アンパンマンとの対談
アンパンマンの作者、やなせたかしさんと対談した。
やなせさんは今、90歳。
今でも詩を書いたり、詩集を出したり、若い絵描きや詩人たちを支えている。
いつもだれかのためを思っている、かっこいいやなせたかしさんでした。
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アンパンマンの作者、やなせたかしさんと対談した。
やなせさんは今、90歳。
今でも詩を書いたり、詩集を出したり、若い絵描きや詩人たちを支えている。
いつもだれかのためを思っている、かっこいいやなせたかしさんでした。
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~~週5回は魚を~~
かつて沖縄は長寿王国であったが、2000年に、男性は都道府県別の長寿ランキングで、26位に転落した。
大正時代からのデータをみていくと、沖縄は次第に肉をたくさん食べるようになり、魚を食べない県になっていったことがわかる。
今では、魚をいちばん食べない県になった。
26位への転落は、それと関係が深いといわれている。
昨年、ぼくはアイスランドに行った。
今、男性の長寿世界一は、日本を抜いてアイスランドである。
女性は、日本が今も世界一であるが、男性はアイスランドに座を譲った。
アイスランドでは、やはり魚をたくさん食べる習慣があった。
魚には、EPAやDHAといういい油がたくさん含まれていて、魚をたくさん食べることによって、心臓病や脳梗塞を減らすことができる。
それだけではない。
魚をたくさん食べると、うつが少ないとか、魚をたくさん食べるうちの子はキレる子どもが少ないといった研究データも出はじめた。
精神的なバランスを保つことができるような成分も含まれているようだ。
週5回は魚を食べたいものだ。
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~~きれいな色を食べよう!~~
寿命には、2つある。
元気でピンピンしていられる健康寿命。
そして、亡くなるまでの年齢を示す平均寿命。
つまり、平均寿命-健康寿命=人のお世話が必要になる年数を示すことになる。
いま日本人の男性では約7年、女性では約10年である。
この年数が短いほど、ピンピンコロリに近づくことになる。
健康寿命を向上させるには、活性酸素を暴れさせないこと。
活性酸素は、血管を酸化させる。さびつかせ、動脈硬化などを起こす。
細胞の老化も進め、ときにがんも引き起こす。
骨の老化である骨粗しょう症も、この活性酸素がかかわっていることがわかった。
この活性酸素を暴れさせないようにするには、抗酸化力の高い食べ物を食べることが大切だ。
野菜の黄色や緑色には、抗酸化力のあるβカロチンが含まれている。
トマトの赤い色のリコピンという色素は、βカロチンの2倍の抗酸化力があるといわれている。
魚の色素もいい。
例えば、タイとかイクラの赤い色素は、アスタキサンチンという。
これも抗酸化力がある。
これらの色素は、それぞれの生き物がもっているアンチエイジングの機能である。
おいしく食べて、自分のアンチエイジングにも役立つ。
自然のきれいな色のものを、どんどん食べよう!
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蓼科の山桜が満開になった。
例年より1週間ほど早い。
蓼科の桜を見て、10年ぶりくらいに、ホテルハイジでチーズケーキを食べた。
小さな感じのいいホテルでの、ティータイム。
購入したばかりの赤のインサイトで、新緑の蓼科へドライブした。
「鎌田實の日本経済への提言」で、来年車を買う予定の人は、今年買おうと呼びかけたが、それを自ら実践した。
今まで、スキーをするために四駆に乗っていた。
10年乗ったので、ポンコツになった。
その前のパジェロは14年ほど乗った。
ぼくは、車は簡単に買い替えないスタイルで、動かなくなるまで乗る。
だが、今回は金融崩壊のなかで、資本主義社会の一員として、いま車を買うことに意味があると考えて、購入した。
いちばんシンプルで、何もつけないで、約185万円。
車両税はゼロ。
ハイブリッドカーなので税金はかからず、しかも、購入補助がつくことになり、予想外に安くあがった。
さらに、資本主義の新しい形態である、「持たない」という形にこだわって、リース契約にした。
インサイトは、リッター30キロ走るといわれている。
信号待ちのとき、エンジンが止まる。
バッテリーとガソリンエンジンの両方が上手に使われている。
ブレーキを踏むと、そのエネルギーがバッテリーに逐電される。
むだが少なく、走ると逐電され、それをまた利用しながら車が走るという、とてもうまい仕掛けになっている。
みんなが少し元気を出して動くことが大切。
買い物をしたり、遊びに出たり、山に行ったり、映画をみたり、日帰り温泉にいったり。
それがこの国の経済を立て直すことにつながると思う。
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インドのムンバイにあるボリウッドでつくられた映画。
ハリウッドではなく、ボリウッドというのが、なんとなくインチキ臭くていいなと思った。
ハリウッドは張りぼてで、つまらない映画をつくっている。
特に、CGを使うようになってからますます張りぼて度が増して、本物のインチキになったいった。
ボリウッドでつくられたこの映画は、インチキ臭さの向こうに生命力やスピード、躍動感、汚さやずるさや裏切りや友情や兄弟愛が、混沌としてあふれている映画であった。
インチキ臭さが、インチキを超えた映画である。
スラムの負け犬の少年2人がたくましく生き抜いていく。
2時間の映画の、大事な場面には列車が出てくる。
少年たちは生きるために列車にもぐりこみ、食べ物の商売をする。
その列車の中の表現は、すばらしいアングルで美しい。
子どもを食い物にする悪人たちから逃れるときも、列車が使われる。
大好きな少女ラティカと離れ離れになるのもこの列車であった。
最後に少年が少女と会うことができたのも、また、列車がつくターミナルステーションであった。
じつに見事に列車が使われていて、ひとつひとつが美しい。
そして、主人公18歳の少年は、少女に会うためにテレビ番組のクイズ、ミリオネアに出演する。
クイズが続くなかで、いくつもの少年の生き方が見えてくる。
200万ルピー、日本円にして4000万円。
最後の問題は、三銃士の三番目の戦士の名前であった。
少年は、少女たちと「三銃士」を名乗って遊んでいたのだけれど、その名は知らなかった。
少年は、ヒントをもらうために、“ライフライン”の電話をある人にかける。
ここが、じつにうまくできている。
その電話は、ある人につながるのである。
もうここで、この感動的な映画のすべてはエンディングを迎えたように思う。
その後、クイズのファイナルアンサーの結果が待っているのであるが、もうぼくには当たるか当たらないか、どうでもいいと思えた。
この少年のファイナルアンサーは、ライフラインを使って、ある人とつながることであったのだ。
全部、インチキっぽいけれど、インチキっぽさの向こうに圧倒的な迫力と、ムンバイのスラムのリアリティーとエネルギーがある。
ムンバイのエネルギーに満ちた空気が、この映画を成功に導いたのだと思う。
これをハリウッドでとっていたら、つまらない映画になっていただろうな。
ハリウッドではなく、ボリウッドでつくられた、スラムドッグミリオネア、感動した。
映画を見終わった後、宗教家の山折哲雄先生と対談をした。
大変尊敬している方で、いろんな気づきになる対談であった。
山折さんは、ぼくの『いいかげんがいい』や『がんばらない』などの本を読んでいてくれて、
人間の生き方には、「しゃあないなあ」という生き方があるんだという感想をくれた。
まさに、この『スラムドッグ$ミリオネア』にも、「しゃあないなあ」の運命観が流れているように感じた。
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新刊『がんばらない健康法』(朝日出版社、1050円)の見本ができた。
健康の秘訣が、じつにわかりやすく書いてある。
これをやれば健康で長生き、間違いなし、と鎌田が太鼓判を押している。
7悪3善1コウモリという健康の法則が、わかりやすい図解で示されている。
コストパフォーマンスのいい本である。
4月末には書店に並ぶ。
ぜひ、ご一読を!
