発見!特B級グルメ ひつまぶし(65)
知的障害者をサポートする施設の職員や支援者、家族たちの研究会で講演するため、徳島に行ってきた。
隣の香川県は讃岐うどんが有名だが、徳島はうどんも食べるが、どちらかというと徳島ラーメンが有名だそうだ。
とんこつ味という。
迷っていると、徳島の地場産の鰻はどうか、と地元の人に勧められた。
いつもはB級グルメのラーメンを選ぶところだが、今回はつい、B級を超え、鰻を食べに行ってしまった。
吉野川のすぐ近くにある徳島市内の鰻屋さんで、ひつまぶしを食べた。
おいしい鰻を食べながら、ちょっといい話を聞いた。
~障害者が自立できるまち~
この近くの松繁町という人口15000人くらいの小さな町では、障害者の就業・生活支援センターがたいへん活発で、知的障害者たちが働いている。
しかも、知的障害者どうしが22組も結婚し、生活しているという。
こうなるまでには、長い時間がかかった。
知的障害者に対して、行政や地域住民、企業が少しずつ理解してくれるようになり、
今では、なんと10万円の給与をもらえる人が増えてきたという。
これは驚きである。
ぼくは、宮城県の「虹の園」という知的障害者の就労支援をしている社会福祉法人を応援している。
ここでは、障害者たちがおいしいピザを焼く技術を習得し、ピザハウスのチェーン店を経営するという、新しい形の障害者の就労支援を実現している。
「虹の園」の大きな目標は、障害者に1カ月5万円の給料を出すということ。
まだ3万円ちょっとである。
年金は、人によって額は異なるが、だいたい6万円もらえる。
これに給料の5万円をあわせると、月額の収入が11万円になる。
このくらいの経済的な保障があると、将来、両親が高齢になったり、亡くなった後でも、障害者はグループホームなどの何らかの施設に入って生活することができる。
だから、給料5万円は大きな目標なのだ。
しかし、これがなかなか達成できないと、虹の園の支援委員たちはものすごくがんばっているにもかかわらず、残念がっていた。
この松繁町の障害者就業・生活支援センターでは、障害者の理解してもらい、仕事場を得るために、企業をくどいてまわったという。
ここでは、三洋電機などがかなり協力的に障害者の雇用を推進しているという。
給料10万円をもらえると、生活ができるようになる。
生活ができるようになると、結婚も可能になる。
これは、障害者でもそうでない人でも同じことだ。
そして、障害者たちはパートナーを見つけて、助け合いながら生活に根を張りはじめた。
それを、地域の人やボランティアや支援委員たちが、周囲から応援しているという。
いい話だなと思った。
はじめは、知的障害者のグループホームをつくると、住民からクレームが相次いだ。
しかし、だんだんにクレームは少なくなり、むしろ声をかけてくれたり、手を差し延べてくれるようになった。
今では、松繁町では、一般のアパートの一部屋に、知的障害者のカップルが住めるようになったという。
フロイトは、働くこと、愛することの2つが実現できると、人間としての尊厳が守られる、といっている。
どんな人にとっても、働くことと愛すること、この2つは大事なのである。
ぼくたちの政府は、若者たちがまともな仕事につけないようにしてしまっている。
その結果、若者たちは結婚できない。子どもが生まれない。国が弱っていく。
若者たちが、まず働けるようにすること。
障害があろうがなかろうが、まず働けるようにすることが大事なんだと思う。
北海道の伊達市でも、障害者の就業活動が盛んで成功しているという。
ツムラは、北海道の夕張に今後、工場を出し、障害者の雇用にも協力したいと計画をしているが、
あたたかな企業をみんなが応援してあげられるといいと思う。
三洋電機の電化製品を買ってあげたくなった。
下の写真は、原村から見た台風一過の八ケ岳
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