« われわれはどこから来たのか⑫ | トップページ | 介護の新しい発想④ »

2009年7月23日 (木)

われわれはどこから来たのか⑬

~~ミトコンドリア・イブ~~

ゴーギャンの「われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへいくのか」の本物の絵を見て、
あまりゴーギャンらしくない青のイメージが強い絵だと思った。
紫の色が強く出ている。
両上の端には、日本画の琳派や狩野派の金箔を思わせるような色が使われ、真ん中に、リンゴをつかむ、少年か少女かわからない人物が描かれている。
真ん中の人間は、まるでリンゴを盗ろうとしているエバのようにも見える。

2 人間を構成している細胞のなかには、ミトコンドリアと呼ばれるものがある。
かつて別々の細胞が共生し、一つの細胞のなかにミトコンドリアという別個のDNAをもつものが入り込んだという説がある。
だから、一つの細胞のなかには、核の中にあるDNAとは別に、ミトコンドリアの独自のDNAがある。
ミトコンドリアのDNAは母親からしか受け継がれないので、母親を追いかけていくことができる。
これをさかのぼっていくと、20万年ほど前、アフリカに生きていた女性にたどりつくという。
これをミトコンドリア・イブという。

現在、生きている人類は700万年前にはじまり、何度か出アフリカをしながら、旅の途中で絶滅し、またアフリカを出る人たちがいて、世界にひろがっていった。
サルから人類に分かれ、その境目の何種類もの人間が生まれ変わりながら、出アフリカに成功し、世界中に散らばっていったのである。
ゴーギャンの絵に描かれているのは、このミトコンドリア・イブだったのではないか、と勝手に深読みしている。

|

« われわれはどこから来たのか⑫ | トップページ | 介護の新しい発想④ »