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2009年6月

2009年6月30日 (火)

体が喜ぶヒント⑫

~~クエン酸で疲労回復~~

0906211 茨城県の茨城キリスト教学園に講演に行ったら、シトラックスというクエン酸と牛乳が用意されていて、驚いた。
ぼくがいつも愛飲しているものだ。
ぼくのブログを読んだ役員の方が、シトラックスを取り寄せて、自分でも試しているという。
ぼくは、シトラックスと牛乳の割合を1対4と、かなり濃い目にする。
そうすると、飲むヨーグルトのようにとろっとして、おいしい。
それだけではなく、筋肉にたまった乳酸が、クエン酸によってほかの物質に代謝され、疲労感が少なくなる。0906212 
黒酢でも、リンゴ酢でもかまわない。
でも、ぼくは、牛乳にまぜておいしいのはシトラックスだと思っている。

そのほか、役員の方はぼくのブログをみて、いろいろな準備をしてくれていた。
講演会場には、講演前、さだまさしさんの曲「八ケ岳に立つ野ウサギ」が流されていた。
鎌田實をテーマにした曲である、と知っていてくれて、またびっくりである。0906213
まさか、この曲が聞けるとは思わなかった。
興味のある方は、さだまさしさんのCDアルバム「日本架空説」に入っているので、ぜひ聞いてください。

発見!特Bグルメ(57)

写真は、茅野市内にある「梅蔵」というイタリアンレストラン。
ナスとベーコンのパスタ、地元でとれた山盛りの野菜サラダを食べた。
旬のものと、地のものを食べるように心がけている。

原村ヘ往診

緩和ケア病棟の回診をしたあと、原村へと往診にいった。
原村の別荘が大好きだという、がんと闘っている患者さんがいる。
緑に囲まれた、美しい山荘だった。
どうしても、この山荘にいたいという患者さんの強い思いがわかった。
ここに帰ってきたかったんだなあ、とよくわった。

この山荘を建てて10年。
東京の仲間や子どもたちが集まり、10周年祝いをしたという。
おだやかな表情が写真に写っていた。

病院に戻ると、外来。
その合間に看護学校の保健医療論の試験の採点をした。
目がまわるほど、忙しい一日であった。

2009年6月29日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(23)『嗚呼 満蒙開拓団』

いい映画である。
2008年キネマ旬報文化映画部門ベストテン第1位、2008年日本映画ペンクラブ文化映画ベスト1。
たしかに考えさせる映画である。
監督は、羽田澄子。

満州(現在の中国東北部)へ行けばお米もたくさん食べられると、役場の人に勧誘され、満州へ開拓団として出ていった。
しかし、すぐに終戦。避難命令が出て、逃げるだけ。
父母、妹らを逃避行中、亡くす。
役人に騙され、死にに行ったようなものである。

1929年、世界大恐慌がおき、その2年後、日本政府の国策によって旧満州内蒙古に入植されられた日本移民は27万人といわれている。Tky200906020129
そのうち約8万数千人が亡くなっている。
逃亡中、最も優先されたのは、軍人と軍人の家族。それから満州鉄道の職員や役人。
夫を兵隊にとられ、村に残っていた女と子どもたちは、手をとりあって逃げた。
そのとき、多くの中国人が日本の子どもを救っている。

しかも、中国人は戦後、日本人公墓を建てているのである。
周恩来首相が「開拓民たちも軍国主義の犠牲者である」と言って、国交を回復するまでに墓を建立してくれたという。
こういう政治家がいるんだな。
こういう哲学をもった政治家がいてほしいと思う。

さらにいい話は1966年、文化大革命のとき、荒れ狂った紅衛兵たちが日本人公墓を破壊しようとした。
そのとき黒龍江省政府は、これは日本軍の墓ではない、日本の庶民の墓である、彼らに罪はないと、紅衛兵の要求を断固として退けたという。
日本と中国は、このごろギクシャクしているが、こういう話をみんなが知っていることが必要なのではないだろうか。

今月号のPHPで、中国から諏訪中央病院看護専門学校に来た留学生チャンリーリーのことを書いたが、
日本と中国であったかな交流を繰り返す必要があると思う。
経済のパートナーとしても、日本と中国は友人関係を築いていく必要がある。

朝日新聞の伊那支局の田中記者に電話をして聞いた。
彼は、長野県の満蒙開拓団について詳しく取材をしてきた。
長野県は、全国で一番、満州に県民を送り込んでいる。
なぜ長野県が一番多いのか理由を聞くと、第一の理由は信州が貧しかったことだという。
生糸産業が大打撃をうけ、養蚕農家が壊滅的な状況になった。
それを打破するために、移民政策によって、生きる方法を模索したのではないか。
もう一つは、村長や村の役人、軍人など熱心な指導者がいたこと。
さらに教師も、15~17歳の教え子を満蒙開拓青少年義勇軍に送り込んだという。
なんともつらい話である。

ぼくは勝手に想像した。
長野県の人はとてもまじめである。
国の方針は100万戸、500万人を送り込むというものだった。
その命令が国から県へと下り、そして役場に圧力が加わると、村では誠実に実行しようとした。

それだけではない。
青少年義勇軍の生活を守るために、今度は「大陸の花嫁」といって若い女性がわたらされている。
国がつくった悲劇である。
しかも、満州にわたっても、開拓団には耕す土地がなかった。
結局、現地の農民の開墾した土地を安く買い叩き、日本人が耕作をした。
現地の農民は、小作人にさせられてしまったのである。
どんなことがあっても、戦争をすべきではないことを考えさせる映画である。
よくできている。

羽田監督の作品は、『痴呆性老人の世界』や『安心して老いるために』『終わりよければすべてよし』をみてきた。
いつもインテリの視線で物事をみているのが気になっていた。
とくに住民が選択した福祉のまち、秋田県鷹巣町の話などは、福祉の充実した町づくりの現場にカメラが入り込んだ。
町を変えていくには、町の中から、自分たちの町を変えなければというエネルギーが出るべきであったが、
町の一部のリーダーが東京の知識人とつながり、たくさんの知識人が何人も興味本位で町に入っていくことによって、
かえって反動がおきてしまったような気がするのである。
羽田さんたちのよそ者が、あの小さな町に入っていかなければ、あの町はゆっくりではあるが着実に新しい町づくりをしていったのではないかという気がするのである。

今年、福祉の町づくりをした元鷹巣町の町長が選挙に出たが、大差で負けたようである。
日本中から期待された福祉の町づくりは、羽田さんのようなインテリが入ったことで、かえって反動を生んだように思う。
地域づくりは、理屈ではないと思う。

ぼくは農村地域に来て35年になる。
数十年という単位で、住民とごはんをたべたり、お茶をのんだり、酒をのんだりしてきた。
いま、ぼくは地域の副常会長として若い人たちの球技大会の道具を集めたり、ジュースを用意したりしている。
内側から一緒に汗をかくことの大切さを感じている。

羽田監督の映画はたしかに1986年の時点で、認知症の社会的な問題だけでなく、認知症の人の心の奥へ入り込もうとする鋭さが感じられる。
だが、「住民が選択した福祉」で感じた、外側からのインテリの目がどうしても気になって、いつも全面的な大拍手はできなかった。
でも、今回の映画は肩の力が抜けてちょっといい。

上映は、岩波ホール。
映画はたいへん評判を呼んで、多くの客があるというが、夜の上映はまだ席に余裕があるようだ。
7月になると、水曜日の4時半からの休憩時間に満蒙開拓団にかかわった人のスピーチも計画中という。
ぜひ、みてほしい。

2009年6月28日 (日)

岡山で、思いがけなく誕生祝い

0906281 松山から岡山へ―。
思いがけなく、ハッピーバースデーの歌で迎えられた。
そう、今日6月28日は、ぼくの誕生日。

講演会の主催者が、ぼくの61回目の誕生日を祝って、ケーキを用意していてくれたのだ。
照れくさいやら、ありがたいやら。
本当に感謝です。

それに、色鮮やかなバラ寿司も。090628
黄ニラは岡山の名産で、軽く湯がいたものをお寿司にまぶし、その上に海鮮をのせている。
黄色いニラなんて珍しい。
通常の緑のニラよりも、ビタミンがたっぷりだという。
とてもおいしかった。

数日前も、ピースボート主催の会で講演してきたが、やはりハッピーバースデーを歌っていただいた。

6月末は、いい季節ですね。

発見!特Bグルメ(56) 鍋焼きうどん

松山市のアーケードからちょっと外れた路地にある、ことりという鍋焼きうどん屋さんにいた。
創業昭和24年というから、かこれこ59年。
おじいちゃんとおばあちゃんがお店をてきぱきと商いをしている。
おいしいと評判。

行ってみてびっくり。
座って10秒ほどで、鍋焼きうどんが出てきた。090627
前もって電話をしたので、そのためかと思ったが、隣のお客さんが座ってからな鍋焼きうどんが出るまで、時計で測っていると13秒だった。

よく考えると、この店には鍋焼きうどんしかない。
若い人なんかは、それに稲荷ずしを追加する。
選択の余地がない。だから、早い。
本当の、ファストフードである。

また、器がいい。
陶器のようなしゃれたものではない。
昔のお弁当箱や、飯盒のようなアルマイト製である。
それがすすけて、でこぼこしていて、使いこんでいる。
なんとも哀愁があり、いい味をしている。
そこで、お年寄り夫婦が一生懸命切り盛りしている姿は、なんともかっこいい。

揚げと肉がのっていて、実にだしがうまく出ている。
とてもうまい。
値段も460円。
さだまさしの歌を思い出すような値段である。
さだまさしの歌は、490円のものが次々と歌われるが、そのなかには出てこない。

