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2009年7月14日 (火)

介護の新しい発想②

虐待を防ぐには

介護の現場では、虐待が起こりやすい。
高齢者や障害者の施設でも、家庭でも、まま行われていることがある。
虐待は、する側が気がつかない場合がある。

身体的な虐待だけでなく、心理的な虐待、性的な虐待、無視するというネグレクトもある。
本人の年金を取り上げて、自由に使わせないようにする経済的な虐待もある。

施設での虐待を防ぐためには、施設の部外者が定期的に視察し、サービス利用者と話をしながら、SOSをとらえやすい機会をつくっている。
できるだけオープンにすることが、虐待の悲劇を防ぐことになる。
スタッフたちの教育を、徹底して改善する必要もある。
サービス利用者の人権を守るために、別の利用施設に変えることも手段の一つである。

家庭のなかで虐待が行われる場合は、加害者になっている家族の介護疲労も考えながら、一度分離してあげることである。
サービス利用者を施設に預けて、人権を守るとともに、加害をしている家族を休ませてあげることが大事である。
加害する人を理解したり、援助したりするのはいかにも矛盾のようにみえるが、
虐待をしている人のつらさを理解してあげることで、虐待が緩和されることがある。

しかし、虐待はいつもグレーゾーンで、もしかしたらと思いながら、安易に問題視することができない。
かえって、白黒はっきりつけないほうがいいという場合もある。
そのときには、当事者に直接話をせず、サービスを提供している側がケース検討をして、たんさんの人の目を通して、
どこまで虐待かを客観的に明らかにしながら、人間関係の改善をはかっていくことが大事である。
決定的に人間関係を壊さない努力がつねに大事であり、なおかつ、少しずつ改善していくことが大事である。

でも、改善の余地が見込まれないときには、加害者と被害者を分離して、施設でサポートすることも仕方ない選択になると思う。
大事なことは、身体的な虐待だけでないということ。
いろんな虐待があるということを考える習慣をつけて、自らの言動が、介護を受けている人をつらい気持ちにさせていないか、ふりかえれるような心の余裕をもてる現場にすることが大切である。

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