必ず役に立ちます。
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「がんサポート」5月号で、国立がんセンター総長、廣橋説雄先生と日本のがん医療について対談した。
廣橋先生は、がん対策の国家プロジェクトの先頭を走るがん医療のリーダー。
患者さんのQOL向上のためには、医療側の人材育成が不可欠だという話をしたり、
役割分担を明確にし、拠点病院のさらなる質のアップが必要という議論をしたりした。
がん医療は、拠点病院化が進められている。
だからといって、拠点病院以外の、地域の第2病院や第3病院が、まったくがん医療を担わないですむわけはない。
現在、毎年3万人を超す人が、がんで亡くなっているのである。
すべてのがん医療が充実していなくても、いくつかの面に関して、がんの拠点病院に匹敵するような治療ができることも大事である。
地域のがん医療の厚みを考えなければならない。
日本に、がん医療をしっかりと構築するには、拠点病院だけにお金を配り充実させるのではなく、
地域の第2、第3病院を充実させるべき、と鎌田は主張している。
おもしろい対談なので、ぜひ読んでほしい。
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おもしろいファクスが入った。
うそじゃないかと、わが目を疑った。
「一般社団法人日本だいじょうぶ普及協会」と書いてある。
定款まである。
定款の第2章には目的が書かれている。
「混迷の時代にだいじょうぶという言葉を普及させることを目的とする。
だいじょうぶという言葉は、深い愛のエネルギーをもち、私たち一人ひとりの思いが未来を変えていく大きな原動力となることを固く信じ、
まず自分自身がだいじょうぶに、そして周りの人々に、日本中に、さらには世界中にだいじょうぶのエネルギーを伝えていくことを通じて、
人類の未来展望をひらくことにより、国民の健康維持および増進ならびに経済および福祉の向上に貢献することを目的とする」
笑っちゃいました。
たしかに、だいじょうぶという言葉は、心の健康にもいいだろうし、経済にも大事。
福祉の世界でも大事である。
この普及協会は、だいじょうぶ運動の指導者に対する認定や登録も行っている。
こういうジョークは大好き。
でも、もちろん、ぼくは参加しません。
水谷修さんとの往復書簡「だいじょうぶ」(日本評論社)も順調に読者の輪が広がっているようである。
だいじょうぶというのは、とてもいい言葉である。
読売新聞の「日本語」という連載がはじまり、何か一つ言葉を選んで、自分の人生にまつわる話を語ってほしいという取材を受けた。
ぼくは「大丈夫」という言葉を選んだ。
チェルノブイリの放射能の汚染地域で、子どもたちの命を助ける女医タチアナは、自分は乳がんが骨転移しているにもかかわらず、それでもなおかつ子どもたちの命を最優先した。
彼女の口癖が「大丈夫、大丈夫」だった。
泣いている子どもたちがいると、病棟のお母さんのようになって、子どもたちを抱き上げ、抱きしめ、そして、「大丈夫、大丈夫」とあたたかく、子どもたちに語りつつけていた。
丸ごと肯定して、包み込んでくれるような大丈夫という言葉。
通訳は、どんな言葉を「大丈夫」と訳してくれたのか、チェルノブイリ連帯基金の事務局長の神谷さんに聞くと、
「ハラショー、ハラショー」だったと思いますと返事があった。
ぼくの母も、よく「すごい」とか、「大丈夫」とよく言ってくれた。
母に「すごい」ほめられるのがうれしかったし、ぼくがちょっと不安に思ったりひるんでいると、「大丈夫」と背中を押してくれた。
自分の書いたものを読み直してみると、「すごい」という言葉が、よく使われている。
いつの間にか、母の言葉がぼくの口癖になっていた。
心臓病で入院中の母のベッドにもぐりこんで、学校の話を報告すると、ぼくを抱きしめてくれながら、「すごいね」と言ってくれた。
「すごいね」も、「大丈夫」も、いつも生きる力を与えてくれる言葉であった。
書道家の紫舟さんが、ぼくの選んだ「大丈夫」という字をどんなふうに書いてくださるか、楽しみである。
変更があるかもしれないが、5月2日の読売新聞にでる予定。
ぜひ、ご覧ください。
写真は、岩次郎小屋に咲くムスカリ(上)と、シバサクラ
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NHKラジオ第一「ラジオビタミン」に急きょ出演することになった。
ご存知、村上信夫さんが進行する番組。
24日午前11時すぎごろから6分間ほど出るので、ぜひ、チューナーを合わせてみてください。
次回の「鎌田實 いのちの対話」(NHKラジオ第一)について、お知らせする。
次回の「鎌田實 いのちの対話」は、ゴールデンウィークの5月4日放送。
午前9時5分から生放送でお送りする。
江戸時代のよさについて語り合おうと思っている。
主なゲストは、時代小説の超売れっ子作家、山本一力さん。
子どもたちに論語を教えている安岡定子さん。
安岡さんは、日本を代表する陽明学者、故・安岡正篤の孫にあたる。
おもしろい、役に立つ話が聞かれます。
ぜひ、聞いてください。
その前に、まずは、ラジオビタミンでお会いしましょう。
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いよいよ今月発売の「日経マネー」6月号から、鎌田の新連載がはじまる。
タイトルは、「自分と企業と日本を豊かにする投資がいいのだ」。
カマタ流ウエットな資本主義、日本の新しい資本主義のあり方を考えていこうと思っている。
資本主義の一員として、哲学のある会社の株を、買える人は買おう。
その投資は、自分たちの国を支えることになり、会社を支えることになり、そして10年、株をもち続けることで自分や家族のの生活を支えることになる。
そういう投資が考えられないものかとか思って、新しい連載をはじめた。
ぜひ、日経マネー6月号をご覧ください。
ぼくはずっと資本主義社会にどっぷりつかりながら、資本主義なんてクソクラエと思って、まじめに考えてこなかった。
だれかに勝手に任せておけばいいと思ってきた。
しかし、資本主義は欲望を暴走させ、こんなテイタラクになった。
