がん難民からの回復
東京から、ぼくの外来にセカンドオピニオンを受けに来たご夫婦がうれしい報告に来てくれた。
2年半前、はじめてお会いしたときは、奥さんは乳がんで、どこの病院にもかかっていなかった。
ナントカ温泉にいったり、民間療法をしているだけだった。
いわゆるがん難民。
乳がんの部分は壊死に陥り、出血し、たいへん厳しい状況に追い込まれていた。
しかし、すぐに東大の放射線科の中川先生に紹介した。
放射線治療は効を奏し、現在はたいへんいい状態になっている。
中川先生のご本にも、実名、写真入りで協力したり、学会で「がん難民から回復して」というシンポジウムに参加いただいたり、研究会でもご自分の経過を公表してくれた。
がん難民になり、途方に暮れている方の役に立てばということで、ぼくのエッセーにも何度か書かせていただいたこともある。
ご主人は肺がんがあった。
心筋症があることと腎機能不全があること、そして年齢を考慮して、ぼくは重粒子線治療をすすめた。
医師も紹介し、予約もとってさしあげた。
その治療が成功し、2年半、今のところ完治状態が続いているという。
今回のうれしい再会を、ブログにのせてよろしいですか、とお願いしたら、
どうぞなんでも利用してください、と温かなお答えであった。
がんだから、もうだめと考えてはいけない。
いろいろいい治療法はあるのである。
がんばりすぎる必要はないが、あきらめてもいけないし、なげだしてもいけないのである。
無理をしない、いい治療があるということである。
東京から来られたご夫婦に再会し、お2人ともに今のところいい成果がでて、バンザイ。
3人で、うれしいいときを過ごした。
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