活を送るのも困難な人たちが、である。

最高のおもてなしは、チェルノブイリの原発事故の被害にあった地域のおばあちゃんの食卓だった。
ぼくたちが子どもの診察をしたあと、おばあちゃんは、畑仕事をそっちのけで、ありったけの食事を食べさせてくれた。

昨年、がんばらないレーベル第3弾のCD『ふるさと~プラハの春~』の制作に行ったプラハでも、チェリストのブラダン・コチから、手作りの夕食のおもてなしを受けた。
囚人となっても、自分の哲学を曲げず、民主化を成功させたチェコのチェリスト、ブラダン・コチの夕食は、シンプル・イズ・ベストであった。

彼が二日間、手間ひまかけてつくったスープ。
それに、ワインとパンと、少量のチーズ。
しかし、あたたかな晩餐であった。
ぜいたくをしないブラダン・コチの生き方がまざまざと感じられた。

友人ブラダン・コチが、3月13日、東京の津田ホールでチャリティーコンサートを行う。
ぜひ、聴きにきてください。
彼の音楽でのおもてなしを感じられるはず。

コンサートについては、鎌田實ホームページをご覧ください。

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鎌田實 日本経済への提言⑭

~~グリーン・ジョプを~~

昨年夏、太陽光発電を岩次郎小屋の屋根に取り付けた。
発電した電気は、1キロワット23円で電力会社が買ってくれる。
ドイツでは1キロワット90円で電力会社が買ってくれるのに対して、ずいぶん違いがある。
今年から太陽光発電を取り付けると、補助金がでる制度もやっとつくられたが、もっと大胆な政策が必要なのではないか。
日本の太陽光発電を、世界のナンバーワン企業にするためには、まず国内での消費をおこさなければならない。

明日、大統領に就任するオバマは、この10年間で、15兆円をエコに投入し、約500万人の雇用を生み出そうとしている。
EUも2020年に自然エネルギーの比率を20%にするという目標をたてている。
英国は、2020年までに10兆円を投資して、風車を7000基建設するという。
ドイツは、自然エネルギー分野の雇用を25万人に増やし、2020年には自動車産業を上回る労働者をつくる算段だといわれている。
フランスでも、50万人の雇用創出を考えているという。

では、日本はどうか。
自動車産業にもお金を投入していいから、今回のような派遣の切捨てをさせないで、ワークシェアをさせながら、世界最先端のエコカー作りをさらにすすめる大胆な施策を講じるべきだと思う。

電力会社の言いなりにならず、原発エネルギーではなく、自然エネルギーをもっと増やそう。
そのためには、自然エネルギーの買取価格を、ドイツ並みに高く設定する必要がある。

麻生さん、電力会社の言いなりになってはいけない。
自然エネルギーを増やすということを、日本は高らかに掲げよう。

前回、政治にとっても経済の立て直しにとっても、「愛」が必要であると述べた。
国民を愛すること、そして、自然を愛すること。
どうも、このへんに経済危機を脱出するヒントが隠れているような気がする。

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2009年1月19日 (月)

鎌田實 日本経済への提言⑬

~~経済にも「愛」が大事~~

NHKの大河ドラマ「天地人」は、上杉謙信を支えた直江兼続が主人公。
かぶとの前立てに「愛」の一文字を使用していたという。
戦国時代に生きた武将としては、なんとも不思議な文字をかぶとにつけている。
義に生き、愛に生きた武将なのらしい。

チェ・ゲバラの映画をみたが、その映画のなかで、革命家に必要なのものは「愛」だとチェは言っている。
真の革命家は、偉大なる愛に導かれ、人間への愛、正義への愛、真実への愛を重んじる。

これからくるであろう数年間の恐慌状態をのりきるためには、経済にも、愛が必要なのだと思う。
もちろん、政治にも、だ。

麻生さんは、愛を語れる政治家ではない。
経済の建て直しに愛を語れる、しゃれた感性はもっていないだろう。
国民への愛。
これが救国には必要なのである。
さりとて、民主党の小沢さんが愛を語れるとは思えない。

戦国時代に直江兼続が出現したように、世界的な恐慌のなかで、窒息しそうな日本の政治状況のなかで、愛を語れる政治家が現れることを願う。
ドライな資本主義からウエットな資本主義へ、国民のこころを揺さぶり、ひとつの革命ができるような政治家が必要なのは、今だと思う。

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2009年1月18日 (日)

発見!特Bグルメ(32)駒ヶ根のソースカツ丼

一般的にカツ丼といえば、卵でとじてある煮カツがのっているが、 
駒ヶ根のカツ丼は、これ。090109_2

キャベツの上に、ソースカツがのっている。
文字通り、カツ丼だ。

大好きなB級グルメ。

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鎌田實 日本経済への提言⑫

~~大きな時代の流れとしてとらえる~~

19世紀は帝国主義の時代だった。
欧州が中心だった。
植民地体制を構築し、その余力で合理主義や科学主義を広めた。

20世紀はアメリカの時代である。
ボブ・ディランの音楽や、ハリウッドの映画は全盛であった。
このブログで『世界が静止する日』という映画を、最近の失敗作として取り上げたが、ハリウッド映画の衰退はひどいものである。
文化の力が壊れかけていると考えていいだろう。
アメリカ流の金融工学が、大仕掛けの詐欺まがいのものであったことは、やっと世界が認識した。

21世紀は、多極化の時代である。
今までの世界観に反動が起き、ヨーロッパやアメリカという一極を中心にした世界観が変わっていく。
おそらく、ロシアももう一回、息を吹き返すだろう。
世界は、いわぱ、横綱のない時代に突入する。
EUや、アメリカ、ロシア、中国など、そういった関脇クラスの国が群雄割拠する時代となっていく。
そのなかで、日本は、ロシアともヨーロッパともアメリカとも上手につながりながら、基本的にはアジアと連携していくことである。
いま、アジアは苦しんでいる。
傷の少なかった日本がアジアを丁寧に支え、アジアのリーダーとして、日本らしい生き方を世界に示していくこと。
どこかの国の子分になるのではなく、アジアという拠点に、きちんと足場を構築していくことが、不況の苦しいなかでの日本の選択だと思う。

麻生さん、きちんとした世界観をもとう。

読売新聞の「大波乱に立ち向かう」という連載のなかで、ぼくの大好きなノーベル文学賞受賞者、オルハン・パムクの談話がのっていた。
イスラム原理主義と、世俗主義の戦いを書いた『雪』という小説は、彼の近作のなかで、優れた小説だと思っていた。

多民族、多文化の共存はできると、パムクはいう。
イスラム世界にも自由な民主主義社会を望む人はけっこう多い、と述べている。
トルコのEU加盟が取り沙汰され、反対する人たちもけっこう多いが、EUという“キリスト教徒クラブ”に加入することによって、キリスト教という宗教ではなく、もう一方にある自由、平等、博愛の精神を共有することが、お互いにできるようになる。
EUにトルコが加盟するために、クルド人の分離独立もゆるやかに認めざるを得なくなる。
そうすることによって、表現の自由や少数派の権利を認めることになり、イスラム世界の一つの橋頭堡になっていく可能性がある、という。

実にそうだと思う。
パムクの言うように、世界は多極化に向かっている。
いろんな宗教が共存し合い、多極化のなかで経済も、政治も、文化も、宗教も、共存し合っていく。
それが21世紀の大きな目指すところである。

