経済と幸せを考えさせられた一冊
『エコとピースの交差点 ラミス先生のわくわく平和学』(大月書店)を読んだ。
著者はC・ダグラス・ラミスと辻信一。
ダグラス・ラミスには、『経済成長がなければ、私たちは豊かになれないのだろうか』という名著がある。
政治学者で、日本通である。
ダグラス・ラミスは、今回の大恐慌は、「巨大な信用詐欺ゲーム」だという。
「カジノ資本主義」とも言い換えている。
2007年にゴールドマン・サックスの社長は、約67億円のボーナスをもらっている。
限りある世界に、豊かな国ができれば、貧しい国ができてしまう。
今から40年前、次期大統領として有力視されていたロバート・ケネディが、GNP信仰を痛烈に批判していたという話はとてもおもしろい。
GNPのなかには、たばこや酒やドラッグ、離婚や交通事故や犯罪、環境汚染や環境破壊にかかわるいっさいが含まれている。
戦争で使われるナパーム弾も核弾頭も、軍隊の装甲車もライフルも、子どもたちにおもちゃを売るために暴力を礼賛するテレビ番組も、だ。
ケネディは、ついにGNPに勘定されないものをあげている。
子どもたちの健康、教育の質の高さ、遊びの楽しさはGNPに含まれない。
詩の美しさも、市民の知恵も、勇気も、誠実さも、慈悲深さも。
そして、彼はその演説をこう締めくくったという。
「要するにこういうことだ、国の富をはかるはずのGNPからは、私たちの生きがいのすべてがすっぽり抜け落ちている」
彼が選挙キャンペーン中に暗殺される、二カ月少し前のスピーチである。
ぼくたちの国づくりは、やっぱり幸せやあたたかさにこだわるべきだ。
経済成長がなかったら、どうなるのか?
豊かにならないと幸せになれないのか?
幸せってなんだっけ?
こんな聞きたいことが、ゆっくりとしたリズムで書かれている。
ちょっとおもしろい本。
もう一人の著者、辻信一さんには、NHKラジオの「鎌田實いのちの対話」にゲストとして出演してもらったことがある。
辻信一さんから、コンパクトで、美しい、マイ箸を譲り受けた。
『エコとピースの交差点』、よろしかったら、読んでください。
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