巣立ちのとき
先日、諏訪中央病院看護専門学校の第14回卒業式が行われた。
感動的な卒業式だった。
何度も目頭があつくなり、ハンカチを必要とした。
年をとって涙もろくなっただけではない。
40人の看護師のたまごたちが、厳しい勉強に何度も燃え尽きそうになり、それでも立ち直って、
初志を貫徹してくれた。
一人ひとりの長い戦いに感動したのである。
諏訪中央病院看護専門学校の答辞は、歴代、卒業生全員が舞台に立ち、一人がワンフレーズずつ在校生に語りかける。
これが感動的なのである。
夜は、イタリアンレストランで謝恩会を開いてくれた。
卒業生たちは、見違えるように装っている。
中国から留学してきたチョウさんは、親戚のおじさんたちに「日本に行くな」と反対された。
それでも彼女は、日本はどんな国なのか、自分の目で見なければわからないと思い、やってきた。
「クラスのいい仲間、いい先生」に出会った。
「自分は少しやさしくなった」
「日本に来てよった。日本はあったかくて、やさしい国」と言う。
彼女はクラスでいちばんよく勉強した。
2人の学生に学校長賞が与えられる。
一人は、子ども2人を育てながら、3年間勉強しつづけたお母さん看護師。
もう一人は、このチョウさんだった。
「愛のたまご」という校歌をみんなで何度も歌った。
みんな大好きである。
校歌らしくない。
あったかくて、さわやかないい歌なのである。
40人が巣立っていった。
22人が諏訪中央病院で看護師のたまごとして活動をはじめる。
いい一日だった。
3年間の苦労が報われる日である。
こんな感動的な一日があると、また学生たちにいい授業をしようと思う。
また4月から、新入生に保健医療論や看護の哲学を教える。
気力がみなぎってきた。
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