人とのつながりが支える新しいがんケア
乳がんを専門とする、聖マリアンヌ医科大学の福田護教授と対談した。
福田教授は、2000年からピンクリポン運動を展開し、乳がんの早期発見や早期治療を啓発してきた。
さらに、NPO法人キャンサーリボンズを立ち上げ、乳がんだけではなくて、ほかのすべてのがんの患者さんたちの不安を軽減する新しい取り組みキャンサーリボンズ運動を始めた。
その拠点となるリボンズハウスが、日本中の病院に併設するような形でいくつか実現しつつある。
リボンズハウスにいくと、がんの患者さんたちやボランティアの人たちが、がんについての情報や、食や美容の問題など、心身の適切なケアの相談に応じてくれる。
福田教授は、ピンクリボン運動を通して、「ドクター・センタード・キャンサー・ケア」(医師中心のがん医療)から、「ペイシェント・センタード・キャンサー・ケア」(患者中心のがん医療)を目指してきた。
キャンサーリボンズ運動では、さらに「リレーションシップ・センタード・キャンサー・ケア」(人間関係中心のがん医療)を目指したいという。
人間関係中心のがん医療――。
つまり、人と人との関係、人と人とのつながりのなかで、がん患者を支えていくことを目指した新しい運動だ。
一方、がんの拠点病院化がすすんでいる。
マスコミで、がんの拠点病院や有名病院が取り上げられると、患者が一気に押し寄せる。
患者が集中化し、現場は混乱を極める。
「もう治療法はありません」と、医師から冷たいことを言われ、放り出された患者は、がん難民となる。
がんの拠点病院でむしろ、がん難民を生み出している現実があるのだ。
一つの病院が、点で支えている。
それに対して、人と人の関係のなかで支えていくという考え方は、とても興味深い。
聖マリアンヌ医科大学では、今年3月、ブレストイメージング先端医療センターを開設する。
乳がんを中心に、乳がんだけではなく、女性の医療の新しい時代をひらく世界最高水準の医療を目指したセンターだという。
福田先生は、現在、諏訪中央病院の院長である浜口先生と、聖マリアンヌ医科大学の外科で一緒だったということで、諏訪中央病院には、聖マリアンヌ医科大学の外科からも医師を派遣していただいている。
つながりが深い大学である。
写真は、諏訪中央病院のロビー。絵画や風景などを眺めながら、人と人がゆったりと絆を結ぶ。
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