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2009年6月 3日 (水)

新型インフルエンザに負けない⑧

~~ワクチン生産、新薬開発を急げ~~

新型インフルエンザのウイルスが同定できた以上は、6ヶ月後にワクチンはできるはずだ。
安全試験などを手際よくやり、できるだけ早く生産体勢を整えて、市場に出すことが大事である。
同時に、鳥インフルエンザに対応するプレパンデミックワクチンの準備も進めていけるよう、緊急経済対策としてのお金を投入し、国民の安心を高める必要がある。

治療薬の開発も重要である。
タミフルという薬はスイスのロシュという会社の薬である。外国の薬を販売権を買って、売っているだけにすぎない。
国産の抗インフルエンザウイルス薬をつくり、世界に売り出せるようにしていく必要がある。
国は、治験の体制作りなどもすすめてきているが、そのあとの認可までに時間がかかりすぎている。
一気に挙国体制で、科学者も行政マンも企業も、タミフルやリレンザ(英国の薬)に代わるような新しい抗インフルエンザ薬をつくり、早く認可できるようにすべきである。

国内の新薬開発事情では、第一三共製薬の噴射型の抗インフルエンザ薬を年内にも申請する予定で、最もすすんでいる。
新型インフルエンザにも十分効く可能性があるといわれている。
できるだけ早く安全を確認して、販売できるようにすべきである。
塩野義製薬でも、ベラミビルという注射薬を製造中である。
富山化学工業では、T-705という飲み薬を研究している。
この3つとも、じつに可能性のある薬である。

国が企業に直接お金を投入するのは難しいかもしれない。
だが、人類とインフルエンザとの戦いのための研究という大きな枠組みの予算をつくり、抗インフルエンザ薬やワクチンを研究している企業に申請させて、そのうちの可能性のある研究を育て、できるだけ早くいい薬をつくり、できれば世界に売り出せるようなシステムをつくっていくことが大事なのではないかと思う。

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