鎌田實の日本経済への提言29
~~やっぱり麻生さん、あなたじゃだめだ~~
追加経済対策の裏づけとなる2009年度補正予算案が、衆議院を通過した。
内容は、本当にいいかげんなものである。
2006年に整備計画9342キロ以外は白紙にしたはずなのに、きちんと議論もされず、今がお金を使えるチャンスということで、予定外の高速道路に1兆8000億円の投入を決めた。
しかも、建設費の大半を税金で負担し、一部を高速道路会社が負担する合併施行方式をとり、有料化するという。
国の税金で道路を9割がたつくり、民営化した会社が有料道路として収入を得る。
道路公団民営化議論は、どうなってしまったんだろう。
こういう公共投資はまた後悔を生むのである。
さらにひどいのは、多くの官僚の天下り先の独立行政法人に約3兆円のお金が流れる。
文部科学省所管の科学技術振興機構に725億円とか、都市再生機構に1000億円とか。
身売りの話も出ていた雇用能力開発機構に150億円の補正予算が計上されている。
結局、やりたいことをやっている官僚を、麻生政権はチェックできていないのである。
ぜんぶ国民の税金である。
使ってもいいけれど、後悔しない使い方があるだろう。
あたたかな資本主義をつくるための血の通ったお金の使い方をしないといけない。
道路をつくっても、今のまま子少子化が進めば、20年後は人口が減り、道路はゆるゆるになってしまう。
何がこの国にとっていちばん大事なのか、それは人間である。
人間が減っていく国に活路は見いだせない。
子どもが安心して育てられる国、この一点にお金を投入すれば、一気にムードも変わるはずである。
出生率を上げるチャンスなのである。
なのに、麻生さん、あなたにはこの発想がまったくない。
あなたのお金の使い方では、この国の経済は動かないだろう。
あきれた。
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