B級グルメの王様のようだ。
お客の回転がいい。
お金の支払いも、うどんが出たところで済ますので、老夫婦でも効率的に動ける。
ことりの鍋焼きうどん。
松山に行った際には、おすすめである。

道後温泉で南国を思う

道後温泉に来ている。
好きな温泉の一つである。
夏目漱石や正岡子規がこのあたりで生活していた、そんな雰囲気が残っている温泉町である。

昨年、イラクにボランティアで行った後、うちへ帰る時間がなく、そのまま成田空港から羽田空港に向かい、羽田空港から松山空港に飛んで、そこから道後温泉の「朧月夜」というホテルに泊まった。
「坊ちゃんの湯」も好きであるが、ここもいい。090627
疲れがとれるいホテルだったので、今回も利用した。
本を読み、原稿を書くのに向いているのだ。

ぼくはコーヒークレージー。
ここでは、ドリップしたコーヒーーが24時間飲める。
夜明けに起きて、原稿を書いているときに飲めるというのはありがたい。
今朝は、パプアニューギニアのマウントハーゲンというコーヒーを飲んだ。
じつに香りがよく、風味があり、適度な酸味があって、なかなか乙な味であった。
今年の春、パプアニューギニアに行く予定だったが、行けなかった。
今年の暮れか、来年早々にはパプアニューギニアに行き、絵本を書こうと計画を立てている。
あこがれのパプアニューギニアの、マウントハーゲンを味わうことができ、何ともうれしかった。

写真は、夏目漱石も入ったといわれている道後舘の前で

2009年6月27日 (土)

早朝のラジオ出演

昨日、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」に早朝、生出演した。

朝5時にホテルを出て、5時40分から放送スタート。
超朝型のぼくは、それほどつらくはないが、それでも、毎日は大変だ。
生島さんは、もっと早い時間からの放送を、毎日続けている。
えらいなあ~。090626

番組では、『へこたれない』と『がんばらない健康法』をとりあげてくれて、いろんな話をした。生島さんもちょっと、ちょい太なので、参考にしてくれているようだ。

放送が終わるのを、大沢悠里さんが待っていた。
そして、その場で“拉致”されて、同じくTBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」に5分だけ、突発的に出演をした。

そして、今日は松山。
坊ちゃんのまちである。

ここでの講演が終わったら、岡山、再び東京。
今週末も元気に飛び回っている。

2009年6月26日 (金)

「故郷」をめぐって

おもしろい対談を読んだ。
『雪』『私の名は紅(あか)』で知られるノーベル文学賞作家オルハン・パムクが、
『悪魔の詩』の作者サルマン・ラシュディと対談をしている。
パムクは、今、故郷イスタンブールを離れている。
ラシュディは、イスラム原理主義者に狙われて、潜伏生活を送りながら、執筆活動を続けた。
トルコやインドになかなか帰れない。
その2人が「故郷」とは何か語りあった。

パムクはこう言う。
「今遠く故郷を離れてようが、私には故郷の言葉があり、文化があり、そのほかのあらゆること、あらゆる人に対して、
ほかの場所で感じる以上の共振を感じ、自分の一部であり、母なるものを感じます」

作家が自由なことを書いた結果、故郷にいられず、故郷から離れていくが、望郷の思いは強まっていくような感じがした。0906121

一方、ラシュディは「故郷や自分が帰属すべき場所について現実に考えている自分がいる一方で、気持ちのどこかでアウトローを願い、そこに葛藤が生まれている」と語る。

「故郷は自分を守ってくれるだけでなく、故郷ではコミュニティーに属するものとしての責任の重みを感じるし、
あらゆる質問にこたえていかなければいけないという気にさせる」(パムク)

ぼくの故郷はどこなんだろう、と考えた。
人生の半分以上を過ごした信州が、ぼくのホームなんだと思う。
ホームではコミュニティーに属しているから、今ぼくは地域の副常会長をし、いろいろな会合に出て、
道の草取りや村の共同墓地の掃除当番に出たりする。
これが故郷で生活するものの責任なんだろうと思った。

ラシュディは反対にこんなことを言っている。
「私は無責任なんですよ。私は今ニューヨークにいる。責任感を捨ててしまえる。一種の解放だね。私は責任を大事にしてきたが、責任を解き放つこともできる」

うん、うまいことをいう。
パムクの、故郷にいると責任が生じるというのと、ラシュディはその責任を感じながら、そこからの解放がありうるのだという。
どうも、この両方の間に居心地のよさがあるのではないかと思った。

共同体にどっぷりつかりすぎると縛られてしまう。
自由がない自分がみつかる。
共同体につながりを持ちながら、解放されている自分が感じられるそのバランスのよさが、生きていくために大事なのではないかと思った。

パムクはこういう。
「故郷は起点にすぎず、そこを離れてからの体験の判断基準は、そこにあるわけではありません」
そうなんだとぼくも思う。
故郷は起点なんだ。信州を起点にしなから、信州だけにこだわらずに、責任と自由と解放をバランスよく保ちながら生き抜いていくことが大事なのかなと思った。
学芸総合誌・季刊『環』2009年スプリング号37号(藤原書店)。
この対談はなかなか見過ごせない。

写真は、“ふるさと”信州の夕暮れ

2009年6月25日 (木)

鎌田實「がんばらない健康法」①(全6回)

鎌田實「がんばらない健康法」①(全6回)

鎌田實「がんばらない健康法」①

ちょい太で健康・長生き!

目指せ、BMI 24~26。
少し太っていることは、決して悪いことじゃない。
がんばってやせてはダメなのです。

全6回でお届けします。
続きはまた来週。お楽しみに。

新シリーズ・岩次郎小屋の四季

0906 今年初めての鶯の鳴き声を聞いた。

岩次郎小屋の庭には、鳥がいっぱい集まってくる。
この庭にかけた巣箱から、巣立った鳥もいるはずだ。
周りの畑には雉が巣をつくって、キーンキーンと鳴いている。

パートナーとつれだって飛んでいた小鳥が、パートナーに気をとられ、岩次郎小屋に飛び込んできた。
気を失って、上向きに倒れた。
サトさんがすぐに近くまでいき、意識を回復させようと、足でとんとんと振動を与える。
20秒ほどで小鳥は立ち上がるが、5分ほどキョロキョロしていて飛び立てない。
骨折しているのではないかと心配して見守っていると、8分ほどして1メートルほど飛び、また5分ほど休んでから大空へ戻っていった。

生命の息吹が感じられる季節である。
木は新緑になり、花を咲かせている。
ニセアカシアの蜜のにおいがぷんとしている。

岩次郎小屋の真下のたんぼには水が張られ、田植えがすみ、カエルが鳴き出した。
もう少したつと、蛍が飛び交うだろう。
一度だけ季節はずれの蝉の声も聴いた。

夏の気配――。

2009年6月24日 (水)

鎌田劇場へようこそ!(22)『ポー川のひかり』

カンヌ国際映画祭特別招待作品。
名匠エルマンノ・オルミ監督の作品である。
イタリア映画名作『木靴の樹』をつくったオルミが、最後の作品だとつくった映画である。
病める時代におくる、あたたかでやさしさに満ちた映画である。

ある日、川をさかのぼって、“キリストさん”がやってくる。3

イタリアの古都ボローニャ大学で事件が起こる。
大量の古文書が太い釘で床に打ちつけられる。
犯人はどうも、新進気鋭の若い哲学の教授。
教授は、大切にしていた古文書から離れ、自らの車も捨て、携帯電話も背広も川に捨て、ポー川のほとりの村を訪れる。

映画の見方はいくつかある。
監督は何を考えてつくっているのか、監督がしかけた仕掛けを見抜いてやろうという見方もあるが、
監督の仕掛けをみようとしなくていいのではないかと思った。
オルミ監督も、それを望んでいないのではないかと思った。

1 映画のなかには、カトリックの国イタリアならではのキリストの寓意がいくつもしかけられてはいる。
ぶどう酒の奇蹟や放蕩息子の帰還など、新約聖書を読んでいる人ならば、胸に落ちるいくつかの仕掛けはあるが、
この映画はその仕掛けにこだわらないほうがいいと思った。

この若い、かっこいい哲学の教授は、宗教ま権威による締め付けから離れ、教養の権威を無用の長物として、静かにその権力の世界から
放たれたのである。

ポー川のほとりの小さな壊れかけた小屋に、村の人たちが応援にかけつける。
なんとか生活ができるように家をつくってくれる。
素朴でシンプルな生活がはじまる。
ぜいたくなものは何もないが、豊かな自然と豊かな人間関係がつくられていくのがみえてくる。
マグダラのマリアを髣髴させるパン屋の娘が出てくる。
まさにイタリアの女優という感じの、パン屋の若い娘がいい。
哲学の教授は、みんなにキリストに似ているので、“キリストさん”といわれながら、パン屋の娘と心を通わしていく。

しかし、古文書に釘を打った犯人を捜して、警察が訪ねてくる。
結局、彼は捕まるが、彼の居場所が警察に知られるきっかけは、彼の村の人への思いやりであった。
村人やパン屋の娘はキリストさんが再び帰ってくるように、川辺の道に灯りをともす。
このショットとはたまらなく美しい。2
待ち焦がれる人がいてくれることの幸せ、を映像化している。

宗教や書物や哲学や教養や知識よりも、もっと大切なものがあることを巨匠オルミは最後に言おうとしている。
だからこそこの映画は、仕掛けられた寓意を見抜くような見方をしないで、
むしろ、ぼうっと景色の美しさをみながら、言葉につくせないような何かを見ればいい。
その何かが、言葉を超えて見えてくる映画だと思う。
幸せとは何かがみえてくる映画だ。
オルミの傑作だと思う。
監督の仕掛けを無視して、多くの観客が勝手に観ることを、巨匠オルミは喜んでいると思う。
評論家の言葉に左右されずに、自分流にこの映画を見ればいい。
『木靴の樹』もすごいが、それを超える。


