6/1「大沢悠里のゆうゆうワイド」出演
明日1日、TBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」に出演する。
ぼくの最新刊『へこたれない』(PHP研究所)に、大沢悠里さんに駒形のどじょう屋さんにご案内いただいたときのことを書いた。
怖かったどじょうが、おいしくておいしくて、笑いと涙の感動物語なのである。
ラジオでは、鎌田と大沢さんが命の話を語る。
今回も大笑いだと思う。ちょっとほろっとくるかも。
午前中8時半から12時ごろまで、ぜひ、ラジオの前でお会いしましょう。
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明日1日、TBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」に出演する。
ぼくの最新刊『へこたれない』(PHP研究所)に、大沢悠里さんに駒形のどじょう屋さんにご案内いただいたときのことを書いた。
怖かったどじょうが、おいしくておいしくて、笑いと涙の感動物語なのである。
ラジオでは、鎌田と大沢さんが命の話を語る。
今回も大笑いだと思う。ちょっとほろっとくるかも。
午前中8時半から12時ごろまで、ぜひ、ラジオの前でお会いしましょう。
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この国は空気に感染しやすい。
一つの空気がつくられると、その空気に染められ、国民の心がある方向へ流されていってしまう。
草なぎ君が、テレビに復帰したという。
「謝り方が少ない」とか、いろいろなことを言う人がいるらしいが、もう無罪放免にしてあげていいと思う。
草なぎ君も、卑屈になる必要はない。胸を張って自分の才能を発揮していけばいい。
草なぎ君が注意しなければならないのは、ただ一つ。
同じ過ちを繰り返さないこと。飲みすぎて裸になったり、暴れたり、酒に飲まれないことである。
今回のことで、草なぎ君を嫌いになった人は、嫌いになればいい。
でも、飄々として凛としている草なぎ君を、前よりも好きになった人もいるかもしれない。
いろんな人がいていいのである。
空気を一つにしないことが大事だ。
草なぎ君バッシングが強かった頃、「一つの空気にするな」とこのブログに書いたところ、2日間で約1万人の人たちが、このブログを見に来た。
ぼくの意見に賛成の人もいたと思うし、反対の人もいたと思う。それでいいのである。
いろんな人がいていい、それがこの国の厚みになるのである。
一つの空気に染まらないことが大事だ。
新型インフルエンザのマスク騒動も、これと同じことが言える。
はじめに、この国のリーダーたちが、野球観戦や集会などには、マスクをつけるように、と発言した。それがだんだんエスカレートし、繰り返され、一般の人から判断力を奪っていくことになった。
人々はマスクを求めて、マスク不足に陥った。
すると今度は、厚生労働大臣が、マスク業者に24時間不休体勢で増産するよう、異例の伝達をした。国民のマスク熱はますます高まってしまった。
感性が鈍いのである。
こういうことをするから、国民がますますマスクをつけないといけないと思い込んでしまうのである。
マスクは、濃厚感染者をみる医師や看護師が、患者からの飛沫感染を防ぐのには必要である。
だが、一般の人がふつうに生活していて、偶然、感染者からの飛沫が飛んでくる可能性はあまり高くない。
あとは、感染した人が、人にうつさないためにマスクをすることはある。
ただ、感染したら、家で安静にしていて、人が集まるところには行かないというのが原則であり、マナーである。
予防の効果に対して、根拠のないマスクを、国民みんなに強いる空気というのは、やっぱりおかしいのである。
今回の草なぎ君のことでも、新型インフルエンザ騒ぎのことでも、空気に染まらず、自立した人間としてきちんと判断していくことの大切さをあらためて思う。
それぞれの判断は、多様でいい。
一人ひとりが、自立した人間として、この国の文化や政治や経済をよくすることを考えていくことが大切なのだと思う。
写真は、霧降の滝
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東京でJIM-NETの会議を出たあと、村上信夫さんのラジオビタミン(NHKラジオ第一)に10分ほど出演。
そのあと、月刊「がんサポート」の対談で、小説家で脚本家の早坂暁さんとお会いした(=写真)。
早坂さんの青春時代をモデルにした映画『ダウンタウンヒーローズ』や『きけ、わだつみの声』は、反戦のにおいが色濃くあり、とてもいい作品であった。
映画『北京原人』も、なかなかおもしろくて、笑った。
この対談に備え、早坂暁さんの作品をいろいろみた今週は、早坂暁週間であった。
また、月刊潮の対談では、リンボー先生こと、林望さんと家族について語り合った。
たいへんおもしろい対談になった。
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3歳になる孫が、スズキ・メソードというバイオリン教室に通い出した。
まだ一度もバイオリンは弾かせてもらえず、小林一茶の俳句を声に出す訓練などをしているという。
先日、こども論語塾を主宰する安岡定子さんとお会いした。
安岡さんの祖父は、昭和の思想家、安岡正篤。
陽明学者で、吉田茂や大平正義、中曽根さんなど歴代の総理のブレーンとなった人だ。
アメリカの極秘文書のなかに、戦争を終わらせられる日本人7人の筆頭に名前が載っていたという。
日本の歴代の総理を支えたが、平和主義者でもあった。
「平成」の元号は、3人の識者からそれぞれ3つ候補をあげてもらい、選ばれた。
安岡さんは、どうもその3人のうちの1人だったといわれ、しかも「平成」を挙げた人と推測されている。
もちろん、安岡定子さんは、このことに触れていない。
安岡定子さんのこども論語塾は、日本中に11カ所あるという。
子どもたちが論語の素読をする。
「温故知新」というのも、「子のたまわく、古きをたずね、新しきを知れば、以ってしとなるべし」などと子どもが読み下すのは、ちょっと楽しい。
もちろん3、4歳の子が意味を理解できるわけはないが、素読のリズムを体に入れておけば、いつかわかる時が来る。
「子のたまわく、之れを如何(いかん)せん、之れを如何せんといわざる者は、吾これを如何ともするなきのみ」
これを何とかしよう、何とかしようと自ら思わない人に、孔子は何をすることもできないもという意味。
漢文には美しいリズムがある。
大きな声で、元気に音読する。
それを何度も読んでいくうちに、体に入っていく。心にたまっていく。
今、わからなくても、いつか人生の土壇場で、この言葉が助けになるときがくる。
言葉とはそういうものだと思う。
こども論語塾大賛成である。
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かねてから予定していたグアム旅行の出発が迫っている。
「旅をあきらめない、夢をあきらめない、生涯旅を続けるために」というコンセプトで、鎌田實と行く外国旅行の第5回である。
障がいに負けず、病気に負けず、一緒に旅をしたいという人たちが参加してくれる。
新型インフルエンザがはやりだし、旅行をどうするか考えてきた。
日本国内では、この新型インフルエンザ騒ぎで、京都の宿泊キャンセルが36万泊出たという。
何かおかしいなと思いながらも、ぎりぎりまで判断に迷ってきた。
グアム観光局に2度、問い合わせた。
グアムでは一例も新型インフルエンザが発生していない、という公式返書がきた。
インフルエンザの猛威も怖いが、みんなが動かなくなれば、この国の経済はひとたまりもない。
必要なことや、やりたいことがある人たちは、うがいや手洗いをして注意しながら、やりたいことはやったほうがいいのではないかと思った。
今回、参加希望者のうち、15人がキャンセルをした。
これは、正しいと思う。
一人ひとりが自分で判断すればいい。
無理してまで行きたくないという人はキャンセルし、がんがあろうが、脳卒中で障害があろうが、今回は行きたいという人は参加すればいいのではないか。
いまのところ87人が参加する。
おいしい魚や野菜、フルーツをたっぷり食べる。心を癒す。感動する。友だちをつくる。歩く。思い出を心に刻む。奏でる。踊る。
たくさんのキーワードで、旅を盛り上げていく計画を立てた。
4泊5日の人たちは31日、3泊4日の人たちは6月1日にグアム島に出発する。
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~~感染症のたしなみ~~
弱毒性の新型インフルエンザが日本国内に発生すると、急速に国内で感染例が報告された。
日本社会は大騒ぎになっているが、日本人だけが感染しやすいというわけではない。
おそらく日本以外の国では、インフルエンザの種類をこんなに徹底的に細かく同定してないので、季節性のインフルエンザ例に紛れ込み、見過ごされている可能性がある。
弱毒性なので、ちょっとした風邪で、自然に治ってしまっている例だっていっぱいあるはずだ。
連日、日本で患者が猛烈に増えているようにみえるのは、日本人特有の重箱の隅をつつくような、ある種の几帳面さのせい。
だから、パニックになってはいけない。
むしろ、運がよかったとぼくは思う。
弱毒性の新型インフルエンザが広がったことで、国も、国民の一人ひとりも、感染症に対するシミュレーションができたのではないか。
今回は、厚生労働省の肩に力が入りすぎて、国民に不安感を抱かせた。
もっとゆったりと構えて、国民の不安感を払拭していくのがリーダーの役割である。
アメリカで模擬国連に参加した高校生が、帰国後発症したが、その学校の校長先生が「たいへん申し訳なく、責任を感じている」というような談話を発表していた。
だが、感染症にかかったことは不可抗力である。
校長やその生徒を責めるのは、オカドチガイなのである。
日本は、江戸時代の結核患者に対する村八分だとか、ハンセン病患者に対し、世界で類をみないほどの長期間、島などに隔離政策をしてきた。
まだその遺残があるように思えてならない。
かかったものはしょうがない。
だれでもかかる可能性はある。
やるべきことは、科学的に証明されている対策をきちんととり、蔓延を防ぐこと。
感染した人は自己責任のもとに、人が集まるところには出て行かない。
それは、新型インフルエンザでなくても、たしなみというものである。
家族のなかでも甘えないで、できるだけ自分のことは自分して、家族に広がらないようにする。
職場や地域に広がらないようにするにはどうしたらいいか考えて一人ひとりが行動する、その訓練が今回の新型インフルエンザ流行のなかで学ぶことができたのではないか。
大人になりきれないこの国のリーダーたちにとっても、いい訓練になったと思う。
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週3回でOK!
