唐組公演「盲導犬」
唐組44回公演「盲導犬」を見てきた。
もちろん、唐十郎の作演出。
この「盲導犬」は、唐十郎が37年前、石橋蓮司や緑魔子らがやっていた第七病棟のために書いた脚本だが、当時の唐十郎の状況劇場でも、一度も上演していなった。
37年ぶりの、しかも自分の劇団でのはじめての上演となった。
これだけのすばらしい脚本をそのままにしていたのは、よっぽど次々に新しい芝居をつくる自信があったのだろうな、とあらためて唐十郎の才能を感じた。
セリフはほとんど当時のまま。いじっていない。
ドキドキするほど今の時代に合っている。
セリフはリズムよく、機関銃のように続くが、いつもどこかで詩的。
稲荷卓央がいい。
鳥山昌辰がいい。
芝居は、超幻想的。
新宿のコインロッカーの前にたどり着いた男や女たちの、現世とあの世の境界が出会う、わけがわからないが、心地よい世界が展開する。
公演はジブリの森で行われた。
エンディングは、いつものように舞台装置がパンと開き、舞台の向こう側にジブリの深い森が口を開けている。
なんとも幻想的なエンディングであった。
23~25日は、雑司が谷の鬼子母神で公演がある。
ぜひ、ぜひ、ご覧ください。
写真は、唐組「盲導犬」のもよう(撮影者・首藤幹夫さん)
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