公開は8月1日より。

2009年6月23日 (火)

体が喜ぶヒント⑪

~~いい代謝に導く酵素の力~~

元気。とにかく元気である。
日本中を走りまわり、外国にボランティアに行く。
取材を受け、山のような連載の原稿をかかえている。
でも、まったくめげていない。
なんでそんなに元気なのかとよく質問される。0906019

一つは運動。
3週間前、このブログで紹介した動画のような、鎌田流の運動をしている。
二つ目は、食べ物に気を配っている。
一日一回魚を食べ、野菜と海草を多めにとる。
それから、酵素。いい食べ物を食べたらいい代謝に導かなければいけない。
酵素が働きやすい状態になるよう、毎朝、ジオリナ酵素を一口飲んでいる。
海草と野菜と果物を発酵させたもので、腐ったような臭いがする。
はじめはとても飲みにくかったが、このごろは体が欲するのか、すっと飲めるようになった。
酵素を飲むようになってから、実に体調がいいのである。
毎日、4時間半睡眠で全力疾走できているのは、いくつかの要因があると思うが、そのなかの大切な一つではないかと思っている。

『がんばらない健康法 「7悪3善1コウモリの法則」』の4刷が決まった。
出版して1カ月半、「わかりやすい」「ためになった」「これで元気になりそう」など、たくさんの声が寄せられている。
生島ヒロシさんの早朝のTBSラジオで『がんばらない健康法』にたくさんの質問がきたというので、6月26日(金)午前5時40分ごろから、「生島ヒロシのおはよう一直線」に生出演をすることになった。
鎌田流の早起きができている人は、ぜひ聴いてください。
がんばらない健康法と、おそれない、おたおたしない生き方の話をたっぷりする予定。


写真は、ジオリナ酵素を飲む鎌田

2009年6月22日 (月)

体が喜ぶヒント⑩

~~快眠の作法~~

『がんばらない健康法 「7悪3善1コウモリの法則」』(朝日出版)の本を出してから、講演に行くと、睡眠の質問がよく出てくる。
睡眠障害をかかえている人は、成人の3割近くいるというデータがある。
そのために睡眠薬もたくさん使用されている。

ぼくは、4時間半睡眠という短時間睡眠を、約42年間続けてきている。
本の中で、自分なりのコツをお話してきたが、語っていないところもある。
まずは、このブログでも書いたことだが、レム睡眠とノンレム睡眠は1時間半で1セットなので、
睡眠時間をできるだけその倍数にすると目覚めがいい。
ぼくは、1時間半の3倍の4時間半。
これは1時間半の4倍でも5倍でもいい。Jpg

次に、寝る前の準備が大切である。
一般的に、羊を数えるのはかえってよくないといわれている。
寝酒も、かえって短期睡眠にしてしまうので、おすすめではない。
いいのは、お風呂である。
一度体を温めたあと、深部体温が元に下がるとき、眠りやすくなるのである。
だから、ぼくは毎日、40度くらいのぬるめのお風呂にさっと入る。
それから、鎌田流がんばらないストレッチをちょっとして、体の緊張をほぐし、睡眠に入る前のほんのわずかの時間、文字を読む。

いちばん大事にしているのは、朝の過ごし方である。
朝4時間半に起きて、できるだけきちんと光を浴びる。
軽くラジオ体操を半分くらいやって、朝日を浴びながら、ベランダを歩いたり、下の畑まで歩いたりする。
光を感じる時間をつくると、そこから16時間後に眠気を感じるようなしくみが体に備わっている。
だから、4時半に起きたぼくは、夜8時半くらいにちょっと眠気がおきてくる。
テレビをみていても、うとうとすることがある。
この眠気を大切にして、この時間くらいから、お風呂に入ったり、ストレッチをしたり、翌日の仕事の再確認をしたりと、眠る準備に入る。
布団に入ってほとんど5分、ぼくは深い眠りに入る。
睡眠薬もいらないし、羊もいらない。酒もいらない。

一日の流れのなかで睡眠をとらえるのが、ぼくの快眠法である。

写真は、雨に打たれて、ピンクの花を散らすエゴノキ

2009年6月21日 (日)

「骨太」の方針2009

何が骨太の方針だ。ふざけている。
2010年度予算編成の基本方針となる、経済財政改革の基本方針2009の原案が示された。
2200億円の社会保障費の抑制は、続けるという。
許せない方針である。

アニメの殿堂なんかいらない。0906074
このブログで1ヶ月以上前から、日本職業能力開発協会に7000億の予算がついたことに批判をしてきた。
コンパニオンを呼んで、乱痴気騒ぎをしたりするようなところに、7000億の予算を使うのはナンセンスである。

6月26日号の「週刊朝日」によると、その中央職業能力開発協会は、雇用・能力開発機構に丸投げをする計画があるようである。
中央職業能力開発協会そのものが無駄が多すぎるのに、渡辺喜美元行革担当相が廃止を訴え続けている雇用・能力開発機構に丸投げをして、二重のピンハネをする。
無駄の上塗りである。
こんなところに7000億円の予算がつき、2200億円の社会保障費の抑制をはずさないという方針は、医療崩壊や看護崩壊、介護崩壊をすすめたいと思っているとしか思えない。

これだけ厳しい目のなかで、こんな脇の甘い計画を立ててしまうということは、国のリーダーとしての能力そのものに問題があるのではないかと思う。
亡国の徒が多すぎる。

志が高い有能なリーダーが必要だ。
なんとかこの国を、あたたかいいい国にしたいと思う。
絶対にできるはずである。
政党とかにこだわらず、おそれすぎずに、みんなが正しいことを言い続けることが大事なのではないだろうか。
どんな政党に関しても、完全にのめりこむのではなく、正しいと思うDamatte自分の意見を表明していくこと。
いま大事なことは、「黙っていられない」という思いである。

そういえば、鎌田には『黙っていられない』(池田香代子、鎌田實著、マガジンハウス)という本があります。
よかったらご覧ください。

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2009年6月20日 (土)

鎌田實の一日一冊(26) ひげとはげの関係

『旅する哲学』(アラン・ド・ボトン、集英社)を持ちながら、旅をしている。
ボトンは、2000年に出した『哲学のなぐさめ』でベストセラー作家になった。
イギリスの哲学者である。

笑ってしまう文をみつけた。
芸術上の努力なるものの疑わしさについて書いた、フローベルの言葉である。
「イタリア人。だれもが音楽的。だれもがあてにならない」とか「オアシス。砂漠の旅籠(はたご)」とか。
なんとも知的で屈折したんフローベルらしい表現である。Photo
そのなかに「ひげ」というのがある。

「ひげ。強さのしるしである。ただし、ひげを伸ばしすぎるのははげの原因になる。ネクタイの保護に役立つ」

腹をかかえて笑ってしまった。
ひげがネクタイの保護に役立つかどうかは、なんともいい加減な表現なような気がするが、はげの原因になるというのは笑ってしまった。
もちろん科学的根拠はない。
ぼくのようにひげが多い人は男性ホルモンが多く、相対的に女性ホルモンが少ない。
体毛やひげは男性ホルモンに支配され、頭髪は女性ホルモンに支配されているので、ひげとはげは実は相関関係がある。
でも、フローベルの表現は間違いである。
ひげとはげは、相関関係になっているが、因果関係ではない。
ぼくがひげを剃ったとしても、髪ははえてこないのである。

「インスピレーション(詩的な)」とは、「海をみること、愛、女性、そのほかによって呼び起こされること」とある。
これなんかは、しゃれているなと思った。
ぼくは『旅する哲学』を持ちながら、あまり哲学的でない旅を続けている。

2009年6月19日 (金)

辻井伸行君の伴奏で鎌田が朗読をした

じゃっかん20歳の辻井伸行君がバン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝した。
すごいことである。
目が見えないのに優勝したからすごいのではなくて、彼の音楽性がすごいのだ。
優れた感性をもち、これだけ動物的に反応できるピアニストはそうはいない。
クラシックの難しい曲を弾くときの、指の動きがすごいだけでなく、感性がすばらしいことは彼のオリジナル曲を聴くとよくわかる。

辻井君がまだ無名のとき、ぼくは彼のピアノにほれた。0906122
ラジオ「鎌田實いのちの対話」では、いつも一流の音楽家が、ぼくの散文詩の朗読の伴奏をしてくれる。
昨年5月、京都から放送したときには、出演が和太鼓奏者がだったために、朗読の伴奏には向かず、CDを使うことになった。
ぼくはあえて辻井君の作曲した曲を2曲、伴奏に選ばせてもらった。
とても朗読しやすかった。
ラジオを聴いた何人もの人たちから、彼のピアノはすばらしいと言われた。

その辻井君が、まさかこんな大きな賞をもらうとは思わなかったが、いつかこの人は天下を取るなと漠然と思っていた。
ぼくがそう思って、ちょうど1年、まさに辻井君は天下を取ったのである。
かっこいいなと思う。
元気のない日本にとっては、ちょっとうれしくなる出来事であった。

2009年6月18日 (木)

異界の入り口紅テント

唐十郎の唐組紅テントをみてきた。
「黒手帳に頬紅を」という作品である。
黒い手帳というたった一つの題材を、イメージを広げて2時間の話にする唐は、天才脚本家だと思う。

唐十郎は、人さらいみたいなことをする。090613
唐十郎にさらわれた人はたくさんいたはずだ。
道を踏み外した人も、いっぱいいたはずだ。
唐十郎は、人さらいだ。

唐十郎は、異形の役者だ。
唐が舞台に出てくるだけで、舞台の空気が変わる。
いろっぽくて、華がある。
ハンサムでないし、若くもないし、よろよろのオッサンなんだが、
肩の力はすべて抜かれて、肩肘をはらない。
不思議な役者だ。
大学教授をしたり、金粉ショーに出たり、全部芝居のために命を張ってきた。

