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2009年5月20日 (水)

空気のような国・日本

渋沢栄一の孫、渋沢健という男がちょっとおもしろい。
ファンドを立ち上げ、信頼のおける30の企業に30年投資し、30年後の成果を期待しようという。
孫のために、この投資信託に入ってみようかと思った。

渋沢栄一は、日本の資本主義をつくった男といわれている。
その孫のファンドは、じつにおもしろい仕掛けになっている。0904172
これはまた、おいおい話すことになるであろう。

渋沢健氏とは雑誌で対談をした。
彼の視点はおもしろい。
民間の国際会議が横浜で行われ、経済の世界のオピニオンリーダーと話をしたという。
そこで日本が話題になったのはたった30秒。
ややさびしい感じがした。
しかし、渋沢健氏は視点をかえて、それを評価をしてしまうのである。

日本は世界にとって脅威ではなくなった、だから、ジャパンパッシングもない。ジャパンナッシングなのだ。
目立たなくなって、日本は逆に商売がやりやすい、と彼は考える。
それは、日本が製造をそれぞれの現地で行うなどして、貿易摩擦を少なくしてきた成果であり、日本のやり方が世界のなかでうまく育ってきたからではないか。
脅威ではない日本が、真に豊かな国になっていく可能性は十分ある、という。
この考え方には、実に賛成である。

渋沢健氏はこう書いている。
「脅威ではないということは、単に短所ではなく長所として取り組むことも可能ではないだろうか。
つまり世界にとって、空気のように脅威ではなく、逆に絶対に必要な存在になるという国の姿。
日本が各国への脅威にならないという政治的立場におかれるのであれば、世界で活躍する日本企業の発展の障壁は下がり、
世界の生活者の豊かさにこつこつと貢献できる存在となろう」

脅威とならない日本の存在というのは、なかなかおもしろい視点のような気がする。
しかも、空気のような存在というのはちょっとしゃれている。

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