今回の経済の崩壊により、アメリカの一極中心主義が崩壊した。これを契機に、今までずっと戦いの元となっていた矛盾や違いというものを、お互いにそのまま認め合い、お互いが共存していく、新たな世界観をつくっていくことが大事なのだと思う。
そうした世界観のなかで、日本の経済をどう再建していくかが問われるところである。

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2009年1月17日 (土)

原発施設に不透明なお金

西松建設は、海外でつくった裏金一億円を、福島の企業に融資し、そのお金を青森県のむつ市に計画されていた、
使用済み核燃料中間貯蔵施設の土地の先行取得に関係して、偽装融資が行われていたようである。
二重三重に悪いことをしている。

福島は、原発のある地域である。
青森もそう。
原発を行っている地域で、不透明なお金がいつも動いている。
むつ市の当時の市長の後援企業に、このお金の一部が融資されているらしい。
どういうふうにお金が流れたかはわからない。
おそらく、政治家にもお金が流れているのではないだろうか。

原発をつくろうというムードが世界中に広がりだしている。 Photo_2
地球温暖化というキーワードを逆手に取っているのである。
ゴアも、原発メジャーに近いところにいるといわれている。
原発を開発していく巨大なお金に汚されない人たちが、地球温暖化を救う答えが本当に原発の推進なのか、ニュートラルに考える必要がある。

チェルノブイリの放射能汚染地域のベトカ(写真↑)では、22年たったいまも、新しい体内汚染患者が発生している。
その現実をみると、原発の一回の事故は、あまりにもツケが大きい。
原発内の事故があっても、公表されず、透明性が保てない体質は、不安を呼び起こす。
また、それ以前に、地震国の日本で、本当に安全が保たれるのか、技術的な心配もある。
原発を長期間使って、廃棄するときの自然に対する負荷や金銭的な負荷を考えたときに、原発は安全で効率がいいのか、きちんと考えないといけない。

今回のようなダーティーなお金が原発のまわりにうろうろするのは、まず避けなければいけないと思う。
西松建設は3億8千万円を出し、いかにも社員一人が政治団体を構成しているようにみせかけて、企業のお金が政治家に献金されている。
違法献金である。
政治家の鼻の下をくすぐり、原発産業に進出しようとしているのだろう。

まず、当たり前のルールを守ること。
そうでなければ、国民は原発に対するダーティーな感覚をぬぐうことはできない。

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鎌田實 日本経済への提言⑪

~~人を大事にすること~~

経済が悪いときには、このままずっと悪いままだと思いがちだが、決してそんなことはない。
10年周期の大きな波を、間違いなく描いているのである。
ただ、危機の波から脱出しかかったら、とにかく反省しなくちゃいけないことを反省して、二度と繰り返さないことである。

いま、反省すべきことは、人を簡単に切り捨てていることだ。P1110321
日本の会社は、人を簡単に切り捨てる組織になり出した。
本来、公的機関や学校以外は就職の紹介はできないはずなのに、法律を変え、中間搾取をしやすくする派遣労働といういかがわしいスタイルを構築した。
こんな国は、日本と韓国くらいしかない。
不誠実なスタイルは、どんなに短期的には利益が大きいにしても、長続きするはずはないのである。

世界のなかでの日本の武器は、人を大事にしてきたことだったはずだ。
経営者は、社会の公器として会社を考えながら、人を大切にしてほしい。
派遣労働者にやめてもらうならば、それなりに次の職場を探してやる努力をするとか、仕事が見つかるまで、たとえば半年とかの期限付きでもかまわないから、寮に住まわせてあげるなど、キメの細かい、あたたかな日本の経営というのがあっていいのではないか。
そうすることによって、社会は安定する。
資本主義社会が成熟していくのである。

非正規労働者は1779万人いるといわれている。
非正規労働者といわれている人たちのなかには、アルバイトが332万人、派遣労働者が180万人いる。
そのほかに、パートや嘱託や契約社員もいる。
パートやアルバイトや嘱託が、ある程度、その人の生活のスタイルとして、選択されたものならば問題はない。
しかし、本当は常勤として一生懸命働きたい人たちが、正規雇用されず、派遣として身分不安定な状況で生活していかざるを得ないことは、大きな問題である。

分厚い中流層をつくり、ウエットな資本主義をつくり、健全な消費層をつくりだすためには、
勇気をもって、この派遣社員を徐々に正規雇用していくことが大事。
それを、企業が気合を入れて努力していくことが、日本の再生につながっていくと信じている。

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2009年1月16日 (金)

鎌田實 日本経済への提言⑩

~~日本の分水嶺~~

「MOKU」という月刊誌の1月号に、「あいまいで、あやふやで、いいかげんな日本の時代」というタイトルの文を書いた。
日本の分水嶺について、である。

P1110317 二項対立をしたり、分化しながら進歩させていく、西洋的な学問の方法とは違い、日本には統合しながら、全体を見るために、あやふやで、不透明になる、そんなものの考え方が日本にはあったはず。
生と死を分けたり、善と悪を分けたりするのではなく、生のなかにある死、死のなかにある生を考えたりする。
そこに日本の特徴があったはずである。

イエスとノーの意見についても、ぼくたちは両方の意見を大事にしてきた。
「はい、そのとおりです、でも・・・」
煮え切らない、イエスとノーが共存してしまうような生き方を、ぼくたちはしてきた。

宗教でも、そう。
子どもが生まれると、神社でお宮参りをして、クリスチャンでもないのに教会で結婚式をあげ、亡くなるとお寺で葬式をする。
あいまいで、あやふやで、寛容な日本。
見事にいいかげんなのである。

アメリカ流のグローバリズムが、世界を席巻していたとき、日本的な、怠惰な、あいまいな生き方を日本人じしんが否定したり、批判する評論家が多かった。
しかし、このあやふやな考え方が、日本的な経済のスタイルをつくってきたし、60年間戦争をすることもなくやってこれたのはこのためではないか。
ここに、日本人の先見性があるのではないだろうか。

哲学や経済や憲法、すべてがあやふやであいまいである。
このあやふやであいまいな日本に胸をはって、守り続けていくことが、日本の政治の再生でもあり、経済の再生でもあり、日本文化を保持していくことになると思う。

あやふやでいいかげんな道を行くか。
それでも、アメリカ流を選ぶのか。
日本の分かれ道である。

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発見!特Bグルメ(31) とり丼

081229 081229_3名古屋コーチンの焼きとり(→)と、とり丼(←)。

ぼくは、どんぶりが大好き。
名古屋コーチンを煮つけて、野菜と一緒にご飯にのっている。

うまいB級グルメ。

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『いいかげんがいい』またまた増刷

『いいかげんがいい』(集英社)の四刷が決定した。 Photo
これで5万8千部になる。
じりじりと足を速めてきている。
買って読んでくれた人、ありがとう。

この時代を乗りきるための、ヒントが大・山盛りである。
泣きながら、笑いながら読めば、生き抜くヒントがみつかる。
まだ読んでいない人はどうぞ。

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2009年1月15日 (木)

発見!特Bグルメ(30) 博多とんこつラーメン

福岡に来ている。090115_2

「一蘭」のとんこつラーメン。
四角い重箱のようなどんぶりに入っている。
東京でも何軒か見かけるお店で、何とくな避けていたが、
博多でラーメンを味わってみようと食べてみた。
おいしかった。