稲荷卓央は、5分間、ひとりでしゃべり通す長セリフを何回もやりこなす。
水槽にもぐったり、歌をうたったり、すごい役者に成長してきた。
藤井由紀も赤松由美もいい味をだしている。
鳥山昌克がブルースを歌い、久保井研や辻孝彦も老獪な演技をみせる。
大鶴美仁音がいい。
異形の唐十郎の芝居は、闇の芝居である。
3 闇のなかに輝くものが少しだけ必要なのだ。
大鶴美仁音は、その闇と光のバランスがいい役者である。
まだ子どもだが、華もあるし色もある。
長いセリフを言うときに、自分流の抑揚のつけ方が少し気にかかるが、大化けするかもしれないと思った。

全盲のピアニスト、辻井信行君がブレイクしているが、1年前にぼくは彼のCDを聞いて、おっと思った。
ぼくのラジオの朗読に使わせてもらった。
それから、たった1年でブレイク。
いいものは必ず、ちょっとしたきつかけさえあれば大化けするのである。
大鶴美仁音もひょっとしたら、いい役者に化ける。そんな気がする。

2009年6月17日 (水)

われわれはどこから来たのか⑨

~~箸墓古墳は卑弥呼の墓か?~~

700万年前、アフリカのサバンナに人類が生まれた。
やがて、人類は旅をはじめ、世界中に広がっていった。
われわれ日本人はどこから、どうやって来たのか。
この問いのヒントを自分なりに探そうと、北極へ行ってイヌイットの族長に会ったり、タヒチのマオヒ族の人と会ったりしてきた。

奈良にある箸墓古墳について、このほど興味深い発表がされた。
放射性炭素年代測定によって、240年から260年の間にできたものらしい、と学会が発表したのである。

この古墳については、3月5日、ぼくはここを訪ね、巨大な前方後円墳のいちぱん先頭のところで写真を撮っている。
そのとき、ぼくは、おそらくここが卑弥呼の墓ではないかと推論をしていた。
卑弥呼は250年ごろに死んだとされているので、古墳のつくられた年代とぴったり合うのである。
周囲には5つほど古墳があるが、この箸墓古墳は桁はずれに大きい。
当時の日本の状況を考えれば、これだけの大きな古墳をつくれる権力者は卑弥呼しかいなかったのではないかと思う。

邪馬台国は三輪山の近くにあった可能性が大きい。
箸墓古墳の近くには纏向(まきむく)遺跡があるが、おそらく邪馬台国の都だったのではないか。
邪馬台国は、日本全土にわたる統一国家ではなく、近畿から中国一帯の地方豪族たちを、卑弥呼が連合の長として束ねるネットワーク型の国家ではないかと思われる。
「邪馬台」は「やまと」と読み、「邪馬台」と「大和」はイコールではないのか。
そして、ここから大和王朝につながり、持統天皇の時代くらいからアマテラスの神話が作られていく。

2009年6月16日 (火)

命を支える鎌田實

鎌田實の命を支える活動の一場面。 NHKラジオ「鎌田實いのちの対話」が大反響。 がんばりすぎず、豊かな生を保つことが大事。 最後にもう一度踊りたい。そば屋の夫婦の夢をかなえるため、病棟のラウンジはダンスホールになった…。(撮影:平成18年)

新型インフルエンザに負けない⑪

~~ついにパンデミック宣言~~

ぼくはすでに2週間前からこのブログで、「新型インフルエンザがパンデミックになったとき」という前提で話をすすめてきた。
パンデミックになったとき、政府はどう対応すべきか書いてきた。

先日、ついにWHOがパンデミック宣言を出した。0906123
ようやく今頃になって宣言をしたのは、パンデミック宣言をしにくい政治的配慮があったのだと思う。
だが、実態は、夏になる北半球ではウイルスの勢いはおさまっても、冬を迎える南半球では当然、ウイルスは活発になる。
人が世界中を動き回るグローバル社会では、すでにパンデミック状態になっているのだ。

ウイルスは、北半球と南半球の冬を行ったりきたりする。循環しているのである。
この循環は、ワクチンつくりに利用されてきた。
つまり、今、冬の南半球で流行っているインフルエンザの型は、北半球が冬になると北半球で流行るということを想定し、その型のワクチンを用意しておくのである。

だから、今回、パンデミック宣言が出たといっても、急に事態が悪化したというわけではない。
個人としてすべきことは、ぼくが繰り返し述べてきたように、手洗いを習慣づけること、うがいをすること、おそれすぎないことである。
仕事も、旅行も、買い物も、ふだんの生活を制限しないことである。
飄々と丁寧に、当たり前のことを当たり前にやっていけばいいのである。

政府がすべきことは、11月までにインフルエンザワクチンをできるだけたくさん用意することである。
タミフル、リレンザなどの抗インフルエンザ薬の備蓄も必要だ。
抗インフルエンザ薬はさいわい、今回のH1N1型に効くことがわかっている。
また、国産の新薬の開発と承認も、透明性を高めたうえで、できるだけ速やかにすすむようにすべきだ。
日本の薬の許認可は、他の先進国に比べて非常に時間がかかり、以前から問題とされてきた。

舛添さんは、くだらない水際作戦でかっこつけている暇があるなら、新薬の許認可の問題に取り組んだほうがいい。
さいわいなことに今回の大騒ぎで、予備試験はできた。
いくつかの反省点はでそろったわけである。
これをきちんと反省し、対策をたてていけば、パンデミック宣言はまったく怖くない。
むしろ、もっとはやく宣言をしても、よかったのである。

写真は、茅野市の夕暮れ。水田に夕日が映える

発見!特Bグルメ(55) 鶏飯弁当

先週末、高崎に講演に行ったとき、主催側のスタッフが用意してくれたお弁当が大ホームランであった。
登利平(とりへい)の鶏飯弁当。650円。
鶏肉をものすごく薄く切って、たたいて、煮て、ごはんの上にのせたシンプルなものであるが、実においしいのだ。

ぼくは全国各地を講演であるいているが、主催側はぼくに気を使って、ある程度贅沢なお弁当を用意してくれていることが多い。
てんぷらやお刺身なんかがついているやつである。たぶん、値段も高い。
でも、こういうお弁当はどこでも食べられる。Photo_2 
ぼくの好みは、その土地でしか食べられないもの。値段は安くても、おいしいものに出合えると幸せになる。

今回、高崎の主催者が用意してくれた鶏飯弁当は、まさにぼくのツボにぴったりだった。
久しぶりの大当たりである。
とても気に入った。
だが、この鶏飯弁当に決定するまで、スタッフはずいぶん迷ったようだ。
750円の炙り豚のお弁当も候補に挙がり、用意してくれていたらしい。
ぎりぎりまで悩んだ末、やっぱり鶏飯だろうということになったが、750円のちょっと肉が厚いほうか、650円の肉が薄いほうかで、また議論になった。
喧々諤々のあと、安くても、肉が薄いほうが味がよく浸みておいしいのではないかということで、「勇気をもって」安いほうの鶏飯弁当にしたという。

大正解であった。
ぼくもこの鶏肉の薄さがとても気に入った。
立派な肉が入っている高いほうの鶏飯弁当より、おいしいのではないかと勝手に想像している。
うれしくなって、この鶏飯弁当のことを講演で話したら、来場者の方たちが帰りに買いに走ったらしい。
お弁当屋さんも、予想外の繁盛に驚いただろう。

この鶏飯弁当は、講演のお弁当で久々の大ホームラン。
岡山県のホルモンうどんに匹敵するくらい、パンチ力があった。
B級グルメばんざい! 

2009年6月15日 (月)

鎌田劇場へようこそ!(21)「グラン・トリノ」

「鎌田先生、観て。感動するよ」Sub2_large 
TBSラジオの大沢悠里さんからすすめられた。
すぐに観にいった。
いい映画である。

監督・主演のクリント・イーストウッドがかっこいい。
しぶいのである。
人間が毅然と生きるとは、どういうことなのか、みえてくる作品だ。
最後のどんでん返しが、なんとも爽やかである。

Sub17かっこいい。
洋服や理屈ではなく、生き方そのものが、かっこいいのである。
「グラン・トリノ」は、人間がかっこよく生きるためのヒントをくれる。

映画っていいなと感じる。そんな映画だ。

病院を隠れ家にするな

鴻池祥肇・元官房副長官が不倫旅行をした。
これはどうしようもない男だからいいとしても、議員特権の無料のJRパスを使っていたのは許されない。
公務以外に使用するのは認められていないはずである。

もっとも問題なのは、政治家が悪いことをすると、すぐ入院することである。
政治家も政治家であるが、こういう人を入院させる病院もおかしい。
国民の目やマスコミの目から逃げるために、前日まで元気だった人が病院に雲隠れするというのは、
国民皆保険制度の医療保険を使っているとすれば、許されない行為ではないか。
医療保険の3分の1程度は国民の税金が投入されている。0906073
不倫騒動から逃げるために、医療保険制度を使うのはおかしい。

麻生さんは、こういう人を友だちとして許してしまうのだろうか。
あなたは、なんでも許しちゃうもんね。
酒に酔っ払ってもうろう会見をした中川昭一前財務大臣もしかりである。
こういう人たちはみんな、この国がどんな状態になっているのか、感じていないんだろうな。