「鎌田流はやおそ歩き」(有酸素運動)で中性脂肪を燃やし、
「鎌田流がんばらないスクワット」で深部筋を鍛え、肥満を防ごう!
カマタが実演、鎌田流がんばらない運動のやり方。
詳しくは、新刊『がんばらない健康法』(朝日出版社、1050円)をご覧ください!
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日光東照宮のすぐわきにある明治の館というしゃれたレストランが気に入った。
おいしいのはオニオングラタンスープとミンチカツ。
こんなにおいしいミンチカツは食べたことはなかった。
ぼくにとってミンチカツは大変なごちそうであった。
母は心臓弁膜症を患っており、病弱であったが、状態がいいときにはできるだけ弁当をつくってくれた。
母がつくってくれた弁当はおいしかったが、友だちに見られたくなった。
弁当の蓋を開けると、たいがい色が一色なのである。
のりが全面に敷いてあって、端っこにたくあんか梅干とか、地味なのである。
ぼくが子どものころ、日本はまだ全体的に貧しかったが、戦争に負けて10年ほど経ち、復興の兆しがあった。
友だちのお弁当をのぞくと、ウインナーや卵焼きが入っていて、色がきれいだったのに驚いたのを覚えている。
それでも母のつくってくれた弁当は、おいしかった。
ごちそうは、前の日に肉屋さんで買ったコロッケを一枚残しておいて、翌日、母が煮付けてくれるコロッケ弁当である。
汁ごとごはんに一枚のせただけ。ほかのおかずはなし。
でも、このコロッケ弁当はじつにうまかった。
友だちには見られたくなかったが、大好きだった。
本当にまれなのであるが、もっとごちそうがあった。
コロッケの代わりにミンチカツがのっかる弁当である。
母は病弱なので、うちでは手の込んだことはできない。
やはり、肉屋さんでミンチカツを買ってきて、それに味付けしてくれるのである。
これがまた、じつにおいしくて、感動すらしたことを覚えている。
子どものころに心をふるわされたお弁当は一生忘れない。
ぼくは、明治の館でミンチカツを食べながら、母のミンチカツを思い出した。
明治の館のミンチカツはわざわざ食べに言ってもいいくらいおいしい。
久しぶりに母のことを思い出し、東照宮で母に感謝の手を合わせた。
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明治の館の游晏山房というレストランで、テールシチューとビーフシチューを食べた。
2週間かけてつくるというデミグラスソースは、実に濃厚でおいしい。
明治の館の3階には、蓄音機ギャラリーがある。
1900年にエジソンがつくった蓄音機で、円筒形のロールのレコードで音楽を聞かせてもらった。
世界初のディスク盤蓄音機も、聴かせてもらった。
1920年代の蓄音機になると、ステレオの臨場感に匹敵するような音質になっている。
アメリカで開発された蓄音機が、日本ビクターの前身ニッポノホーンという会社で音が改善されていく。
サッチモのSP盤を、1920年代の蓄音機で聴くと、当時が髣髴されてくる。
この明治の館は、蓄音機を日本にはじめて紹介したF・W・ホーンの別荘として建設された館を、そのままの形で、しゃれた洋食レストランにしている。
当時のツーバイフォーの造りで、すばらしい音の響きがある。
おいしいものを食べ、すばらしい音楽を聞かせてもらった。
エジソンが、音楽性の高いものよりも、記録にこだわり、ロールのレコードにこだわったことが、その後、ビクターやコロンビアに負けていく原因となる。
エジソンは、針もダイヤモンドやサファイヤにこだわっていたようであるが、新しい感覚で、音をどのように表現するか考える姿勢に欠けていたようである。
エジソンは思い込み、こだわることによって、時代に取り残された。
すばらしい音楽を聴きながら、古いものを大事にしながら、つねに新しい感覚を取り入れることが大事だと思った。
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年に1回、地域医療の神様と尊敬している沢内村の増田先生や、北大の総合診療部の教授の前沢先生たちとテニスをしている。
今年は日光に集まった。
五月の日光を満喫!
男体山と中禅寺湖にて↑
←湯滝の前で
日光東照宮 →
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~~ワクチンのトラウマ~~
新型に限らずインフルエンザに対して、ワクチンは有効である。
この冬、はやるであろう新型インフルエンザに対してのパンデミック・ワクチン、そして、将来的に流行が危惧される鶏インフルエンザに対するプレパンデミック・ワクチンの生産体制を整え、きちんと数を確保しておくことが大切である。
ワクチンが有効である一方で、ワクチンに対してのトラウマもある。
かつて日本で小児麻痺が大流行した時期があったが、ワクチンのおかげで克服できた。
しかし、小児麻痺ワクチンで、軽度の小児麻痺が発生してしまっている事例が報告されている。
こうした重大な副作用の事例をみると、ワクチンは怖い、と思われがちである。
だが、あきらかに小児麻痺の猛威からたくさんの子どもを救ったことを忘れてはならない。
もちろん、副作用を極力減らす努力は必要であるが、マイナス面ばかりを恐れすぎず、プラスの有効性も考えて、ワクチンを利用するというスタンスが大事だと思う。
インフルエンザのワクチンに対しても、トラウマはある。
1976年、アメリカで4000万人にインフルエンザワクチンが投与され、500人にギランバレー症候群という神経症状がでた。
軽度の人は一時的に歩けなくなった。その後、障害が残る人もいた。
4000万人のうち500人のギランバレー症候群を起こしたということで、一時期、インフルエンザワクチンに対して抵抗感が広がった。
ギランバレー症候群は、原因がわかっていないが、ある程度、治療方は確立してきた。
原因は、おそらく何種類かある。
そのうちの一つにインフルエンザワクチンがあるといわれている。
しかし、ここ10年くらいの日本の推移をみていると、インフルエンザワクチンをした人はあきらかにインフルエンザ感染が少なくなっているし、感染したとしても軽症ですんでいる。
強制ではないが、お年寄りや免疫力が弱まっている人には、インフルエンザワクチンをおすすめしている。
もちろん、ぼく自身も家族も、受けている。
ワクチンの副作用はきちんと報告しながら、それぞれの国民の自由意志で、冷静に判断すべきである。
特に、鶏インフルエンザに対するプレパンデミック・ワクチン(H5型のワクチン)は、有料で希望者に投与することをはじめたらいいと思う。
一度、流行してしまってからではなく、はやめに対応し、パンデミックを抑えることが大切である。
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『いいかげんがいい』(集英社)が、またまた増刷する。
おかげさまで大好評。
まだ、お読みではない方は、ぜひどうぞ。
『週刊朝日』の5月22日号から、短期集中連載「言葉で治療する」が再開した。
医療現場で傷つけられた言葉、逆にほっとした言葉、救われた言葉など、読者からの手紙をベースに、言葉の力について考えている。
ぜひ、ご覧ください。
6月1日、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」に出演する。
こちらもお楽しみに!
