イラク便り①~アルビルより
ウイーンで一泊し、17日午後4時(現地時間)、無事、イラクのアルビルに入った。
飛行機を降りるなり、イラクは「切れるような暑さ」で歓迎してくれた。
気温は約50度。とにかく暑い。卒倒しそうです。
木陰に入るが、木陰も暑い。
脱水に十分注意しなければならない。
ここアルビルは、イラクのクルド人自治区のなかにある。
ここはモスルやバクダッドと違い、かなり治安がいい。
昼食をとるために街に出ても、まったく危ないことはない。
日本からテロを心配する電話があったが、ここではそんな空気は感じられない。
気温50度という暑さと埃のなかで、人々は輝くような笑顔を浮かべている。
平和を取り戻した自信に満ちているように思える。
ナナカリ病院という病院に行った。
おんぼろ病院であるが、クルド人自治区600万人の中核病院である。
医師たちは、この地域の命を支えるために意欲を燃やしていた。
小児病棟で白血病と闘う子どもたちに会った。
白血球の減少を抑えるG-CSFという薬や、抗がん剤ビンクリスチンが足りないという。
今回、キリンビールの寄付のおかげで、これらの薬をもっていくことができた。
これで治療ができると、病院から大変感謝された。
医師からは「院内学級をつくってほしい」という要望も出た。
そう、この子たちが育っていくには、医療も、教育も、大切なものである。
この病院には、医療機器フローサイトメトリーがある。
この医療機器は、白血病の遺伝子解析ができ、遺伝子に合った治療を行ううえで重要な役割を果たす。
また、ぼくらは劣化ウラン弾による被爆を診断するために役立つと期待している。
しかし、現状は、これを活用するための費用も技術も足りなかった。
医療機器や薬だけでなく、それを活用するための技術支援も必要なのである。
どんな支援が必要なのか、実際に訪ねたからこそ見えてくることである。
来年2月に、イラクの5つの小児病院のドクターたちと、このアルビルでカンファランスを予定しており、このナナカリ病院にもその世話役になってもらう予定である。
★B級グルメ in イラク
暑さと忙しさなか、小休止。
ウイーンではウインナーコーヒーを飲んだが、イラクではやはりトルキッシュコーヒー。
泥のようなコーヒーの上澄みを飲む。
カルダモンの香りがほんのりしておいしい。
昼食は、ドルマという料理。
玉ねぎやトマトの中をくりぬいたところに、ご飯が入っている。
イラクのB級グルメである。
スパイスがよくきいている。
ごはんものが好きなぼくは、こういうの大好き。
ちなみにアルビルは、ときどき電気が落ちて、食事中など真っ暗になる。
バスラで院内学級をしているイブラヒムによると、バスラでは1時間電気がついて、6時間停電するという。
ここアルビルは、20分に一度くらい停電するが、1、2分で復旧する。
アルビルはいいと言っていた。
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