細めんで、ぼく好み。
とんこつスープは、臭みがなく、唐辛子がきいている。
黒酢が入っているのはめずらしい。

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鎌田實の一日一冊(11) 経済と幸せを考えさせられた一冊

『エコとピースの交差点 ラミス先生のわくわく平和学』(大月書店)を読んだ。
著者はC・ダグラス・ラミスと辻信一。

ダグラス・ラミスには、『経済成長がなければ、私たちは豊かになれないのだろうか』という名著がある。
政治学者で、日本通である。

ダグラス・ラミスは、今回の大恐慌は、「巨大な信用詐欺ゲーム」だという。
「カジノ資本主義」とも言い換えている。
2007年にゴールドマン・サックスの社長は、約67億円のボーナスをもらっている。
限りある世界に、豊かな国ができれば、貧しい国ができてしまう。

Photo 今から40年前、次期大統領として有力視されていたロバート・ケネディが、GNP信仰を痛烈に批判していたという話はとてもおもしろい。
GNPのなかには、たばこや酒やドラッグ、離婚や交通事故や犯罪、環境汚染や環境破壊にかかわるいっさいが含まれている。
戦争で使われるナパーム弾も核弾頭も、軍隊の装甲車もライフルも、子どもたちにおもちゃを売るために暴力を礼賛するテレビ番組も、だ。

ケネディは、ついにGNPに勘定されないものをあげている。
子どもたちの健康、教育の質の高さ、遊びの楽しさはGNPに含まれない。
詩の美しさも、市民の知恵も、勇気も、誠実さも、慈悲深さも。
そして、彼はその演説をこう締めくくったという。
「要するにこういうことだ、国の富をはかるはずのGNPからは、私たちの生きがいのすべてがすっぽり抜け落ちている」
彼が選挙キャンペーン中に暗殺される、二カ月少し前のスピーチである。

ぼくたちの国づくりは、やっぱり幸せやあたたかさにこだわるべきだ。

経済成長がなかったら、どうなるのか?
豊かにならないと幸せになれないのか?
幸せってなんだっけ?
こんな聞きたいことが、ゆっくりとしたリズムで書かれている。
ちょっとおもしろい本。

もう一人の著者、辻信一さんには、NHKラジオの「鎌田實いのちの対話」にゲストとして出演してもらったことがある。
辻信一さんから、コンパクトで、美しい、マイ箸を譲り受けた。

『エコとピースの交差点』、よろしかったら、読んでください。

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鎌田實 日本経済への提言⑨

~~平成の米百俵~~

読売新聞を見ても、朝日新聞をみても、麻生内閣の支持率は極端に悪化している。
共同通信社の支持率では、ついに19.2%となった。

P1110300 おもしろいのは、定額給付金2兆円の政策に対しては、多くの国民が反対をしていることだ。
では、その2兆円をどんなふうに使ったらいいかという質問に対して、国民の42%の人たちが年金、医療など社会保障にあてたほうがいいと答え、もっとも多かった。
公共事業費と答えたのは、4.5%である。
給付金がいいというのは、3.3%と最低であった。

大事なことは、公共事業も、バラマキの給付金も、望んでいるのはごくわずかな人だということだ。
これは、大きな国民の思いだと思う。

小泉元首相が、米百俵の話を突然したことがある。
長岡藩の、戊辰戦争でのことである。
戊辰戦争後、藩の財政が困窮しているとき、米百俵が支援としておくられてきた。
しかし、この米百俵をみんなで分けて、食べて終わらすのではなく、この米百俵を次の時代を担う子どもたちのために使うことを、長岡藩は決めたのである。

今、日本という国は、世界恐慌のなかにいる。
長岡藩と同じように困難のなかにいる。
平成の米百俵は、子どもたちの教育費や、子どもが安心して育てられるように小児科や産婦人科の充実のために使う。
これが大事なのではないだろうか。

時代を背負う子どもや若者たちのためにお金を使うことは。無駄金にならないのである。
今、苦しくても、そのお金を使うべきだと国民は思っている。
いらない道路に無駄なお金をつぎこむ、くだらない公共事業には、もううんざりしているのだ。

公共事業をするなら、後悔しない公共事業にすること。
もっとも大事な“公共事業”は、時代を担う、人を育てることではないか。
小学校や中学校の校舎の耐震強化をするのでもいいと思うが、いちばん大事なのは、しっかりと教育を立て直すことである。

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長岡へ

先日、NHKラジオ、「鎌田實いのちの対話」の生放送のために、長岡へ行ってきた。
希望者は定員の3000人を超え、4300人が集まった。

長岡には、2年前の中越沖地震の直後、訪ねたことがある。
地震で被災された人たちのこころの傷を癒す講演会を行った。
新潟日報の、子どもたちへの応援キャンペーンにも協力した。
2008年の4月から10月までの12回、ぼくが筆で応援メッセージを書き、エッセーを書いて、震災にあった人たちにこころのエールを送った。
協力してくれた企業からの協賛金をもとに、子どもたちに寄付をしたり、子どもたちの作文を『こころに太陽』という本にまとめたり、ぼくの筆文字をカレンダーにしたり・・・・。
いろんな形で、新潟を応援してきた。

そのお返しにということで、昨年の秋には、新潟から諏訪中央病院にお米が届けられた。
患者さんは大喜びたった。

このお米をくれたのは、震災で多くの人たちの支援に恩返ししようとはじまった「心の復興支援プロジェクト 未来予想図実行委員会」。
未来予想図実行委員会の活動は、だんだん広がりをみせている。

子どもたちが、どんな未来予想をしているか絵を描く未来予想図プロジェクトは、地元の柏崎の子どもたちからはじまり、世界へと広がっている。近々、フィリピンの子どもたちが描いた絵による未来予想図展も行われるという。
助けたり、助けられたりのつながりが深まっていく。そのことによって、あたたかな世界、あたたかな日本をつくっていけるような気がする。

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2009年1月14日 (水)

発見!特Bグルメ(29) もみじそば

蓼科に行く途中にある長寿更科のもみじそばは、日本でたった一つ、鹿肉を天ぷらにして、090105 あんかけにしたそば。
天ぷらにすることで鹿肉のやわらかさが失われない。
なかなか工夫のいっぴんである。
ショウガをすって、ネギをたくさん入れて食べる。
わさびではなく、ショウガとおそばというのも、なかなかおつなものだ。

蓼科方面にお越しの折は、ここのカレー南蛮と、鹿肉が入ったもみじそば、おすすめです。

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鎌田實 日本経済への提言⑧

~~セロトニン神経を活性化しよう~~

大好評につき、不況をどう生き抜くかの対策を提案する。

不況のなかでは、元気が出てこない。
元気を出すには、ドーパミン神経が大事である。
ドーパミン神経は、お金をもうけたいとか、出世したいとか、欲望にかかわっている。。
がんばる神経ともいえる。
しかし、ドーパミンだけに偏ると、欲望が勝手に走り出す。P1110297
今回の金融資本主義の暴走は、ドーパミンで引き起こされている可能性が強い。

脳内には、ドーパミンと関係しながら、微妙に調整してくれる脳内の危機管理センターの役割がある。
ノルアドレナリン神経という。
この神経は、ストレスに対応する。
ときにはストレスに過剰に反応してしまい、ぼく自身も48歳のときに陥ってしまったパニック障害も、このノルアドレナリンが引き起こすことがある。

