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2009年6月 1日 (月)

新型インフルエンザに負けない⑥

~~おたおたしない~~

10日ぼと前、名古屋で味噌煮込みうどんを食べ、大阪に寄り、和歌山で開かれた国保の現地研究会に行ってきた。
大阪に入ると、マスクの人たちが目立った。
もちろん、ぼくはマスクはしていない。そんなに効果が期待できないからである。
してもかまわない。
新型インフルエンザ騒動で、元気な人たちが行動を自粛してきた。
関西では、36万人の宿泊がキャンセルされ、約43億円の損失が出ているという。
おかしなことである。
ぼくは自粛はしない。
手洗いとうがいをきちんと行い、今まで通りの鎌田流の生き方をする。
食べたいものを食べに、食堂にも入る。
行きたいところに出かけていく。
こういう不況のときに、人が動き、ものを買ったり、食べリすることが大事なのである。

人を批判しあって、不安過剰社会をつくりだしている。
ぼくの最新刊『へこたれない』は、「おそれない」「悩まない」「欲張らない」「おたおたしない」「へこたれない」という5章の構成になっている。
今、おそれすぎる社会なのである。
おたおたしすぎる社会なのである。
みんな一つの空気に感染していく。
政府の力のなさと、マスコミの影響で、インフルエンザに感染しないのに、悪い空気に感染してしまっている。
新型インフルエンザに感染した高校生や学校を責めたり、高校生たちと同じ電車を利用している客が、もし感染したらどうするんだ、と非難の電話をするという。
同じ電車に乗ったからといって、簡単には感染しない。
おたおたしすぎである。。
感染したかもしれない子と一緒の電車に乗ることを、そんなにおそろしがっているのだとすれば、インフルエンザの患者をみているぼくたち医師や看護師たちはどうしたらいいのだ。
しかも、ものすごい悪条件のなかで、医師や看護師は患者を拒否することもせず、きちんと治療しているのである。
インフルエンザだけではない。
結核の患者さんでも、エイズの患者さんでも、ぼくたちの社会はつねに感染症と戦っているのである。
ヒステリックにならないこと。
不安過剰にならないこと。
中傷しないこと。
感染した人は不可抗力である。
そのうえ非難されるのは不条理である。

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