安倍晋三さんはこの国をなげだした。
ぼくはすぐに『なげださない』(集英社)という本を書いた。
庶民はそう簡単にはなげださないのである。苦しくなっても簡単にはなげださない。
ところが、恵まれた人たちは、不倫旅行をしたり、国の代表としてG7の会議にいって酒に飲まれてしまったり。
リーダーたちがこの国をなげだしてしまっている。
安倍さんに手紙を書いて、『なげださない』を贈ろうと思っていたら、福田さんもなげだしてしまった。
安倍さんも、福田さんも、中川さんも、鴻池さんも、みんなこの国をなげだしているように思う。
麻生さん、でも、あなたはなけださなくてえらい。
なげださないかわりに、世襲問題も本気で取り組まないし、天下り問題も本気で取り組まない。
厚生労働省の再編も自分で言い出したわりには簡単に腰砕けになってしまった。
なんだか本気で仕事をしているとは思えない。
やっぱり、リーダーとしてすべきことを、なげだしているのかもしれない。
困ったものである。

写真は、岩次郎小屋の庭。満開の白いニセアカシアの花が甘い香りを漂わせ、ハチを集めている。
紫や青の花々も一斉に咲き出し、涼やかな色で目を楽しませてくれている。
信州の初夏。命の力強さを感じる季節。

2009年6月14日 (日)

鎌田實の一日一冊(25)『美しい朝』と『アントキノイノチ』

さだまさしさんから新しいCDアルバムが送られてきた。
『美しい朝』というタイトルである。
なかなかいいアルバムである。Photo

「ママの一番長い日~美しい朝~」は、13分の長い歌であるが、一つの物語を見事に歌い上げている。
まさしワールドである。
これは、1978年の大ヒット曲「親父の一番長い日」(これが12分30秒だった)のアンサーソングのようになっている。
「親父の一番長い日」の親父が亡くなって、あの世から妻をみ、妻をたたえ、妻をよろしくと語る不思議な歌である。

また、このCDには「いのちの理由」といういい歌がある。
「がんばらんば」という、長崎弁のラップみたいな歌も入っている。
がんばらんばとは、がんばろうという意味の長崎弁。
「がんばらない」のカマタの向こうを張って、敵対心も旺盛な歌をかつてワンコインシングルで発売していた。
さらにお買い得なのは、最近の最大の傑作「私は犬になりたい 490円」が入っている。

ぼくのおすすめは「ママの一番長い日~美しい朝~」と「私は犬になりたい 490円」。
ぜひ、このアルバム『美しい朝』を手に入れてほしい。

今度は、まさしさんから『アントキノイノチ』(幻冬舎、1400円)という本が送られてきた。
新作の小説である。
CDや本が次々に送られてくる。
こんなに次々と曲や小説を世に出して、この人はいったいどんな生活をしているのかと、ちょっと不思議に思ってしまう。

まさしさんは、コンサートで日本中を周り、お酒も好き、ゴルフもやる。
全国各地に友だちがいっぱいいて、コンサートのときには友だちが集まる。
その友だちを大事にしている。
いったい、いつ本や曲を書くのだ。

『アントキノイノチ』を読んだ。
障害のある人や高齢の人たちと一緒にいったグアムで、朝方の静かな時間、海岸べりのデッキチェアに座りながら、一気に読みきった。

Photo_2 へんてこなタイトルである。
この本が送られてきたとき、スタッフが、こう言った。
「さださんから、“アントニオイノキ”が送られてきました」
ぼくは、何のことかわからなかったが、小説のなかには、間違いやすいフレーズであることが書かれている。
ちゃんと計算されているのである。
がんの患者さんが、茅野市にある病院の緩和ケア病棟に入院した、なんていうストーリーも織り込まれている。

憎しみや恨みと、あたたかやさや愛情は、人間の心のなかで混沌とまだら状になっていることが、この小説を読むとよくわかってくる。
悪い奴がいる。
許せない奴がいる。
どこにでもそんな奴はいる。
でも、だんだんに時間がたてば、そんな奴の命も愛おしくなっていく。
アントキノイノチ。
時間というのは、どんな人の命も愛おしくさせてくれる不思議な薬なのだ。

主人公は、亡くなった人の遺品整理を行うエキスパートである。
“おくりびと”のような仕事である。
かっこいい先端医療とは違って、ぼくのやってきた地域医療もどこかで“おくりびと”の世界や、『アントキノイノチ』の主人公たちの世界に似ているところがあるなと思いながら、
感動して読んだ。
胸が熱くなる小説である。
アントニオイノキではなく、アントキノイノチ。
笑ったり、泣いたり、心を揺さぶられてほしい。

2009年6月13日 (土)

「愛のたまご」

諏訪中央病院看護専門学校のホームページが一新された。
若い学生たちの勉強ぶりが伝える画像とともに、「愛のたまご」という曲が流れる。

ぼくは、『がんばらない』や『あきらめない』(ともに集英社)で、看護師のたまごたちの卒業式の様子を書いてきた。
その場面で歌われるのが「愛のたまご」という歌である。
この歌は、学生たちも、教師たちも、そしてもちろんぼくも大好き。
よく人から、どんな歌ですか、聞かれる。
ぜひ、ホームページをご覧ください。
http://www.lcv.ne.jp/~skango/

ぼくのホームページからもリンクできます。

岩次郎小屋の訪問者

090611_2









岩次郎小屋のサンルームに一匹の訪問者。
ほれぼれするような、淡い虹色の羽をもっていた。
梅雨の晴れ間に、トンボもうきうきしているよう。

2009年6月12日 (金)

コチがチェロで奏でる日本の歌「ふるさと」

がんばらないレーベル第3弾CD「ふるさと~プラハの春」発売を記念して行われたチャリティ・コンサート。

アンコールに答えて最終曲、日本の歌「ふるさと」。
チェロの音色がじんと心に響きます。

チェロ:ヴラダン・コチ
ピアノ:有吉 英奈
司会:鎌田 實
2009年3月13日津田ホールにて

CDおよびコンサートの収益金は、JCF、JIM-NETを通じて、イラク、チェルノブイリの医療支援に使われます。

『へこたれない』増刷決定

A 『へこたれない』(PHP研究所)の増刷が決まった。
発売からまだ2週間程度である。
なかなか本を買っていただけない時代に、初版3万5千部を刷ることじたいが、大変な博打のはずなのに、
たった2週間で増刷が決まったという。
ありがたいことだ。

前田真三さんの写真がとても美しい。
その美しい写真に、鎌田の詩のような文をコラボレーションさせた。
「写真と文で、ほっとする」というお手紙をいただいた。
「何度も読み返している」という手紙も多かった。
「泣きながら読んでいます」とたくさんの声が届いている。
「大沢悠里さんのどじょう物語では、もう腹を抱えて大笑いした」という手紙もいただいた。
読者からのうれしい反応に、書いた者としてはとてもうれしい。

心が冷え切っているこの時代に、心がほっとあたたまる本になれば、と思っている。

2009年6月11日 (木)

新連載「ながされない」スタート

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空気は、人に、街に、時代に感染する。
じわじわと広がり、いつの間にか気分を高揚させたり、停滞させたりする。
時には景気だって左右し、経済さえ動かす。
人の行動や生き方までも操っていく。
現代をうまく生き抜こうと、必死に空気を読むが、空気にとらわれ、結局、小さな生き方から出られない。
気概を忘れていく。気が抜けていく。心が鬱々としてくる。
空気に染まるな、空気をつくりだせ。
空気をよどますな、空気をかきまわせ。
それが新しい時代の空気になる。
それが新しい生き方になる。
(集英社「theどくしょplus」ながされない―鎌田實の《空気に負けない》生き方より)

本日11日から新しい連載がスタートする。
タイトルは「ながされない―鎌田實の《空気に負けない》生き方」。
空気に染まらず、流されず、自ら、新鮮で、あったかな空気をつくりだす。そんな勇気ある人たちの物語を展開していく。

第1~4木曜日更新。
月額210円で、ぼくの連載だけでなく、小説やエッセイ、料理などさまざまなジャンルの情報を読むことができる。
1回目のアクセスは無料なので、ぜひ読んでください。Qr_kamata

集英社ケータイ総合読み物サイト「theどくしょplus」のアクセスはこちらから→

ソラマメ

ぼくはソラマメが好き。
それを知って、大学時代の恩師の奥様が毎年、千葉からおいしいソラマメを送ってきてくれる。
そのほか何人かの方も、その地域その地域の旬の時期、採りたてのソラマメを送ってきてくれる。
妻のさとさんも、常にお店でチェックして、手に入るときは買っておいてくれる。
全国を講演などであるいているため、家で夕食をとることは少ないが、夕食のはじめにソラマメが少しでも出ると、ぼくはとてもハッピーなのである。

蔵王の山荘からソラマメが送られてきた。L1010315
温泉山荘だいこんの花。
無農薬、有機栽培の新鮮なソラマメである。
「蔵王の旬の感じていただければ」と手紙がついていた。
この温泉山荘は、ぼくの贔屓の温泉の一つである。
宮城に行くと、ここへ寄る。
山の中に各部屋が散在していて、部屋ごとに露天風呂がついている、ちょっと心が休まる山荘である。
おもてなしの心も行き届いている。
ホスピタリティーがいいのである。
ぼくの本のなかにも、何回か温泉山荘だいこんの花を取り上げた。

この日、蔵王の旬を感じながら、ソラマメを味わい、幸せ気分を満喫した。

写真は、温泉山荘だいこんの花でくつろぐカマタ。

2009年6月10日 (水)

今月のカマタをご覧ください

『朝礼・スピーチに使える座右の銘77』(文春文庫編集部・編)が文春文庫から発売された。
いろんな人の珠玉の言葉を集めている。Photo
そのなかに、アランの言葉「幸福だから笑うのではない、むしろ笑うから幸福なのだ」というぼくのエッセーが載っている。
よろしければ、ご覧ください。

