鎌田劇場へようこそ! 番外編
6月24日のこのブログで「ポー川のひかり」を紹介した。
公開以来、満員御礼が続いているという。
岩波ホールでは、うれしい誤算に、上映回数を増やす計画をしている。
この映画は、名匠エルマンノ・オルミ監督の最後の作品という。
カトリックの世界を描いているようにみえるが、実は、人間にとって大切なものは何かという、シンプルな問題を描いているようにぼくは思う。
そんな見方をすると、この映画の面白みが倍化するのではないか。
とにかく美しい映画である。
映像のなかの川や風、光を見ていると、タオイズムのような宇宙観に触れられるような気がする。
オルミ監督が意図したものではないかもしれないが、日本人にとっては、「無私」という自分をなくした視点でこの映画を見てみると、生きるということはどういうことなのかが見えてくるような気がする。
映画が好きな人には、たまらない映画である。
CGを使ったハリウッド映画に辟易して、映画から遠ざかっていた人々がもう一度、この映画をきっかけに、映画館にもどってくるといいなと思っている。
お盆の間は、「ポー川のひかり」をみながら、人生とは何かを少し考えてみてはどうだろうか。
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