やっぱり、みんな一人ひとりが、あるべき資本主義のスタイルを考えるいいチャンスではないかと思う。
あたたかな資本主義、新しい資本主義、ウエットな資本主義。
そんなものを考えてみたいと思っている。
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宮城県の角田市で、虹の園の応援団長をした後、大阪のYMCAでやはりボランティアで講演をした。
その間、取材を受けたり、宗教学者の山折哲雄さんと対談したり、映画『スラムドッグ$ミリオネア』をみたりした。
慌しい数日間だった。
YMCAでは、お金を集めてくれ、チェルノブイリ連帯基金に寄付をしてくれた。
虹の園の講演でも、たくさんのCDや本が売れた。
その差額はチェルノブイリやイラクの医療支援のために使わせていただく。
本当に、ありがとうございました。
この数日、B級グルメをよく食べた。
名古屋駅の全国名店のなかにある、永福ラーメン。
東京の永福町にあるラーメン屋である。
永福町は、ぼくが子どものころ住んでいた杉並区和田というところから、歩いてすぐのところにある。
永福という名前に惹かれて、博多ラーメンや札幌ラーメンをやめて、これにした。
当たりだった。
ぼくの大好きな細めんで、タンタンメンの辛味みそと白いとんこつスープが絶妙のバランスだった。
関西では、滝見小路のきじやでお好み焼きを食べ、石焼ビビンパを食べた。
カツ丼を食べ、それからネギトロとろろ丼を食べた。
忙しさを乗り切る、ぼくの元気の源はB級グルメであった。
写真は、大阪YMCAの若者たちと。
大阪のお好み焼き(中)と、ネギトロとろろ丼(下)は、おいしいB級グルメ。
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仙台から30分くらいのところに、人口3万人ほどの角田市という街がある。
その角田で、障害のある人たちの雇用の問題に取り組んでいる社会福祉法人虹の園というのがあり、
ここの発想にひかれて応援団長になった。
年に1回、ボランティアで講演に来ている。
この5年間で、6回目。
ぼくが引き受けている講演では、もっとも小さな講演会である。
今回は、第二虹の園開所20周年のお祝いにやってきた。
午前中、宮城生協の1800人の講演をして、午後、ボランティアで虹の園の講演をした。
昼食に、まっちゃんという障がいのある青年が、ピザを焼いてくれた。
ツブ貝がふんだんにのっている。
うまい!
来るたびに腕を上げている。
まっちゃんは、5年前にピザ職人の修行をはじめた。
素材はこだわっているが、なかなかうまく焼けなかった。
小麦はイタリア、チーズは諏訪の有名なチーズ。
ちょっと高いけれど、素材にこだわっている。
海産物は、七ヶ浜や山本町で上がったその日の魚を使う。
これがうまい。
今日のピザにのっている、ツブ貝もそうだという。
どんどん上達している。
虹の園は、パピハウスというピザハウスを出している。
宮城県内では、角田市と山本町と多賀城。
そして、10月には川崎にも新しい店ができる。
手作りの凝ったピザを出す。
店によってはパスタも出す。もちろんパスタも手作り。
福祉施設がレストランをすると、障がい者の自立支援ということが前面に立ち、味や素材などは二の次になるというのが、日本では多いように思う。
でも、ここのピザは、じつに本格的なのである。
がぎゅうベーカリーというパン屋さんもやっている。
これが、さらに出色である。
日本産の小麦粉ゆきちからを使って、安全を確保しながら、おいしいパンを焼き上げる。
日本の小麦粉はパンに合わないといわれているが、このゆきちからを使ったパンはとてもおいしい。
ひくてあまたで、ほとんど売り切れる。
仙台の生協でもおいてくれ、たいへん人気が高いという。
障がい者が作ったパンだから売れるのではない。
安全で、おいしい。だから、地域の人たちは買ってくれるのである。
午前中の講演会場でもパンが売られたが、あっという間に売り切れた。
虹の園には、頼もしい応援団がついている。
パンづくりは、竹山先生という人がずっと面倒をみてくれている。
障害のある人たちに、繰り返し、繰り返し、手をぬかずに品質の高いパンをつくることを教え続けている。
一度、教えたら終わりではなく、ずっと教え続けているというのがいい。
虹の園が作るお弁当も評判がいい。
ごはんは、契約農家に低農薬でお米を作ってもらっている。
おかずの野菜は、地場産の野菜をふんだんに使っている。
冷凍食品を使わず、全部手作りなのだ。
地域の人や議員さんたちが会合をするときに、このお弁当を注文してくれるという。
これも、たいへんな売れ行きなのである。
お弁当の指導は、星先生という、食の専門家がずっとコーチングをしている。
星先生は、ぼくが虹の園に顔を出すと必ず、季節のおいしいものを届けてくれる。
今日は、白魚とふぐの煮付け。
白魚は、その日の朝、七ヶ浜で上がったもので、これが今まで食べた白魚より、大きくて立派でおいしいのである。
ふぐの煮付けは、漁師のまかない食だという。
「先生にはしゃれた料理より、地元の漁師たちが食べているもののほうが喜ばれると思って、作ってきました」
なんともお見通しなのである。
1日2回の講演をし、講演の後、来場してくれた人に、サインをした。
この日一日でしたサインは、800冊だった。
今まで、多いときでだいたい500冊だったが、この日は特別多い。
ブラダン・コチのクラシックCD『ふるさと~プラハの春』も、飛ぶように売れた。
発売から1カ月で1000枚を超えた。
すごい勢いである。
各新聞社でも紹介をしてくれたおかげで、たくさんの人が応援してくれる。じつにありがたいことである。
この収益は、イラクの白血病や小児がんの子どもたちの医療費として、大切に使わせていただく。
忙しい一日であったが、まっちゃんと久しぶりに会えたし、今年も虹の園の応援団長を務めることができた。
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さだまさし「デビュー35周年記念コンサートFESTIVAL HALL200」というCDを聴いている。