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~~ウイルスとの長期的な戦い~~
国内に侵入した新型インフルエンザは、1カ月後にピークを迎えるといわれている。
6月10日前後にあたる。
しかし、何度もいうが、新型インフルエンザは弱毒性のウイルスなので、きちんと対処すれば被害は少なくすますことができる。
1918年のスペインインフルエンザの第一波の発症経過をみると、6月末から7月に鎮火している。
おそらく今回のも、7月上旬に鎮火するだろう。
問題は今年の冬である。猛威を振るう可能性は大きい。
この新型インフルエンザに対応するワクチンを、パンデミック・ワクチンといい、すぐに大量につくるべきである。
このワクチンとは別に、政府は、H5型の強毒性の鳥インフルエンザに対応するためのワクチンを3000万人分備蓄しているという。
これを、プレパンデミック・ワクチンという。
これは優れた発想である。
鳥インフルエンザは強毒性なので、ワクチンで国民に基礎免疫をつけておくことによって、日本では45万人、世界では4000万人が亡くなったスペイン・インフルエンザのような悲劇を回避できる可能性がある。
インフルエンザは、何がはやるかわからないが、鶏インフルエンザの大まかな形であるH5型のワクチンを一度打っておくことで、たとえウイルスが突然変異をおこして形が変わったとしても、強毒性の鳥インフルエンザへの免疫力は高まるのだ。
まずは、今年の冬に間違いなく流行する新型インフルエンザのパンデミック・ワクチンをどれほど準備であるかである。
日本の力を示すチャンスである。
年率換算すると、GDPが15%下がるほど景気が悪化しているという。
これ以上の景気の悪化を防ぐためにも、政府はインフルエンザ対策にきちんとお金を投資し、世界をリードすべきである。
もう一つ大事なことは、恐れすぎないように、政府や厚生労働省は国民に強くアピールを繰り返すべきである。
当初の水際作戦のときのイメージは、かえって恐怖心をあおったような感じがした。
それが、外出禁止や社会活動の中止につながり、経済や人の活動を萎縮させていくことになった。
社会活動を中止するのではなく、社会活動ができるように対策をとるべきなのである。
ここをはきちがえないようにしたい。
インフルエンザは、飛沫感染する。
半径1メートルくらいの範囲には、くしゃみや咳などともにウイルスが飛び散る。
空気感染も起こす。
くしゃみや咳などで飛んだウイルスが空気中のほこりなどについて、しばらくの間、空中に漂う。
それを吸うことで空気感染する。
空気に染まるなということを、このところ繰り返し書いてきた。
6月11日から、集英社の携帯総合読み物サイト「theどくしょplus」(有料)で、「ながされない―鎌田實の《空気に負けない生き方》」という連載を始める。
人間の心と空気の関係を展開する予定だ。
新型インフルエンザに対しても、恐怖心が先行した空気に感染してはいけない。
政府のミスリードで、国民の心がどんどん萎縮する方向にきているように思う。
負けずに、元気を出して、楽しいことをしたり、体を動かしたり、おいしいもの食べにレストランに食べに行ったり、活発に社会生活を送ったほうがいい。
もちろん、無防備ではいけない。手洗いとうがいを繰り返し行うことは重要だ。
マスクに関しては、CDCは効果を認めていない。してもいいけれど、しなくてもかまわない。
個人の判断でいい。
何か、マスクをしていないといけないみたいな空気があるが、科学的根拠のないことに惑わされる必要はない。
はっきりと科学的根拠のあるものには、それを守ったほうがいいが、そうでないものはマスクをつけることを含めて、強制しないことが大事だと思う。
写真は、諏訪中央病院の庭。
イングリッシュガーデンから寄付していただいた、オランダから輸入したチューリップが終わるとムスカリが咲き、今、ポピーが咲き出している。
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本日22日、新刊『へこたれない』がPHP研究所より発売です。
経済が行き詰まり、明るい未来が見出せない。
世界の各地では紛争が絶えない。
突然、難病や不慮の事故に遭い、人生の転換を余儀なくされる。
どんな状況に陥っても、へこたれないで生きることの大切さを書きました。
前田真三さんの美しい写真も満載です。
せひ、お読みください。
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~~パンデミック~~
新型インフルエンザが上陸した。
『日本を襲ったスペイン・インフルエンザ―人類とウイルスの第一次世界大戦』(速水融、藤原書店)と、『人と細菌―17-20世紀』(P・ダルモン、藤原書店)という2冊の分厚い本を読みながら、人類と細菌、ウイルスとの戦いについて考えた。
1918年のスペイン・インフルエンザは、3回の波があり、日本人は45万人亡くなり、世界では4000万人が亡くなったと推定されている。
まず1918年の秋から3月が第一波の猛威が振るわれる。当時の内務省の発表によると2116万人が感染し、25万7000人が死亡している。
第二波は、1919年の12月から3月、第三の波は1920年12月から3月。やはりスペイン・インフルエンザは冬に猛威を振るった。
このときの日本を襲った状況を調べていくと、注目すべきことは1918年4月に大相撲の力士3人が、台湾巡業中に死亡している。
5月には軍艦でパンデミックが起きている。
6月に全国に広がるが、おだやかな形で終わる。
7月になるとインフルエンザの波は止まっているのである。
このときの4~6月にかけての波をスペイン・インフルエンザと同定していいかどうかは難しいが、おそらくスペイン・インフルエンザであり、H1N1の弱毒のタイプであっただろう。
現在の新型インフルエンザと同じタイプである。
季節性のインフルエンザに近い毒性だと思われる。
1957年にアジアインフルエンザ、1968年には香港インフルエンザが世界で猛威をふるったが、どれも弱毒型であった。
弱毒型でも、たしかに怖いことは怖い。
こうした過去の例からみると、6月末くらいまで軽い感冒様症状のインフルエンザが広がり、1度治まるのだが、問題は秋から冬にかけてなのだ。
スペイン・インフルエンザの死亡率が高くなったのは、1919年の第二波からといわれている。
恐れすぎる必要はないが、今後の準備はしておかなければならない。
今は、不安という空気に染まらないことである。
むしろ今感染した人は、来年、再来年感染しても、重症化することが少ないといわれている。
今のところ、若い人たちに発生が多い。
しかも、メキシコでもアメリカでも若者のなかから死亡者が出ている。
若者が重症化しているのは、過剰免疫反応、サイトカイン・ストームが起きているのだと思う。
新型インフルエンザのときに、よくあることである。
2003年から数は多くないが報告されている、強毒型の鳥インフルエンザH5N1に人が感染した例でも、やはり死亡率は10歳代の人たちが高い。
これは過剰免疫反応と考えていいだろう。
もちろん、お年寄りが安全という意味ではない。
今後、新型インフルエンザが蔓延し、お年寄りが感染したときは、過剰免疫反応はおきないが、体力がないために重症化する例も出てくる。
結局、今、自分たちでやれることは手洗いの励行と繰り返しのうがいである。
インフルエンザにかかったら、早期に病院に行き、早期にタミフルを使用することである。
同時に、家族や職場に広げないように、できるだけ人との接触を避け、数日を安静に過ごすことが大事である。
今後も人類はウイルスとの戦いをせざるを得ないだろう。
新型インフルエンザのワクチンの製造は、半年はかかるといわれている。
政府は、ワクチンの製造に全力投球し、本格的な季節に備えるである。
日本の鶏卵を使ってワクチンをつくるシステムは、非常に遅れている。
組織培養細胞でウイルスを増殖させるシステムがすでに確立しているので、できるだけ早く安定的なワクチン製造システムを整えるべきである。
舛添さんは、一時そんなことを言いかけたが、すぐに前言をひるがえしている。
こういう腰砕けではいけないのである。
世界がこれからウイルスを使おうとしてるときに、日本がその治療の先頭を走れるようにしておくことは、チャンスである。
麻生さんは、職能協会に7000億円もの無駄金をぶち込もうとしているが、またコンパニオンにお金が消えるだけ。
このお金をワクチン製造システムに使うことで、今後、どんな新型のウイルスが出てきても、3カ月くらいでワクチンを供給できるシステムをつくってしまえば、
これから何年か後におきてくる強毒性の鶏インフルエンザが変異して、人に感染したときに、ワクチンで対応できるはずである。
国民の税金をコンパニオンと一緒に飲むお金につかってほしくない。
