医師たちは疲れている
日本医師会は今年度2月に勤務医1万人を対象に調査を行った。
3879人の回答があり、そのうちの約6%が自殺や死について考えているという結果が出てきた。
自殺や死について、ちょっと考えたことがあるという程度ではなく、一週間に数回考えたことがあると答えた人が5.3%いた。
さらに、実際に自殺を計画したり、死のうしたというドクターは0.4%いたという。
今までのこのブログでも、日本の医療は土俵際にいると言い続けてきたが、小泉改革によって、病院の勤務医は非常につらい状況に追い込まれている。
1週間ほど前、NHKBSの「きょうの世界」に出演した。
内容は、主にイラクのバグダッドを中心に、ドクターが不足しているというテーマである。
イラク戦争がはじまってから、約5000人のドクターがイラク国外へ出てしまった。
200人のドクターが殺されたという。
虐殺を繰り返したポルポト政権は知識人である医師をまず血祭りに上げた。
中国の紅衛兵運動も、医師を槍玉にあげている。
医師という命を支える砦が崩れることで、復興にどれだけ多くの時間がかかるかわからない。
医師はつねに中立。
どんな体制になろうと、どんな政治状況になろうとも、国民の命を守るという姿勢が正しいと思う。
医療にムチを打ったり、あるいはご褒美をだしたり、そういう風見鶏のような政策ではなく、医療は国民を守る最も大事なものという認識で、正面から取り組んでほしい。
政権をとった民主党も、野党になった自民党も、医療の大切さを忘れないでほしいと思う。
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