鎌田實の一日一冊(29)
『図説神聖ローマ帝国』(菊池良生、河出書房新社)
ローマ帝国が滅亡した後、群雄割拠の戦国時代が続き、かつてのローマ帝国の平和、パックスローマーがあこがれられた。
そんな時代の13世紀、神聖ローマ帝国ができる。
850年に及ぶ壮大な歴史絵巻が、資料や写真、地図、年表によってつづられ、実にわかりやすい。
著者は、『神聖ローマ帝国』『戦うハプスブルク家』『傭兵の二千年史』『ハプスブルク帝国の情報メディア革命』など、
たくさんのハプスブルクの歴史を、新鮮な視点で書いてきた。
ハプスプルク帝国が、近代郵便制度の誕生につながったなど、実ににおもしろい話も紹介されている。
壮大な歴史が、総括的に整理ができるように、うまくつくられているのもいい。
ヨーロッパの歴史が好きな人にはおすすめの一冊である。
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