「週刊朝日」で連載真っ最中の「言葉で治療する」は、いよいよ14回目。
医療や福祉の場だけでなく、人が癒され、元気になっていくために、言葉のもつ力は大きい。
そんな言葉の大事さを、事例を紹介しながら展開している。

7 月刊誌「潮」7月号では、原田泰治さんとの対談を繰り広げている。
これから、いろいろな人と、家族をテーマに対談していく予定である。

月刊誌「健康」では、鎌田流トマト寒天のレシピが紹介されている。

「日経マネー」7月号では、あたたかな資本主義をめざし、公共投資について考え方を変えるべき、と鎌田の持論を展開している。
ぜひ、ご覧ください。

先日のグアム旅行の写真、アップしましたのでこちらもどうぞ。

http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-b985.html

http://kamata-minoru.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post-9e9c.html

2009年6月 9日 (火)

新型インフルエンザに負けない⑩

~~マスクより、ワクチン生産を~~

政府が11月までに2000万人分の新型インフルエンザワクチンを用意できると発表した。
ぼくは、5000万人分を用意すべきと思っているが、今回の政府の対応は、数こそ少ないが、まあまあ上出来。
季節性インフルエンザのワクチンも、今年の冬には昨年並みの数が用意できつつあると聞いている。
これもたいしたものである。
マスクを24時間体勢で増産するより、ずっと大事な対応だと思う。
舛添さんえらい。

しかし、今回の新型インフルエンザが、今後最も注意しなければらない本丸の鶏インフルエンザの予行演習だと考えるならば、やはり5000万人分のワクチンを生産できるシステムくりが必要である。

いままでワクチンは、半年間で3000万人分くらいを生産できるといわれてきた。0906071
今後は、生産能力を大幅にアップさせる必要である。
ウイルスの同定後、4ヶ月で新しいワクチンを生産する、すばやい体制づくりも必要である。
そのためのお金は、国が援助してもいいはずである。

ワクチンは、世界中で必要になるから、5000万人分という数字は決して過剰にはならないと思う。
日本で余ったワクチンをほかの国に販売したり、作り方を教えたりすることによって、世界の命を守りながら、資本主義社会のなかで利益をあげることだってできるわけである。
もしかしたら、これが日本の新しい役割になるかもしれない。

ワクチンは、パンデミック対策に不可欠なのである。
国民の半分以上が新型インフルエンザに感染したり、ワクチンをすることによって、新型ウイルスにふれてしまえば、ある程度免疫力がつく。
新型はもはや新型ではなくなっていく。
このようにできるだけ新型インフルエンザを暴れさせないようにつきあっていくことが、新型インフルエンザから命を守る方法になるのだ。

スペイン風邪は1918年に発生し、翌19年冬が最も死亡率が高かった。
これを今回の新型インフルエンザに当てはめると、2010年の冬は特に注意が必要だ。
したがって、この冬は今回の政府の対応でいいと思うが、2010年に冬に備えて、やはり5000万人分のワクチンを生産できるシステムをつくっておくべきだと思う。

写真は、岩次郎小屋のベランダの木。
庭に生えていた木を切りたくなかったので、ベランダを作るときに、穴をあけて木を守った。その木が健気にも、美しいピンクの花を咲かせている。

2009年6月 8日 (月)

鎌田實の一日一冊(24)イラクの子どもたちの声を聞いて

日本イラク医療支援ネットワークの事務局長をしている佐藤真紀さんと、児童文学作家の本木洋子さんが、
『おとなはなぜ戦争をするの2 イラク編』(新日本出版、1890円)という本を出した。

大人はなぜ戦争をしてしまうのか、イラクの子どもたちの視点から書いている。
ガレキの町で、白血病や骨肉種と闘う子どもたちが出てくる。
子どもたちは、病気と闘いながらも、病院や家庭、難民キャンプのなかで勉強を続けている。Photo_2
勉強をすることが、いつか自由に羽ばたける可能性をつくってくれる。子どもたちはそう信じて、勉強をする。
そして、子どもたちはたくさんの絵を思いのままに描く。
その子どもたちの絵が、この本の柱になっている。

子どもたちの絵をみると、かつてイラクはどんな国だったのか、よくわかる。
その国を、大人たちが戦争でずたずたにしてしまったことが、よくわかる。
でも、子どもたちの心は、まだ死んでいないことがわかる。
子どもたちは、イラクが好きなのである。
そして、いい国に戻ることを望んでいるのである。
元サッカー選手の中田英寿さんが、ぼくたちが支援している脳腫瘍の4歳の女の子イラフちゃんのアパートを訪ねたときの写真が出てくる。
イラクのお父さんやお母さんたちが、どんなに子どもを大切にしているかもわかってくる。

白血病や小児がんになった子どもたちは言う。

「それでもぼくたちは生きています。
私たちは戦争が好きではありません。
大人たちはなぜ戦争を起こしたの。
私たちは平和だけが好きなのに。
そう私たちは戦争はきらい。そして怒っています。
私たち子どもはなぜあなたたち大人が戦争を始めたのか聞きたいのです」

ぜひ、イラクの子どもたちの声を聞いてもらいたいと思う。

B級グルメ ラードたっぷりの焼きソバ

090602 新宿西口の思い出横丁。
ぼくが学生時代には、しょんべん横丁とか、ごきぶり横丁とか言っていた。

そこにある若月というラーメン屋のソース焼きそばが、ときどき食べたくなる。
ラードたっぷりで、不健康な感じがする焼きそばである。

2009年6月 7日 (日)

新型インフルエンザに負けない⑨

~~空気を運ぶ~~

1 障害者やがんの患者さんたちを連れて、グアムに行ってきた。
往復の飛行機はガラガラたった。
まるで空気を運んでいるようである。
グアムについても、ガラガラだった。6~7割が日本人のグアム観光にとって、大きな打撃になっているという。
以前から国内では、新幹線に乗っても座席はガラガラだった。

空気を運んでいる。
これでは経済が成り立たない。
必要な情報を提供し、必要な注意をして、必要な生活を当たり前のようにおこなわないかぎり、ぼくたちの国は崩壊してしまう。
舛添さんのパフォーマンスについて、ずっと批判してきたが、5月25日の参院予算委員会で、舛添大臣は「いちばんの盲点は、島国なので水際作戦を一生懸命やろうとしていたこと」と、水際作戦の検疫を重視しすぎたことを反省していた。
こういうところは、えらい。
はじめてのことなので、試行錯誤はありえる。

ぼくがずっと言ってきたことが、だんだん明らかになってきた。
5月16日に国内ではじめての感染例が報告された。
だが、後に5月5日に渡航歴のない男子高校生が感染していたことがわかった。
この高校生が5日に発症したということは、潜伏期間を考えると、おそらく5月はじめか4月末に感染していたことになる。
しかも、この高校生は海外に行っていないので、渡航歴のある人から感染が何回か繰り返された末、この高校生にたどりついたわけで、すでに氷山の一角を見つけたに過ぎないことが推測される。

だから、どうしたらいいかというと、世界的な常識である感染症対策マニュアルにのっとって、きちんと対処することである。
それ以上のことをヒステリックに行わないことが大事なのである。2
それは、うがいと手洗い。
それから、かぜ様の症状が出た人は人中に出ないこと。かぜの人が無理をしないで休める空気をつくることが大事なのである。
今までは「かぜくらいでは休まない、働くべき」というのが日本中の空気であった。
だが、これからは、かぜの人は学校や職場には顔を出さないという空気に変えていくべきである。
それは怠けているのではなく、感染症対策としての常識であり、知恵なのである。
がんばらないと認めてもらえないような日本の社会の空気を変えることである。

それから、もう一つ大事なことは感染症になることは不可抗力である。
その人にとっては不条理である。
感染症になった人たちを犯人のように扱うことは絶対に避けたい。
結核、ハンセン病、HIV、一時期のC型肝炎。
感染症と戦う新しい時代では、そういう人たちを排除したり、色眼鏡でみるのではなく、どうしたら広がらないようにするか科学的に考えることである。

たとえば、今回のグアム旅行に際して、ぼくたちは無謀で敢行したのではない。
事前に、グアム政府観光庁と何度もやりとりをし、きちんと情報を把握し、参加者に情報を公開した。
そのうえで個人が自分の責任で判断すればいいのである。

グアムでは、一人だけマスクをつけている日本人を見た。
一例も感染例が報告されていないグアムで、マスクは必要ないと思うのだが、これも厚生労働省がマスク、マスクと騒いだことが原因なのだろう。
マスクが本当に必要な人はわずかである。
たとえば、病院で医療を行う医師や看護師は、命を守るために必要である。それは、空気感染もある程度防げるといわれている医療用のマスクである。
普通のときにはマスクは必要ないのである。

われわれの国は空気に弱い。
なくとなく漂っている空気に敏感に反応して、ながされてしまう。
生き方を小さくしてしまう。
個性を失ってしまう。
そんな空気について、さまざまな角度から連載を展開していこうと思う。
タイトルは、「ながされない―鎌田實の《空気に負けない生き方》」。
集英社の携帯サイト「theどくしょplus」で第1~4木曜更新する。

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第1回は、6月11日。はじめの1回目は無料で読めるので、ぜひ読んでください(2回目からは月額210円)。
Qr_kamata

アクセスはこちらからできます→

なんじゃもんじゃの木

ちょっと変わった名前のこの木は、岩次郎小屋の自慢の木。090527
白い花が咲き、葉っぱの上に雪が降ったように見える(右の写真)。
へんてこな木である。
これは何の木かと聞かれて、はっきり説明ができず、なんじゃもんじゃ・・・と答えたので、その名がついたといわれているが、定かではない。