「絵はがき坂」とか、「北の国から」「案山子」「October~リリー・カサブランカ」など、すてきな曲が満載である。
大きなライブコンサートのエンディングには、よく「風に立つライオン」を歌う。
今回のCDもそうだった。
「風に立つライオン」のモデルの医師は、ぼくの友人でもある。
いつも彼をうらやましく思う。
鎌田のことと、諏訪の小松先生をモデルにした「八ケ岳に立つ野うさぎ」という曲がある。
じつにいい曲なのであるが、なかなかまさしさんは歌わない。
ぜひ、大きなコンサートで「八ケ岳に立つ野うさぎ」を歌ってほしいものである。
「風に立つライオン」と同じくらいいい曲だと思うのだが、
まさしさん、いかがでしょうか。
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『主体性をひきだすリハビリテーション 教科書をぬりかえた障害の人々』(長谷川幹著、日本医事新報社)はすばらしい本だ。
脳卒中によって右片マヒになった人が、美容師として復帰していく。
脳出血をのりこえて、国際ボランティア活動をしたり、看護師に復職したりしていく。
乳がんの脊椎転移により、両下肢マヒを起こした人が、長期間の筋力トレーニングで外出ができるようになっていく。
そんな、すごい患者さんたちが登場する。
そして、著者の医師は、その課程の治療やリハビリを、丁寧に、隠すことなく書いている。
とにかく、すごい本である。
リハビリの専門家にも読んでもらいたい。
介護の仕事をしている人にも、保健師にも、内科のドクターにも、読んでもらいたい。
実は著者は、鎌田の大学時代の同級生である。
80余人のクラスで、鎌田は80番目、長谷川幹は81番目。
長谷川くんがいたおかげで、鎌田は番外に落ちることはなかった。
仲がよかった。
いま、著者は桜新町リハビリテーションクリニックという、リハビリ専門のクリニックを開業している。
世田谷の人に会うと、長谷川くんの話がよくでる。
自転車にのって、訪問リハビリに出かけていく長谷川くんの姿は、地域の人によく知られているらしい。
いつも原則的な人。
人間として信頼できるドクターである。
患者さんの主体性を引き出すリハビリテーションというものが、どういうものかよくわかる。
どんな状況になっても、本物の社会復帰ができる可能性があることが、よくわかる。
そんな、どこにもない本である。
ぜひ、読んでほしい。
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日銀の副総裁格といわれている審議委員との対談があった。
審議委員は、政策金利などを決めたりする、日本の金融の舵取り役である。
2回の政策金利の利下げや、コマーシャルペーパーや社債の買取など、最近、積極的な金融危機対策を行っている。
母校都立西高の同級生の女性が、日銀の審議委員をやっている。
高校時代の超エリートと、超落第生との対談はおもしろかった。
対談が終わって、ぼくは初歩的な質問をしてみた。
国債をたくさん発行すると、なんで長期金利があがるのかとか。
このブログにも書いたが、救国国債を発行して軽いインフレにしていったら、経済はよみがえるのではないか、というぼくの提案には、すぐに「鎌田さん、だめよ」と言われてしまった。
「鎌田さんが大事にしているお年寄りや生活がギリギリの人たちは、インフレになると生活苦がさらに悪化していく。やたらインフレの方向にもちこめば、弱い人たちが苦しむので、そんな危険な賭けはできない。
しかも、国の借金は明らかなので、戦争中に行った救国国債のような、この国を救うためと国民に呼びかけて、やたらな量の国債を発行することはいいことではないのだ」と、言下に否定されてしまった。
うーん、たしかに、そう。
ほんのわずかなインフレで、止めることはできないんだろうなと思った。
制御できないインフレがおきれば、大変なことになる。
よくわかった。
だからといって、今のように安売りが行われて、ものの値段がどんどん下がり、デフレがおきていけば、雇用の創出も難しくなる。
いっとき生活しやすくなる感じがするが、経済は浮上しない。
デフレにもならず、インフレにもならない、難しい舵取りが必要なのだということがよくわかった。
日銀の古い文化遺産のような建物の廊下には、かつて日本の危機を救った「前川レポート」の前川総裁の絵が掲げられていた。
内需拡大を本気で考えないといけないことはまちがいない。
そうしなければ国民の幸福感にはつながらないのである。
外需ももちろん大事であるが、このピンチを脱出するためには、内需の拡大が大事である。
内需に刺激を与えるような政策が必要なんだろう。
そのために、どうしたらいいのか、という対談をした。
ウエットな資本主義の話をした。
対談をお楽しみに。
写真は、岩次郎小屋に咲くヒメコブシ(上)とラッパスイセン。
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イラク戦争から6年。
JIM-NETが、4月17日19時から、東京・高田馬場で「イラクは今」という緊急報告会を開く。
JIM-NET事務局長の佐藤真紀さんと、クウェート大学を卒業し、アンマン在住の加藤丈典さんが、シリア・イラク国境沿いのアルアリードのキャンプの、難民たち1700人の生活状況や、がんや白血病になった子どもたちの現状、JCFが支援した血液検査機器が十分機能しているか、などを報告する。
バグダッド近郊はじゃっかん治安が改善したのにもかかわらず、われわれが支援しているバスラやモスルではさらに治安が悪化している。
その状況のなかで、比較的治安のいい北部のクルド人地区に、2人は入ることができた。
その様子も報告があると思う。
興味のある方は、ぜひ参加してください。
詳しくは、JIM-NETのホームページ
をご覧ください。
先日行われたJIM-NETの会議では、今年のチョコ募金がおかげさまで7万個が完売し、それに伴って新規の会員も増えた。
新会員420人を迎えて、さらに有効な支援をしていこうと思う。
その夜には、「JCFの今後を語る会」が行われた。ありがたいことに新しい会員も参加してくれ、有効な議論が行われた。
イラクのモスルで小児がんの治療に取り組んできたドクター・リカアが、ジャイカの事業を利用して、信州大学大学院で3年間、博士課程で小児白血病の治療や遺伝子解析を研究することになった。