インフルインザの猛威に対して迅速で適切な対策をとることは、国民に安心を与えるだけでなく、世界から尊敬される国づくりをするチャンスにもなる。
麻生さん、はやく前言をひるがえして、くだらないお金を使わず、新型インフルエンザのワクチンづくりにお金を投入してほしい。
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渋沢栄一の孫、渋沢健という男がちょっとおもしろい。
ファンドを立ち上げ、信頼のおける30の企業に30年投資し、30年後の成果を期待しようという。
孫のために、この投資信託に入ってみようかと思った。
渋沢栄一は、日本の資本主義をつくった男といわれている。
その孫のファンドは、じつにおもしろい仕掛けになっている。
これはまた、おいおい話すことになるであろう。
渋沢健氏とは雑誌で対談をした。
彼の視点はおもしろい。
民間の国際会議が横浜で行われ、経済の世界のオピニオンリーダーと話をしたという。
そこで日本が話題になったのはたった30秒。
ややさびしい感じがした。
しかし、渋沢健氏は視点をかえて、それを評価をしてしまうのである。
日本は世界にとって脅威ではなくなった、だから、ジャパンパッシングもない。ジャパンナッシングなのだ。
目立たなくなって、日本は逆に商売がやりやすい、と彼は考える。
それは、日本が製造をそれぞれの現地で行うなどして、貿易摩擦を少なくしてきた成果であり、日本のやり方が世界のなかでうまく育ってきたからではないか。
脅威ではない日本が、真に豊かな国になっていく可能性は十分ある、という。
この考え方には、実に賛成である。
渋沢健氏はこう書いている。
「脅威ではないということは、単に短所ではなく長所として取り組むことも可能ではないだろうか。
つまり世界にとって、空気のように脅威ではなく、逆に絶対に必要な存在になるという国の姿。
日本が各国への脅威にならないという政治的立場におかれるのであれば、世界で活躍する日本企業の発展の障壁は下がり、
世界の生活者の豊かさにこつこつと貢献できる存在となろう」
脅威とならない日本の存在というのは、なかなかおもしろい視点のような気がする。
しかも、空気のような存在というのはちょっとしゃれている。
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~~江戸から学ぶ~~
260余年、江戸は戦争をせず平和を守ってきた。
士農工商という身分制度がありながら、一番下の商人が江戸のいきいきと自由な空気をつくった。
1657年明暦の大火など何回か、大火があり、大きな地震もあった。
どうしようもない将軍がいて、むやみやたらに金を使い、江戸幕府は深刻な財政難にみまわれることが何度かあった。
これは現代、自民党政権が陥っているのとまったく同じである。
勘定奉行荻原重秀は、幕府が発行する小判の金の含有量を6割に減らして、元禄小判をつくった。
結果として、インフレーションになった。
小判を受け取る側は、今までより多くの小判を要求するようになり、つまり物価が上昇し、人々の生活が圧迫された。
これは、ぼくが日銀のナンバーツーと対談したときに、ナンバーツーが言ったことと似ている。
ぼくが救国国債を発行して、国民からの借金で、医療や福祉、教育、子育てなどにお金を使いウエットな資本主義を展開していくことで、経済危機を乗り越えられのではないかと提案したところが、
円の価値が下がり、インフレーションになってしまう、と言われた。
江戸幕府は、まさにこのインフレーションを起こしてしまったのである。
幕府は、同時に3回ほど倹約令をだしている。
江戸では、どうしようもない将軍が財政難を立て直すために倹約した。
現代では、どうしようもない首相が構造改革をせざるをえない状況に追い込まれている。
これは、ある程度わかるのであるが、倹約はどうも世の中を暗くしてしまう。
江戸時代では、いきいきとした町方の文化が低迷してしまった。
ほどほどの経済改革(倹約)をしながら、どうお金を回転するかが問われている。
1665年に元禄小判が発行され、インフレがおき、庶民は生きづらくなった。
そんな時代に1702年、赤穂浪士の事件が起きるのである。
おもしろくない世の中の空気のなかで、赤穂の事件で庶民は溜飲を下げたが、空気を操っている人間の、庶民に正常な判断をさせないための目くらましであった可能性はある。
江戸の三大改革のうち、享保の改革だけが成功した。
吉宗の時代の改革である。
成功は、足し高制度のせい。
有能な人物を在職期間にかぎって、石高を上げる。仕事が終わるともとの石高に戻すという。
能力のある役人を大事にするのであるが、やたらと甘い汁を吸わせていない。
これは大事な公務員改革である。
今の麻生さんでは、この公務員改革はきちんとできないだろうと思う。
吉宗は、目安箱を設置して、町民や農民の声をきいた。
例の赤ひげがいた小石川養生所をつくった。
町火消し制度を整えた。
医療や生活を守るためのサポート体制を充実させたのである。
しかも、鎖国をしたのにもかかわらず、洋書を解禁している。
時代の波を起こしている。
杉田玄白や前野良沢が「ターヘル・アナトミア」を翻訳し、「解体新書」を刊行している。
こういうのがその時代の空気をつくるのである。
空気をつくる政治家が必要である。
萎縮したくらい空気ではなく、明るく、元気で、前向きで、新しいものを取り入れる意気込みが必要なのだと思う。
写真は、諏訪中央病院の満開のムスカリ
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喉頭がんになり、最後はがん性リンパ管症で亡くなった忌野清志郎。
清志郎の歌を聴いていると、時代の空気をつかむ天才だったなと思う。
特にいいのが、カバー曲の「イマジン」。
清志郎独特の明るく、楽しい空気の向こう側に、切なさがある。
胸をかきむしられるほどの切ない歌い方で、こんな国だったらいい、こんな世界だったらいいと思わせる国家観や世界観がある。
クリエイティブな人間は、時代の空気をつかむ天才である。
しかも、空気をつかみながら、空気をいい方向へ変えていく。
それが、クリエイターたちの仕事のような気がする。
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~~アンチエイジング2~~
「日刊・鎌田實なげださない」のアクセス数記録が更新された。
なんと、一日18000件を超えた。
「7悪3善1コウモリ」という健康法に興味をもったのかもしれない。
新刊『がんばらない健康法ー「7悪3善1コウモリ」の法則』(朝日出版社)のほうも売り切れ続出、増刷が決定した。
アディポネクチンという生活習慣病を予防してくれるホルモンがあることがわかった。
しょうが、とうがらし、ねぎ、わさびなどが、アディポネクチンの分泌を高め、動脈硬化を予防してくれる。
その結果、脳梗塞や心筋梗塞、脳血管性認知症のリスクが少なくなる。
日本では、薬味といわれているものである。
味をあきさせないように、そうめんなどに入れるが、実は「薬味」という言葉のとおり、薬なのである。
生活習慣病を予防してくれる、薬効をもっていると考えていい。
おそばやさんにいったときに、薬味を使わない人がいるが、できるだけ薬味を使おう。
若々しい肌や血管を保つために大事である。
鎌田流速遅歩きやがんばらないスクワットとはどんなものか、質問が来ました。
近々、動画でご案内する予定です。
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~~アンチエイジング~~
本日5月17日の読売新聞朝刊に鎌田實の連載23回「見放さない」が載っている。
血管の健康にいい「7悪3善1コウモリ」について書いた。
そこに書ききれなかった、老化を防ぐ10か条を紹介しよう。
1・抗酸化力の高い食物を食べる
2・軽い運動を定期的にする。鎌田流速遅歩き、がんばらないスクワットというのがある(近いうちに動画をアップします)
3・ちょい太、ちょいコレがいい
4・タバコは吸わない
5・お酒は適量
6・心をあたためる
7・紫外線に当たりすぎない
8・炭水化物はとりすぎない
9・腹八分目を心がける
10・睡眠は長さより質
活性酸素などのフリーラジカルを暴れさせないために、これらの10カ条がいい。
具体的には、ビタミンAECがいい。
ビタミンAは、カボチャやニンジン、ウナギ、アナゴ。
ビタミンCは赤ピーマン、カリフラワー、果物。
ビタミンEはカボチャやアボカド、菜の花、ピーナツ、アーモンド、ウナギ、ハマチ・・・など。
抗酸化力の高い食べ物としては、αリボ酸の多いブロッコリー、ほうれん草。
加齢による目のトラブルを防ぐといわれているルチンは、キャベツやソバに含まれている。
動脈硬化やがんの予防効果が高いといわれているリコピンは、トマトにたっぷり。
老化を防ぐといわれているコエンザイムQ10は、イワシ、サバ、ブロッコリー。
セサミノールは、ゴマ。カテキンは各種のお茶。