090527_2 ここ数日で、急に芽吹いてきたのはニセアカシアだ(左の写真)。
今まで枯れてしまったように見えていたのに、一気に芽が出て、新緑の羽を広げたようになった。
これから数日すると白い花が咲くだろう。
可憐な花が咲くと、ミツバチがたんさん集まってくる。
ニセアカシアの蜂蜜は、わりあい高級品なのだ。

このニセアカシアの花の天ぷらは、たいへんおいしい。
岩次郎小屋の庭先は、このニセアカシアの甘い臭いで、むんむんとしている。

2009年6月 6日 (土)

夜明け、コーヒー、490円

さだまさしからシングルバージョンのCDが送られてきた。
「私は犬になりたい 490円」

ぼくは毎朝4時半に起きると、窓を開けて、朝日が昇るのを見ながら、コーヒーをいれ、音楽をかける。
これが朝のスタートである。Photo_2
さだまさしのCDを聞いて、一人で腹をかかえて、大笑いしてしまった。

《安いお弁当選んで買ってみても490円。でも、みそ汁つかない》

なんだか、わけのわからない歌詞で始まる。
ずっと、490円で買えるものが歌われていく。
《でも、みそ汁つかない》
このフレーズが繰り返される。
大笑いである。
なんとなく心配になったフレーズもある。

《京成上野から実籾(みもみ)まで行っても470円。でも、実籾で何をする》

実籾に住んでいる人はちょっと怒るかもしれないが、やっぱり笑ってしまった。

頭のいい人だなと思った。
何から何まで490円でカタをつけようとしているところが、じつにおかしい。
とにかく490円というので一曲になり、それが大笑い。
極めつけは、このCDが490円。手がこんでいるのである。

このごろ社会が暗くなっている。
さだまさしのこの歌は、くだらなくて、明るくて、じつにいい。
この時代にぴったりである。
間違いなく、笑いに引き込まれるので、どうぞ、聞いてみてください。
心があたたまると思う。

またまたグアムより

18 横井さんが隠れていたジャングルや穴を見てきた。
このような穴ぐらに28年いたというのは、すごいことだ。17_2





先住民チャモロ人とココナツのジュースを飲んだ。
「どこに住んでいるの?」と訪ねると、「ジャングル」と彼。
なんだか、笑ってしまった。

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日本人のルーツの一つに、ポリネシアから黒潮にのってやってきたルートがあるようだ。
22今年3月、タヒチを旅したときなどに、そのことに興味をもち、このブログにも書いてきた。
南方から日本に伝わってきた文化があるのではと思い、グアムの石の遺跡に興味を持った。
しかし、これは神殿とか、祈りの場ではなく、高床式の柱の跡だったようで、どうもぼくの思いとは違って残念だった。



グアムの夕暮れの海は、とても美しかった。

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2009年6月 5日 (金)

がんばらないレーベルチャリティコンサート

2009年3月13日、がんばらないレーベル第3弾CD「ふるさと~プラハの春」(ヴラダン・コチ)発売を記念して行われた、チャリティーコンサートの一部をご覧ください。

主催:日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)、日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)
チェロ:ヴラダン・コチ
ピアノ:有吉 英奈
司会:鎌田 實
会場:津田ホール
全9曲演奏されたうちの第1曲、ソナタ ホ長調(G.ヴァレンティーニ)

CDおよびコンサートの収益金は、JCF、JIM-NETを通じて、イラク、チェルノブイリの医療支援に使われています。

鎌田實の一日一冊(23) 江戸の岩次郎

『早刷り岩次郎』(朝日新聞社)は、山本一力さんの小説である。
主人公は、釜田屋岩次郎。瓦版屋のおやじである。
正義感が強く、流れを読むのがうまい。

瓦版を創刊しようというとき、不審火のニュースが飛び込んでくる。
まず、付け火をしたのではないかとささやかれている男の人相書きを目撃者からつくり、号外を出した。
当時、字が読めない人たちがたくさんいたため、できるだけ絵の多い瓦版にした。
これが成功する。
2回目の号外では、火消したちの命がけの活躍を書いた。Photo
この瓦版が、江戸中で評判になった。
3回目の号外では、容疑者逮捕のニュース。
1回目の号外の人相書きを見たから犯人が捕まったのだ。
こんなふうに瓦版屋の岩次郎は、情報戦略という画期的な仕事として、大成功するのである。

釜田屋岩次郎は、ぼくの父をモデルにしている。
以前、一力さんに父の話をしたことがある。
「鎌田岩次郎の性格をそのまま、舞台を江戸に移して、瓦版屋として活躍させるけれどいいか」という許可を得てきたので、どうぞ、という話になった。

鎌田岩次郎も、あの世で満足しているのではないかと勝手に想像している。
岩次郎小屋という名前をつけたとき、「家の名前で遊ぶな」とか、ぼくの子どもの名前の件で「子どもの名前で遊ぶな」と、いつも怒っていたオヤジなので、
今度は「おれの名前で遊ぶな」と言われそうな気がしないでもない。

この『早刷り岩次郎』の後半は、いまの日本経済と関係している。
不景気になり、財政難になり、粗悪な二部金を幕府はつくることでしのごうとする。
その人気のない二部金を、「二部金は使いやすいお金だ」と江戸の町民たちに宣伝してほしい、と言われた。
権力が、マスコミを買収しようとしたのである。
もちろん、釜田屋岩次郎は反抗する。レンジスタントを起こす。

山本一力さんの本は、江戸時代の話でありながら、現代に置き換えることができる本が多い。
ぜひ、この本を読んでほしい。

グアムより

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グアムでは、旅の仲間たちと海辺でおしゃべりをしたり、海に入ったり。
目の不自由な方も積極的に海に出て、全身で海を満喫した様子だ。
今回の参加者の最高齢は、90歳。花を髪にさして、とてもきれいだ。
雨が降ってきて、泳ごうか迷っていたが、最後に思い切って海に入り、「やっぱりよかった」と大満足である。

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ホテルのロビーで、鎌田實の命の講演をした。

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この旅には、ご主人と奥さん、お嫁さんとお姑さん、お母さんと娘さん、お姉さんと妹さん・・・というさまざまな関係の家族が参加してくれた。
酸素を吸っている肺疾患のご主人や、筋萎縮性側索硬化症の方、大腸がんで肝臓転移がある方、肺の中皮腫の方など、それぞれ病気を持ちながらも、みんな明るいことに驚かされた。
これも、旅の効用かもしれない。
ふだん介護しているご家族も、グアムでのびのびと羽を伸ばし、気晴らしになったようだ。

2009年6月 4日 (木)

グアムにやって来た!

2日、東京でベストファーザー賞の授賞式に出て、100人以上のマスコミのインタビューを受け、慌しく飛行機に乗り込んだ。
夜中にグアムに着いて、翌朝から旅の仲間たちに会った。なかには何度も一緒に旅をしている顔なじみの人も少なくない。
新型インフルエンザ騒ぎで、当初115人の参加予定が、85人になったが、みんな来てよかったと大はしゃぎである。

0906051 今回の旅行を、家族に反対されたというおばあちゃんは、「車椅子だけれど、私は行きたい」と一人でやってきた。
偶然、おばあちゃんと同室になった女性は、5年間、筋萎縮性側索硬化症のご主人を家庭で介護してきた。
昨年秋、上諏訪温泉で「鎌田實と温泉に行こう」という催し物があり、ご夫婦で参加してくれた。
ご主人は、「来年はどうしてもグアムに行くんだ」と夢を語ってくれた。
しかし、今年の冬、ご主人は肺炎を起こし、亡くなったという。
奥さんは、泣きながらぼくに話してくれた。
「夫の写真を持って、夫が来たかったグアムに来ました。以前、夫との旅のときにトラベルサポーターにお世話になったので、今度は私が恩返しをしたいと思いました」
今回の旅では、彼女がトラベルサポーターとなり、同室になったおばあちゃんの車椅子を押し、2人で町を散歩したり、買い物をしたりして楽しんでいるという。

昨年のハワイ旅行に参加してくれたご夫婦の顔もあった。
ご主人は認知症が進み、車椅子の上で体をこわばらせていた。
奥さんは、その車椅子を押しながら、こう言った。
「先生、サプライズです。このためにやってきました。ハワイで、来年のグアムは必ず歩けるようになると先生と約束しましたが、夫をみてあげてください」
ご主人がニコっとステキな笑顔を見せた。自信ありげである。
そして、車椅子から立ち上がり、歩き出したのである。しかも、途中からジョギングのようなポースをとって、走り出しさえしたのである。13
顔には満面の笑みをたたえて。

昨年、ハワイで金婚式をするという夢をもち、車椅子から離れた上山さんも、車椅子を持 たず、奥さんと来てくれた。
懐かしい。同窓会みたいである。
旅での出会いが、今も生きている。
旅には不思議な力があることがわかる。

大腸がんで肝臓に6個の転移があり、厳しい状態に追い込まれている奥さんと、その奥さんを支えているご主人。
奥さんは気丈で、にこにこしながら「免疫力を高めるために来ました」と言う。
ご主人は、泣き笑いである。
笑ったり、ほろほろしたりしながら、「夫婦でいい旅をしています」と言う。

お父さんと娘との旅もあった。はじめての旅だという。
娘さんは、乳がんを克服し、肺がんの一種の病気になり、脳卒中を起こし・・・次々に病気と闘っている。
そのお父さんが娘を支えながらやってきた。いい雰囲気である。
ぼくは、ベストファーザー賞なんてもらってしまったが、このお父さんをみて、いいお父さんだなと思った。
ベストファーザーは、日本中にいっばいいるんだ、と思った。0906052

