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2009年8月11日 (火)

バナナ屋

山形から手紙が届いた。
山形で朗読会をやっている人からで、『雪とパイナップル』を朗読させていただくと、わざわざ知らせてくれた。

本のなかに出てくる「バナナ屋」のことが本当にあるのか、気になっていて、山形から茅野市までわさわざ見に来たという。
笑ってしまった。
土曜日の夕方訪ねたが、お店は閉まっていたという。
しかし、「訪ねてきてよかったと思いました。たしかにあったのです」と書かれている。
もちろんぼくの本は、エッセイなので、本当の話である。
バナナ屋も当然、実在している。Yukitopineapple

だが、ちょっと気になった。
土曜日の夕方、店が閉まっているというのは、もしかしたらつぶれたのかなと不安がよぎる。
何十年も前の、引き戸のガタピシきているような、古いお店である。
ぼくが一年ほど前にのぞいたときには、看板は出ていたが、なかにはバナナは置いてなかった。
そのときも、お店はいつまで続くのかとちょっと心配になっていた。
古いものが大切に残されている町であってほしいが、後を継ぐ人がいないと、それも難しい。

『雪とパイナップル』の話をもう一つ聞いた。
岐阜経済大学でオープンキャンバスがあり、そこでぼくは毎年、大学生や進学を目指している高校生たちとディスカッションをしている。
オープンキャンバスにやってきた高校生たちが、ぼくの『雪とパイナップル』を芝居にして、秋に上演するという。

ありがたい作品である。
バレエにもなった。歌にもなった。
たくさんの人が朗読をしてくれている。
目の見えない人たちのために、テープ録音もしてくれている。
映画化しようとしている人たちもいる。
『雪とパイナップル』は、勝手に一人歩きをはじめたように思う。
うれしい。

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