人は酸化するほど老化していく。酸化とは血管のさび付きである。これを防ぐには抗酸化力の高いものを食べること。
健康で長生きするには、コツがあるのである。
読売新聞の連載でも、血管が勝負と書いた。
ちなみに次回の「見放さない」は6月21日、お楽しみに。
このブログの「体が喜ぶヒント」は、あまり他では聞かないような健康にいいヒントがいっぱい。
よろしかったら、4月28日の①からご覧ください。
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岩次郎小屋の周りに木を植えた。
ぼくの土地ではないのに、隣の農業をやっているおじさんが、好きな木を植えていいということで、
けやきや桂、エマボウシ、ナツツバキなどを、毎年せっせと植えてきた。
ニセアカシアの木陰で、本が読めるようにと、テーブルも置いてある。
今回は、サクラを2本と、アンズの木を植えた。
じつは今年、岩次郎小屋の庭のプルーンの木に虫がついてしまい、その木を切ってしまった。
代わりに、アンズを植えて、実が食べられるのを楽しみにしている。
グミの木も、もうすぐ実がなりそうである。
5年後には、サクラの花見ができるかな。
岩次郎小屋にはクーラーがない。
周りに木を植えて木陰をつくり、日のあたる家の南側には、すだれをたらしている。
できるだけ電気を使わず、自然とうまく共生しながら夏を楽しみたい。
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今、善光寺は、7年に1度の前立本尊の御開帳。
たくさんの人でにぎわっている。
ご本尊との結縁を願い、手を合わせようと並ぶ人たちは長蛇の列。
40分近く待つようだ。すべて参拝すると4時間もかかるという。
長野の県民文化会館で、全日本広告連盟の大会で記念講演をたのまれた。
テーマは、「がんばるシンカ、がんばらないシンカ」。
シンカとは、科学の「進化」と、その「真価」を問い、さらに「深化」させていくという、3つのシンカにかかっている。
心を深め、心を揺さぶり、不況で冷えた心をあたためることが大事だ。
御開帳などにみんなが出向いて、手を合わせ、お土産を買う。
動くことが大事である。
体を動かし、汗を流し、お金を使い、心をあたためること。
政治がなかなか心をあたためてくれないので、自分たちでやるしかない。
善光寺の七味唐辛子は絶品。
周りのおそばやさんもなかなかである。
休日は高速料金も1000円なので、ぜひ、お越しください。
5月の信州はとても美しいです。
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~~おそれすぎない~~
新型インフルエンザが猛威をふるっている。
新型ウイルスは、H1N1で弱毒型である。
ヘマグルチニンというHが5つとか、7つとかつく形は、強毒になることが多い。
鳥インフルエンザの多くは、この形である。
しかし、鶏インフルエンザは人間には感染しにくい。
鳥インフルエンザのウイルスも人インフルエンザのウイルスも、豚には感染しやすく、両方のウイルスが豚の体の中で混ざって新型ウイルスが発生することが知られている。
これが、豚から人へと感染し出した。
今回の新型インフルエンザウイルスは、弱毒である。
しかも、タミフルやリレンザが効くのであまり心配することはない。
もちろん、日本にもちこませないための水際作戦も意味があるが、これが失敗したとしてもおそれることはない。
これから夏になっていくと、ウイルスは繁殖できなくなっていく。
まちがいなく下火になるだろう。
しかし、油断はできない。
1918年に4000万人近くが亡くなったスペイン風邪も、同じH1N1の弱毒型だった。約2年間で3回ほど流行している。
波があるのである。
今回はあまり大きな問題にならず、夏とともに下火になるだろうが、このあとに大きな波がやってくる可能性はある。
そのときのために、タミフルやリレンザの備蓄は必要である。
今いえることは、おそれすぎないことである。
今の状況は、季節性のインフルエンザに準じた対応でもいいはずである。
パニックにならないことである。
感染した人を責めないことである。
インフルエンザは、飛沫感染、空気感染をする。
ウイルスをもっている人がせきをすれば、2~3mの周囲にはウイルスが存在している可能性がある。
周りの人は、それを吸い、ウイルスを付着させることがある。
1、2個程度のウイルスが付着しても、ふつうの体力をもっていれば、感染しない。
おそれず、きちんとうがいや手洗いを徹底することが、感染予防になる。
女性は、のどをがらがらさせるうがいを恥ずかしがるかもしれないが、しっかりのどをがらがらさせて、うがいをしよう。
そうすれば、今の段階では、それほど新型インフルエンザをこわがる必要はない。
むしろ怖いのは、「新型インフルエンザは怖い」という、空気に感染することである。
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~~やっぱり麻生さん、あなたじゃだめだ~~
追加経済対策の裏づけとなる2009年度補正予算案が、衆議院を通過した。
内容は、本当にいいかげんなものである。
2006年に整備計画9342キロ以外は白紙にしたはずなのに、きちんと議論もされず、今がお金を使えるチャンスということで、予定外の高速道路に1兆8000億円の投入を決めた。
しかも、建設費の大半を税金で負担し、一部を高速道路会社が負担する合併施行方式をとり、有料化するという。
国の税金で道路を9割がたつくり、民営化した会社が有料道路として収入を得る。
道路公団民営化議論は、どうなってしまったんだろう。
こういう公共投資はまた後悔を生むのである。
さらにひどいのは、多くの官僚の天下り先の独立行政法人に約3兆円のお金が流れる。
文部科学省所管の科学技術振興機構に725億円とか、都市再生機構に1000億円とか。
身売りの話も出ていた雇用能力開発機構に150億円の補正予算が計上されている。
結局、やりたいことをやっている官僚を、麻生政権はチェックできていないのである。
ぜんぶ国民の税金である。
使ってもいいけれど、後悔しない使い方があるだろう。
あたたかな資本主義をつくるための血の通ったお金の使い方をしないといけない。
道路をつくっても、今のまま子少子化が進めば、20年後は人口が減り、道路はゆるゆるになってしまう。
何がこの国にとっていちばん大事なのか、それは人間である。
人間が減っていく国に活路は見いだせない。
子どもが安心して育てられる国、この一点にお金を投入すれば、一気にムードも変わるはずである。
出生率を上げるチャンスなのである。
なのに、麻生さん、あなたにはこの発想がまったくない。
あなたのお金の使い方では、この国の経済は動かないだろう。
あきれた。
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ニューヨークで開催された核拡散防止条約の再検討会議準備委員会。
広島市の秋葉市長が、小さな折鶴を見せながら、演説をした。
この折鶴は、広島で被爆後に白血病を患い、12歳で死亡した佐々木禎子さんが、回復を祈って折り続けたもの。
「2度と、こういう子どもを出してはいけない」と訴えた。
JCFでは、実物の折鶴をバトンタッチされ、事務局で保管している。
折鶴の少女サダコの映画を上映したり、ときどきこの鶴を講演会などで、みなさんにお見せしている。
このブログでも、サダコの折鶴のかんしては、何度か触れてきた。
ニューヨークに、サダコの折鶴を持っていったのはグッドアイデアである。
秋葉市長、あなたはえらい。
日本政府はもっと率先して、核廃絶を訴えていく必要がある。
そういう大きな流れの中で、北朝鮮の動きに歯止めをかけ、日本のセイフティーネットをつくりだしていく必要があるのである。
世界の核が廃絶される方向へ流れをつくることが、日本の大きな役割だ。
写真は、JCFが保管するサダコの折鶴。とても小さいが、平和への大きな思いが込められている
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看護は、大切な仕事である。
今、看護師が足りなくて、多くの病院が困っている。
地方の病院などでは、看護師が足りないために病床を閉鎖しているところもあると聞く。
看護師が足りないために、さらに看護師は過重労働になり、燃え尽きてしまう看護師も多くなっている。
ワークライフバランスがうまくとれないために、みんな途中で沈没してしまう。
ぼくは諏訪中央病院看護専門学校で、3年生に「看護哲学」の授業をしている。
「看護哲学」というのは勝手な表現だが、哲学をする訓練をしていることで、燃え尽きないですむ、味のある、ケアの優れた看護師を養成できるのではないかと思って、毎年やってきた。
何人かの先生に応援してもらうが、看護哲学の時間は30時間、大事な授業だ。
