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2009年7月 9日 (木)

鎌田實 日本経済への提言31

~~茨城県医師会の場合~~

資本主義社会は、お金が回らないと息も絶え絶えになる。
それが現在の不況を生み出している。
安心を生み出すには、2200億円の社会保障費の抑制をやめること、とぼくは数年前から言い続けている。

自民党の総務会では、なんとなく抑制しないというムードでまとまったようだが、文言を入れなかった。
茨城県医師会の原中勝征会長と講演会場で話したことがある。
原中会長は、自民党が医療や福祉を大事にしないことに異議を申し立てている。
茨城県医師会の政治団体である茨城県医師連盟では、まず幹部10人が自民党を離党。
そして、それぞれ医師会員に自由に判断してもらった結果、明確に党員を続ける人は46人で、3462人の党員のうち、1256人が自民党に離党届を出したという。
離党届を出し、明確に意思表示をした人以外の人は、おそらくそのまま党費を払わないことによって、自然脱退することになるだろう。0906302 
おおかたの人が会長の意見に同意したという。

医師会は、自民党の最も強力な応援団である。
それがひび割れ出している。
与党の自民党の方針が医療を抑制させ、医療崩壊を起こしている。
その結果、国民は安心ができず、財布のひもを締めてしまう。
経済は動きださない。
税金を使った公共投資というカンフル剤を何度も用いているが、動かない。
いま大切なのは安心の国づくりである。

これに対して、茨城県医師連盟は勇気をもって声を出した。
このことがいいことかどうかというよりも、「政府が言うならばしかたない」と思わないことが大切である。
みんなが空気に染まり、思考停止してしまわないことである。
医師会員だから、現在の権力にすり寄るというのではなく、医師だからこそ、国民のための医療を行うためにはどういう政治が必要か、
一人ひとりがきちんと考えて行動を起こすことである。
空気に負けない、空気に染まらない判断を、茨城県医師会は判断をしたように思う。

みんながそれぞれの立場で、この国をどうしたらいいか、考える大事なときにきている。

写真は、諏訪中央病院の庭

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