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2009年9月25日 (金)

幸せな本

名古屋からある人が諏訪中央病院を訪ねてきた。
3年前、末期咽頭がんといわれたという。
娘さんから、「この本読んでみて」と渡されたのが、ぼくの『がんばらない』(集英社)。
最初は、末期がんで余命も少ないのに、なんでいまさら、と思ったという。Photo
しかし、入院中は何もすることがなく、なんとなしにぼくの本を読みはじめた。
読み始めると夢中になり、治療の合間を縫って読んだ。
三回読み直したという。

「死ぬということに、あまり抵抗感がなくなった」とその人は話してくれた。
「なんとかなるでしょうと、自然に思えるようになった」という。
その甲斐があってか、病状はめきめきよくなった。
現在は頼まれて、小規模多機能施設の施設長として働いているという。

わざわざぼくに会いに、10人ほどと一緒に来てくれた。
ほかの方々もみんながんを患ったが、ぼくの本を回し読みしながら、心の元気をつくっているという。
『がんばらない』『あきらめない』を元気がなくなった人たちにおすすめすると、みんな喜んでくれると話してくれた。

全国を講演で訪ねていても、とにかくにぼくの本を読んで、元気をもらったと声をかけてくれる人が多い。
幸せな本だと思う。

写真は、木の葉が色づく岩次郎小屋

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