« 介護の新しい発想④ | トップページ | 鎌田實の一日一冊(30) »

2009年7月24日 (金)

われわれはどこから来たのか⑭

~~くらいところ~~

ゴーギャンの「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか」には、闇が描かれている。
一見、何も描かれていないように見えるが、実は、ここに大切なものが描かれているのではないか。

この絵をみながら、空海の言葉を思いだした。
死ぬ間際に弟子に言ったという。

「生まれ、生まれ、生まれ、生まれて、生のはじまりより冥く、死に、死に、死に、死んで、死のおわりに暗し」

冥いところから生まれ、死んでまた暗いところにかえっていく。それが人間。

くらいところというのは、おそらく母親の胎内ではないかと勝手に想像した。
子宮の中で胎児は、38億年の生命の歴史をたどりながら、この世に生まれてくる。
生命が、どんな苦難も生き抜いてきたしたたかさを考えずにはいられない。
なんとも、すごい大作に出合って、いろんなことを考えている。

|

« 介護の新しい発想④ | トップページ | 鎌田實の一日一冊(30) »