金融資本主義は、ドーパミンでつっぱしってきた社会だ。
それでも、ドーパミンの調整役のノルアドレナリンが、ストレスに対応しなから、何とか生きてきた。
しかし、鎌田實が『いいかげんがいい』で書いてきたように、大事なのはバランスである。
もう一つの大事な神経、セロトニンが有効に働いていることが大事なのである。

がんばるドーパミン。
がんばるのを少し微調整するノルアドレナリン。
そして、安定的にはたらくセロトニン。
このバランスが大事である。

セロトニンが働きだすと、シャンと目覚め、からだがピンシャカしてくる。
セロトニン神経が弱ってくると、ネガティブにものを考えたり、軽いうつになったりする。
セロトニンをいつも上手に、バランスよく分泌していることが大事である。

おいしいものを食べたり、よくかんでいる間に、セロトニンは分泌されるという。
食べ物は、ゴマ、豆腐、納豆、チーズに、トリプトファンが含まれていて、これがセロトニンの材料になるといわれている。
いろんなものにゴマをかけたりするのは、いい食べ方である。

朝は太陽に当たること。
これは、セロトニンを分泌しやすくする。
夜型の人間ではなくて、朝型の人間のほうが、より明るくとらえることができる。
ものごとがうまくいかなくなっているときには、夜型人間は悪循環に陥りやすくなる。
ちょっとつらいときや、不況になったときこそ、朝、数分でも太陽にあたり、太陽にあたることをおすすめする。

いい音楽をきくこと。
鎌田實の本も、セロトニン分泌につながると思う。

笑ったり、泣いたりがセロトニン分泌にはといもいい。
そして、孤立しないこと。
家族や友人や職場でつながることである。
セロトニン神経にいい刺激をつねに与えておくことが、不況下では大事である。

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2009年1月13日 (火)

鎌田實 日本経済への提言⑦

~~不安連鎖を断ち切る5カ条~~

悲しいことに、この国のリーダーたちには、戦略がない。
悲しいことに、この国のリーダーたちには、戦術がない。

リーダーを信頼できない以上、国民一人ひとりがこの国を守らなければならない。

不況から恐慌へ発展するプロセスには、不安心理がある。
この不安心理の連鎖を、どこかで断ち切らなければいけない。

《不安連鎖を断ち切る5カ条》

1 「下がったものは必ず上がる」と、毎日毎日自分に言い聞かせること。これについては、前に触れたので、簡単にしておく。

2 不況時の呼吸法はやめる。
  不況時の呼吸は背がまるまり、下向きになり、抑制的な呼吸になる。
 いい考えも浮かばなくなり、ものごとをネガティブに考えるようになる。
 呼吸は、自然にしていると一分間に18回。これは海の波を起こす回数に似ている。
 海辺に立つと、なにかほっとするのは、自分の呼吸数と波の繰り返しが似ているからなのである。
P1110319  宇宙とつながっている自分を感じること。
 そのためには、顔と胸を斜め上にあげ、下向きにならないこと。
 極端に下を向くと、胸郭が抑制され、いい呼吸ができなくなる。
 わずかに上を向くことによって、息をいっぱい吸いやすくなる。
 吸った息はゆっくりと吐く。
 世界とつながっていることが、呼吸をしながら感じられる。
 ただし、上を見過ぎないこと。首が疲れる。呼吸もしにくくなる。ほんの少し、胸も顔も上を向くことが大事。鎌田實がいう「いいかげんがいい」のである。

3 今までやろうとして、できなかったことをやること。
 買いたいものがあったら、ここは見栄をはってでも買おう。車でも、マンションでも、電気製品でもいい。
 大きく背伸びをするのは破綻を招くが、少し背伸びをして、車を買ってみる。
 団塊の世代で、一生に一度はスポーツカーに乗りたいと思っていた人は、スポーツカーに乗ってみよう。それが国を救うことになる。
 もちろん、日本の車が最高で、日本の車を買ったほうがいいが、世界の不況を考えたとき、日本は世界と経済がつながっているのだから、どの国の車でもいい。かつて乗りたかった車を買えばいいのである。
 尻の穴を小さくしないこと。
 円高なので、以前よりは外国の製品だって買いやすいはずである。
 旅をするのもいい。
 行きたいところがあったら、国内でも国外でも旅にでよう。いまがチャンス。
 韓国の旅行ならば、国内の旅行よりも安い。韓国に焼肉に行きたいと思っている人は今がチャンス。
 ヨーロッパだろうが、南極だろうが、どこでもかまわない。
 ぼくはアメリカがきらいではあるが、ブロードウェイにミュージカルをみにいくのもいいと思っている。
 「こんな時代に」と人に後ろ指をさされることをするのが大事。
 つまり、第3条は、「ばかやろう」になればいいのである。
 「あいつ、バカだな」とみんなに言われるようなことを、今する人間が大事なのである。

4 「ばかやろう」に拍手をしよう。
 おバカさんになることをすすめた。不況のなかで、ドン・キホーテのようなことを国民の一割がやりはじめれば、この国は変わる。
 1500兆円という世界でいちばん貯金をもっている日本。P1110318
 その1500兆円の一割が動けば、日本は世界でいちばん早く危機から脱出できると話した。
 国民の一割の人が、「おバカさん」といわれるような大胆な行動をすること。
 100年に1度の危機を迎えたときにき、合理的な行動だけでは脱出ない。
 一割の「おかしな人たち」をみんなで拍手することである。
 「いまどき、スポーツカーなんて買って、あいつはバカだ」と言わずに、「あいつはすごい」と、みんなで拍手する。
 こんなときに、家を建てるための地鎮祭をみかけたら、知らない他人も拍手をして、えらい、えらいと言ってあげることである。
 いま何かを買ったり、旅行をしたり、いのちがけでお金を使ってくれる人を評価することである。

5 笑うこと。
  バカらしいけれど、けっこう大事なことだ。
  月刊誌「諸君」に、ぼくはアランの言葉を引用した。
 「しあわせだから笑うのではなく、笑うから幸せなのだ」
 いま多くの人間は、不幸せになりかかっている。
 こんなときこそ暗い顔をせず、みんなで笑うこと。
 笑ううちに幸せは近づいてくる。
 つまり、経済の危機から脱出できるはすである。

とにかく、2009年はちょっと上をみながら、胸郭をひろげて、いい呼吸をする。
そして、自然とつながっていることを確認しながら、笑うことである。
なんでもいい。くだらないことでもいいから、笑うことを繰り返してみようではないか。
リーダーに頼ることができないのなら、この危機を自分たちの力で脱出しなければならない。

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発見!特Bグルメ(28) ひつまぶし

081228_7 名古屋の熱田神宮の前にある、あつた蓬莱軒で、うなぎを食べた。081228_2

うなぎの白焼き(右)、うまき(下の左)、うなぎときゅうりの酢の物(下の右)・・・。うなぎ尽くしである。
〆は、やっぱりひつまぶし(左)。普通に食べて、わさびで食べて、お茶漬けで食べる、という三つの方法でうなぎを味わう。

B級グルメよりは、ちょっとぜいたくな感じだから、B´(ビーダッシュ)グルメといったところだろうか。081228ih 081228_4

味噌煮込みうどんも好きだし、味噌カツ丼も好きだけれど、ひつまぶしも、なかなかどうして。
愛知文化圏の底力をみた。 

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2009年1月12日 (月)

