伝える気持ち
8月17日のブログに、2000年の発売当初、『がんばらない』(集英社)という田舎医者の本にスポットライトを当ててくれた岩手県のさわや書店の話を書いた。
そのさわや書店がまたしても火付け役になって、『思考の整理学』(外山滋比古著、ちくま文庫)という古い本がベストセラーになっている。
ぼくは、てっきりさわや書店の伊藤さんのシワザと思っていた。
しかし、そうではないという。
この『思考の整理学』に火をつけたのは、32歳の松本大介くん。
「もっと若いときに読んでいれば」というポップを立てて、読者にアピールした。
これがヒットにつながったと伊藤さんは言う。
伊藤さんは、自分の後輩であるが、自分では決してつけないようないいキャッチコピーだったと、松本くんのことをほめている。
うーん。
「もっと若いときに読んでいれば」
このワンフレーズは、たしかに人に訴える力がある。
伊藤さんは、本屋だから本を売りたいのだが、「売りたい気持ち」よりも、「伝えたい気持ち」を大切にしているという。
9年前に『がんばらない』をいろんな手法で紹介してくれたときも、読んだときの感動を伝えたかったのだという。
本の虫、本のソムリエ、本のプロフェッショナル。
こういう人がいい本を発掘し、読者に手渡してくれるというのは、ありがたいことだと思った。
というわけで、『思考の整理学』の火付け役はさわや書店の松本くんだったことを、お詫びして訂正いたします。
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