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2009年3月24日 (火)

クラントを味わう

090321 イースター島に住むパントゥさんという人のお宅に招かれた。
島に伝わるクラントという蒸し焼き料理でもてなしてくれた。

これは、バナナの葉に鶏や羊などの肉や、紫芋、パンなどを何重にも包み、熱した石をのせ、土をかぶせて蒸し焼きにする料理。
これが、うまい!
肉の味付けは、薄い塩とスパイス。
蒸し焼きにするので、とてもやわらく、おいしい。

イースター島はかつて豊かな森があり、肥沃の地であった。
その豊かさゆえに繁栄し人口爆発が起こり、食糧不足に陥った。
巨大なモアイを運ぶために、森は伐採され、豊かな土壌は流された。
食糧不足はさらに深刻化し、部族間で戦争が起きた。
敵の部族のモアイを倒す「モアイ倒し戦争」である。
さらに18、19世紀、イースター島を悲劇が襲う。
ヨーロッパ人が島に上陸し、奴隷狩りをし、性病と天然痘を持ち込んだのだ。
そして、圧政。
ピーク時には9千人とも2万人ともいわれるまでに増えた人口は、1877年にはたった111人になってしまった。
090320
この島の滅びの物語は、現在の地球に対する警告のような気がしてならない。

現在、イースター島の人口は4000人。
パントゥさんら、環境や、自分たちの文化を考えている人たちが必死に再生しようとしている。

この島には、野菜や樹木をよく育てるために、その周りを石で取り囲む(マナパイという)昔からの知恵があった。
一度、その知恵はすたれてしまったが、パントゥさんらが復活させたという。

パントゥさんは、外来種ではなく、もともと島にあったヤシなどを育てたいと語ってくれた。

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