新型インフルエンザに負けない⑤
~~感染症のたしなみ~~
弱毒性の新型インフルエンザが日本国内に発生すると、急速に国内で感染例が報告された。
日本社会は大騒ぎになっているが、日本人だけが感染しやすいというわけではない。
おそらく日本以外の国では、インフルエンザの種類をこんなに徹底的に細かく同定してないので、季節性のインフルエンザ例に紛れ込み、見過ごされている可能性がある。
弱毒性なので、ちょっとした風邪で、自然に治ってしまっている例だっていっぱいあるはずだ。
連日、日本で患者が猛烈に増えているようにみえるのは、日本人特有の重箱の隅をつつくような、ある種の几帳面さのせい。
だから、パニックになってはいけない。
むしろ、運がよかったとぼくは思う。
弱毒性の新型インフルエンザが広がったことで、国も、国民の一人ひとりも、感染症に対するシミュレーションができたのではないか。
今回は、厚生労働省の肩に力が入りすぎて、国民に不安感を抱かせた。
もっとゆったりと構えて、国民の不安感を払拭していくのがリーダーの役割である。
アメリカで模擬国連に参加した高校生が、帰国後発症したが、その学校の校長先生が「たいへん申し訳なく、責任を感じている」というような談話を発表していた。
だが、感染症にかかったことは不可抗力である。
校長やその生徒を責めるのは、オカドチガイなのである。
日本は、江戸時代の結核患者に対する村八分だとか、ハンセン病患者に対し、世界で類をみないほどの長期間、島などに隔離政策をしてきた。
まだその遺残があるように思えてならない。
かかったものはしょうがない。
だれでもかかる可能性はある。
やるべきことは、科学的に証明されている対策をきちんととり、蔓延を防ぐこと。
感染した人は自己責任のもとに、人が集まるところには出て行かない。
それは、新型インフルエンザでなくても、たしなみというものである。
家族のなかでも甘えないで、できるだけ自分のことは自分して、家族に広がらないようにする。
職場や地域に広がらないようにするにはどうしたらいいか考えて一人ひとりが行動する、その訓練が今回の新型インフルエンザ流行のなかで学ぶことができたのではないか。
大人になりきれないこの国のリーダーたちにとっても、いい訓練になったと思う。
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