われわれはどこから来たのか⑭
~~くらいところ~~
ゴーギャンの「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」には、闇が描かれている。
一見、何も描かれていないように見えるが、実は、ここに大切なものが描かれているのではないか。
この絵をみながら、空海の言葉を思いだした。
死ぬ間際に弟子に言ったという。
「生まれ、生まれ、生まれ、生まれて、生のはじまりより冥く、死に、死に、死に、死んで、死のおわりに暗し」
冥いところから生まれ、死んでまた暗いところにかえっていく。それが人間。
くらいところというのは、おそらく母親の胎内ではないかと勝手に想像した。
子宮の中で胎児は、38億年の生命の歴史をたどりながら、この世に生まれてくる。
生命が、どんな苦難も生き抜いてきたしたたかさを考えずにはいられない。
なんとも、すごい大作に出合って、いろんなことを考えている。
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