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2009年3月26日 (木)

モアイからの警告

004 1680年、モアイ倒し戦争がはじまるころ、島の主導者たちが海岸の断崖絶壁に集落をつくった。
切り立った崖の上に、53の石の家がたっている。
岩には、神や鳥人などの彫刻やペインティングが多く残されている。
オロンゴの遺跡である。

ここでは、鳥人儀礼が行われた。
若者たちが、急峻な岩を滑り降り、サメの海を泳ぎ、孤島へと鴎の卵をとりにいくのである。
このレースに勝った若者は、マナという霊力をもつ者としてたたえられ、鳥人といわれた。
そして、島の権力者になることができた。

オロンゴの遺跡のすぐ横に、アナカイタンガタという洞窟がある。005
アナは「洞窟」、カイは「食べる」、タンガタは「人」という意味だそうだ。
カニバリズム(食人)が行われていたようである。
戦いに勝った者が、敗れた者を、その強さをたたえながら食べたという。
おそらく、食料不足のためではなく、マナという霊力を得るために行われた祭りだったのではないかと言われている。

いよいよこのころから、この島は滅びへと向かっていく。
霊力を蓄えようとしながら、部族間でさらに戦いを広げていった。
これはとても大きな問題である。
戦いを広げようとする宗教観も、この豊饒の島を崩壊させる一つのトリガーになった。

ひるがえって、現在の地球を考える。
キリスト教原理主義も、イスラム教原理主義も、この地球を崩壊させる大きなトリガーになるのではないか。
イースター島から学ぶことは多い。

003 イースター島が滅びへと向かった要因はいくつかある。
巨大な偶像モアイをつくるために森を伐採したこと。
苛烈な部族間の戦争。
そして、ヨーロッパから性病の梅毒や天然痘が持ち込まれたこと。
これらが豊かなモアイの島を壊していったのである。

現在の地球号では、砂漠化が進み、アフリカやパレスチナ、イラク、アフガニスタンで、戦争が繰り広げられている。
新型インフルエンザの感染爆発も心配されている。

ペルー艦隊による1000人の奴隷狩りも、この小さな島に大きなダメージを及ぼした。
今の地球号にとって、奴隷狩りに相当するものは何か。
それは、人々の生きる力を奪っていくもの、金融経済の崩壊による雇用の喪失かもしれない。
暴走する経済の下で、ワーキングプアや貧困層といった、新しい時代の奴隷をつくるべきではない。

地球号の乗組員として、地球号をどう守っていくべきか。
モアイの島は、大切なヒントを与えてくれている。

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