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2009年1月21日 (水)

鎌田實 日本経済への提言⑮

~~保護貿易に傾かないこと~~

ロシアが輸入する自動車について、高額な関税をかけだした。
この傾向が、世界中に広がることを防がなければいけない。
1930年ごろの大恐慌は、この保護貿易によって、病態をさらに悪化させた経験がある。
オバマは、当然、労働者よりの政策をとる。
ビッグ3が当面、立ち直れないとなると、アメリカの自動車産業を守るために、関税を高くして保護貿易をもちこむ可能性も否定できない。

世界中が、厳しい状況になってきている。
一時元気があったベトナムも、厳しい。
中国の農民工とよばれる出稼ぎ労働者も、解雇されだしている。
これから270万人の労働者が失業する可能性もあるといわれている。

金融立国として元気だったイギリスも、アイスランドも、たいへん厳しい状況に追い込まれている。
カジノ経済のようなばくち打ちの経済を、世界中で二度と行われないような規制が必要であろう。
しかも、世界が立ち直ってくためには、新たなパラダイムシフトをおこしていく必要がある。

では、どんなビジネスモデルを作り上げていったらいいのだろうか。

前回、書いたように、グリーン・ジョブ、あるいはグリーン・リカバリーをテコにして、再生をはかっていくべきだ、とぼくは思う。
価値ある商品づくりをして、厳しい状況のなかでも輸出をしつづけ、なおかつバランスよく、今までとはケタはずれに内需を拡大していく必要がある。

そのめには、分厚い中流をつくることである。
若者たちが結婚しやすい状況をつくり、子育てをしやすい支援を充実し、そして、国民に、自分のもっている貯金の一割を使うことが国を救うことになるという物語を語り続けないと、経済的危機を脱出することは難しいだろう。

1930年代は、大恐慌が引き金となり、保護貿易が行われるようになり、苦し紛れに戦争まで走っていった。
地球上に二度とそのような悲劇がおきないようにしたい。
そのためには、保護貿易をせず、自由貿易がきちんと行われるように、日本も経済政策の舵取りをしていかないといけないと思う。

埴谷雄高の『死霊』のように、経済が崩壊し、生活が行き詰まり、絶望に陥っても、そこで絶望とは何か考えてみるべき。
どんな状況になっても、もう一人の自分が客観的にのぞいているような視点をもつことが大事だ。
景気の波が下がっていると、永久に下がり続けてしまうのではないかと不安になる。
不安にさいなまれるのが人間であるが、下がった波は必ず上がると信じながら、絶望を客観的に受け止めることが大事なのだと思う。

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