ドクター・リカアはアンマン会議やトルコで開かれたJIM-NET会議に毎回参加してくれて、ぼくらと友好関係を培ってきた。
そのドクター・リカアがいよいよ信州大学にやってきたことが報告され、遺伝子解析の特殊技術の習得や、イラクで増えている小児白血病の原因究明への期待が高まった。
また、一緒に来日した彼のお母さんの生活面での支援も、できるだけ行っていこうということになった。
3月に、チェルノブイリのこれまで支援してきた8つの病院をまわり、その後の状況を確認してきた。
ベラルーシ共和国では、全般的に生活の状況は改善し、自分たちで医療機器を買える病院もいくつか出てきた。
どの病院も、好意的に迎え入れてくれ、JCFの支援があったおかげだと感謝されたという。
この感謝は、そのまま、JCFを18年間支えてくれた方々にお伝えしたい。
昨年、ぼくもベトカの、放射能の高汚染地域の病院をたずねた。
JCFが支援してきた医療機器が順調に動いていることが確認でき、非常に感謝された。
今後も信頼関係を増していきたいと、食事会までしてもらった。
チェルノブイリの原発事故から22年たち、世界のNGOが撤退をしはじめている。
しかし、まだ高汚染が続いており、生活被害や新規の体内被曝者も年間50人近く現れている。
JCFは、こうした現状を見続け、原発事故で何がおきたのか実態を追い続けていくことが必要であるという意見が、会員たちから出された。
イラクやチェルノブイリの現状について、生々しく、鋭い指摘もあり、あらためて、子どもたちの救援活動をしていこうと確認しあった。
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夜、第2回鎌田塾が開かれ、約30人に研修医が集まった。
ずっと食生活改善推進委員をしてきた、90歳の原ますよさんが出演してくれた。
35年前、ぼくらは地域の健康づくり運動を展開してきたが、原さんたちがすすめてくれた食生活改善の運動は、車の両輪だった。
公民館で、食生活改善推進委員の人たちのお手伝いをもらって、健康にいい食事が並んだ。
ずんだのもち、諏訪湖のワカサギのごま揚げ、鯉の煮物、鶏肉の黒酢煮、豚肉の煮物、トマト寒天、寒天ファイバーのジュース・・・。 信州ではおなじみの塩イカも、よく塩出しして、酢で味付けして、キャベツであえて出てきた。
塩イカは塩蔵食品で、高血圧や脳卒中には大敵であったが、工夫次第で塩を減らし、おいしく食べられる。
ごはんには、寒天を混ぜ、食物繊維もたっぷりとれる工夫をしていた。
35年前から、原さんたち食生活改善推進委員のおばさんたちは、ぼくらのアドバイスをもとにして、
塩分を控え、魚と豆を中心にしてタンパク質をとり、ごまやきのこ、きれいな色の野菜などをたっぷり使った料理を地域に広げてきた。
その積み重ねの結果、長野県は、脳卒中を減らし、日本一の長寿地域になっていったのである。
鎌田塾では、90歳の原さんの話を聞きながら、おいしくて健康にいい、たくさんの料理をいただいた。
若い研修医たちにも、健康づくり運動を担ってきた住民のパワーが伝わったと思う。
幸せな集まりだった。
次回第3回の鎌田塾は、夏。
諏訪中央病院のハーブガーデンで、グリーンボランティアと、病院とボランティアについて語り合いたいと思っている。
研修医たちには、病院のなかで指導医たちから教えられることとはちょっと違う刺激を与えてあげたいと思っている。
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政府の追加景気対策の骨格が明示された。
事業規模は56兆円で、真水は15兆円のお金を使うという。
このため、国債を10兆円ほど追加しなければらならなくなる。
2009年度だけで新規国債の発行は40兆円になる。
これで国と地方の基礎的財政収支、プライマリーバランスの健全化は夢と消えた。
ちょっと心配である。
15兆円の真水をつかって、自動車の買い替え促進やエコカーに対する税金の減額、買い替えの補助など、なかなかいい点もいくつかある。
住宅ローンの保証などは評価ができると思う。
しかし、2010年まで時限つきで、贈与税を住宅購入にかぎって500万円まで非課税としたのは、なんとも構想力が弱いと思った。
高齢者がもっているお金を動かすことが重要なので、これは2000万円くらいまで非課税にすべきだった。
このへんはちょっと評価できないところである。
ポピリズムなんだろうな、と思う。
金持ち優遇政策と批判をされたくなかったのだろう。
結局、全部、選挙対策のような気がしてくる。
批判をうけても、経済を動かすことが必要なのである。
そういう勇気をもつことが大事だと思った。
半分は選挙対策であることと、今後、この国のプライマリーバランスをどう立て直すかという宿題は残るが、
こういう時期に批判ばかりしてはいけない。
政府の追加景気対策は、概ね評価したいと思う。
今回の政策で、介護の現場などはちょっと変わりだしている。
批判ばかりしていないで、少しくらいしょうがないと思いながらも、ムードを変えていく必要はある。
何をしてもケチをつけるのではなく、みんなで空気を盛り上げていく必要があると思う。
民主党も、経済を動かすためにどうしたらいいか、明確な方針を出すべきだ。
そして、できるだけ早く選挙を行い、きちんとしたリーダーを選んだうえで、全力でこの国の危機脱出をはかるべきだと思う。
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~~神話を読み解く本~~
『アマテラスの誕生』(筑紫申真著、講談社学術文庫)は、なぜアマテラスが天皇家の祖神へと変貌したか、興味深く解き明かしてくれる。
もともとアマテラスは、各地方に存在していた太陽神、自然神であった。
それが、古代国家の形成に向かう激動の7世紀末、大和と伊勢を舞台にどうような形で神話として作られていったかダイナミックに語っている。
天の岩戸や天孫降臨という神話は、宮廷巫女たちの出身地である神事伝承と日常の生活大系をもとにして、天皇の絶対的権威を高める神話として組み立てられていった。