試験を行った。
今、採点中である。
すべて○×ではなく、記述試験である。
4問中1問は、「あなたはどんな哲学のある看護師になりたいですか」と質問。
ある男子学生が、こう書いてきた。
「私は患者さんにとって、空気のような看護師になりたいと思う。
それはたんに患者さんの周りで漂っている存在ではない。
患者さんが必要なことを、患者さんが気づかないうちに援助できるような人になりたいと思う。
あなたがいてよかったと感じていただけるような看護師になりたいと思う」
あったかな看護師とか、思いやりのある看護師とか、よく気がつく看護師とか、看護師の目標モデルにはいくつかパターンがあるように思うが、患者さんにとって空気のような看護師というは、すごい言葉だと思う。
ぼくは筆で、いつも試験の答案用紙はコメントを書くことにしている。
ぼくの試験は合格すればいいというものではなくて、1年後、5年後、あるいは燃え尽きそうになったとき、人生の節々で、この哲学の答案用紙を見てもらいたいと思っている。
そこに書かれた自分の問いとぼくのコメントが、その人の人生を支えられたらいいと思っている。
だから、こちらも真剣勝負である。
学生たちも合格するためだけでなく、自分のために一生懸命書く。
この答案は終わったらどこからしまいこまないで、よく見るノートなどに貼ってほしいと思う。
ぼくのコメントも全力投球である。
ぼくのコメントはこんなだった。
「患者さんにとって空気のような看護師になりたい、これ、すごい言葉です。絶対に忘れないでください、日本中にこんな言葉を言える看護師さんはいないと思います」
空気はとても必要なものであるが、ときどきその存在を忘れてしまう。
でも、空気があるおかげで生きているのである。
忘れられてもいいほど、その場に溶け込んでしまう空気ってすごい。
患者さんが生きるか死ぬか、命と対峙しているとき、空気のような看護師がそばにいてくれたら、どんなに救われるだろうか。
この男子学生には、いい看護師さんになってほしいと思う。
彼は、私は人が好きである、と言い切っている。
友だちも家族もみんな大事。
そして、今まで何度も人生の方向転換をしてきたけれど、いま自分は正直に生きていると思う、と言い切っている。
今30歳。いくつかの挫折があったのかもしれない。
でも、この看護学生はいきいきと生きている。
そして、彼はいつも患者さんの味方になろう、患者さんにありがとうが言え、患者さんからありがとうを言ってもらえる看護師になりたいと思っている。
じつに素直である。
いつか本当に、この看護学生は空気のような看護師になれると信じている。
今日は看護の日。
看護という仕事が、この国でもっと評価され、大切に思われるようになってほしい。
政府はもっと看護師を支える政策をすすめるべきだと思う。
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~~感動的な手紙~~
「日経マネー」6月号から新連載をはじめた。
はじめは「日経マネー」から連載の申し込みがあったとき、「日経マネー」ははしたない本だと思った。
お金儲けのテクニックの本である。
ぼくのブログをみたと編集者は言った。
「鎌田實 日本経済への提言」はおもしろいといった。
なんとなく、投資のことは触れたくなかったが、資本主義のことについては本気で考えてみたいと思った。
今まで資本主義のことはあまり考えずに、いつも斜に構えていたのである。
ウエットな資本主義という考え方を広めたいと連載を引き受けた。
あったかな血の通った国をつくりたい、そのあったかさを支える資本主義のあり方を模索したかったのである。
「日経マネー」の連載を引き受ける以上は、大人の約束事として、投資の指南にもふれることは重々承知である。
ほかの経済の専門家とは違う視点で、経済のことを語り、投資のことをサジェスチョンしたいと思った。
ツムラが夕張に漢方の原材料を生産することを聞いて、食指が動いたのである。
あったかなことをしている企業として、ツムラを資本主義社会の一員として応援してあげよう、株を買うならツムラはどうだろうと提案したのである。
なんと社長、芳井順一氏から手紙が来た。
じつに美しい、品格のある手紙である。
もちろん私信なので、詳しくはふれられない。
夕張についても詳しく書かれていていたが、そのことには触れないことにする。
妻は、この手紙を読んで、涙をふいていた。
加工工場をできればバリアフリーにして、障害をもっている人も働けるようにしたいというお考えをもっているようだ。
4月、本社の医薬営業本部に車椅子の人が採用され、歓迎会も車椅子でできる会場を探したという。
このことを聞いて、社長みずからが「涙がでる思いがしました」と書かれていたのである。
こういう企業は強いと思う。
2004~2009年かけて、日経新聞や中国新聞、北海道新聞、日経ヴェリタス、日刊工業新聞などの記事をもとに、ツムラを分析すると、かつて千数百億円の借り入れを抱え、つぶれかけて会社が2009年3月期に、配当成功30%へ増配を継続していく勢いがわかる。
かつて同族経営であったが、ふつうの会社に変身し、見事に、あたたかさとやる気がみなぎる会社になっていることがよくわかった。
北海道新聞によると、かなり夕張への進出も具体性をおびてきているようである。
漢方薬原材料の栽培と加工なども行われようになれば、数百人の単位で雇用が生まれる。
夕張を救うために、借金をしてまで地域医療の核となるために自ら出向いた親友の村上先生にとっても、町に勢いや活気が出ることは、大きな後方支援になるのではないか、と勝手に想像している。
こういうあったかな相乗効果が生まれてくることによって、地域は生き返ってくる。
この地域がひとつひとつが生き返っていくなかで、日本という国がすてきで、力強く、あったかくて、ロマンチックな国になる。
こういう国を国民は誇りに思い、愛すにようになるのである。
小学校や中学校の授業でむりやり愛国心を高めるのではなく、当たり前の家庭や地域の生活のなかで、自分のふるさとを好きになり、その延長上にこの国が好きになっていく。
それを支える資本主義が行われるといいと思った。
写真は、朝霧のなかを上っていく太陽。
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~~健康にいい食べ合わせ~~
いま日本人の2人に1人が一生の間にがんになり、3人に一人ががんで死んでいくといわれている。
アメリカの国立がん研究所が発表しているデザイナーズフーズでは、キャベツ、しょうが、ニンニクなどががんになりにくいとされてい。
これらをを少し大目に食べるように心がけよう。
特にしょうががいい。
しょうがはがんになりにくくしてくれるだけでなく、アディポネクチンという動脈硬化の予防をしてくれるいいホルモンの分泌にも関与している。
しょうがをたくさん食べると、血管の老化も防げるのである。
同時に、デトックス効果もある。
以前、魚を週5回食べることをおすすめした。
魚としょうがとの組み合わせはおすしである。
回転ずしにいったら、ガリをたくさん食べる。
がりはただだから、おかわりするくらいの勢いで、たくさん食べよう。
がんにもなりににくなるし、脳血管障害にもなりにくくなるのである。
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岩次郎小屋の庭にある百日紅の木に、鳥の巣箱をかけている。
今年もヒナが成長しはじめて、親がせっせとえさを運んできている。
百日紅の木が芽吹きもはじまった。
庭の下には、キジが毎日やってきて、キーンと 勢いよく鳴いて子どもを見張っている。
花がいっせいに咲き始めた。
スオウというピンク花がきれいに咲いている。
ツツジが咲き、モミジの木もいきいきしてきた。
ウッドデッキの下の花畑と野菜畑も耕されはじめた。
テラスでお茶を飲んだり、本を読んだりするのに、いい季節になった。
信州にやっと遅い春がやってきた。
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5月30日から東宝シネマズシャンテで封切られる。
実話である。
LAタイムスの記者(ロバート・ダウニーJr)は、2本の弦しか残っていないバイオリンを見事に演奏するホームレスと出会う。
話しているうちに興味を持ち出す。
取材をしてコラムの連載が始まる。
このホームレスは、かつて音楽の名門校ジュリヤード音楽院に通っていた。
もともとはチェリストであった。
そのことをコラムに書くと、チェロを寄付する人が現れる。
ジェイミー・フォックス演じる主人公は、路上で久しぶりにチェロを弾く。
美しい音色。
道端で、ベートーヴェンを弾いている主人公と、新聞記者の光景が美しい。
2人の向こう側に何台も車がすれ違っていく。
この映画の最高の見せ場である。
主人公の音楽家は、統合失調症だった。
天才音楽家が、なぜ名門音楽校をやめ、なぜ路上に暮らしているのかわかる。