多発性繊維筋痛症と膠原病を併発し、まったく歩けなくなったお母さんは、小学校6年の息子と2人で来ていた。
2人で暮らしているという。2人は明るい。
お母さんを車椅子にのせたり、サポートしている息子。
その息子は、旅の間にいろんな友だちをつくり、若い女性とガールフレンドのように親しくなった。
若い女性は、いろんな事故やストーカーまがいの被害に遭い、人に傷つけられ、苦しんでいた。
小学校6年生の坊やの面倒をみながら、自分の傷ついた心を癒しているように見えた。

みんな癒したり、癒されたりしている。
癒しの旅はまだまだ続く。

地域医療研究会 全国大会のお知らせ

「地域医療研究会全国大会2009in長野」が8月22、23日に長野市で開かれる。
テーマは「地域の再生、地域医療の再生」。
大会長は佐久総合病院の院長の夏川周介さんがつとめる。

この会は、日本の地域医療を第一線で引っ張ってきた人たちの集まりである。
全国から、地域医療に取り組む医師や看護師、保健師、介護士など、医療、福祉にかかわる幅広い職種の人たちが参加する。
日本の医療や介護に対して、幅広く、新しく、先鋭的な議論が交わされるに違いない。
ぜひ、興味ある人は参加してほしい。

詳しい内容は、こちらへ。

2009年6月 3日 (水)

新型インフルエンザに負けない⑧

~~ワクチン生産、新薬開発を急げ~~

新型インフルエンザのウイルスが同定できた以上は、6ヶ月後にワクチンはできるはずだ。
安全試験などを手際よくやり、できるだけ早く生産体勢を整えて、市場に出すことが大事である。
同時に、鳥インフルエンザに対応するプレパンデミックワクチンの準備も進めていけるよう、緊急経済対策としてのお金を投入し、国民の安心を高める必要がある。

治療薬の開発も重要である。
タミフルという薬はスイスのロシュという会社の薬である。外国の薬を販売権を買って、売っているだけにすぎない。
国産の抗インフルエンザウイルス薬をつくり、世界に売り出せるようにしていく必要がある。
国は、治験の体制作りなどもすすめてきているが、そのあとの認可までに時間がかかりすぎている。
一気に挙国体制で、科学者も行政マンも企業も、タミフルやリレンザ(英国の薬)に代わるような新しい抗インフルエンザ薬をつくり、早く認可できるようにすべきである。

国内の新薬開発事情では、第一三共製薬の噴射型の抗インフルエンザ薬を年内にも申請する予定で、最もすすんでいる。
新型インフルエンザにも十分効く可能性があるといわれている。
できるだけ早く安全を確認して、販売できるようにすべきである。
塩野義製薬でも、ベラミビルという注射薬を製造中である。
富山化学工業では、T-705という飲み薬を研究している。
この3つとも、じつに可能性のある薬である。

国が企業に直接お金を投入するのは難しいかもしれない。
だが、人類とインフルエンザとの戦いのための研究という大きな枠組みの予算をつくり、抗インフルエンザ薬やワクチンを研究している企業に申請させて、そのうちの可能性のある研究を育て、できるだけ早くいい薬をつくり、できれば世界に売り出せるようなシステムをつくっていくことが大事なのではないかと思う。

2009年6月 2日 (火)

ベストファーザー賞

9_2 ベストファーザー賞を受賞した。7 思っていたより、たいへんな賞だったようだ。

ぼくのほかには、 芸能部門ではつるの剛士さん、スポーツ部門ではイケメンハンドボール選手の宮崎大輔さんなど。
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授賞式のあと、彼らと一緒に、マスコミ200人に囲まれて、インタビューを受けた。

鎌田實の一日一冊(22) 

Photo 『知地の福祉力』(市川一宏著、人間と歴史社、1785円)の中で、著者の市川一宏先生と鎌田が「地域に生きるために」というテーマで対談している。

福祉に興味のある人はぜひご一読をおすすめします。

新型インフルエンザに負けない⑦

~~原則から外れた対応~~

新型インフルエンザの感染例が国内で報告される前、厚生労働省は水際作戦と称し、アメリカやカナダ、メキシコからの飛行機に対して、機内検疫を行ってきた。
現在は、もうしていないが、もともとばかげた話であった。
アメリカからの飛行機には検疫の網をかけたつもりでも、アメリカからヨーロッパへ行って日本に入ってくる人だっている。
結局、ウイルスを完全に水際で抑えることは、いまのグローバル社会ではできないのである。
完全にできないことを、まるでできるかのようにはしゃいで、自分たちはいい仕事をしていると、見せかけだけの実のないことをしている。
自分たちがはしゃくのはいいが、水際作戦をやっておいて、もれてしまったときの国民の不信感はなかなかぬぐえない。
今回は、アメリカから帰国した2人の高校生の感染をチェックできなかった。
このことに批判の声もあるが、もともとできないことをしようとしたことが間違いなのである。

感染症対策は、感染対策マニュアルというのがあり、原則通りにすれば、十分抑えることができる。
感染対策として、原則的でないことはしないことである。

~~☆~~☆~~☆~~

これから、障がいをもつ人やがんのある人たちとグアム旅行に行ってくる。090602
先陣はもうグアムに入っていて、ぼくもこれから追いつこうと成田空港に来て、驚いた。
ほとんど人がいない。がらんとしているのだ。
新型インフルエンザで、みんな渡航を控えているらしい。
日本の経済がますます心配になった。

今回の旅には、最終的に87人が参加してくれた。
すでにみんなはグアムに到着していて、グアム観光局の人から大歓迎されたという。
グアムにはまだ新型インフルエンザの感染例は一例も出ていないが、観光客がめっきり減り、沈んでいたという。
そこにぼくらのツアーが行ったものだから、「久々にいいニュース」と、町中で歓迎してくれているようだ。

グアムでの様子は、またご報告しますので、お楽しみに!

2009年6月 1日 (月)

発見!特Bグルメ(54)大沢悠里さんと食事

大沢悠里さんと食事をした。0905315
NHKのお天気お姉さんで、おじさんたちのアイドル、半井小絵さんもご一緒した。
半井さんのお母さんは、ぼくの本のファンだという。
「ぜひ、鎌田先生とご飯を食べていらっしゃい」と送り出されてきたというが、ご本人はぼくの本にはあまり関心がないみたい(笑)。0905312 ぼくは昔から、年配の女性からもてるらしい。
半井さんを囲んで、大沢悠里さんと2人で話がはずんだ。
もしかしたら、おじさん2人は鼻の下をのばしていたかもしれない。

0905313 大沢悠里さんは、髪の毛がふさふさしていて若く見えるが、ぼくよりも年上。
いつも会うと、ぼくの知らない東京のおいしいところに案内してくれる兄貴のような存在だ。

この日は、銀座のうかい亭に連れて行ってくれた。
←あわびの塩釜焼きは絶品だった。0905314

デザートには、レモンのアイスクリームをふわふわのメレンゲで包んだものが出てきた→。

「空気みたいなデザート」と思い、最近、空気にこだわって原稿を書いているぼくはニンマリした。

新型インフルエンザに負けない⑥

~~おたおたしない~~

10日ぼと前、名古屋で味噌煮込みうどんを食べ、大阪に寄り、和歌山で開かれた国保の現地研究会に行ってきた。
大阪に入ると、マスクの人たちが目立った。
もちろん、ぼくはマスクはしていない。そんなに効果が期待できないからである。
してもかまわない。
新型インフルエンザ騒動で、元気な人たちが行動を自粛してきた。
関西では、36万人の宿泊がキャンセルされ、約43億円の損失が出ているという。
おかしなことである。
ぼくは自粛はしない。
手洗いとうがいをきちんと行い、今まで通りの鎌田流の生き方をする。
食べたいものを食べに、食堂にも入る。
行きたいところに出かけていく。
こういう不況のときに、人が動き、ものを買ったり、食べリすることが大事なのである。

人を批判しあって、不安過剰社会をつくりだしている。
ぼくの最新刊『へこたれない』は、「おそれない」「悩まない」「欲張らない」「おたおたしない」「へこたれない」という5章の構成になっている。
今、おそれすぎる社会なのである。
おたおたしすぎる社会なのである。
みんな一つの空気に感染していく。
政府の力のなさと、マスコミの影響で、インフルエンザに感染しないのに、悪い空気に感染してしまっている。
新型インフルエンザに感染した高校生や学校を責めたり、高校生たちと同じ電車を利用している客が、もし感染したらどうするんだ、と非難の電話をするという。
同じ電車に乗ったからといって、簡単には感染しない。
おたおたしすぎである。。
感染したかもしれない子と一緒の電車に乗ることを、そんなにおそろしがっているのだとすれば、インフルエンザの患者をみているぼくたち医師や看護師たちはどうしたらいいのだ。
しかも、ものすごい悪条件のなかで、医師や看護師は患者を拒否することもせず、きちんと治療しているのである。
インフルエンザだけではない。
結核の患者さんでも、エイズの患者さんでも、ぼくたちの社会はつねに感染症と戦っているのである。
ヒステリックにならないこと。
不安過剰にならないこと。
中傷しないこと。
感染した人は不可抗力である。
そのうえ非難されるのは不条理である。

鎌田實の本、絶好調!

Yakusoku 『がんばらない健康法 「7悪3善1コウモリ」の法則』(朝日出版社)の3刷が決定した。
「わかりやすい」「ほかの本では触れていないようなことが多く書かれている」と評判のようだ。
『いいかげんがいい』(集英社)も増刷するということで、快調に走り続けている。
最新刊『へこたれない』(PHP研究所)もたいへん引き合いが多く、予想外にいい展開をしている。

黒柳徹子さんと鎌田實の共著『ずっとやくそく』(ソフトバンク社)という刺激的な本が、台湾で翻訳出版された。
黒柳さんや鎌田のメッセージが台湾の人にどんな形で届くか楽しみである。

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