その虚構は、巫女の神語りとして語り伝えられ、神話になっていった。
古事記や日本書紀にも採録されている。
では、7世紀末、何が起こったのか。
神話によって天皇の権威を確立しなければならなかった大事件、壬申の乱である。
天武天皇とその皇后である持統は、もともと天皇家の最後の原始信仰的な天皇であったという。
天武は、持統にのりうつっている神に託宣を請うて質問する神冠(じんかん)であったのではないか、と書かれている。
つまり、持統は、アマテラスの巫女であった。
そして、壬申の乱というクーデターが成功した後、天武の世から持統の世へと移る。
持統天皇は、直系の子孫に皇位を継がせることを望み、例の神話の力を借りていった。
アマテラスの巫女であった持統が、アマテラスそのものへとつくりあげられていく。
アマテラスが孫のニニギを地上に降臨させたことと、持統天皇が孫の文武天皇を立てたことはオーバーラップするのである。
その一方で、持統天皇は、中国の合理的な権力システムを構築して、呪術的な支配をやめ、合理的な官僚国家を構築していく。
すごい女帝である。
ニッポンという国がどのように統治されていったか、そして神話がどのように使われていったか、見事に解明している本である。
われわれはどこから来たのか。
ポリネシアを旅しながら、ずっと考えてきた。
イースター島のアフという祭壇や、タヒチのマラエという祭壇を見て、
伊勢神宮とよく似た雰囲気があることに気づいた。
その伊勢神宮のルーツを知るうえでも、この本はとても興味深い。
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信州の厳しかった冬も終わり、空気もなごんできた。
病院の庭から緩和ケア病棟を見上げると、
緩和ケア病棟の患者さんが、車椅子でベランダに出て、看護師とおしゃべりをしていた。
たいへんいい光景であった。
緩和ケア病棟の新しい医長になった原先生と産婦人科の青山先生、そして鎌田の3人で、緩和ケア病棟の回診をした。
そのあと、ホスピスボランティアのいれてくれたおいしいお茶を飲み、牛乳寒天を食べながら、患者さんたちとお茶の時間を楽しんだ。
どんな状況にいようが、みんなに、春は来ている。
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原田泰治さんを訪ねた。
月刊誌「潮」の対談をするためだ。
少し早く着いたので、泰治さんのアトリエに入り込んだ。
ふつうはなかなか入れてくれないところである。
おくんちの絵を丹念に描いていた。
泰治さんの絵が切手になって、今たいへん評判らしい。
1年の予定が、数年続きそうとのこと。
さすがに、ぼくのあんちゃんである。
対談では、家族について語り合った。
5月発売号の「潮」をぜひ読んでください。
対談のあと、久しぶりに、原田、鎌田の夫婦4人で、水入らずの夕食をとった。
楽しいひとときだった。
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~~分厚い中流をつくれ~~
168円のケーキを盗んだために、捕まった男がいる。
悲しい話である。
生活保護を必要とする人が、160万を超えた。
世帯数では、115万世帯になる。
2年前、107万世帯151万人だった生活保護受給者が、うなぎ上りなのである。
年収が200万円以下の人も、1000万人以上いる。
貯蓄なしの世帯も、23.8%といわれている。
民医連の調査によると、2008年の1年間で、無保険かあるいは医療費が払えないために亡くなった人は31人いた。
国民皆保険制度という世界に誇れる日本のすばらしいシステムも崩壊しかかっている。
この10年、ぼくたちの国は下流をつくる政策を行ってきた。
規制緩和、構造改革、新自由主義という新しい手法を使って、一握りの想像を超える巨万のお金を得る人と、貯金も仕事も家もない、生活が雪崩をうつような下流を生み出してきた。
そのことによって、日本の特徴であり、日本を支えてきた分厚い中流が崩壊しだしたのである。
中流崩壊をくいとめるための新しい形の資本主義をつくらなければならない。
これがウエットな資本主義なのである。
一時的に会社の経営が上向いたとしても、下流の人たちが多くなれば、結局、社会の負担率は上昇する。
そうではなく、はじめから分厚い中流をつくることが大事なのだ。
中流のなかに、上中下があっていい。
でも、みんなが中流に入っている社会が大事なのだ。
一握りの上流ができてもかまわない。
資本主義であるからそれはいいのである。
ただ、下流をつくらないことに、政策をシフトすることが大事なのではないか。
政治の責任は重大である。
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アンダーグラウンド、闇の世界から電話がかかってきた。
闇の世界からのその声は、桁違いに甲高く、ハイテンションであった。
「カラジュウロウです」
唐十郎の声は、細くて、明るくて、高音で、スキップしているような声のなかに、得体の知れない粘り気がある。
独特のしゃべり方である。
「鎌田さん、いい脚本ができたんです。みてもらいたいなあ」
「すごいところ、見つけたんですよ。長崎にある軍艦島の海底炭鉱なんだ」
彼は一方的にしゃべる。
「ちょっと今までにないんですよ」
ぼくは唖然としながら聞いていた。
唐十郎の脚本を読ませてもらったことがある。
まず、文字に驚いた。
唐十郎の文字は、芝居とは空気が違う。
几帳面で、一字一字が小さくて、丁寧で、腺病質な空気が漂っていた。
知的障害のある子どもが、計り知れない根気で繊細で緻密な絵を、大きな紙に埋め込むように描いているのをときどき見るが、
唐十郎の脚本ノートは、まさにそれであった。
心血を注いでいる――。
はじめて脚本をみたとき、そう思った。
一つひとつの作品が、彼にとっては子どものようにかわいいのであろう。
でも、今度の芝居は特別だ、とぼくは感じた。
彼の電話から、彼自身も何か新しい突破口をみつけているのではないかと思った。
海底200メートル下の闇の坑道を舞台に、新しい唐十郎の芝居は始まる。
タイトルは「黒手帳に頬紅を」。
紅テントである。
唐十郎の新しい世界が、繰り広げられる。