天才音楽家を救いたいと記者は思うが、空振りの連続である。
統合失調症の光と闇がだんだんわかってくる。
統合失調症という病気が、この映画を見るとよくわかる。
統合失調症は、おそらく人類が言葉を話すようになったとき、生まれた。
おそらく200人に1人の割合で、生まれてくると思われる。
人類が言葉をもち、文化を築くようになっていくにしたがって、この病気は生まれてきた。
彼らのなかには、シャーマンや巫女など、時代を変えていく人たちがいたのではないかと思う。
しがらみを断ち切り、時代を180度変えていくことができる力をもっている。
人類が進化していくのに、こういう人たちが必要だったはずである。
しかし、文化が発達して、所有の概念が生まれだすころから、統合失調症のような人たちは生きづらくなっていった。
ものを所有したり、収益をあげるのが苦手なのだ。合理的な成果をあげていく生き方は得意ではない。
ある種の天才である彼らは、この現代社会は決して生きやすいものではないことがよくわかる。
ある比率で天才が生まれてくる。
ある比率で統合失調症の人が生まれてくる。
こういう人たちが、イキイキと自分らしさを失わずに、ゆったりと生きていけるゆるやか関係作りができるといいなと思った。
新聞記者は、しがらみから離れた人間の関係を信じていたのではないだろうか。
別れた妻との関係も、そんな関係を望んでいたのではないかとこの映画をみながら、しみじみと思った。
なかなかよくできている映画であるが、原作から離れられなかっために、最後の感動がいまひとつだったのは残念。
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ぼくの文章は、入学試験でよく使われる。
看護系の大学や福祉系の大学、医学部の入学試験に、カマタの『がんばらない』『あきらめない』『それでもやっぱりがんばらない』『なげださない』の命の4部作が、毎年よく登場する。
今年は、独協医科大学看護学部で『それでもやっぱりがんばらない』が、愛知新城大谷大学で『あきらめない』が使われている。
ぼくの本は難しい単語が使われていないので、私立中学校の受験にも使われる。
今年は、慶進中学で『がんばらない』が、桐朋高校では『だいじょうぶ』が使われた。
中学の道徳の副読本で、ぼくの『がんばらない』のある青年の死がとりあげられている。
『雪とパイナップル』を副読本にという話もあるが、こちらの話は断っている。
というわけで、受験生にぼくの本をおすすめする。
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スマップの草なぎ剛さんが、公然わいせつで現行犯逮捕されたとき、
ちょうど、キムタクのお母さんと一緒だった。
「草なぎ君はやさしくて、礼儀正しい。悪いことはしないと思います」と言っていた。
キムタクのお母さんには、かつて「いのちの対話」のゲストで出演していただいたことがある。
『いいかげんがいい』のなかにも書かせてもらった。
キムタクのお母さんは、3月にブラダン・コチのコンサートに聴きに来てくれて、ロビーでJCFの募金箱をもってくれた。
そのとき、ぼくが大分に講演に行くという話をしたら、大分に、小さな老人病院ではあるが、職員が一生懸命あたたかな医療をしている病院があるので、会ってあげてほしいと言われた。
そして、大分で講演し、老人病院のスタッフたちと、おすし屋さんで落ちあい、いろいろな医療の話に花を咲かせた。
おもしろいすし屋だった。
こんなに笑いながら食べたすし屋は初めてだ。
暖簾をくぐるなりオヤジさんが、「日本でいちばん大きな駐車場をもったすし屋です」と自分の店のことを言った。
市場のなかにあり、3000台の車が止められるという。
夜は、市場にほとんど車はない。
夜、店を開いているのはこのすし屋だけ。
たしかに、3000台の駐車場をもっているすし屋は、日本広しといってもほかにはないだろう。
お店は小さい。
20人もはいれば一杯になりそうである。
3000台の駐車場がなくてもいいような気がして、ついつい笑ってしまった。
注文をするたびに、必ず、ギャグか駄洒落が入る。
大うけである。
オコゼのすしははじめて食べた。
オコゼは刺身も揚げ物も何度も食べたことがあったが、すしは初めてであった。
見事にうまい。
あとはただただ腹がよじれるほど笑わされた。
その楽しい大分から帰るとき、空港で草なぎ君の逮捕のニュースを見たのである。
バッシングをしてしまう空気がこの国にはある。
スターをたくさん抱えた大きな事務所には、はむかえないマスコミが、ちょっとしたことがあると、
その裂け目にじょうじてバッシングの嵐をふきあらす。
警察も調子にのって、家宅捜索までしている。
尿検査で薬物反応がでなかったのに、家宅捜索は必要なかったはずなのである。
しかし、家宅捜索で薬がでなかったことを実証できたことは大きい。
それ以上たたく必要はないのである。
結局、酒。
酒はもともと好きで、強かったみたいだ。
「酒はのむもので、のまれるものではない」と父の岩次郎がよくのみながらいっていた。
ぼくはアルコール依存症の人たちをたくさんみてきたので、酒の怖さをよく知っている。
自分自身でもストレスを酒で解放しようとは思わなくなった。
草なぎ君は酒にのまれただけである。
酒にのまれる人間は、これからものまれるだろう。
だから、酒を止めればいいだけの話。
1回や2回の失敗はだれにでもある。たいしたことはないのである。
心配なのは、9月公開予定の主演映画。
一人で生きているわけではない。
約20億円ものお金が投入されていると聞く。
上映できなかったり、こけてしまうと、たくさんの人たちが被害に遭う。
草なぎ君は酒を止めるということを約束をして、社会復帰をすればいいのだ。
回りも、バッシングの空気に染まらないことである。
ほんとうはCMも一社くらい土俵際でこらえてあげればよかったのである。
ぼくたちの日本は、この空気に弱い。
かってに空気を読み込んで、空気に染まる。
染まりながら、一人ひとりが空気をつくりだしてしまっているように思えてならない。
空気で縛りあわないこと。
今回は、大きな犯罪ではない。
とりたててほめられたことではないが、とりたててやめなくちゃいけないこともない、という大人の発言がどこかから出るとよかったと思う。
空気に染まらない国にしたいものである。
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~~塩分は控えめで~~
冬に漬けた野沢菜漬けが初夏になってすっぱくなると、地元では煮て、赤唐辛子をいれる。
これが実においしい。
35年前、ぼくが東京から赴任したころ、長野県は秋田に次いで、日本で2番目に脳卒中が多かった。
長野県には当時17の市があったが、なかでも茅野市はいちばん脳卒中の多い市だった。
健康づくり運動が始まった。
保健師さんと医師会の先生と病院の医師、それに保健補導員という住民の健康ボランティアの人たちがチームをつくり、健康づくり運動を展開した。
減塩運動を展開していったことが、大きな成功につながった。
脳卒中が激減していったのである。
タクアンが1枚1グラム、梅干が1粒2グラム、みそ汁が1杯1.5グラム。
3食でタクアンを3枚ずつ食べれば、それだけで塩分は9グラムである。
それにみそ汁を朝と夜1杯ずつ飲むと3グラム。
あわせると12グラムになってしまう。
厚生労働省は1日の塩分の摂取量は10グラム以下になると、高血圧は減り、脳卒中や心臓病は激減するとしている。
日本食は健康食であるが、塩分が多くなることが最大の欠点である。
沖縄が健康長寿王国を長く守ってこれたのは、塩分摂取量が1日9.7グラムであったからでもある。
都道府県別でいうと、10グラムを切っているのは沖縄しかない。
塩分の摂取量が少ないことは、今後、沖縄が長寿王国に復活する可能性もある。
まず、薄味をこころがけてみよう。
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月刊「清流」5月号と6月号で、自立生活サポートセンターもやいの湯浅誠さんと対談した。
湯浅さんは、生き方がかっこいい人。
仕事がうまくいかず、貧困に陥る人たちのために生きることは、重要なことだ。
話しながら、ウエットな資本主義がますます大切だと思った。
この国の下半身に、あたたかな血を通わす必要がある。
それには、子育て支援、教育、安定した雇用、医療、福祉を充実させること。
かつての社会主義的な考え方ではなくて、新しい資本主義を作り出す時期にきている。
そう、湯浅さんと対談しながら思った。
ぜひ、「清流」をご覧ください。
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~~見過ごされやすい亜鉛不足~~
先日、生牡蠣を食べた。
牡蠣は亜鉛を補給するには、たいへん優れた食品。