鎌田實 日本経済への提言⑥

~~土俵際でこらえる~~

この国のリーダーには、戦略がない。
経済のたて直し、雇用問題を解決、そして、この国が安心して生きていくことができるよう0901101にするにはどうすべきか。
具体的にどんな戦略を展開すべきか、ずっとぼくは考え続けている。
ぼくのフレーズでいうと、「ウエットな資本主義」をどうつくるかという戦略論である。

きょうの話は、土俵際で踏ん張ること。
雪崩現象を起こす発端となったものを強いてあげるとすれば、08年夏、リーマンブラザーズがつぶれたことだ。
日本では、日本の企業を代表するソニーが、1万6000人の首切りをし、トヨタが派遣切りを宣言した。
そのことで、大企業だけでなく、多くの企業が萎縮へと向かった。
ドミノ倒しのように。

土俵際の最後の俵のところで、だれかがこらえることが大事。
そして、こらえている人を支えたり、評価したりすることが大事なのだ。

ソニーやトヨタが、正規社員や非正規社員みんなで給与などの減額を分担して背負い、こんなふうに簡単に労働者の首を切らず、苦しいなかでも踏ん張りをみせていれば、
消費者も、社員を辞めさせたくないという経営者の熱い心情に共感し、何とか電気製品や車を買って、その企業を支えようというムードを作り出すことができたのではないかと思う。
だが、企業家はそれをせず、株主総会でたたかれたくないために、とにかく切りやすいところから切るという、早い手を打った。
結局は、保身である。

リーダーは、自分の身を切ってでも、いままで働いてくれた人たちを守るべきではないか。
しかも、その人たちは、一兆円を超えるような信じられないような利益をうんでくれた人たちである。
派遣社員を雇用し続けることで、数十億円の余分なお金がかかったかもしれないが、それはひとつの土俵際であったと思う。0901102_2
大企業は、その土俵際を簡単に逃げてしまった。
それによって、つるべ落としのように、たいへんなことが起きだした。
もう社会は、車や電気製品を買うムードをなくしてしまったのである。

では、もう手遅れかというと、そうではない。
まだまだ第二、第三の土俵際があるはずである。
土俵際で、だれかが、絶対に社員を切らないと名言し、そのためにどうしたらいいかと語り、みんなもこうしてほしい、と物語れる経営者が必要である。

この国を救う対策を考えたなかで、麻生首相は物語を語れない、という決定的な欠点をかかえているという話をしてきた。
不況から恐慌へと向かおうとしているいま、経営者のなかにも、物語を語れる経営者が必要なのではないかと思う。
社員が熱くなるような、物語を語れる経営者が必要なのではないかと思う。

写真は、2月15日まで白樺湖畔で行われている氷燈祭。
氷のイルミネーションが幻想的。

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ジャズCD「ひまわり」が2万8千枚へ

鎌田實がプロデュースした坂田明さんのジャズCD「ひまわり」が、ついに2万8000枚を売り上げた。
収益は、イラクやチェルノブイリの病気の子どもの薬代になる。006
ありがたい!

坂田明さんと、ピアノの黒田京子さんのジャズコンサートと、鎌田のいのちの講演をあわせたトーク&ライブショーは、昨年、大阪と岡山で行い、どちらも大ホールが満員となり、立ち見が出るほどだった。
大好評につき、今年もこの3人でタッグを組む。
まだ先の話だが、12月18日には山口県光市で、19日には岡山県笠岡市で開催する予定。
詳しいことが決定ししだい、またお知らせする。

坂田さんと黒田さんのあついジャズと、カマタのあつい話。
お見逃しにならないように。

写真は、昨年のトーク&ライブショーの様子。ステージに大きく映し出されているのは、チェロ奏者のブラダン・コチ。
がんばらないレーベルより「ふるさと~プラハの春~」発売を記念し、3月13日にコンサートを行う。
こちらもぜひ、おいでください。

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2009年1月11日 (日)

1/19 ラジオ生出演

TBSラジオ、「大沢悠里のゆうゆうワイド」に午前中、生出演する。
イラクの子どもたちを支援する、バレンタインチョコレートなどの話をする予定。

昨年も、この番組でチョコレートのことを宣伝してくれ、電話回線がパンク寸前になった。
大沢悠里さんの応援は絶大なのだ。
このころはチョコレートの申し込みがピークになると思うので、ぜひ、お早いうちに。

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鎌田實 日本経済への提言⑤

~~介護は雇用問題を解決するカギ~~

介護は、“やっかいもの”として扱われている。
小泉さんも、投げだしてしまった二人の首相も、いまの麻生さんもみんな、介護費を抑制することしか考えてこなかった。
ぼくは逆手にとって、考えるべきだと思う。

介護はいま人手が足りなくて、日本中で介護崩壊を起こし始めている。
どこかの施設やどこかの地方域で、限定的に不足しているというのではなくて、全体的に、どこもかしこも人手が足りない。
介護の人材を育てる学校も、欠員がものすごく多くなっている。
介護の専門家になる人が少ないのだ。

一方で、職を失う人たちが増えている。P1010412
その人たちを介護の世界に送り込むのはどうか。
職を失った人たちが、ヘルパー2級のライセンスとって、介護の仕事をはじめる。
介護は、やりだせばおもしろいのである。
あったかくなるのである。

派遣切りにあった人たちのインタビューを、テレビで見ることがある。
彼らの多くは、礼儀正しく、誠実そうで、見ていて胸が痛くなる。
けっして「働く意欲が人たち」などではない。
こういう人たちのなかで、介護の勉強してもいいという人たちには、介護のプロになれるようなチャンスをもうけてはどうか。
彼らも、介護の仕事をすることによって、今までの派遣の仕事よりは間違いなく給与は上がる。
そして、彼らの生活が安定すれば、よい消費者になり、資本主義はいい回転に入っていくのである。

麻生さん、2兆円をただばらまくのでなく、もっと有効に使うべき。
たとえば、国は、市町村にお金をまいたり、人を雇って、雇用を生み出す。
家を失った人には、とりあえず、廃校になって使わない小学校などを利用して寝泊りをしてもらう。
そして、数カ月中には給与をためてアパートを借りられるようにする。
2兆円を使えば、生活の確立をしてあげることができるはずである。

市町村も、国からもらった2兆円の一部を補助金にして、各市町村で、介護で働く人たちを数十人単位で雇い、地域の介護力をあげる。
はじめはライセンスがなくても、補助員、研修生というかたちで現場で働くのでもいいと思う。
ヘルパー2級は集中すれば、短期間で取得できる。
そこから本格的な介護のプロを目指す人たちがでてきてもいいのではないか。
みんながみんな介護という仕事に合うかどうかは別問題であるが、一度しんどい思いをした人たちは、その分、あたたかな心で、障害者やおとしよりに接することができるのではないだろうか。

介護は、“やっかいもの”なんかじゃない。
介護こそ、この国の経済を救うし、この国で生きていくことに迷っている派遣の人やフリーターたちを救うカギを握っている。

麻生さん、このプログをみてくれるといいなあと思う。
これまでの自民党にはないような、ダイナミックな発想の転換をしてみてはどうだろう。
麻生さんが、気持ちをちょっと変えれば、国民はまだまだ麻生さんについていくと思う。
麻生さん、勇気をもって方向転換しよう。
いらない道路をつくって公共投資をし、経済を動かすなんて古い自民党的な考えは、はやくやめたほうがいい。

