鎌田實の日本経済への提言25
~~合言葉は、新しい資本主義の形をつくろう!~~
週刊朝日で、経済同友会の終身幹事である品川正治氏が、日本型の新しい資本主義を提示していた。
おもしろいと思った。
品川氏は、アメリカのモノマネをするのではなく、平和憲法をもつ日本にふさわしい資本主義をみつけることが大事だといっている。
うれしいなあ、こういう資本家がいるというのは。
キヤノンの労務担当役員も、朝日新聞(1月21日付け)で、経済合理性を超えて、雇用を守ることがいまの社会がキヤノンに期待していることだ、と述べていた。
こういうのが大事なのだ。
リーマンブラザースが破綻したとき、トヨタとキヤノンはいちはやく派遣切りを行った。
派遣とはそういうものだということを、いまも言う人がいるが、すぐれたリーダーならば、苦しいけれど何とかこらえるから、車やカメラを買って欲しいと訴えたほうがよかったのである。
日本の消費者は、それにこたえた思う。
それをしていれば、こころの萎縮は連鎖せず、不況の泥沼にはまり込まなかったのではないかと思う。
アメリカ流の契約社会のスタイルではなく、少しあやふやだけれど、あやふやの日本のなかで、人と人のつながりを信じることができるような、新しい形の資本主義があっていいのではないかと思う。
品川さんは、「私が経営トップだったら、いちばん弱いものを切るなよと言うでしょう」といっている。
政治家も国民も、資本主義の新しい形をつくるんだという意識がない。
品川さんは、そういう意識が大事だという。
ぼくも同感である。
品川流にいうと、「日本型の新しい形の資本主義」。
鎌田流にいうと、「ウエットな資本主義」。
どちらも、人間を大事にする経済観がある。
品川さんの言っていることと、鎌田が言っていることは、かなり近いところにあるように思う。
合言葉は、「資本主義の新しい形をつくろう!」。
この不況こそ、資本家も、政治家も、国民も、官僚も、みんなが意識を変えるいいチャンスだと思う。
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