生牡蠣でもいいし、牡蠣フライでもいいし、牡蠣鍋でもいい。
牡蠣が食べられるのは、1年間の限られた時期なので、食べられるときはぜひ、おすすめする。
健康食として優秀な日本食だが、欠点もある。
塩分の取りすぎと、亜鉛の不足である。
高齢者で食欲が出ない人、味覚がわかりにくい人のなかには、見過ごされがちだが、けっこう亜鉛不足の人がいる。
高齢者が食欲がなくなったときに、亜鉛の薬をとるだけで食欲が回復したりすることがある。
日本の内科医のなかには、亜鉛のことが頭に入っていないドクターもいる。
安易に胃ろうをおいたりする前に、血中濃度の亜鉛量を測ってみるといい。
亜鉛不足は、ジャンクフードばかり食べている若い人にも無縁ではないので、ご注意を。
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~~食欲にもリズムがある~~
前回、睡眠はレム睡眠と、ノンレム睡眠が90分ワンセットで回っていると書いた。
実は食欲も90分サイクルで回っている。
正午に昼食を食べれば、次に小腹が空くのは3時か4時半。
これを超えれば、夕飯6時か7時半まで我慢ができるのである。
ぼくは、朝4時半に起きているので、午後3時くらいが疲労のピークになる。
疲労とは、筋肉に乳酸がたまること。
この乳酸をほかの物質に代謝してあげれば、疲労感はとれる。
そこで、ぼくは牛乳にシトラックスというクエン酸をまぜて飲む。
のむヨーグルトのようになって、おいしい。
そのうえ、疲労感がとれるのである。
これは、ぼくが4時間半睡眠でも、人の何倍も仕事をし続けることができる大きな原動力になっている。
地球の自転を、ぼくたちの細胞は感知している。
少なくともぼくたちの体のなかに5つ、体内時計と思われる働きをしている細胞が証明されいる。
そのうちの一つに肥満と関係のある細胞がある。
夜10時くらいになると働きだすビーマル1である。
その細胞が増加すると、脂肪は蓄積される。
夜10時くらいに血管の中に栄養が流れていないことが大事である。
よく食べても太らない人には、夕食後に食べない習慣があることがけっこう多い。
ダイエットを何度やっても成功しない人は、夕飯をしぼっているために、ふろに入ったあとに果物を食べたり、アイスクリームを食べたりする。
それがすべて肥満細胞に取り込まれているために、ダイエットに失敗する。
いつ食べるか、という時間の要素が大事なのある。
ダイエットも、地球の自転を意識すると成功しやすい。
写真は、岩次郎小屋の菜の花。
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倉敷へ講演に行った。
倉敷の大原美術館は、もう3回目になるが絵を楽しんできた。
エル・グレコの「受胎告知」というたいへんな名作がある。エルグレコの完成度はたいへん高いと思う。
モディリアーニやモネの絵もみた。
しかし、なんといってもぼくのお目当てはゴーギャン。
ゴーギャンの「かぐわしき大地」という作品に心奪われる。
1892年の作品なので、ゴーギャンがタヒチに渡って、心も体も元気だったころの作品だ。
野生的でいきいきとしたゴーギャンの息遣いが感じられる。
色使いも、すでに個性的で、彼らしさが感じられる。、
このところ、ずっとゴーギャンのことが気になっており、アムステルダムでも、ニューヨークでも、ゴーギャンの絵を注目してみてきた。
大原美術館のもう一つの見所は、児島虎次郎の名作をたくさん収蔵していること。
とても見応えがある。
何回行っても飽きない美術館。
ぶらぶらと倉敷の蔵の町を散策した。
夜、堀にかがり火がたかれ、船に乗った横笛の奏者が幻想的な音楽を奏でる。
堀端を散策すると、瀬戸内海の風が伝わってくる。
数日前、股関節炎になり、歩くこともできなかった。
病院で外来診察をするときには、車椅子で運んでもらい、苦しんでいた。
寝返りをうつこともできなかった。
整形外科で診察をうけ、鎮痛剤を投与され、劇的に効いた。
去年の今頃は、肉離れを起こし、一昨年は肩関節周囲炎になった。
いろいろなことが次々と起こるが、数日我慢すると、わりあいケロっと良くなってしまう。
数日前までのうなるような痛さが、嘘のように、倉敷の町を歩き回ることができた。
講演も、無事、立ってできた。
全快です。
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ブログのタイトルを「日刊 鎌田實なげださない」に改めた。
昨年5月からスタートし、1年休刊日なしで続けてきた。
新聞には休刊日があるが、鎌田のプログには休刊日なし。
1年間ぶっ通しで、映画や芝居、政治、経済、健康、医療、福祉、環境など、ありとあらゆるジャンルから話題をお届けしている。
最近は、日本人はどこから来たのかなど、ちょっとむずかしいテーマにも挑戦してきた。
このブログは、新しい連載や新しい本が生まれていく「種」のようなものだと思っている。
日経マネーの連載は、このプログからスタートした。
6月からは「ながされない―鎌田實の空気に負けない生き方」という週刊の連載が、集英社のケータイ総合読み物サイトtheどくしょプラスで始まる。
すでに、涙なしでは読めないエッセイの準備が始まっている。
O・ヘンリーの『最後の一葉』という短編の名作があるが、そんな短編を意識しながら、新しいスタイルのエッセイにしたいと思っている。
ある週刊誌からも、秋からB級グルメの連載をしてほしいという依頼が舞い込んでいるが、まだ返事はしていない。
「日刊 鎌田實」になっても質を落とさず、心あたたまる、ホットな話題をお届けするつもりです。
これからもお楽しみに。
~~★~~★~~★~~
明日5月4日、NHKラジオ第一「鎌田實いのちの対話」を放送します!
午前9時05分から、ぜひ、お聞きください。
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月刊誌「ゆうゆう」6月号で、心が軽くなる人生読本の回答者として登場している。
ぼくが大事にしているロシアの泥人形や、藍染の人形、木彫りの動物の人形なども出てくる。
ちょっと楽しい特集。
ぜひ、読んでください。
「文芸春秋」5月特別号では、菅原文太さんが膀胱がんのことを語っている。
「膀胱がんとの仁義ある闘い」という言葉がおもしろい。
膀胱全摘を宣告された菅原さんが、筑波大学の泌尿器科の赤座教授と東京大学の放射線科の中川准教授に出会えたことで、全摘をせずに、膀胱がんが完治した。
そのことを包み隠さず話している。
「筑波大学の赤座先生に出会えたことは、実に幸運としかいいようがない。
私がたまたま鎌田先生と知り合いで、鎌田先生が旧知の中川先生に相談してくださって、赤座先生にたどりついたのです。
阿弥陀くじをひいて当たったようなものです。
これまではずいぶん悪いことしてきたから、もうしばし生きて、これからはよいことをしろよと神様に言われているのかなあ」
そう文太さんは話している。
ぜひ、ぜひ、文芸春秋5月特別号もご覧ください。
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~~リズムに合わせてよい睡眠を~~
健康生活には、質のいい睡眠をとることが大事だ。
睡眠不足になると、食欲抑制ホルモンが低下し、食欲促進因子のグレリンが増加する。
これによって、睡眠不足になると食欲が出てしまって、肥満の原因になる。
睡眠は、浅い睡眠のレム睡眠と深い睡眠のノンレム睡眠の組み合わせが90分ワンセットで繰り返される。
このリズムに合わせて、90分の倍数で起きるとすっきりと目覚められる可能性が高い。
ぼくは、42年間、4時間半睡眠を続けている。
4時間半眠れば、起きてすぐに本が読めたり、原稿を書くことができる。
前日の疲れもとれて、また活発に活動できる。
4時間半も90分の倍数である。
これではちょっと寝不足だという人は、6時間がいい。
5時間で無理に目覚まし時計で起きたりすると、深い睡眠の途中で目覚めるので、なかなか頭が働き出さない。
睡眠不足を実感して、不愉快になるだけである。
6時間でも体がシャキッとしない人は、7時間半。
いい眠りを得るには、睡眠リズムに合わせることがポイントなのだ。
以前、「あるある大事典」という番組で、納豆が健康にいいという捏造があって問題になったが、その類で「レタスを食べるといい睡眠ができる」というのがあった。
当時、うちの奥さんもまんまと騙されて(笑)、レタス料理ばかりが食卓にでる時期があった。
レタスのサラダはもちろん、レタスの野菜炒めとか・・・。
レタスのしゃぶしゃぷはそのなかの一つ。
エリンギなどとともにしゃぶしゃぶして、ポン酢で食べる。
「いい睡眠ができる」かどうかは別として、なかなかおいしい。
すっかりわが家の定番メニューになったレタスしゃぶしゃぶも、ぜひ、お試しください。
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