役者陣も円熟味を増してきた。
楽しみである。
4月25日の大阪公演を皮切りに、水戸でも行う。
5月2日からは新宿花園神社の境内などで、赤いテントが怪しげに立つ。
この空間に入ると、世界が変わる。
ぼくは6月13日の公演を見に行くつもりである。
お問い合わせは、唐組03-3330-8118へどうぞ。
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安曇野で、お昼ご飯を食べた。
ほうれん草のピザ。
野菜を中心にしたピザで、なかなかおいしかった。
安曇野から見る北アルプスは、まだまだ雪が残っている。
けれど、空気はもう春。
ちょうど、冬と春がぶつかりあっているところだ。
このところの冷え込みで、信州の桜の開花は予想よりちょっと遅れているようだ。
高遠の桜もまだつぼみが固く、満開になるにはあと1週間以上かかるかもしれない。
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トヨタ九州が1000人いる工場勤務の派遣社員の多くを、期間従業員や社員として雇用するらしい。
雇用調整が進みつつあるようである。
期間従業員や準社員として採用したうえで、正社員に登用するということを検討しているとのこと。
こういう企業の全力投球はうれしい。
初夏になるとプリウスが大々的にモデルチェンジをするということであるが、売れるといいと思う。
必死にいいことをする企業には、みんなで応援すること。
それが、日本という国の資本主義を守るために大切である。
企業も、第1にお客様、第2に社員、そして、地域やこの国を守るという気概が必要である。
株主への配慮は4番目くらい。
それがウエットな資本主義である。
トヨタ九州、えらい。
全国のトヨタでも実践してくれたなら、さすがにトヨタ、世界に冠たる企業だと思う。
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監督は、ハナ・マフマルパフ。
この映画をつくったときは、19歳だった。
ハナの父、モフセンは有名な『カンダハール』を監督している。
イランの代表的な映画一家である。
19歳の少女監督の作品とは思えない。
なかなか訴えるものが多い作品である。
首都カブールの北西部、ヒンドゥークシュ山脈のふもとにバーミヤンがある。
岩山を削り込んでつくられた巨大な石仏は、タリバンによって破壊された。
あの遺跡のすぐそばに住む、6歳の女の子の物語である。
少女は、勉強がしたいと思った。
家のたまごを持ち出し、それを売って、ノートを買おうとする。
勉強がしたくてしたくてたまらない。
なんとか学校にもぐりこむ。
少女の冒険がはじまる。
戦争遊びをする男の子たちに巻き込まれ、怖い目にあっていく。
大人の世界をほうふつさせるのである。
映画のエンディングでは6歳の女の子が、悪ガキの男の子たちに囲まれて、木の銃で撃たれる。
少女を救おうとする少年が叫ぶ。
「自由になりたいなら死ね、自由になりたいなら死ぬんだ」
その声が、バーミヤンの谷間にこだまする。
アフガニスタンは、戦争がずっと続いている国である。
1979年、ソ連のアフガニスタン侵攻から内戦。
そして、タリバンが政権をとり、さらに9.11後、アメリカの攻撃を受けて、タリバン政権が崩壊した。
戦争のさなか、女性は、勉強を禁止され、仕事につくこともできない。
タリバンはヒジャーブという布で頭を覆うことを強要している。
少女の「勉強をしたい」という切なる願いが、この国で唯一、未来へとつながる願いであることがわかる。
随所に美しい光景が出てくる。
ポストモダンのような、不思議な切り口を感じさせる映画である。
絶対に、がっかりさせない。
この時代にこそ、みてもらいたい映画である。
4月18日から東京・岩波ホールでロードショーされる。
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加賀乙彦が、岩次郎小屋へやってきた。
文学者である。
『フランドルの冬』『帰らざる夏』『海霧』『湿原』など、大作の小説を書いてきた。
最近も、集英社新書から『悪魔のささやき』という刺激的な新書も出している。
今も超大作を書いている最中だという。
もともとは精神医学者である。
作家と精神医学の二足のわらじをはいていたが、揺れながらも、文学へ飛び移ったという。
ぼくの母校の東京医科歯科大学の精神科の助教授もしていた。
ちょうどぼくが入った年に、上智大学の文学部に移ったので、ぼくは加賀乙彦の精神科の授業は受けていない。
なんとなくすれ違った。
岩次郎小屋には、ある雑誌の対談のためにやってきた。
ぼくの『がんばらない』や『病院なんか嫌いだ』など、いくつかの本を読んできてくれたようだ。
息子さんに「おもしろいぞ」とすすめられたという。
なんとなく、会いたいだけでなく、岩次郎小屋も見たいということで、岩次郎小屋で対談をする運びとなった。
「おもしろかった、いい時間だった」
ニコニコして帰っていかれた。
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~~合言葉は、新しい資本主義の形をつくろう!~~
週刊朝日で、経済同友会の終身幹事である品川正治氏が、日本型の新しい資本主義を提示していた。
おもしろいと思った。
品川氏は、アメリカのモノマネをするのではなく、平和憲法をもつ日本にふさわしい資本主義をみつけることが大事だといっている。
うれしいなあ、こういう資本家がいるというのは。
キヤノンの労務担当役員も、朝日新聞(1月21日付け)で、経済合理性を超えて、雇用を守ることがいまの社会がキヤノンに期待していることだ、と述べていた。
こういうのが大事なのだ。
リーマンブラザースが破綻したとき、トヨタとキヤノンはいちはやく派遣切りを行った。
派遣とはそういうものだということを、いまも言う人がいるが、すぐれたリーダーならば、苦しいけれど何とかこらえるから、車やカメラを買って欲しいと訴えたほうがよかったのである。
日本の消費者は、それにこたえた思う。
それをしていれば、こころの萎縮は連鎖せず、不況の泥沼にはまり込まなかったのではないかと思う。