年末年始と、ブログで展開してきた日本経済への提言が大好評。 Photo
鎌田流経済対策は、ほうぼうから興味津々の声があがっている。
月刊誌「潮」2月号の、日本再生の条件という特別企画のなかで、カマタが「介護こそ雇用問題の解決のカギ」と、どんと提案している。
こちらも、ぜひ、お読みください。

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2009年1月10日 (土)

1/11 「にっぽん巡礼」再放送

NHKのお正月特番として放送した「にっぽん巡礼」が、再放送される。081225nhk
人と人をつなぎ、今と過去をつなぐ「心がかえる場所」を紹介している。

心があたたまる番組。お正月に見逃した方、もう一度みたい方は、ぜひ、どうぞ。

BS2 1月11日(日)10時20分~11時18分

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1/31 旅についての講演会

「旅」と「日々の暮らし」を豊かにする情報が満載のイベント「旅とくらし博」が開かれる。
旅に役立つセミナーや、毎日の生活を楽しく、便利にするヒントなどが満載のイベントらしい。

主催はクラブツーリズム。1月31日(午前10時から午後5時まで)、新宿アイランドウイングで開かれる。

そのなかで、鎌田實が特別講演会を行う。
テーマは、「旅して健康」。
健康で長生きする食べ方や、人と人とのこころのつながりをつくる旅について、お話する予定。
講演は午後1時から2時半まで。
参加費は、2000円。

お問い合わせ、申し込みは、電話03-4335-6217(月~金9.15~17.30)へ。013

★緊急アピール

イスラエルは、すべての攻撃をやめるべきである。
イスラエルは、ガザ地区におけるすべての攻撃をやめるべきである。

という、坂本龍一さんなどと一緒に緊急アピールを出した。
東京では、JIM-NET事務局長の佐藤真紀さんや、同級生の池田香代子さんらが中心になって、デモをしたり、集会をしたりしはじめている。

イスラエルの暴力行為に対して、すぐにやめることを、世界に、強く、訴えたいと思う。

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2009年1月 9日 (金)

『幸せさがし』台湾で出版

『幸せさがし』(朝日新聞社)が台湾で出版されることになった。Photo

いままでカマタの本は、黒柳徹子さんと共著で書いた『トットちゃんとカマタ先生の ずっとやくそく』(ソフトバンク出版)が中国と台湾で出版されている。
久しぶりに、外国で翻訳出版されるということ。
ありがたいことです。

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鎌田劇場へようこそ!(13)久々の駄作「世界が静止する日」

久々の駄作を見てしまった。1006949_01
キアヌ・リーブス主演の映画『地球が静止する日』。
お正月映画であるが、絶対に見ないほうがいい、とぼくは思う。

ハリウッド映画の衰退をまざまざと感じた。
とにかく、こんな子どもだましの映画をつくっていて、アメリカの映画産業が心配になる。
アメリカは経済だけでなく、文化という意味でも、崩壊に近づいているような感じがした。

やっぱりお正月映画は、ちょっとおしゃれに、岩波ホールの『懺悔』がいちおし。
2番目は、『チェチェンへ』。
これに尽きる。

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2009年1月 8日 (木)

鎌田實 日本経済への提言④

~~株を買おう!~~

昨年11月にも、この国を救うために、最小単位でいいから株を買おう、とこのブログで書いた。
10年先を見越して、ポリシーのある企業を応援することなるし、自分の利益になるだけでなく、この国の経済を救うことにもなる。

どの株を買うか、ずっと考えていた。

こんな時代に、人員を増やす企業に応援をしたくなった。
居酒屋の白木屋が、3月までに500人中途採用するという。
ぼくは、あまりお酒を飲まないので、白木屋の株は買わないけれど、なんとなく応援してあげたくなる。

第一交通産業は、3月までに乗務員を6000人新規雇用する計画があるという。
うれしくなった。
うちの地区にも第一交通がある。Pb190352
月間契約をし、タクシー券をもつことにした。
でも、タクシーが環境にいいわけでもないので、できるだけ第一交通に乗るようにするだけで、株を買うところまではいかない。

野島家電量販店とか、ホームセンターのカインズとか、アパレルのイトキンなども職員の採用をしてくれる哲学のある企業と思った。

株を買うのは、やはり地球のことを考えている企業にしたい。
日産自動車とNECは、電気自動車やハイブリット車に使う、大容量のリチウムイオン電池を20万台規模で量産するという。
こういう動きは、ぜったいに応援したくなる。
NECやパナソニック、三洋電機もリチウム電池を作ろうとしているので、触手が動くが、
いちばんはホンダと三菱自動車に搭載する予定の、GSユアサのリチウムイオン電池かなと思っている。

今年中に三菱自動車の電気自動車、アイミーブ(iMiEV)が発売される。
ぼくも応援する意味で、これを一台買おうと思っている。

オバマも、グリーン・リカバリーを訴え、環境をとおして経済再建をはかろうとしている。
地球を救いながら、経済を再建させる動きが大事である。世界中 がそういう方向に動き出している。
だから、ぼくはぼくの哲学で、電気自動車のリチウム電池をつくるGSユアサがいちばんいいかな、と思い出している。

環境研究家の田中優さんに、おすすめの企業をきくと、アミタ株式会社という。
資本金4億7000万円で、リサイクルに強い企業である。
1977年創業で、地域の再生と自然資源の再生を一つの事業でおこなったり、森をまもりながら、海の資源もまもったり、ごみで発電をしたり。
「強いものが勝利する弱肉強食の道ではなく、少量消費で、最大効果の価値の提供ができる、精神的満足を提供する第三次産業革命の道」を模索しているみたいである。
アミタという企業にちょっと注目をしていきたいと思う。

★11日からは、「鎌田實 日本経済への提言」の連載を再スタートします。
お楽しみに!

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哲学のあるバレンタインチョコレート

新年早々、いい話が舞い込んだ。
イラクの子どもを救うバレンタインチョコレートの注文が、ついに2万5000個を突破したのだ。
ありがたいことです。Photo

たくさんの人が、あたたかい心を子どもに向けてくれた。
六花亭のおいしいチョコレートに、イラクの白血病の女の子たちが描いてくれたかわいい絵をつけている。
義理チョコでも、あったかなこころが通っている。

7万個を準備しているが、このペースではなくなり方も早いと思う。
昨年は、ラジオや新聞などで紹介された日、電話回線がパンク寸前になった。
今年もそれが予想される。
急かすわけではないけれど、ご注文の方は、どうぞお早めに。
これまではeメールだけの注文だったが、5日からは電話やファクスでの注文を受け付けている。

今年の流行は、「哲学のあるバレンタインチョコレート」になればいいいなあ。

★ご注文は、電話03-5816-3721、ファクス03-5816-3723へ
 eメールは、
09giri@jim-net.net

 1セット(500円のチョコが4包)2000円

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お正月に、ちょっとうれしいニュース

昨年秋から年末にかけて、ずっと怒り続けてたカマタだが、お正月にちょっとうれしくなったことがあった。
1月2日に厚生労働省は、派遣切りされ、仕事と住まいを失った人たちに、5日朝まで講堂を開放した。
派遣切りされた人たちを救済する実行委員会が、「年越し派遣村」を設置したが、希望者が予想以上に集まり、300人を超えたため、テントが足りなくなってしまった。
この実行委員会のSOSに対して、厚労省が正月の緊急避難的な措置として、路上生活をしないですむように、講堂を貸すことになったのだ。
大ヒットである。

