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2009年3月27日 (金)

われわれはどこから来たのか⑥

090322 64回ピースボートに乗っている。
イースター島からタヒチへと6日間の旅である。
ぼくが来た道を逆戻りするわけだが、船旅はまた一味違う。

昨年は、北極を回る62回のピースボートに乗った。
そのとき乗り合わせた人たちが30数人、今回も乗り込んでいて、懐かしそうに声をかけてくれた。

前回は、船が遅れ、予定していたツアーが取りやめになったり、部屋によってはシャワーのお湯が出なかったりと、ハプニングがあった。
週刊誌などにも、ピースボートの批判めいたことが載っていたこともあった。
だが、一方で、こういうゆったりとしたスピードや、不便さを逆におもしろがる人たちはけっこう多い。

ピースボートは世界一周の船旅とはいっても、ほかの豪華客船とはちがい、値段も2分の1から3分の1程度。
若者が利用するタイプでは、5分の1くらいの値段になる。0903222
そのうえ、船の中での交流や、船を下りた後、環境や平和をテーマにした現地の人たちとの交流は、ほかの豪華客船にはない企画。
そのために、ピースボートのスタッフが先乗りという形で、現地の人たちや文化とできるだけ触れ合えるように、調整してくれている。

前回からの旅仲間が口をそろえて言うのは、今回の船のほうが、圧倒的に居心地がいいということ。
約100日間の船旅をエンジョイするには、安くて、安全で、本を読む場所、お茶を飲む場所、食事をする場所が快適に整っていることが必須だ。0903222
そういう意味では、今回の船は申し分ない。
65回からの船は、1500人収容のより大きな客船になり、さらにグレードアップするようだ。

ぼくは船の上で、PHPの連載エッセイや読売新聞の「見放さない」という連載の原稿を書いたりしながら、猛烈に本を読んでいる。
ゴーギャンをモデルに書かれたという、サマセット・モームの『月と6ペンス』。
これは、何度も読んでいる小説だが、実際にポリネシアの地で読むと、その空気がより伝わってくる。
モームは、驚異と神秘、官能的、情熱的、呪術、みだらな美しさなどということばで、最後の大壁画を表現している。
そして、その壁画が完成した後、火が放たれる。
最高傑作の絵が残らないという設定も、なかなかおもしろい。

ゴーギャンの画集も、2冊もってきた。
ゴッホの画集も1冊もってきた。
2人の画家は、アルルでほんの短い間、一緒に生活している。

『還らざる楽園、ビキニ被爆40年 核に蝕まれて』(島田興生著、小学館)も読んだ。
1946~58年にかけて67回、アメリカがロンゲラップ島で核実験をした。
マグロ漁を行っていた第五福竜丸の23人が被爆した。
0903222_2 日本が唯一の被爆国といわれるが、じつはアメリカのビキニ、旧ソ連のカザフスタン、中国の内モンゴル、チェルノブイリの原発事故、そして、イラクの劣化ウラン弾。
核物質による放射能被害は、地球上のいくつものところで、人間や自然にダメージを与えている。
そして、このポリネシアでは、ムルロア環礁でフランスが水爆実験をしている。

ぼくは、この旅で、2つのテーマを決めた。
一つは、「日本人がどこから来たのかを探る旅」。
もう一つは、あるタヒチアンに会うためである。
彼は、すぐ近くでムルロア環礁の核実験をみ、フランスの核実験に反対しつづけている。

次回は、そのタヒチアンのことについて、ご報告したい。

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