アメリカ流の契約社会のスタイルではなく、少しあやふやだけれど、あやふやの日本のなかで、人と人のつながりを信じることができるような、新しい形の資本主義があっていいのではないかと思う。
品川さんは、「私が経営トップだったら、いちばん弱いものを切るなよと言うでしょう」といっている。
政治家も国民も、資本主義の新しい形をつくるんだという意識がない。
品川さんは、そういう意識が大事だという。
ぼくも同感である。
品川流にいうと、「日本型の新しい形の資本主義」。
鎌田流にいうと、「ウエットな資本主義」。
どちらも、人間を大事にする経済観がある。
品川さんの言っていることと、鎌田が言っていることは、かなり近いところにあるように思う。
合言葉は、「資本主義の新しい形をつくろう!」。
この不況こそ、資本家も、政治家も、国民も、官僚も、みんなが意識を変えるいいチャンスだと思う。
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肥満の人がそばにいると、肥満になりやすいというアメリカの研究報告があった。
「肥満はうつる」というのである。
1万2000人のデータから、肥満の人と友人になると太りやすいという傾向が浮かび上がった。
親友が太っている場合は、とくに同じように太りやすい。
判断基準が、太ることを許容してしまうのではないかという。
喫煙なども、周りの人が喫煙していると、つい吸ってしまうのと同じかもしれない。
だからといって、「太った人を友だちにしないほうがいい」とは言ってはいけない。
それではセクハラならぬ、デブハラになってしまう。
ぼくももちろん、デブは一日にしてならずの、ちょいデブである。
ただし、鎌田流理論では、ちょいデブや、ちょい太、ちょいメタは、けっこう魅力的なのだ。
元気で、長生きができるのである。
だから、ちょい太の友だちをもつのは、けっこういい。
みんなが、おお太にならない、ちょう細にもならない、ちょい太くらいにおさまる社会が、こころの健康にもからだの健康にもいいように思う。
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昨年夏に封切した『クライマーズ・ハイ』という映画をみた。
日本映画は活気を呈しているという。
洋画よりも、日本映画のほうが観客動員が逆転したという話を聞いた。
昔は、黒澤明や大島渚の映画などは、よくみていた。
だが、今はまったくといっていいほど邦画はみない。
ぼくはアニメがだめなので、宮崎駿監督の作品も1、2本しかみたことがない。
『クライマーズ・ハイ』は、仕事としてみた。
原作はベストセラー推理小説を書いている横山秀夫。
監督は原田眞人。
主役は堤真一。
日航ジャンボ機の墜落をとった映画である。
迫力がある。
日本の映画もこんな迫力がある映画をとるようになったんだと思った。
俳優も、力のある俳優で固められている。
ぐいぐい引き込まれて、夢中でみた。
じつにおもしろかった。
洋画よりも観客動員数が多くなったというのは、なんとなくわかるような気がした。
うん、これからは日本映画にもちょっと注目しようと思う。
いままでぼくの作品は「がんばらない」と「あきらめない」が、テレビのドラマになった。
いつか、10年後くらいに、劇場用の映画になったらいいなあ、なんて。
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ピースボートの2週間の旅が終わった。
「われわれはどこから来たのか」という、ちょっと大きなテーマを抱えた旅だった。
常夏の南半球の、しかも、ちょうど夏、
南十字星を毎日、船から眺め、南太平洋を旅しながら、
おそらく二千数百年前、ポリネシアから日本へ丸木舟を操り、渡ってきた、われわれ祖先がいたのではないかと、
確信に満ちた感覚をもって帰ってきた。
日本に帰ってくると、目の回るほどの忙しさが待っていた。
2日、いつものように朝4時半に起きると、暗闇のなかに、まっしろい世界が広がっていた。
季節はずれの雪である。
「われわれはどこから来たのか」というテーマを抱え、
38億年前に、この地球に生まれた細胞のことや、自然のことや、宇宙のことを考え、
そして、この雪を見たとき、やっぱり、ぼくらの住んでいる地球は、不思議で美しい惑星だと感じた。
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「いのちの輝きを考える会」は、茅野市の市民が自主的に立ち上げた、人間の生と死を考えるグループである。
「尊厳死の意思表示カード」の発行をしている。
このカードの登録者数は、現在1631人。
カードを持つことによって、いざというとき、無理な延命治療などは望まないという尊厳死の意思を明確に示すことができる。
ぼくも、妻のサトさんもこのカードをもっている。
会では、尊厳死の学習会を定期的に公開で行っている。
次回は、4月22日、茅野市総合福祉センター(3階)で行われるので、近くの人で、興味のある人はぜひ参加してほしい。
また、「あなたと家族のサポートライン」も、会の目玉の活動の一つである。
病気で悩んでいる人や、大切な人を亡くされた人、いま介護や看護をしている家族の人、そんな人たちと悩みを語り合い、ときには相談に応じている。
「いのちのノート」という、リビング・ウィルを遺すために役立つノートも販売している。
ぼくは、以前、茅野市のいろんな会合に顔を出してきた。
毎月10~15くらいあったと思う。
だが、忙しくなって2、3年前から、これらの会合に出れなくなった。
いちばん長く、思い入れが強かったのは、この「いのちの輝きを考える会」である。
今も、この会の会員である。
この会は、市民自身が自立しており、経営的にもきちんとした基盤をつくりながら、大切な活動を続け、多くの市民に自分の死を真剣に考えるきっかけをつくってくれた。
こういう地道な活動が、地域を支えているのだと思う。
尊厳死の意思表示カードや学習会、サポートラインなどについての問い合わせは、事務局0266-72-1892北田さんまで。
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