こういうあたたかな話が続くことが大事なのである。
麻生さん、ぐずぐずしてはいけない。
各地方で派遣切りをされた人たちのパートタイム雇用など、仕事をつくりだすことを、国も県も市町村もそれぞれが責任をもってやるべきである。
とにかく、冬の寒さのなかで、あったかな政策をつくりだすこと。
今年は「あったか」をキーワードにして、国づくりをしていけば間違いないと思う。

もう一ついいなと思ったことがあった。
公明党の太田代表が、成田-羽田間にリニアを開通させるという公共事業を起こしたらどうかと提案した。
この人の顔は、何かいつも陰険な感じがして好きではなかったが、これはグッドアイデアである。
こうなった以上は、公共投資は一年はがっちりやらないといけないだろう。
やるなら無駄なことはしないこと。
いらない道路やいらないダムではなく、将来につながるような公共投資をすべきなのである。

オバマは、ホワイトハウスの省エネをするという。
自分から電気のスイッチを消して、省エネをすると言っているらしい。
オバマは、グリーン・リカバリーを訴えている。
だから、経済もしばらくの間、冷える。
電気の使用量も減る。
石油の価格も落ちる。
こんな状況のときに、原発をバタバタつくるというのは、愚の骨頂である。
そういう無駄な公共投資ではなく、成田-羽田間のリニア開通を行うとか、ハブ空港をつくるとか、世界につながっていくような整備をすることが、この国のチャンスになるのである。
太田代表の顔はあまり好きではないけれど、今回の提案は大賛成。

~~ちょっとお知らせ~~
本日8日公開の月刊ココセレブで、鎌田實のブログ「なげださない」が、2009年注目のブログとして紹介されている。
今年もこのブログ、前向きに生きるヒント盛りだくさんでお送りしたい。

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2009年1月 7日 (水)

1/12 「鎌田實いのちの対話」放送

1月12日の「鎌田實いのちの対話」は、新潟県長岡市から公開生放送を行う。
テーマは、病気との付き合い方。
ゲストに、ギタリストの寺内タケシさん、歌手の石川ひとみさん、津軽三味線奏者の二代目高橋竹山さんを迎えてお送りする。
司会は村上信夫さん。

NHK第一ラジオ、午前9.05~11.55
ぜひ、お聞きください。

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2009年1月 6日 (火)

鎌田劇場へようこそ!(12)『シリアの花嫁』

エラン・リクリス監督。Photo
イスラエルの監督である。
シナリオはパレスチナ人。
舞台は、イスラエルとパレスチナの国境にある、ゴラン高原のマジュダルシャムスという小さな村。
その村で、若い娘がシリアへと嫁いでいく日の物語である。

国と国との境界線は、ただの国境ではない。
一度出国してしまうと、二度とこの村には帰ってこられない。
国境の間には、ノーマンズランドという緩衝地帯がある。
ここで生きる人たちは、無国籍になってしまう。
この緩衝地帯に複雑な物語が展開される。
国家の狭間に生きる人々の物語は、国家がときには暴力装置であることを想像させる。

ゴラン高原は、イスラエルと、シリアと、ヨルダンの三国にはさまれた緩衝地帯である。
ぼくはイラク支援のために、ヨルダンとシリアにはよく行く。
ヨルダンとシリアの間のノーマンズランドと、シリアとイラクの間にひろがるノーマンズランドで02 生活しているイラク難民の生活をたくさん診てきた。
イラクは出国したが、シリアやヨルダンに入国を拒否され、行き場を失う。かといって、イラクにも戻れない。
そんな、ノーマンズランドで生活するしかない人たちが、何年にもわたって砂漠で生活しているのである。
肉体的にも精神的にもたいへんきびしい生活である。

映画は、境界線の不条理をみせつける。3
万策尽きて国境を渡れなくなり、ノーマンズランドに一人残された花嫁は、凛として美しかった。
女たちは闘う。
そして、一人の若い女が、国境を越えていく。
想像を越えるような突破をしていくのだ。

ぜひ、みてもらいたい映画。
2月21日から、岩波ホールでロードショーを行う。

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2009年1月 5日 (月)

1/21 ほろ酔い勉強会 開催

前回のほろ酔い勉強会は、信州大学の呼吸器科の久保教授をお招きして、大成功に終わった。

次回は、1月21日(水)午後2時から、諏訪中央病院の講堂で開催
ヨーロッパで、糖尿病食やダイエット食としてはやっている炭水化物断ちの、日本の第一人者をお招きする。

糖尿病に関しては、二つのメソッドを知っておくといいと思う。
一つは、カロリー計算をきちんとして、バランスよく食べるスタンダードな方法。
これが、いちばんの王道だ。
でも、グルメでフレンチやイタリアンを食べてしまう人は、炭水化物断ちを覚えておくのもいい。
ちょっと傍流ではあるが、一つの新しいメソッドである。
この二つを知っておくと、糖尿病の人にも、ダイエットしたい人にもいいと思う。

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2009年1月 4日 (日)

鎌田實 日本経済への提言 番外編

~~経済も「いいかげん」が大事~~

昨年暮れに、このブログで「日本経済への提言」を3回連載で書いた。
経済には素人だが、大好評だった。

経済は難しい。
でも、こんな時代だからこそ、経済の勉強はしたいなと思っている。
もうけるための経済ではない。
あたたかく、たくさんの人のいのちを支える経済。
そのための経済や経営学の勉強ならば、学びたいと思っている。

こんな時代だからこそ、不況の罠にはまらないこと。
こんな時代だからこそ、不況感の連鎖を断ち切ること。
政府も、起業家も、国民も、この二点に集中することが大事なのではないだろうか。

不安なときこそ、明るく笑うべき。
萎縮したからだやこころが、ほっとする。

やっぱり、経済も、ぼくの言葉がぴったりという気がする。
「いいかげんがいい」
なんちゃって。

近いうちに、「日本経済への提言」第4弾をお送りする。
ぜひ、読んでください。

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春が楽しみ! 唐組芝居

ぼくが大ファンである、唐十郎さんからクリスマスローズをいただいた。
唐組主宰の劇作家で、演出家、芥川賞作家でもある。1215_2
可憐な花が、次々に咲いてくる。

春の唐組のシナリオが出来上がったとのことで、読んでくださいと、唐さんから光栄にも声がかかった。
芝居の稽古が始まったら、稽古風景も見にきてくださいとのお誘いもいただいた。
ぼくはいま、唐組の芝居にひきつけられている。

今年4~5月の芝居は、ぜひご覧ください。
芝居の好きな人なら、絶対はずれなし。

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2009年1月 3日 (土)

「ふるさと~プラハの春~」チャリティーコンサートのお知らせ

昨年8月、チェコのプラハでレコーディングした「がんばらないレーベル」の第3弾『ふるさと~プラハの春~』。
チェリストのブラダン・コチらチェロ3台、バイオリン1台、ピアノ1台、オーボエ1台というめずらしい組み合わせで、日本人になじみの深い、チェコや日本のうたを収録している。
このCDの国内発売を記念して、チャリティーコンサートを開催する。

Photo_10ブラダン・コチは、共産主義体制下のチェコスロバキアで民主化運動を行い、1989年兵役を拒否して、1年半牢獄に入れられた。
ビロード革命とともに、国際アムネスティの支援を受け、いのちを取りとめた。
彼はいま、世界で演奏家活動を行いながら、病める人や恵まれない子どもたちのために、ボランティアで演奏している。
ぼくらがやっている、イラクの子どもたちの救援活動への協力で、『ふるさと~プラハの春~』を出すはこびとなっPhotoた。

コンサートの出演は、ブラダン・コチ(チェロ)、有吉英奈(ピアノ)ほか。

鎌田實は、「いのちの講演」を行う。

永六輔さんや、NHKラジオ「鎌田實のいのちの対話」で名コンビを組んでいるアナウンサー村上信夫さん、そのほか多数の応援団がかけつけてくれる。

感動まちがいなし。
ぜひ、ご参加ください!!

