こども論語塾
3歳になる孫が、スズキ・メソードというバイオリン教室に通い出した。
まだ一度もバイオリンは弾かせてもらえず、小林一茶の俳句を声に出す訓練などをしているという。
先日、こども論語塾を主宰する安岡定子さんとお会いした。
安岡さんの祖父は、昭和の思想家、安岡正篤。
陽明学者で、吉田茂や大平正義、中曽根さんなど歴代の総理のブレーンとなった人だ。
アメリカの極秘文書のなかに、戦争を終わらせられる日本人7人の筆頭に名前が載っていたという。
日本の歴代の総理を支えたが、平和主義者でもあった。
「平成」の元号は、3人の識者からそれぞれ3つ候補をあげてもらい、選ばれた。
安岡さんは、どうもその3人のうちの1人だったといわれ、しかも「平成」を挙げた人と推測されている。
もちろん、安岡定子さんは、このことに触れていない。
安岡定子さんのこども論語塾は、日本中に11カ所あるという。
子どもたちが論語の素読をする。
「温故知新」というのも、「子のたまわく、古きをたずね、新しきを知れば、以ってしとなるべし」などと子どもが読み下すのは、ちょっと楽しい。
もちろん3、4歳の子が意味を理解できるわけはないが、素読のリズムを体に入れておけば、いつかわかる時が来る。
「子のたまわく、之れを如何(いかん)せん、之れを如何せんといわざる者は、吾これを如何ともするなきのみ」
これを何とかしよう、何とかしようと自ら思わない人に、孔子は何をすることもできないもという意味。
漢文には美しいリズムがある。
大きな声で、元気に音読する。
それを何度も読んでいくうちに、体に入っていく。心にたまっていく。
今、わからなくても、いつか人生の土壇場で、この言葉が助けになるときがくる。
言葉とはそういうものだと思う。
こども論語塾大賛成である。
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