写真は、プラハ城とチェロを弾くブラダン・コチ

《ブラダン・コチ チャリティーコンサート》

日時 3月13日 1回 午後2時~ 
           2回 午後7時~ 

会場 東京・渋谷区 津田ホール(津田塾大学内 千駄ヶ谷キャンパス)

チケット代 3000円

チケット販売は、1月10日からローソンチケットで販売。
お問い合わせは、日本チェルノブイリ連帯基金(0263-46-4218)へ。

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2009年1月 2日 (金)

出生率が2を越えた村

長野県でいちばん合計特殊出生率が高いのは、下條村。
2.04である。
全国の平成18年の平均は1.32。
長野県の平均は1.44。
下條村は、かなり高い。

この村は、人口が4216人。
しかし、過疎ではなく、毎年少しずつ人口も世帯数も増えている。12112
電車やバスなど公共機関はほとんどない。
バスは飯田まで片道30分。一日2往復しかない。

村の診療所がある。
重い病気になれば飯田市の病院にいく。
出産も飯田市内の病院で出産することが多い。
なぜ、出生率が高くなったのだろうか。

若者の定住促進プロジェクトを行っている。
平成16年度から、幼児から中学生までの医療費を無料化した。
19年度には、保育料を一律10%引き下げた。
若者の定住促進住宅を整備し、同時に集合住宅のまわりに周辺環境整備を行って、若者たちが住みやすいようにした。
家賃は3万6000円で、駐車場が2台ついている。
なかなかすてきな集合住宅なのである。
共働き世帯などの子育て支援として、延長保育や学童保育を実施した。
都会的な楽しみができる施設として、いきいきランドをつくり、フィットネスや母子ふれあいコンサート、図書館なども充実してきた。

財源を確保するために、村は昼休みの一時間、消灯した。
村の施設を土足厳禁にして、清掃代も節約した。
合併処理浄化槽の導入をはかり、毎年1億5千万円も浮かした。
道路づくりも村人でやる。
村が生コンなどの資材を提供し、村人が道路をつくったり、補修するようになったのだ。
費用も5分の一におさえられるようになった。
村の職員も、50人から35人に減らした。

若者が増えて、明るさと元気がある村というイメージが定着してきた。
若い人口が増えてきたら、誘致企業が3社やってきた。
100人規模の会社だ。
定住のための宅地造成分譲もはじめた。

やればできるのである。
麻生さん、一回、下條村に行って、勉強してみたらいいと思う。
そして、麻生さんの口から、あたたかな国づくりの物語を、語ってもらいたい。

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2/22 「千羽鶴」上映会&鎌田實講演会

広島の平和公園に行くと、サダコの記念像がある。081222

原爆で被爆し、白血病になったサダコは、千羽鶴を折った。
六百羽を折ったところで、病気が悪化し、亡くなっていった。
千羽を折ることを夢見ていたが、折りきることはできなかった。
サダコは、平和を願いながら、折鶴を折ったという。

その映画『千羽鶴』の上映会とともに、鎌田實が「平和への願い」について講演する。映画は約1時間。
文京学院大学のご厚意で、美しいホールを貸していただくことができ、たいへん感謝しています。

写真の折鶴は、実際にサダコが折ったもの。
米粒とまではいかないが、指の腹にのるほどの小さなものだ。

イラクに平和が来ることを願って、故・大倉記代さんから、六百羽のうちの三羽をJIM-NETに、二羽をイラク・バスラの現地スタッフのイブラヒムに託された。

★平和やいのちについて考える集いに、ぜひ、お越しください。

【限りなき義理の愛大作戦2009イベント】 ヒロシマからイラクへ 放射能に脅かされる子どもたち
 ● 『命・環境・平和を語る』トーク:鎌田實 JIM-NET代表
 ● イラクの子どもたちの最新報告:JIM-NET事務局長 佐藤真紀
 ●上映:『千羽鶴』1958年 監督:木村荘十二 出演:菅井美智子、木内三枝子、加藤嘉 他

 ■ 日時(予定):2月22日(日) 午後2時~4時 (開場 午後1時30分)
 ■ 会場:仁愛ホール (文京学院大学本郷キャンパス 島田依史子記念館)
 ■ 共催:学校法人文京学園、JIM-NET
 ■ 協力:共同映画株式会社
 ■ 入場無料 (入場ご希望の方は、往復はがきに入場ご希望の人数をお書きの上、下記あてにお申し込みください。返信用はがきに必ずお申し込みの方のご住所とお名前をお書きください)
※先着800名様までのご入場となります。

〒171-0033 東京都豊島区高田3-10-24 第二大島ビル303 JIM-NET 「ヒロシマからイラクへ」係

お問い合わせは、JIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク)東京事務所 ℡03-6228-0746
 

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2009年1月 1日 (木)

新年おめでとう!

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

2009年もイラクやチェルノブイリの子どもを救うために全力投球です。

子どもたちとそろって、1月1日の料理を食べた。Photo_11
お正月は、多くの家庭で祝い箸を使う。
箸の両端がまるく細くなっているもので、両口箸ともいわれる。
12月31日からお正月にかけて、ご先祖さまがお年とりに戻ってこられる。
そして、自分のルーツの人たちと一緒にごはんを食べる。
このため、お箸は、ご先祖さまが使う側と、自分が使う側との両方があるらしい。

なるほどな、と思った。
こころのなかで、自分を産んでくれた父や母に感謝する。
その父や母の上には、おじいちゃんやおばあちゃんがいて、さらにその上には、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんがいる。

ぼくのうちはどんな家系なのかよくわからないが、ぼくのうえにはずっと脈々とつながっている命があることは間違いない。
どうしようもなかった親もいただろうけど、そんなのお互いさま。
へんな人がいるなんて、当たり前のこと。

人類の歴史は、700万年前までさかのぼると、みんなアフリカのサバンナではじまっている。
もっとさかのぼれば、38億年前、地球上に命が芽生えた。
そのときから、命は脈々とバトンタッチされ、伝えられてきた。

つながっていることを自覚するのが、お正月の役割。
いま生きている水平的な絆とともに、自分たちの子孫や祖先へとつながっている垂直的な人とのつながりを、家族とともに料理を食べることで実感できる。
それを示しているのが、まさにお正月に使う箸の形なのだと思う。

1日は、夜6時に諏訪中央病院に行く。
恒例のアルコール依存症の人たちのミーティングにちょっとだけ参加して、あいさつをさせてもらう。
緩和ケア病棟にも行き、お正月も病院に残っているがんの末期の患者さんたちの顔をみてきたい。

本年もよろしくお願いいたします。

写真は、奥志賀高原のブナ林で自然から力をもらっているカマタ。
この時の健康を守るための食と自然の講演がもととなって、今年、本になる予定

005_5ぼくの今年の年賀状を見て下さい。

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